ダイビングインストラクターになるには
- 2020.09.15
ダイビングインストラクターの概要や仕事内容
ダイビングインストラクターとは?
ダイビングインストラクターとは、スキューバダイビング(スキューバ=自給式水中呼吸装置を利用して水中を楽しむスポーツ)の体験をする方に対するガイドや指導、ライセンスを取得したい人に対する教育や指導する職種です。
ダイビングインストラクターの仕事内容とは?
スキューバダイビングインストラクターの代表的な仕事には、次のようなものがあります。
①ダイビングライセンス取得のための指導
スキューバダイビングのライセンスを発行している団体は国内だけで30ほど存在しており、それぞれ資格名称やダイビング可能な水深などが異なります。
ダイビングショップに所属するインストラクターは、各団体のライセンスを取得するための講習会などを行っています。講習内容も団体によって異なりますが、約3~4日間のスケジュールで行われ、学科やプール実習、海洋実習などが行われます。その指導から認定までをダイビングインストラクターが行います。
②ダイビングの付き添い・ガイド
一般の人の体験型ダイビングへの付き添いをすることだけでなく、ライセンスを持つダイバーに対してダイビングスポットの見どころをガイドすることもスキューバダイビングインストラクターの仕事です。
海に出る日は天候と潮の流れなどを考慮してから顧客の受け入れ可否を決定するため、まず朝に天気図をチェックします。
受け入れ可能な場合は、顧客に来店を促す連絡をしたり集合場所まで迎えに行ったりします。
そして、ダイビングスポットまで顧客を乗せていくボートや船、貸し出すダイビング器材などの点検を行います。
また、事故防止のためにあらかじめ各顧客のダイビング記録(ログ)やライセンスを確認して、顧客のダイビング技術を把握しておくことも重要です。
顧客がショップに到着したら、顧客をダイビングスポットへ案内します。
到着後は改めて天候などを確認・判断し、各顧客の技量や体調に合った適切なサポートや指導を行います。
終了後はログをつけます。ログには回数や水深などが記録されているため、ダイビングライセンスやインストラクターライセンスを取得するための要件となるのできっちりと書いておかなければなりません。
最後に貸出機材を整備して現場での業務を終えます。
③陸上業務
ダイビングインストラクターの仕事の6~7割は陸上での業務となっています。
ダイビングショップは小規模な店舗が多いため、店舗運営に必要な業務はインストラクターも含めたスタッフ全員で行うケースがほとんどです。
そのようなケースでは、送迎の手配や、ダイビング器材の整備、ダイビング用品の販売といったこともインストラクターが担当します。
ダイビングインストラクターになる方法(資格取得方法等)
スキューバダイビングインストラクターになるには、数ある認定団体のインストラクター試験のいずれかに合格する必要があります。
団体ごとにインストラクター試験の詳細は異なりますが、どの団体でもまずはダイバーとしてのダイビング技術を証明する資格を取得してからインストラクター資格を目指していくことになります。
ダイビングインストラクターの6割はPADIという認定団体のライセンスを取得しているようですので、ここではPADIについてみていきましょう。
資格難易度や試験について
試験について
まず、インストラクターになるためにまず「ダイブマスター」の資格を取得しなければなりません。ダイブマスターはダイビングスキルをダイビングのプロとして磨き、PADIインストラクターや生徒ダイバーのアシスタントを経験しながら、リーダーシップ能力を開発する資格です。
ダイブマスターの資格を得たらPADIインストラクターの受講が可能になります。
PADIインストラクターの概要は以下の通りです。
●試験の概要
※下記は2020年の試験の日程です。
参加条件:
・ダイブマスター以上または同等の他団体でリーダーシップレベルに認定されていること
・18歳以上であること
・60ダイブのオープンウォーターダイブの経験証明(ディープ、ナイト、ナビゲーションを含む)
・認定ダイバーになってから、6ヶ月以上経っていること
・過去2年以内にCPR(心肺蘇生法)とファーストエイドのトレーニングを受けていること
・ダイビングに適した健康体であり、過去12ヶ月以内に行なわれたダイビング健康診断のPADI病歴/診断書を提出すること
