靴デザイナーになるには

  • 2020.04.01
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靴デザイナーの概要や仕事内容

靴デザイナーとは

靴デザイナーとは、靴のデザインを行う職業です。形や素材、色、装飾などをデザインし、製品となる靴を作り上げていきます。
靴の種類は、大きくメンズシューズ、レディースシューズ、キッズシューズに分けられます。そして、そのデザイン業務は、種類によって担当が分けられていることもあれば、全ての種類を同じデザイナーがデザインしていることもあります。また、中にはファッションデザイナーが、トータルデザインとして、靴のデザインまで行っているケースもあります。
靴は、老若男女問わず全ての人が着用するファッションアイテムです。そのデザインには、見た目だけでなく、人の運動力学に沿った機能性も求められるため、靴デザイナーは総合的なデザイン力や専門知識が必要となる仕事だと言えるでしょう。

靴デザイナーの仕事内容とは

靴デザイナーの仕事は靴のデザインを行うことですが、多くの場合はそれだけではなく、製作実務まで手掛けます。ここでは、靴デザイナーの主な仕事内容をご紹介しましょう。

  • 企画立案
  • ミーティング、ヒアリング
  • デザイン案作成
  • 木型、サンプル作成
  • プレゼンテーション
  • 修正作業
  • 靴製作
  • 在庫管理
  • 販売

このように、多くの靴デザイナーは企画から製品化まで幅広い業務に携わっています。また、自身の店舗を持っていたり小さな店舗に務めていたりする場合には、靴デザイナーが、製品の製作や販売まで自身でこなしていることもあります。

靴デザイナーになる方法

靴デザイナーになるための一般的な方法をご紹介します。

学校で専門知識を学ぶ

多くの靴デザイナーは、専門学校や大学の服飾コース・デザインコースなどで、シューズデザインを学んでいます。シューズデザインには運動学的な知識や型作りなど、ファッションデザインの中でも専門的な知識や技術が必要となるため、学校で基礎からきちんと学んでおくことが理想だと言えるでしょう。

メーカーや工房に勤める

靴メーカーや工房にデザイナーとして就職できれば、本格的にシューズデザインに携わることができます。ただし、靴作りには技術や経験が必要になるため、就職後には下積みとして経験を積むことになるでしょう。また、アパレルメーカーに就職して靴のデザインを行うのもひとつです。
さらに、技術を高めるため、靴の本場であるヨーロッパなどで修業を積むデザイナーもいます。

独立して活動する

靴デザイナーとして活動するには、自身のブランドを立ち上げる、もしくはフリーランスのデザイナーになるのもひとつの方法です。
ただし、それには優れたセンスや技術、実績が必要になります。そのため、学校で学んだり工房で修業をしたりといった、腕を磨く努力が求められるでしょう。

靴デザイナーに求められる資格や試験

靴デザイナーには、必須となる資格・試験はありません。しかし、シューズデザインに活かせる内容の資格は存在し、その代表的なものとしては「シューフィッター」という民間資格が挙げられます。ここではその概要をご紹介しましょう。

シューフィッター資格とは

足と靴と健康協議会による民間の専門家認定です。シューズフィッティング、足の疾病予防など
足と靴の知識・技術に特化しており、シューフィッターや靴の販売員はもちろん、靴デザイナーの仕事にも生きる内容となっています。
レベルは、プライマリー、バチェラー、マスターの3種があり、他にも子ども用コースやシニア用コースが設定されています。

難易度や試験について

シューフィッターの資格は、通信講座の受講と数回のスクーリング、課題提出、その後の試験合格によって認定されるものです。そのため、通常の資格試験のように難易度を測ることはできませんが、スクーリングや課題の手間を考えると、決して簡単なものではないでしょう。
それぞれのレベルに関する講座の概要は、以下の表をご覧ください。

プライマリー(初級) バチェラー(上級) マスター(修士)
受講期間 不明 9ヵ月間(7月~翌年3月)、スクーリング3日間×3回 2年間(2019年6月~2021年2月)、スクーリング3日間×8回
受講料 104,500円(税込) 286,000円(税込) 990,000円(税込)
定員 60名 20名 20名
スクーリング会場 東京(4,7,10,1月)・大阪(6月)・神戸(2月) 東京(7月、11月、3月) 東京(6月、8月、11月、2月)※年による
受験資格 特になし 一般社団法人足と靴と健康協議会(FHA) および 日本靴小売商連盟認定のシューフィッターであること 一般社団法人 足と靴と健康協議会(FHA)認定のバチェラー(上級)シューフィッターであること
認定基準 ・3日間のスクーリング修了

