漫画家になるには

  • 2020.09.15
  •        
漫画家になるには
      
              

気になる学校を探してみよう

学校種別
エリア
職種
   

漫画家の概要や仕事内容

漫画家とは

漫画家とは、漫画を描く職業です。ストーリーや構成を考えて絵やセリフを描き、漫画を作り上げています。
漫画家の手掛ける漫画というとコミック本のイメージが強いですが、それだけではありません。雑誌に掲載する漫画やウェブに掲載する漫画など、漫画にもいくつかの種類があります。
手掛ける漫画の種類によって分けると、漫画家は大きく以下の3種に分類されます。

商業漫画家
漫画雑誌や一般雑誌、コミックスなど、市販されている媒体で漫画を描く漫画家。
漫画を載せる雑誌は数多く発行されており、ジャンルや発行サイクルもさまざまです。多くの場合、雑誌に掲載された作品がコミックスとして単行本化され、書店に並ぶことになります。
ウェブ漫画家
電子書籍やウェブ漫画用の漫画を描く漫画家。
近年漫画アプリや漫画サイトが増加し、その需要は高まりを見せています。また、SNSに自分の作品を載せる漫画家も多く、ウェブ漫画の可能性は広がりを見せています。
広告漫画家
企業や店の宣伝のための漫画を描く漫画家。
クライアントの希望に基づいて、漫画で商品やサービスの魅力を表現します。商業漫画やウェブ漫画と違ってストーリー性はあまり重視されず、内容やボリュームも軽めになるため、イラストレーターに近しい仕事だと言えるでしょう。

漫画は、ひと昔までは紙に専用のペンを使ったアナログな手法で制作されていました。しかし、近年ではパソコンの一般化やソフトの発達によってデジタルな手法で制作されることが多くなり、漫画の世界も社会のデジタル化に伴い、進化を見せています。

漫画家の仕事内容とは

漫画家の仕事は、漫画を描くことです。漫画の制作にはいくつかの工程があり、以下のような流れを踏むのが一般的です。

漫画制作の流れ

  1. プロット、キャラクターデザイン作成→漫画のストーリーやキャラクター設定、構成などをまとめます。
  2. ネーム作成→コマ割りや絵、構図、セリフなどを簡単に描いていきます。
  3. 下描き→ネームを基にして、原稿用紙に鉛筆で下描きを行います。
  4. ペン入れ→下描きをペンでなぞります。
  5. ベタ塗り、トーン貼り、ホワイト→必要に応じて、ベタ・トーン・ホワイトなどで加工します。
  6. セリフ入れ→手書きまたは打ち込みなどでセリフを入れます。

漫画家は、主にこのような流れを経て漫画を完成させます。また、担当者との打ち合わせや修正にも対応しなくてはなりません。場合によってはアシスタントを雇うこともあるでしょう。
このようにして、漫画家は担当者やアシスタントと連携し、納期を守りながら、漫画を作り上げていきます。

漫画家になる方法

漫画家になるための学歴や経歴、資格などは定められていません。漫画家の中には、一般大学・高校出身者も、美術大学出身者も、漫画家育成スクールで漫画の描き方を学んだ人もいます。
漫画家になるための第一段階は、自身の漫画作品を完成させることです。そしてそれを発表するためには、以下の3つの方法があります。

コンテストへの応募
漫画雑誌を中心に、漫画作品のコンテストは多く開催されています。それに自身の漫画作品を応募し評価されれば、受賞して漫画家デビューや連載が決まる可能性があります。
出版社への持ち込み
出版社に直接自身の漫画作品を持ち込み、編集者から評価を受ける方法です。そこで実力が認められ、デビューした漫画家も少なくはありません。
ウェブツールへの投稿
SNSやホームページに自身の漫画作品を掲載し、多くの人に見てもらう方法です。質の高い作品であれば口コミが広まったり編集者の目に留まったりし、漫画の出版が決まることもあります。

このような方法で、審査員や出版社社員に評価されれば、自身の漫画を単行本として発表できたり、雑誌に連載を持てたりと、本格的に漫画家として活動できる可能性があります。
ただし、漫画家として成功する人はほんの一握り。抜きん出た実力やセンスがなければ、担当者の目に止まることも、活躍を続けることも困難です。そのため、常に実力とセンスを磨く努力は、漫画家になるためにも、漫画家を続けるためにも必要でしょう。

