ファッションアドバイザーになるには
- 2020.07.21
ファッションアドバイザーの概要や仕事内容
ファッションアドバイザーとは
ファッションアドバイザーとは、販売員またはショップ店員とも呼ばれ、アパレル商品を扱う店舗で接客販売を行う職業です。来店した客を相手に接客を行い、商品の購買へと繋げています。
そんなファッションアドバイザーの仕事は、ただ服や小物の接客販売を行うだけではなく、顧客のニーズに応じたアドバイスや提案も行うのが特徴です。TPOや好みに合ったアイテムを紹介する他、コーディネートのアドバイスや服の手入れの相談にも乗り、顧客とコミュニケーションを取りながら、充実した買い物の時間を提供します。
また、ファッションアドバイザーはファッションやコーディネートのプロとして、店舗のディスプレイやマネキンコーディネートを手掛けることもあり、店舗やその商品を魅力的に見せるための役割も担っています。
ファッションアドバイザーの仕事内容とは
ファッションアドバイザーの仕事は、百貨店の売り場やアパレルショップで、来店客への接客を行うことです。顧客の相談に乗ったりニーズを聞き出したりしながら、服選びやコーディネートのアドバイスを行います。また、ファッションアドバイザーは服の精算や梱包も行い、顧客を見送ります。
他には、商品発注やディスプレイ作成、在庫管理、タグ付け、売り場の整理など、店舗運営のためのさまざまな業務も、ファッションアドバイザーの仕事の一部です。ミーティングや店の清掃なども行い、いつでも気持ち良く顧客を迎えられるよう、他のスタッフと連携しながら柔軟に業務を行います。
ファッションアドバイザーになる方法
ファッションアドバイザーになるために、学歴や資格の規定はありません。誰でも、ファッションアドバイザーとして百貨店やアパレル企業、アパレルショップに就職することは可能です。
しかし、中にはファッション系の大学や専門学校でファッションに関する知識を身に付けてから、ファッションアドバイザーとして就職する人もいます。コーディネートや商品特性をあらかじめきちんと学んでおけば、就職後には専門知識を生かして即戦力として活躍することができるでしょう。
また、一人前のファッションアドバイザーになるためには、実務を通じて知識を深めたり接客技術を高めたりすることも大切です。経験を積むにつれ、ファッションアドバイザーとしての実力の向上も見込めます。
ファッションアドバイザーに求められる資格や試験
ファッションアドバイザーには、必ず取得しておかなければならない資格はありません。
しかし、ファッション関連の資格や検定は多く実施されています。その中でも、一般財団法人日本ファッション教育振興協会によって実施されている「ファッション販売能力検定」は、ファッションアドバイザーの仕事に直結する内容になっています。
この「ファッション販売能力検定」とは、ファッションアイテムの販売に関する商品知識や接客技術などを測る検定で、1級〜3級までの3レベルで実施されています。級が上がるごとに内容のレベルは上がり、3級は基本、2級は実務経験をある程度積んだスタッフ向け、また1級は店舗マネジメントを行う責任者向けとされています。
「ファッション販売能力検定」はどの級も全て筆記試験であり、受験資格も定められていないことから、比較的チャレンジはしやすいでしょう。
難易度や試験について
ファッション販売能力検定の合格率は、3級が70%程度、2級が50%程度、1級は不明です。比較的易しいレベルであるとは言われていますが、級が上がるごとに難易度も上がることから、特に1級合格のためにはしっかりとした事前学習が必要でしょう。
試験の概要は以下の表をご覧ください。
3級 | 2級 | 1級 | |
受験日程 | 7月、12月 | 2月 | |
受験料 | 6,000円(税込) | 6,500円(税込) | 13,000円(税込)、
科目受験の場合は1科目4,500円(税込) |
試験会場 | 協会指定の会場、教育機関 | 東京会場のみ | |
試験形式 | 選択(マークシート) | 記述、選択 | |
試験時間 | 9:20~12:40 | 10:30~16:10 | |
受験資格 | 特になし | 特になし | |
合格条件 | 各科目70%以上の得点率(目安) | 各科目60%以上の得点率 |
※2020年現在の概要です。
今後のファッションアドバイザーの将来性
ファッションアドバイザーは、服の販売において広く活躍しています。アパレルショップの多くにはファッションアドバイザーが常駐し、またファッションの市場自体も拡大はしていないものの、高止まりの状態にあります。
しかし、近年ではインターネットショッピング利用者が増加しており、アパレル商品もその例外ではありません。これにより店舗に訪れる顧客が減れば、ファッションアドバイザー の需要が減少する恐れがあります。とはいえ、顧客の中には店舗で接客を受けて服を買いたいという人も一定数いるため、ファッションアドバイザーという職業自体がなくなるようなことはないでしょう。
