病棟クラークになるには

  • 2019.12.25
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病棟クラークの概要や仕事内容

病棟クラークとは?

クラークを簡単に言うと「事務員」のことで、病棟クラークは病棟専属の事務員のことを言います。
病棟クラークは入院患者さんがいる中規模以上の大きな病院の中にある病棟やナースステーションに配置されていることが多いです。

病棟クラークの仕事内容とは?

病棟クラークが行うのは医師や看護師のサポートです。
例えば次のような業務を行います。
・患者さんの入退院の手続き、説明
・病室の手配
・ベッドにつけるネームプレートの作成
・入院患者の名簿作成
・患者さんの食事の食べ残しの管理
・電話対応
・診断書などの受け渡し
・検査データ管理
・カルテ管理
・レントゲン管理
・医療用物品の手配、管理
このように、医師や看護師でないとできない業務以外の様々な業務を行い、陰で医療現場を支えている存在が病棟クラークなのです。
医療事務などの窓口業務に比べると、患者さんとコミュニケーションをとることが多いため、医師や看護師と患者さんをつなぐことができるように柔軟でこまやかな対応や高いコミュニケーション能力などが求められる仕事でもあります。

病棟クラークになる方法(資格取得方法等)

病棟クラークは資格ではありませんので、資格を持っていなくても病棟クラークとして働くことができます。
医師や看護師のように医療行為に関わることはできませんが、サポートをしていくうえで医療の知識がないまま働くよりはある程度の知識を持って働くほうが医師や看護師との連携が取りやすいというのは言うまででもありません。
そのため医療事務関連の資格を取得して医療の知識をつけておくことや、カルテの整理や書類の作成をすることを考えるとパソコンのスキルも持っておいたほうが仕事をしやすくなるのではないでしょうか。

病棟クラークにおすすめの資格

●医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)
医療事務の資格の中では最も有名な資格です。
医療機関で行う受付業務やレセプト業務のスキルを問われます。
40年以上に及ぶ歴史があるスタンダードな医療事務資格です。

●医療事務コンピューター講座
医療事務の基本を身につけた人が即戦力で活躍できるよう、医療コンピューターを使いこなすことができるようにカリキュラムが組まれている講座です。
現場の医療コンピュータソフトを教育用にアレンジした教材を使用しているため、実務さながらの学習を行うことができます。

●2級医療秘書実務能力認定試験
医療機関の収入に直結する重要な業務である診療報酬明細書(レセプト)作成技能をはじめとした、診療報酬に関する知識や医療関連法規に関する知識を客観的に判断する試験です。患者接遇や院内コミュニケーション能力も身につけることができます。

●医師事務作業補助者実務能力認定試験
医師が行う事務的な作業の負担を軽減するために、医師の代わりに事務作業のアシスタント業務を行う「医師事務作業補助者」に必要な知識(関連法規、医学知識、個人情報保護法、医療用語、文書作成、電子カルテ等に関する知識など)や文書作成能力を有することを認定する試験です。

これらの資格を取得することで、医師と看護師のサポートを行うための基礎知識やスキルを身につけておくことができます。
また、入院するに当たっては患者さんが金銭面で大きな負担を負うことになります。
入院費や治療費、保険に関する質問・相談に正確に答えてあげられること、不安を解消してあげられることも大切なことです。
上手に資格を取得することで医師や看護師が抱える仕事の負担を減らし、本来の業務に集中できるよう支えることができるような病棟クラークを目指すことができるでしょう。

今後の病棟クラークの将来性

医師不足や看護師不足と言われている今、さらに高齢化により患者さんが増えていくことが予想されるなど、医療現場で働く医療関係者の負担はとても大きなものです。
看護師の就業者数は右肩上がりに増えているため「不足しているの?」と思われるようですが、需要と供給が一致していないため慢性的に不足している状況は続いています。
そのため仕事がきつく、離職してしまう人が多いというのが現状のようです。

病棟クラークはこうした医師や看護師が抱える業務のうち、切り離せる業務である事務作業などを行うため医療関係者の負担を減らすことができるとして評価されています。
これからさらに高齢化社会が加速していく中、病棟クラークのニーズはさらに高まっていくと考えられますので、将来性は十分にあると考えられます。

特に女性の場合は結婚や妊娠・出産によって離職することもあるかと思いますが、再就職をすることを考えても需要があり続ける可能性が高い病棟クラークとして働くことは将来性があると言えるのではないでしょうか。

病棟クラークの就職先

病棟クラークは医師や看護師のような国家資格ではないため、法律で行える業務が定められているわけではありません。そのため具体的な業務が決まっておらず、線引きがあいまいで、病院によって行う業務が少しずつ異なります。
例えば自分が病棟クラークとして行っている業務が別の病院では医療事務や医師事務作業補助者、看護師が行っているということがあります。

病棟クラークが働くのは主に中規模以上の大きな病院ですが、働く前に業務内容を確認しておいたほうがよいでしょう。

病棟クラークに向いているのはこんな人

病棟クラークは医療関係者と患者さんなど、たくさんの人と接する仕事です。
医師や看護師からの指示を患者さんに伝えたり、逆に患者さんからの相談や不満などを医師や看護師に伝えなければならないこともあります。
人の間に入るということになりますので、高いコミュニケーション能力や指示・相談を的確に相手に伝えることができる能力が求められます。

また、勤務先は入院患者さんがいるような大きな病院であることから、様々な理由や事情の患者さんたちが入院してきます。
重い病気でつらく悲しい思いをしていらっしゃる方や、初めての入院に不安を隠せない子ども、リスクを抱えた妊婦など、それぞれ異なる悩みを持って入院してくることでしょう。
こうした患者さんたちの心情を慮り、緊張や不安を少しでも解消してあげることができる気配りができる人は病棟クラークとして重宝されるのではないでしょうか。

病院は命を扱うところですので、正確さが求められます。
仕事内容で挙げたように、入院患者さんの名簿作成や紹介状の準備などを行うのですが、入退院はひっきりなしに行われているため入退院する患者さんの名前や部屋を正確に把握して間違いを起こさないようにしなければ、一歩間違うと医療ミスにつながりかねません。
几帳面すぎるぐらいの人のほうが病棟クラークには向いているかもしれません。

病棟クラークに関連する職業や資格

関連する職業

医療事務、医療クラーク、医療秘書など、医療にかかわる事務職はたくさんありますが、どのような違いがあるのかよくわからないことが多いのではないでしょうか。
これはこれらの職種が国家資格ではなく、法律で業務内容が明確になっていないということが理由に挙げられるでしょう。
前述したように線引きがあいまいなので、だれがどの作業を行うこともできる…といったほうが正確かもしれません。
しかし本来は職場や業務内容が異なるものなのです。

例えば医療事務であれば職場は病院の受付でレセプトの作成や会計、患者さんの案内などをするのが主な仕事です。
医療クラークは医師事務作業補助者のことで、職場はナースステーションや診察室です。医師が抱える事務の補助を行うのが主な仕事です。
医療秘書は医師の秘書的なサポートを行います。医療事務などの業務に加えて医師のスケジュールの管理や来客・電話対応、出張の手伝いなどの秘書業務があります。

このように、本来は少しずつ業務内容が異なるのです。
とはいえ、病棟クラークも医療クラークも、医療秘書もまずは医療事務を経験したことがある人がステップアップしていくようなイメージのようです。基礎知識あってこその病棟クラークともいえるのではないでしょうか?
まずは一度医療事務に関する資格を取ってみてはいかがでしょうか。

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