ツアーコンダクターになるには
- 2020.04.01
ツアーコンダクターの概要や仕事内容
ツアーコンダクターとは
ツアーコンダクターとは、旅行添乗員とも呼ばれ、同行した旅行ツアーの管理を行う職業です。修学旅行などの団体旅行やパックツアーに同行し、各地での案内や各種手続きを行いながら、その旅行が旅程通りに進むよう、またお客様が快適に過ごせるよう、総合的管理を行っています。
ツアーコンダクターの仕事は多くの場合、同行する旅行の間、時間に関係なく業務を行わなければなりません。業務時間外であっても、トラブルやお客様のニーズに対応しなければならないこともあるでしょう。また、旅行のための下見や準備に加え、お客様ひとりひとりに対する体調管理なども必要であり、その業務にはタフさが求められます。
このように、ツアーコンダクターは旅行が滞りなく進むための重要な役割を果たしており、旅行ツアーにおいて欠かせない職業であると言えるでしょう。
ツアーコンダクターの仕事内容とは
ツアーコンダクターは、担当する旅行に関する幅広い業務に携わっています。ここでは、主な仕事内容をご紹介しましょう。
- 観光案内
- チケット、ホテル等手配
- トラブル対応
- スケジュール管理
- 下見、事前準備
- 資料、報告書作成
- 打ち合わせ
このように、ツアーコンダクターは旅行の中でさまざまな業務をこなします。また、常に参加客のサポートや体調管理も行わなければならず、その責任は重大であると考えられます。
ツアーコンダクターになる方法
ツアーコンダクターになるにあたって、特定の学歴や資格の保持は規定されていません。まずは旅行会社の求人に応募することが、ツアーコンダクターになるための第一歩であると言えるでしょう。そこでツアーコンダクターとして採用されれば、実務に関わることができます。
また、ツアーコンダクターの派遣会社に登録することもツアーコンダクターになる方法のひとつです。この場合は、派遣会社に紹介された各旅行会社のツアーに同行することになるでしょう。
ただし、どちらの場合も、就職後(登録後)には次章でご紹介する旅程管理主任者資格の取得が求められると予想されます。
ツアーコンダクターに求められる資格や試験
ツアーコンダクターに求められる資格としては、
「国内旅程管理主任者」があります。これは旅行業法でも定められている公的資格であり、多くのツアーコンダクターが取得しているものです。そこでここでは、「国内旅程管理主任者」資格についてご紹介しましょう。
国内旅程管理主任者とは
国内旅程管理主任者とは、旅行業務に関する法規や安全性などを学び、総合的に旅程管理を行える能力を証明する資格です。
ツアーコンダクターは必ず国内旅程管理主任者の資格を取得しておかなければならないというわけではありませんが、ツアーに1人は、この資格を所持しているツアーコンダクターが添乗していなければならないと旅行業法で定められています。
また、この国内旅程管理主任者の資格は、研修を受講し、その後の試験に合格、添乗実務を経験することで取得できるとされています。資格取得までの流れは、以下のようになります。
●国内旅程管理主任者資格取得の流れ
①ツアーコンダクターとして会社に就職、登録する(旅行会社、派遣会社等)
①基礎添乗業務研修をeラーニングで受講する(30日間)/9,800円
②国内旅程管理研修を受講する(2日間)/26,000円
③研修修了時の試験に全科目60%以上の得点率で合格
④添乗実務を経験する(※1)
⑤資格取得
【※1 資格の取得条件となる添乗実務】
・旅程管理研修修了日の前後1年以内に添乗実務1回以上
・旅程管理研修修了日から3年以内に添乗実務2回以上
国内旅程管理主任者の資格は、受講者(受験者)の9割近くが合格する比較的易しいものであり、きちんと手順を踏めば資格取得は決して難しくはないでしょう。
今後のツアーコンダクターの将来性