漫画家に求められる資格や試験

漫画家には、必須となる資格や試験はありません。近年では自身のSNSやホームページに作品を載せることもできるため、誰でも漫画家として活動することは可能です。
ただし、雑誌に作品が掲載されたり単行本を発売したりする漫画家になるためには、実力を出版社や企業に認められなければなりません。そのため、漫画制作の実力を磨くことが、漫画家にとっては重要です。絵を描く表現力はもちろん、魅力的なストーリーや構成を発案できる力を身につける努力が、資格の取得よりも有益だと言えるでしょう。

今後の漫画家の将来性

日本の漫画は非常に評価が高く、日本文化のひとつとして世界中から注目されています。人気の高い漫画は海外でも多く読まれ、グッズが多数販売されたりイベントが開催されたりと、大きな経済効果を生んでいます。そして、その背景には漫画家が欠かせず、優れた漫画家は今後も日本文化の担い手として、活躍を続けていくでしょう。
しかし、漫画雑誌の販売部数は、2000年代に入り、大幅に減少しているのが現状です。これには、電子書籍やウェブ漫画の影響が大きいと考えられます。漫画家として成功することはそもそも難しいことですが、今後紙媒体の漫画家として活躍することは、さらに難しくなるでしょう。
一方で、電子書籍やウェブ漫画の分野は今後も伸びていくことが予想されます。漫画家としての将来性を高めるためには、視野を広げ、新たな媒体に目を向けることもひとつでしょう。

漫画家の就職先

漫画家は、フリーランスで働くケースがほとんどです。正社員として漫画家を採用している企業は、まずありません。そのため、就職先を挙げることは困難です。出版社と契約したり企業から仕事の依頼を受けたりしてフリーランスとして仕事を行うのが、漫画家の主な勤労形態でしょう。
また、漫画家の中には一般企業に就職しながら、副業として漫画の仕事を続けている人もいます。副業の規制が緩和されつつある昨今、このような働き方は増えていくかもしれません。

漫画家の平均年収・MAX年収

漫画家の年収には幅があり、一概に平均年収を述べることはできません。多くの連載を抱え単行本を出版している人気漫画家であれば、軽く1000万円を超える年収を得ていることもあるでしょう。ただし、そのような漫画家はほんの一部です。漫画家として成功することは難しく、雑誌や単行本、ウェブなどの媒体で漫画を描けなければ、収入は得られません。連載の打ち切りや単発の案件により、仕事が安定しないこともあります。
収入の低い漫画家の中には、漫画家のアシスタントとして働いたり別の仕事を掛け持ちしたりしている人もおり、漫画家として成功を目指すためには経済面での忍耐も必要でしょう。

漫画家に向いているのはこんな人

漫画家に向いているのは、絵を描くことやストーリーを作ることが好きで、その技術に優れている人です。そしてそれには、独創性や表現力が求められます。高い技術を持って、個性的で優れた表現ができれば、人を魅了する漫画を生み出すことができるでしょう。
さらに、漫画家には精神的・肉体的なタフさも必要です。漫画の制作は、多大な作業や時間を要するためです。場合によっては、十分な休憩を取れず、徹夜をすることもあるでしょう。締め切りを守りながら、漫画を完成させ、同時に続きのストーリーを考えるということを続けるためには、心も体も強くなければなりません。
また、漫画家は編集者やアシスタント、クライアントなど、人との関わりも多い職業です。そのため、人とのコミュニケーション能力や会話の理解力が高いことも、漫画家に向いている人の要素だと言えるでしょう。

漫画家に関連する職業や資格

漫画家に関連する職業

漫画家に関連する職業としてまず挙げられるのは、出版社などに所属する編集者です。編集者は、スケジュールを管理したり作品のアドバイスを行ったりと、漫画家の仕事をサポートします。漫画の制作において、漫画家と編集者の連携は欠かせず、編集者は漫画家と密なコミュニケーションを取りながら、漫画作品作りに深く関わっています。
また、絵を描く職業としては、画家やアーティスト、イラストレーター も漫画家の関連職として数えられます。これらの職業は、絵の技術や独創性、表現力が求められるという点でも共通しており、漫画家も画家も、同じ芸術家の一種と言えるでしょう。

漫画家に関連する資格

漫画家になるために資格は必要ありませんが、漫画に関連する資格は存在します。
それは、日本漫画能力検定協会による「漫画能力検定」です。通称「漫検」と呼ばれるこの民間資格は、「漫画キャラクター検定」「漫画家アシスタント検定」「似顔絵検定」の3つに分けられており、漫画やキャラクターを描くレベルを測るために実施されています。
「漫画能力検定」は、どのコースも実際に漫画やキャラクターを描く実施試験になり、またプロによる審査を受けられるため、漫画の実力を磨くためには有効でしょう。

漫画家になれる専門学校はこちら