・スクーリング最終日のテストおよび在宅課題である問題集の正解率60%以上

・10足分のフィッティングトライアルチェックシート提出・50人分の足型計測の審査に合格

・シューフィッター関連業種の実務経験3年以上

下記項目を全て満たしていること  ・9日間のスクリーングへの出席

・6課目(足型計測、パッキングワーク、足の病気と障害、靴の知識、靴人間工学、シューフィッティング)の課題提出、合格

・6課目(足型計測、パッキングワーク、足の病気と障害、靴の知識、靴人間工学、シューフィッティング)の認定試験に合格

下記項目を全て満たしていること

・24日間のスクリーング全てに出席

・課題を全て提出し、クリアしている

・認定試験に合格

※2020年時点での詳細です

今後の靴デザイナーの将来性

近年、大量生産される安価な靴製品が増加し、また人々が服飾製品にかける費用は減少傾向にあると言われています。そしてこの流れは、ファッション業界の景気を低迷させ、靴デザイナーにとっても、将来性を左右する不安要素となっています。
とはいえ、靴は全ての人が身に付ける製品であるため、常に一定の需要は保証されている物です。また、ファッション業界低迷の中でも、上質な靴は広く支持され、高価であっても購入される方は多くいます。
こういった背景を考えると、質の高いデザインを行う靴デザイナーであれば、その将来性は期待できるでしょう。靴デザイナーとして活躍を続けるためには、実力を磨くことが求められます。

靴デザイナーの就職先

靴デザイナーの就職先としては、まず靴メーカーやファッションメーカーなどが挙げられます。メーカーに靴デザイナーとして就職すれば、自社の製品デザインを手掛けることになるでしょう。
また、靴の工房や店舗も就職先のひとつです。この場合は、デザインから製作まで、靴の生産に関わる一連の業務を担うことになる可能性があります。
どの就職先を選ぶかによって、携わる業務の範囲は変わるため、就職活動にあたっては、自身が靴デザイナーとしてどのような仕事をしたいのか明確にしておきましょう。
また、会社に属さず、自身のブランドや店舗を立ち上げたりフリーランスのデザイナーとして働いたりする方法もあります。

靴デザイナーの平均年収・MAX年収

靴デザイナーの平均年収は、初任給で20万円前後のようです。日本の初任給としては、ごく平均的だと言えるでしょう。その後の年収は徐々に上がるのが通常ですが、実績や人気があるデザイナーの場合は、かなりの高年収となる可能性もあります。また、自身のブランドや店舗を持ったりフリーランスで活動したりして成功している靴デザイナーも、高い収入を得られるでしょう。
デザイナーは実力主義の要素が強い世界です。そのため、年収も実力に比例する部分があると考えられます。

靴デザイナーに向いているのはこんな人

靴デザイナーにはまず、ファッションアイテムをデザインするためのセンスが求められます。そのため、高いセンスや流行への敏感性を持つ方は、靴デザイナーに向いていると言えるでしょう。
また、シューズデザインでは、専門的な知識や技術によってその質が左右され、さらに、細かな製作作業が求められることもあります。よって、常に知識・技術を高める向上心があること、また手先が器用であることも、靴デザイナーに必要な要素だと考えられます。
そして、正確にマーケットを捉えられる判断力やチームでの仕事をスムーズにこなせるコミュニケーション能力も、シューズデザインの実務に大きく役立つでしょう。

靴デザイナーに関連する職業や資格

靴デザイナーに関連する職業

靴デザイナーに関連する職業の例をご紹介しましょう。

  • 靴職人
  • シューフィッター
  • 靴磨き職人
  • ファッションデザイナー
  • パタンナー
  • テキスタイルデザイナー
  • マーチャンダイザー
  • スタイリスト
  • 販売員

これらは全て、靴に関する職業またはファッションに関する職業です。
靴職人は靴の製作をメインに行う職業です。靴デザイナーの依頼を受けて靴を作ることも、自身がデザイナーを兼ねていることもあり、靴デザイナーにもっとも関連が深い職業だと言えるでしょう。また、ファッションデザイナーも靴のデザインを行うことがあります。

靴デザイナーに関連する資格

靴デザイナーに関連する資格には、先ほどご紹介した「シューフィッター」の他にも、以下のようなものがあります。

  • 色彩検定
  • カラーコーディネーター検定
  • ファッション色彩能力検定
  • ファッションビジネス能力検定

靴のデザインにおいても、ファッションデザインと同じように、色彩の資格が役立ちます。また、ファッションビジネス能力検定のような生産や流通についての資格も、製品の企画に活かせるでしょう。

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