声優になるには
- 2019.12.03
声優の概要や仕事内容
声優とは
声優とは、アニメーションのキャラクターや洋画の俳優などに、それぞれのシーンに合った声を吹き込む仕事をする人を指します。これにはさまざまな場面に合った声の演技が求められるため、ただ声がいいというだけでなく、表現力や対応力、オリジナリティなども必要とされます。
声優は憧れの職業として知られていますが、一流声優になるのは狭き門であり、現在も多くの方が声優を目指し活動を行なっています。
声優の仕事内容とは
声優の仕事は全て声を使うものですが、その作品は多岐に渡ります。主な例をご紹介しましょう。
- アニメ
- 洋画(吹き替え)
- 海外ドラマ(吹き替え)
- ゲーム
- CM
- ナレーション
- ラジオ
- 音楽
- ライブ
一言で声優といっても、その仕事内容はさまざま。アフレコを行うものから、ナレーターとして番組を表現するものまで、声優は幅広い仕事を担っています。また、近年では声優だけを集めたイベントやCD販売なども行われ、声優自らがテレビ番組に出演するなど、活躍の場は広がっています。
ただしオーディションの合格や過去の実績を経なければ、大きな仕事をもらうことはできません。職業として安定させるには時間や労力が必要となるでしょう。
声優になる方法
声優になる方法としては、以下の3つのステップが一般的です。
①声優の養成所や専門学校を卒業する
声優を目指す方は、まず声優養成所や専門学校に入学し、基本の知識や技術を学ぶ方が多いようです。特に声優養成所は大手の声優プロダクションが運営しているところも多く、結果次第ではプロダクションに所属できる可能性もあります。中には、専門学校に通った後に養成所へ入り直す人もいると言われています。
ただし、これらの入学には基本的な審査があり、入所料や授業料がかかります。養成所の場合、入所料が10万円前後、年間の授業料が20万円前後のところが多いと言われています。
②声優プロダクションへ所属する
声優養成所や専門学校卒業後は、通常、声優プロダクションへの所属を目指します。そのためには所属オーディションが必要となり、合格した方のみが晴れてプロダクションに所属することができます。
また、一概にプロダクションへの所属といっても、「仮所属」と「正所属」があり、実績と実力によって待遇は変わります。
③オーディションを受ける
プロダクションに所属したからといって、すぐに声優として活躍できるわけではありません。作品のオーディションを受け、合格して初めて、役をもらうことができるのです。
中にはプロダクションから仕事を紹介される場合もありますが、そうなるまでには実績を積まなければならないでしょう。この段階では、ひとつひとつの仕事をこなし、地道に取り組むことが大切です。
声優に求められる資格や試験
声優として仕事をするためにはオーディションを受けなければならないケースが多いものの、取得(受験)しておかなければならない資格や試験は特にありません。しかし、声優に特化した検定は存在しており、これは声優の知識や技術を高めるのに役立ちます。ここでは「声優検定」と「声優能力検定」の2種をご紹介しましょう。
声優検定とは
声優検定とは、声優としての成果や技能の進捗を評価するために実施されているボイス検定です。専用のテキストと問題集が販売されており、これらはオンラインで購入可能となっています。
試験内容としては、オーディション形式の試験もあり、2級以上合格者は提携養成所への推薦が受けられます。
- 実施元:日本声優検定
- 受験級:3級、2級
- 科目:声優関連業界・日本語・インターネットの常識、発生、発音、滑舌、アクセント、トレーニング、自己アピール等
声優能力検定とは
声優能力検定とは、自身の声優の実力を知り、磨くために実施されている検定です。柔軟な受験が可能であり、多くの芸能人も受験・合格しています。
- 実施元:日本声優能力検定協会
- 受験級:5級、4級、3級、2級、1級
- 科目:滑舌、声の使い分け、朗読、ナレーション、口上、ドラマ等
難易度や試験について
ここでは、先述の「声優検定」「声優能力検定」について、試験の概要や合格率をご紹介しましょう。
声優検定の試験
※下記は2019年度の日程です。
声優検定は毎年1月と7月に全国の主要都市で開催されています。過去には1級の試験も行われていたようですが、現在は2級と3級のみ受け付けています。
