研究・技術者(食品系)になるには

  • 2020.07.21
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研究・技術者(食品系)の概要や仕事内容

研究・技術者(食品系)とは

研究・技術者(食品系)とは、食品やその加工技術に関する研究・開発を行う職種です。食品メーカーや食品関連の研究所に勤め、食品やその栄養、農学、水産学、化学などさまざまな観点から「食」に関する研究を行っています。
そんな食品系の研究・技術者が行う仕事の中でも代表的なものは、新商品の開発です。研究・技術者は、あらゆるニーズやコンセプトを想定した新商品を、栄養や技術、コストなどを加味しながら作り上げていきます。そして、このようにして開発された新商品は、スーパーやコンビニエンスストアなどに並び、人々の元へ届けられています。
また、食品系の研究・技術者は、新商品の開発以外にも、技術開発や品質管理、技術指導など幅広い業務を担います。時には、バイオなどの高度な技術を用いることもあり、その専門性は非常に高いと言えるでしょう。

研究・技術者(食品系)の仕事内容とは

食品系の研究・技術者の仕事は、多岐に渡ります。分野も幅広いため、分業が為されていることも多いでしょう。
ここでは、主な仕事内容を挙げてみましょう。

  • 新商品の研究・開発
  • 食材の研究・開発
  • 食品の品質・衛生検査
  • 技術開発
  • 技術指導
  • 現場の作業管理
  • 製造機器や工程の管理

このように、研究・技術者は、新商品の開発から現場の管理まで、さまざまな仕事を行います。
また、公的研究所に勤務する場合には、民間との共同研究を行うこともあるでしょう。

研究・技術者(食品系)になる方法

研究・技術者(食品系)になるために規定されている学歴や資格はありませんが、ほとんどの企業では四大卒以上を条件としています。
大学や大学院で栄養や食品、農業、水産、バイオ、機械工学などを学び、就職活動を経て、卒業後に食品メーカーや研究所に就職するというのが一般的なルートでしょう。
また、公設の研究所で研究・技術者として働く場合には、国家公務員試験および地方公務員試験を受験し、合格しなければなりません。その後、希望機関の求人に応募し、採用されれば、研究所職員として勤務できます。しかし、公設の研究所では研究職のポストに空きが出ることが少なく、毎年求人があるわけではないようです。

研究・技術者(食品系)に求められる資格や試験

研究・技術者(食品系)に、必須とされる資格はありません。資格よりも、食品や栄養、農学、水産学、工学、化学などに関する知識や研究の技術が求められると考えられます。
また、食品系の研究・技術者の仕事はかなり専門的であるため、就職後に仕事をこなすためには、大学や大学院で研究・開発のノウハウをしっかりと学んでおくことが大切です。これらを学ぶためには、理系学部への所属が基本でしょう。
このように、食品系の研究・技術者の実務においては、資格の保有よりも、実際の知識や技術がものを言います。

今後の研究・技術者(食品系)の将来性

食品業界では、短いスパンでさまざまな新商品がリリースされています。それらは、味のおいしさはもちろん、見た目の美しさや栄養面、利便性にもこだわって作られ、テレビや雑誌などのメディアでもよく取り扱われるようになりました。そしてこれらは、調理の時短や健康の促進、エンターテインメント性などの点から人々のニーズを満たし、「食」の豊かさを提供しています。
また、人々の「食」に対するこだわりや興味は近年上昇傾向にあります。そのため、今後もさまざまなニーズを満たした新商品の開発が求められるでしょう。
このように、「食」の豊かさや新しさが注目される状況は、今後も続くと考えられます。また、新商品の開発には柔軟な発想が必要であり、これは機械には代替できません。
このようなことから、食品系の研究・技術者の将来性は高く、今後も人々のニーズにマッチした食品の開発が求められるでしょう。

研究・技術者(食品系)の就職先

食品系の研究・技術者の主な就職先は、食品メーカーです。日本には大小さまざまな食品メーカーがありますが、その多くで研究・技術者が自社製品の開発を行っています。ただし、食品メーカーは就職先として人気が高く、就職は決して簡単ではありません。採用にあたっては、先述のように学歴も重視されるでしょう。
さらに、食品試験研究所も食品系の研究・技術者の就職先として挙げられます。これは、食料や農業などに対する研究開発を行う施設で、公設のものと民営のものがあります。特に公設施設に就職する場合は、国立施設では国家公務員、地方自治体施設では地方公務員の扱いになるため、公務員試験を受けなければなりません。また、このような研究職のポストが空くことは稀で求人数が少ないため、就職は狭き門だと言えるでしょう。

研究・技術者(食品系)の平均年収・MAX年収

食品系の研究・技術者の年収は、550万円〜600万円前後がボリュームゾーンに当たります。日本人全体の平均年収が400万円代であることを考えると、食品系研究・技術者の給与水準は高めであると言えるでしょう。
ただし、この年収は勤める企業の規模や勤続年数によって大きく代わり、大企業の技術職になると、年収1,000万円を得ることもあるようです。逆に、小規模な企業に勤める場合であれば、その年収は平均を切る可能性もあります。とはいえ、専門職種である研究・技術者は、それぞれの企業の中でも高所得にあたるでしょう。

研究・技術者(食品系)に向いているのはこんな人

食品系の研究・技術者に向いているのは、優れた味覚や嗅覚を持つ人です。食品の研究・開発を進めるにあたっては、食品の試作を繰り返し、その味やにおいを見定めなければならないためです。優れた味覚や嗅覚は、味・においの調整にも役立つでしょう。
また、このように、研究・技術者の仕事には試作品の試食が欠かせません。さらに、様々な食べ物の味・においもよく知っていれば、その知識は開発に役立つでしょう。そのため、食べることが好きで、普段からさまざまな飲食店を訪れたり新しく発売された食品を試したりしている人も、食品系の研究・技術者には向いています。
加えて、新商品の研究・開発を続けるには、高い探究心や創造力の他、工学分野に対する専門知識も必要でしょう。

研究・技術者(食品系)に関連する職業や資格

研究・技術者(食品系)に関連する職業

食品系の研究・技術者に深く関わる職業としては、食品系の商品企画・開発職があります。商品企画・開発職は、文字通り新商品の企画や既存商品の改良を行うことを仕事とするもので、研究・技術者と同じく食品メーカー内に置かれることが多い職種です。また、研究・技術者と商品企画・開発職が連携して商品開発や技術開発を行うことも少なくはないでしょう。
さらに研究・技術者は、食品だけでなく、医療や薬品、機械などさまざまな分野でも活躍しています。これらは分野によって研究内容が大きく異なりますが、職種は共通しているため、関連職と言えるでしょう。

研究・技術者(食品系)に関連する資格

先ほども触れたように、食品系の研究・技術者には必須資格がありません。しかし、関連資格としては「栄養士」や「管理栄養士」という国家資格が挙げられます。これらは、食の栄養に特化した資格であるため、食品の開発における栄養面からのアプローチに役立つでしょう。
ただし、これらの資格取得のためには、学歴や実務経験が厳しく定められています。取得を考える場合には、就職前または進学前の早い段階から、取得条件を見据えておかなければならないでしょう。

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