今も昔も変わらず、旅行・観光ツアーには一定の利用者がおり、今後ますます高齢化が進む日本では、さらにその利用が増加することが予想されます。そして、そういったツアーにとってツアーコンダクターは欠かせない存在であり、旅程の管理はもちろん、高齢者をはじめとした顧客のケアにも大きな役割を果たすことが予想されます。このような流れを考えると、ツアーコンダクターという職業は比較的安定しており、将来性も期待できるでしょう。
ツアーコンダクターの就職先
ツアーコンダクターの就職先としては、まず旅行会社が挙げられます。この場合、所属する旅行会社が企画したツアーに同行して旅程通りにツアーを進めることが主な業務になります。旅行会社は数多くありますが、会社によって扱うツアーの種類や待遇は大きく異なるため、就職活動の際には自身のニーズに合った働き方ができるか、よく検討するようにしましょう。
また、派遣会社に登録し、派遣のツアーコンダクターとして活動する方法もあります。この場合は日給制になる可能性が高いですが、会社の垣根を超えて幅広い働き方が叶います。
ツアーコンダクターの平均年収・MAX年収
ツアーコンダクターの平均年収は370万円程度であり、月収は27万円前後であることが多いようです。ただし、会社や経験によって年収には差があり、大企業であるほど、また経験値が高いほど、高年収になる傾向があります。中には年収800万円を超えるツアーコンダクターもおり、収入には幅があることがわかります。
また、ツアーコンダクターは主に正社員と派遣社員の2種に分けられ、派遣社員の場合は日給制になることが多いようです。そして、特に派遣社員の年収は人によって大きく分かれます。
ツアーコンダクターに向いているのはこんな人
ツアーコンダクターの重要な役割は、そのツアーを計画通りに、ツアー客に満足してもらいながら進めることにあります。よって、時間管理やスケジュール管理が得意で、ツアー客を率いる統率力のある方は、ツアーコンダクターに向いていると考えられます。そしてそのためには、体力や精神力も必要になるでしょう。
また、ツアーコンダクターにはツアー客に対するケアや会話も求められます。ツアー客の不調に気付いたり要望に応えたりしなければならないこともあるでしょう。よって、気遣いができることやコミュニケーション能力が高いこともツアーコンダクターに求められる大切な要素です。
さらに、ツアーコンダクターという観光業で活躍する以上、旅行や観光が好きであることも重要です。旅行が好きであれば、自身も楽しみながら業務を行えるとともに、業務に役立つ知識を増やす努力も続けられるでしょう。
ツアーコンダクターに関連する職業や資格
ツアーコンダクターに関連する職業
ツアーコンダクターに関連する職業としては、まずバスガイドが挙げられます。ツアーコンダクターが旅行会社所属であるのに対し、バスガイドは主にバス会社の所属としてバスツアーに添乗し、観光案内を行っています。また、添乗するバスを運転するバス運転手も、ツアーコンダクターの関連職と言えるでしょう。これらの職業は、バスツアーにおいて、ツアーコンダクターと共に業務を行っています。
さらに、ツアーコンダクターの関連職には、旅行や観光ツアーをプランニングするツアープランナーという職業も存在します。ツアーコンダクターは、このツアープランナーによって作成されたプランに従い、担当するツアーを進めていきます。
ツアーコンダクターに関連する資格
ツアーコンダクターに関連する資格は、先ほどご紹介した「国内旅程管理主任者」の他にも、以下のようなものがあります。
- 総合旅程管理主任者
- 旅行業務取扱管理者
- 旅行地理検定
- 世界遺産検定
- 歴史能力検定
- 観光英語検定
- TOEIC
- 中国語検定
「総合旅程管理主任者」の資格を取得している場合、「国内旅程管理主任者」のように国内に限らず、海外旅行でもツアーコンダクターの仕事を行えます。
また、その他の観光や言語に関する資格も、ツアーコンダクターの実務に役立つでしょう。
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