工業デザイナーになるには

  • 2020.02.28
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工業デザイナーの概要や仕事内容

工業デザイナーとは

工業デザイナーは、インダストリアルデザイナーとも呼ばれ、さまざまな工業製品をデザインする職業です。対象となるのは、主に大量生産される製品で、その種類は家電やOA機器、日用品など多岐に渡ります。また、工業デザイナーの仕事には、車や飛行機などのデザインも含まれます。精密機器をデザインする場合には特に、専門的な知識が必要でしょう。ただし、工業デザイナーは製品全体をデザインするのではなく、パーツごとに分かれてデザインを行うことが多いようです。
工業デザインには、デザイン性はもちろん、機能性や安全性が求められます。さらに、人々を魅了する画期的なアイディアも重要でしょう。さまざまな製品を手掛ける工業デザイナーは、このような条件を踏まえ、優れた工業製品のデザインを行っています。

工業デザイナーの仕事内容とは

工業デザイナーの仕事は、幅広い工業製品のデザインを行うことです。チームで製品作りを行うことが多く、企画から完成まで一連の進行に携わります。ここでは、その具体的な仕事内容を挙げてみましょう。

  • ミーティング・ヒアリング
  • 商品企画
  • デザイン画作成
  • 製図作業
  • サンプル作成
  • プレゼンテーション
  • 進行管理
  • その他事務作業

工業デザイナーはこのような業務を、チームの企画担当者やデザイナー、エンジニアなどとミーティングを重ねながら行い、製品を完成させていきます。スムーズな進行のためには、チーム内でのコミュニケーションや製品に対する知識が求められるでしょう。

工業デザイナーになる方法

工業デザイナーになるための主な方法をご紹介しましょう。

学校で専門知識を学ぶ

多くの工業デザイナーは、大学や美術大学、専門学校で工業デザインを学んでいます。工業デザインは複雑であり、専門的な知識を身につけておくには、学校で学ぶのが一番でしょう。
ただし、入学には試験が必要な場合が多く、特に工学系の学部の難易度は高いとされています。
工業デザイナーを目指すなら、早い段階での準備が必要です。

工業製品メーカーに就職する

学校を卒業後、工業製品を扱うメーカーのデザイナー職に就職できれば、晴れて工業デザイナーとして働くことができます。工業デザイナーを抱えるメーカーは規模が大きい場合が多いため、優れた待遇を受けられることもあるでしょう。
とはいえ、こういった会社は就職競争率が高いのも現実であり、採用されるためには優れた知識や実力が求められます。

デザイン事務所に就職する

工業製品のデザインを手掛けるデザイン会社に就職するのも、工業デザイナーとして活動するためのひとつの道です。デザイン事務所は会社の規模やデザインの方向性に幅があるため、自身の目指すものと照らし合わせ、慎重な会社選びを行うようにしましょう。
また、工業デザイナーとしてのデザイン事務所への就職も決して簡単なものではありません。採用されるには、知識や実力は必須です。

工業デザイナーに求められる資格や試験

工業デザイナーには、必ず取得しておかなければならない資格や試験はありません。
ただし、「プロダクトデザイン検定」という検定は存在し、これは工業デザインにも関連する内容となっています。ここでは、「プロダクトデザイン検定」について概要をご紹介しましょう。

プロダクトデザイン検定とは

プロダクトデザイン検定とは、JIDA(日本インダストリアルデザイナー協会)による、商品開発に関連する知識を測る検定です。デザイナーの専門性確立や社会的な信頼性の向上、プロダクトデザインの普及を目的に実施されており、多くのデザイナーやデザイナーを目指す方が受験しています。
その内容はプロダクトデザインの実務に関するものであり、デザイナーとしてのキャリアアップはもちろん、教育や人事分野でも役立てられます。

難易度や試験について

プロダクトデザイン検定の難易度は、1級2級ともにさほど難しくはありません。公式テキストをきちんと理解していれば、合格を目指せるでしょう。
試験の詳細は、以下の表をご確認ください。

