システムアナリストになるには
- 2020.12.04
システムアナリストの概要や仕事内容
システムアナリストとは
システムアナリストとは、情報システムの分析や評価、提案を行う職業です。システムデザイナー、またシステムプランナーとも呼ばれ、さまざまな企業において、情報システムを用いた経営や業務の改善といった情報戦略を担っています。
システムアナリストが行うのは、システム開発の「最上流工程」にあたる業務です。これは、システム開発の元となる企画にあたる部分であり、システムアナリストはシステムの分析により課題を炙り出し、それを改善するシステムの大枠を設計し、提案します。ただし、システム開発の実務を行うのはエンジニアの仕事です。
そんなシステムアナリストは、コンサルタントとエンジニアの両方の役割を併せ持つ職業です。また、クライアントとも直接接するため、接客や営業のノウハウも求められます。よって、システムアナリストという職業は、幅広い知識や技術、経験がなくては務まらない専門職だと言えるでしょう。
システムアナリストの仕事内容とは
システムアナリストの仕事は、経営戦略や課題を情報システムの分野から分析・評価することです。具体的には、以下のような業務を行います。
- クライアントのヒアリング(ニーズや問題点、予算等)
- 企業内の既存情報システムを分析・評価
- 経営やシステム課題の整理
- 構築計画の企画・立案
- システム導入案のプレゼンテーション
システムアナリストはこのような業務に伴い、打ち合わせや資料作成、またエンジニアたちを統括して、プロジェクトの進捗確認なども行います。
ただし、計画に基づいた実際のシステム開発は、プロジェクトマネージャーやシステムエンジニアなどで構成されるプロジェクトチームが担います。
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システムアナリストになる方法
システムアナリストになるために、定められた経歴や資格はありません。専門性の強い職業であるだけに、専門的な学歴が必要になると思われがちですが、必須学歴も決められてはいません。多くの場合、就職した後に実務の中で、専門的スキルを磨いていくことが多いようです。
ただし、情報通信系の専門学校や大学・短大の情報通信コースを出ておけば、就職活動が有利に進む他、入社後も即戦力として活躍することができるでしょう。
とはいえ、システムアナリストになるためには、コンサル会社やIT系会社などに就職した後、システムエンジニアやプログラマーといった技術職で、10年以上のキャリアを積まなければならないと言われています。そして、その後プロジェクトの責任者であるプロジェクトマネージャーを経て、システムアナリストにキャリアアップするのが一般的です。
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システムアナリストに求められる資格や試験
システムアナリストとして仕事をするために、取得しておかなければならない資格はありません。
しかし、IT系の資格試験はいくつか実施されています。そして、その中でもシステムアナリストの業務に深く関わるのは「ITストラテジスト試験」でしょう。
「ITストラテジスト試験」は、企業の事業企画や業務改革などにおけるIT戦略の立案や提案、実行のスキルを測る試験です。これは、独立行政法人情報処理推進機構による「情報処理技術者試験」のひとつであり、国家試験であるため難易度が高く、その分ステイタスの高い試験として広く知られています。
システムアナリストとしての実務はもちろん、スキルを証明するためにも、この試験実績は役立つでしょう。
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難易度や試験について
現在発表されている直近の「ITストラテジスト試験」合格率は、15.4%です。合格率は低く、難易度はかなり高いと予想されます。
試験の概要は、以下の表または公式ホームページをご確認ください。
午前I | 午前II | 午後Ⅰ | 午後Ⅱ | |
受験日程 | 10月第3日曜日 | |||
受験料 | 5,700円(税込) | |||
試験会場 | 全国の指定会場 | |||
試験形式 | 多岐選択式 | 記述式 | 論述式 | |
試験時間 | 9:30~10:20(50分) | 10:50~11:30(40分) | 12:30~14:00(90分) | 14:30~16:30(120分) |
受験資格 | 特になし | |||
合格条件 | 得点率6割以上 | 4段階中A評価 |
※2020年現在の試験概要です。
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今後のシステムアナリストの将来性
社会のIT化が進み、会社や店舗の経営においても、ITシステムは欠かせないものになりました。今や、多くの複雑な業務がIT化され、それが業務の効率化や正確性の向上を担っています。今後も、ITシステムの利用は、さまざまな面で増加していくでしょう。
しかし、このITシステムの導入には、ITのプロによる分析や提案が欠かせません。一般の人に、自社システムの問題点を分析したり、それを補うシステム導入を発案したりすることは、不可能でしょう。そのため、ITのプロとして、システムの分析や提案を行うシステムアナリストという職業の需要は、今後増えることはあっても、極端に減るようなことはないと考えられます。