このような背景を踏まえ、ファッションアドバイザーとして活躍を続けるためには、顧客に「この人から買いたい」と思わせるような高い接客スキルを持つことが必要です。
さらに、ファッションアドバイザーという職業は、20代30代の活躍が多く、立ち仕事による体力や待遇の低さなどから、長く続けることが簡単ではありません。将来性を高めるためには、スキルアップよって管理職を目指すなどし、長く働けるための土台を作ることが重要でしょう。
ファッションアドバイザーの就職先
ファッションアドバイザーの就職先は、服や鞄、靴、ファッション小物などを扱うアパレルショップです。ファッションアドバイザーの求人は多く、就職自体は難しくはありません。
しかし、ショップによっては審査が厳しかったり就職競争率が高かったりする場合もあります。就職先を選ぶ時には、自分が好きなショップや雰囲気に合ったショップを選べば、採用の可能性は上がるでしょう。
また、ファッションアドバイザーは正社員や契約社員、派遣社員、アルバイト、パートなど、幅広い形態での雇用が可能な職種であり、待遇もさまざまです。そのため、自分に合ったショップや条件で働くためには、自身のライフスタイルやビジネスプランとのマッチングについても考える必要があります。
ファッションアドバイザーの平均年収・MAX年収
ファッションアドバイザーの平均年収は、300万円前後が一般的です。これを月給に換算すると、20万円ほどになるでしょう。この給与水準は、日本人全体の給与と比較しても、決して高くはありません。ただし、勤めるショップや場所、役職などによっても年収は大きく変わります。
また、ショップによっては販売成績に応じたインセンティブがあったり自社製品の社員割引があったりと、プラスアルファの手当てが出されるようです。
一方、派遣社員やアルバイト、パートなど時給で働く場合には、時給1,000円〜1500円ほどが、ファッションアドバイザーの時給相場になります。
ファッションアドバイザーに向いているのはこんな人
ファッションアドバイザーに向いているのは、ファッションや服が好きな人です。ファッションや服に対する興味が大きければ、ファッションに携わる仕事へのモチベーションが上がるとともに、ファッションアドバイザーとしての知識や技術の効率的な向上も目指せるでしょう。
また、ファッションに対する知識やセンスに優れており、流行に敏感であることも、ファッションアドバイザーには求められます。服の選択やコーディネートには流行やセンスが大きく影響するからです。このような点に優れていれば、ファッションのプロとして、的確なアドバイスを顧客に行えます。
さらに、接客を行うファッションアドバイザーは、コミュニケーション能力に長けていることも大切です。うまく顧客とコミュニケーションが取れれば、会話をしながらニーズを引き出し、商品の販売に繋げられるでしょう。
ファッションアドバイザーに関連する職業や資格
ファッションアドバイザーに関連する職業
ファッションアドバイザーに関連する職業には、ファッションデザイナーやパタンナー、ファッションコーディネーターなどがあります。これらは全てファッションに携わる職業ですが、ファッションアドバイザーがファッションアイテムの販売を行うのに対し、デザイナーやパタンナー、コーディネーターは、主にファッションアイテムの企画・製作側の仕事を担います。
ファッションアドバイザーは、デザイナーによるデザインの意図を汲みながら、パタンナーにより作られた服を、ファッションコーディネーターによる計画に基づいて販売することになります。
これらの職業はファッションアイテムを製作・販売するためのひとつのチームでもあり、その関連性は深いと言えるでしょう。
ファッションアドバイザーに関連する資格
ファッションアドバイザーに関連する資格には、先述の「ファッション販売能力検定」の他にも、「ファッションビジネス能力検定」や「ファッション色彩能力検定」などがあります。
「ファッションビジネス能力検定」とは、ファッションビジネスに関する知識を問う検定です。マーケティングや流通などのビジネス部門の他に、ファッションコーディネートや商品知識といったショップでのファッション販売に通ずる内容も含まれており、その知識はファッションアドバイザーの実務に行かせます。
また「ファッション色彩能力検定」はファッションに特化した色彩の知識を測るものです。ファッションアドバイザーは、色を使ったコーディネートや商品選択のアドバイスを行うことも多いため、この検定資格も役立てられるでしょう。
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