2級 1級
試験日程 毎日(事前予約制) ※会場によって変わるので要確認
受験料 11,000円(税込)
受験会場 全国約120箇所
試験形式 選択問題(100問)
試験時間 90分
受験資格 特になし
合格条件 得点率60%以上(目安) 得点率70%以上(目安)

※2020年の日程です

今後の工業デザイナーの将来性

工業製品にはあらゆるものがありますが、車や文具など、その多くが私たちの生活にとって欠かすことができないものとなっています。今後もそれらの需要は続き、さらなる進化が求められていくでしょう。そして、その進化のためには工業デザイナーが大きな役割を担っており、今後もデザイナーの知識やアイディアによって、より優れた製品が生まれていくと予想されます。よって、工業デザイナーという職業の将来性も期待できると考えられます。
また、工業デザイナーの経験がある場合、同職の転職がしやすい傾向にあります。非常に専門的な知識が必要な職業であるため人材的に重宝され、経験者は長く働けるでしょう。

工業デザイナーの就職先

工業デザイナーの就職先としては、各工業製品のメーカー、もしくは工業製品のデザインを手掛けるデザイン事務所が挙げられます。メーカーの場合は自社の製品デザインを、デザイン事務所の場合はクライアントから依頼を受けた製品デザインを行うことになります。
ただし、これらの会社へ工業デザイナーとして就職するのは、簡単なことではありません。学歴としては大学卒が基本となり、さらに工学部卒であったりデザインを学んだりしていれば就職活動が有利になるでしょう。ただし、採用枠自体が少ないため、学歴があるからといって必ず就職できるわけではありません。

工業デザイナーの平均年収・MAX年収

工業デザイナーの年収は、500〜700万円ほどが相場であると言われています。日本人の平均年収が約440万円であることを考えると、かなり高い水準にあると言えるでしょう。
また、大手メーカーや実績ある工業デザイナーになると、年収1000万円を超えることもあるようです。ただし、実績重視や年功序列など、所属会社の方針や体制によって、給与は大きく変わります。
また、独立し成功した場合には、さらに高い年収も期待できます。

工業デザイナーに向いているのはこんな人

工業デザインには、他のデザイン業と同様、高い感性やセンスが求められます。そのため、美的感覚に優れている方は工業デザイナーになる要素があると言えますが、それだけでは十分ではありません。なぜなら、工業デザイナーは人の安全性に関わる精密機器を手掛けることが多いためです。高いセンスと共に、工学に関する知識に長けている方こそ、工業デザイナーに向いていると言えるでしょう。工学は独学で学ぶのは難しいため、専門知識を学校で学んでいるのが理想です。加えて、他にはない発想力があれば、新しい製品開発で力を発揮できます。
また、工業製品のデザイン・開発は多くの場合、チームで行われます。よって、仕事を円滑に進めるためのコミュニケーション能力や判断力なども、工業デザイナーには必要だと考えられます。

工業デザイナーに関連する職業や資格

工業デザイナーに関連する職業

工業デザイナーに関連する資格としては、以下のようなものが挙げられます。

  • プロダクトデザイナー
  • ファッションデザイナー
  • ジュエリーデザイナー
  • インテリアデザイナー
  • 雑貨デザイナー
  • カーデザイナー

製品のデザインを行う職業は、大きくプロダクトデザイナーと呼ばれますが、その中に工業デザイナー(インダストリアルデザイナー)やファッションデザイナー、インテリアデザイナーが含まれるかどうかは諸説あります。
どの職業もそれぞれの分野に特化した知識や技術が必要なデザイン業であり、これらの職業に就いている人々が、私たちの生活を支えているのです。

工業デザイナーに関連する資格

工業デザイナーに関連する資格としては、先程ご紹介した「プロダクトデザイン検定」の他に、以下のようなものが挙げられます。

  • CGクリエイター検定
  • CAD利用技術者試験
  • 色彩検定
  • カラーコーディネーター 検定
    • 製品をデザイン・設計するためのソフトに関する資格の他に、色彩の資格も工業デザインの実務に役立つと考えられます。
      ただし、工業デザイナーの実務には、資格よりも工学に関する知識の方が、生かせることが多く、これらの資格が直接的な実務やキャリアアップに繋がるかどうかは、難しいところです。

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