また、IT業界は慢性的な人手不足の状況にあるため、腕のあるシステムアナリストの存在は貴重です。システムアナリストは専門性の高い職業であるからこそ、スキルさえあれば、常に需要は保たれるでしょう。そして、そのためにはスキルを磨く努力やトレンドのリサーチなど、努力も必要です。
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システムアナリストの就職先
システムアナリストの主な就職先は、ITコンサルティング会社やソフトウェア開発会社などのIT関連会社です。ITコンサルティング会社では、クライアント企業のIT分野からのコンサルティングを専門に行います。また、ソフトウェア開発会社では、システム開発の最上流工程を担うことになるでしょう。
また、一般企業の情報システム部門でも、システムアナリストを採用している例があります。その場合は、自社システムの分析や改善に携わることになります。
さらに、システムアナリストはフリーランスとして活躍している人も多い職種です。その場合は、営業活動を行なってクライアントと契約し、クライアント企業のシステム分析や提案を行うことになります。フリーランスとして成功することは簡単ではありませんが、スキルがあれば需要はあるでしょう。
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システムアナリストの平均年収・MAX年収
システムアナリストの年収は、600万円〜1,000万円ほどが相場です。キャリアや勤める会社、評価などによって年収は大きく変わるため、相場には大きな幅がありますが、総合的に見て年収水準は高めであると言えるでしょう。広く活躍しているシステムアナリストの中には、年収2,000万円を超える例もあり、スキルや働き方によっては高年収を狙えます。
システムアナリストだけではなく、IT関連業は全体的に年収水準が高い傾向にあります。日本人全体の平均年収が400万円台であるのに対し、IT関連業は年収600万円以上であることがほとんどです。IT分野は専門性が高く、需要も高い分野であるだけに、収入も高くなるのでしょう。
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システムアナリストに向いているのはこんな人
システムアナリストには、既存システムの的確な分析と適切な提案が求められます。そしてそのためには、ITに関する知識および技術は必須です。さらに、経営に関する知識も有していなければなりません。よって、ITや経営に関する知識や技術、経験に長けている人は、システムアナリストという職業に向いていると言えます。
また、システムや業務フローに対する分析力や理解力も、システムアナリストには必要です。知識があっても、このような力がなければ、問題点やその対処法を提案することはできません。そして、正しく分析し理解するためには、論理的な思考力も必要でしょう。
加えて、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力に優れていることも、システムアナリストに向いている人の条件に数えられます。システムアナリストはクライアントやプロジェクトチームメンバーなど、人と関わることが多い職業です。また、自身の分析に対してクライアントを納得させる提案も行わなくてはなりません。そのため、魅力的なプレゼンテーションができたり、人と円滑なコミュニケーションを取れたりする力は非常に大切です。
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システムアナリストに関連する職業や資格
システムアナリストに関連する職業
システムアナリストに関連する職業としてまず挙げられるのは、システムエンジニアやプログラマー、プロジェクトマネージャーです。これらの職業は、システム開発の実務を担うプロジェクトチームの技術職にあたります。プロジェクトチームは、システムアナリストの提案をもとに仕事を行うことになるため、これらの職業は関連性が深いと言えるでしょう。
また、システムコンサルタントもシステムアナリストの類似職として知られています。これらはどちらもシステム開発の最上流過程を担う職業ですが、一般的には、システムコンサルタントは新システムの導入にあたっての経営上の課題分析を、システムアナリストは既存システムの課題分析を行うという、過程段階での業務の違いがあるとされています。
システムアナリストに関連する資格
システムアナリストに関連する資格試験には、独立行政法人情報処理推進機構による「情報処理技術者試験」があります。
この試験は、先ほど紹介した「ITストラテジスト試験」をはじめ、「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」、「プロジェクトマネージャ試験」、「システム監査技術者試験」などを含む13種の国家試験から成る、情報処理技術に特化した国家試験です。
また、これらはIT関連資格の中でも非常に高い難易度を誇り、ステイタスの高い試験として知られています。そのため、システムアナリストの実務に役立つ知識や技術を得ることはもちろん、そのスキルの高さを証明するためにも、これらの試験への合格実績は生かせるでしょう。
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