- 試験日程:1月、7月
- 試験実施場所:東京、大阪、名古屋、福岡、宇都宮、岡山、新潟、仙台、高松、浜松、広島、札幌、長野、金沢
- 受験料:3級6,600円(税込)
2級7,700円(税込) - 合格率:公表されていないものの、2級合格率は低いと言われています。
※2級受験は3級合格者のみ
声優能力検定の試験
声優能力検定の特徴は、24時間いつでもどこでも受験が可能であることです。問題を事前に取り寄せ、その後携帯電話から受験ができます。低級は比較的簡易ですが、上級になると難易度はかなり上がります。
- 試験日程:24時間可能
- 試験実施場所:携帯電話とイヤホンマイクさえあれば、どこでも受験可能
- 受験料:5級2,200円(税込)
4級3,300円(税込)
3級5,500円(税込)
2級7,700円(税込)
1級11,000円(税込) - 合格率:5級48%、4級48%、3級35%、2級21%、1級18%程度
今後の声優の将来性
近年アニメの製作数は増加傾向にあると言われ、アニメそのものがひとつの文化として確立されようとしています。また、オンラインチャンネルの増加やオンラインゲームの台頭などにより、映画や海外ドラマ、ゲームの製作数も多くなっています。
このように、アニメや映画、海外ドラマ、ゲームといった作品が数多く作られている背景がある以上、声優の仕事も減るようなことはないでしょう。
また、声優の仕事は年齢に関係なく続けられるのも魅力。認められさえすれば、長く続けられる上に、年を取ってからでも始められる仕事なので、この点でも将来性があると言えます。
ただし、一流の声優として活躍したり人気作品に出演したり出来る人は、声優を志す人の中でもほんの一握りです。成功するには、実力はもちろん努力や運も必要となることを理解しておきましょう。
声優の就職先
声優に固定の就職先はありませんが、活動方法はプロダクションに所属するかフリーランスで活動するかの2パターンに分けられます。しかし、フリーランスでの活動で仕事を得るのは非常にハードルが高く、プロダクションに所属して活動するのが一般的です。
仕事自体は先述のように、アニメやドラマから音楽関連まで多岐に渡りますが、実績や実力によっては人気キャラクターの声優を長きに渡り続けられることもあります。
声優に向いているのはこんな人
声優は声を使う仕事です。そのため、声に特徴がある方は声優の仕事に向いていると言えます。声優が声を入れるキャラクターは幅広いため、声の質が良い方はもちろん、ユニークな声の方も活躍できる可能性があるでしょう。
また、声優の仕事では表現力の高さも重要となるため、オーバーな演技を抵抗できる方や俳優経験者の方も向いていると考えられます。さらには、作品中で歌を歌う場合もあるので、歌唱力に優れている方も有利になるかもしれませんね。
そして、キャラクターを声で演じるには、作品に対するある程度の知識や経験も必要です。声の質そのものに加えて、映画やアニメなどの映像作品が好きな方や精通している方であるほど、声優の仕事に適していると言えるでしょう。
声優に関連する職業や資格
声優に関連する職業
声優に関連する職業としては、以下のようなものが挙げられます。
- ラジオパーソナリティ
- 歌手
- 舞台俳優
- MC
どれも声が重要視される職業ですが、人気の声優が声優業と並行して行なっていることが多いようです。
また、歌手業の場合は、キャラクターとして行う場合と声優本人として行う場合があります。最近では、アイドルのように個人として高い人気を誇る声優も多いため、雑誌やテレビなどのメディアを中心に、関連する職業の幅も広がりつつあります。
声優に関連する資格
声優に関連する資格としては、先ほど「声優検定」と「声優能力検定」を挙げましたが、他にもいくつか存在します。
例えば、「話しことばとコミュニケーション検定」。こちらは円滑なセリフ運びを学ぶのに役立ちます。また、「アナウンス検定」では、正しいイントネーションやアクセントを学べます。
さらに、一般社団法人日本発声協会が認定する「ボイストレーナー」や「発声インストラクター」「発声診断士」などの資格も存在します。これらは声優をトレーニングする側の資格として役に立つものですが、その内容を声優本人が知っておくことで、自身でのトレーニングも可能となるでしょう。
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