参加資格:
・ダイバーの認定を受けてから6カ月以上で100ダイブ以上のログの経験を持っている方。(CDC6週間プログラム参加のアシスタント・インストラクターは60ダイブ)
・IDC/OWSIプログラム修了日から1年以内の方
試験内容:
・筆記試験(5つの理論エグザムとシステム・規準・手続きエグザム)
・知識開発プレゼンテーション(処方的な教え方)
・限定水域(限定水域プレゼンテーションと5種類のスクーバ・スキル)
・オープン・ウォーター(プレゼンテーションとレスキュー・デモンストレーション)
試験日程:地域によって異なる。
沖縄の場合は2020年に9回開催され、それぞれ場所も異なる。
受験したい地域でいつ開催されているか要確認。
※なお2020年についてはコロナウイルス感染拡大防止の観点から中止されている試験もあるようなので注意が必要。
今後のダイビングインストラクターの将来性
海が無くならない限りダイビングインストラクターの仕事は無くならないと考えられます。本格的なレジャーになってから約50年の歴史のマリンスポーツですが、今や全世界の人がレクリエーションとして受け入れているため廃れることはないでしょう。
また、ダイビングの常識としてゲスト側も自分の安全管理は自分で行う自己責任の原則がありますが、事故があった場合はインストラクター側の責任も問われます。
そして今後の流れとしてはインストラクター側に過失が無かったかという点が重点的に置かれていくようになることが考えられるため、責任が重くなっていく職業となっていきます。
しかし責任が重くなっていくことに伴って、年収が上がっていく可能性もあるのです。
仕事がなくなる可能性が少なく、この先年収も上がる可能性があることを考えると将来性は十分にあると言っても過言ではないでしょう。
ダイビングインストラクターの就職先
ダイビングインストラクターの主な就職先には次のような場所があります。
・ダイビングショップ
・インストラクター養成講師
・フリーランス など
ダイビングインストラクターの平均年収・MAX年収
ダイビングインストラクターは薄給だと言われているようで、平均年収は約250万円となっています。
日本人の2019年の平均年収が441万円となっていますので、それと比較するとかなり少ないことがわかります。
ただし前述したとおり、年収が増加している傾向にあるようですので、長く勤めている方からすると最近は恵まれていると言います。この先も増加していく可能性もあります。
なお、30代の平均年収は約300万円、40代は約380万円となっています。
役職がついてくると少し安定してくるでしょう。
ダイビングインストラクターに向いているのはこんな人
なんと言っても海と泳ぐことが大好きで、コミュニケーション能力がある人です。
しかしそれだけではなく、海に潜ると言うことは事故が起こる可能性がありますので、それなりの責任感を持って人に指導してあげられる人でなければなりません。
そして欠かすことのできないのが体力です。有名な観光地になると一日中海に潜っていなければなりませんし、スキューバのタンクはかなり重たく、約15㎏もあるようですのでそれを準備したりしなければならないので大変です。
他にも体調管理ができる人、平常心で行動することができる人などがダイビングインストラクターに向いている人だと言えます。
ダイビングインストラクターに関連する職業や資格
●関連する職業
●水中カメラマン
ダイビングの腕があり、写真が好きであれば水中カメラマンという道もあります。
●旅行会社
ダイビングの資格は世界で使うことができますので、いろんな場所でダイビングの仕事をしている人は企画やガイドとして役に立つとのことで旅行会社に採用される人もいるそうです。
●関連する資格
●潜水士
ダイビングインストラクターとは直接関係ありませんが、国家資格である潜水士の資格を取得しておけば、水中工事や掘削と言った潜水を伴う業務を行うことができるようになります。
潜水士の受験資格に制限はないので、水に潜ることが好きで、ダイビング以外にも水に潜る仕事がしたいと考えている人は職務可能な範囲を広げるため、また安定した収入を得たい場合などに取得してみてはいかがでしょうか。
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