住宅メーカー営業の概要や仕事内容

住宅メーカー営業とは

住宅メーカー営業とは、住宅メーカーに所属し、住宅販売を行う職業です。住宅展示場やモデルハウスなどに滞在して訪問客に対する営業を行ったり、問い合わせのあった顧客の元へ赴いて営業を行ったりし、所属するメーカーの注文住宅や建売住宅、マンションなどを販売しています。
住宅は顧客にとって一生に関わる大きな買い物です。そのため、その第一印象を作る住宅メーカー営業は非常に重要な役割を果たしています。顧客のニーズやライフスタイルをヒアリングした上で、それにマッチした商品や間取りを提案し魅力を伝えなければならないため、高い営業技術も求められるでしょう。
また、住宅メーカー営業は担当顧客のアフターフォローを行うことも多く、顧客と長く付き合って行かなければなりません。そしてこの対応が、顧客満足はもちろん、後の新規顧客開拓やリフォーム・リノベーション契約に繋がる可能性もあります。つまり、住宅メーカー営業は物件販売後にも重大な役割を担っているのです。

住宅メーカー営業の仕事内容とは

住宅メーカー営業の業務は顧客と直接顔を合わせることが多く、また販売以外にも幅広い業務をこなしています。ここでは主な例をご紹介しましょう。

• 顧客対応(ヒアリング、提案、販売)
• 契約業務
• ショールーム、展示場案内
• 商品紹介
• 外回り営業
• 問い合わせ対応
• 書類作成
• イベント対応

具体的な間取りや外観の提案は設計士が行うことになりますが、中には住宅メーカー営業が、顧客のニーズをヒアリングした上で、簡単な間取りなどを提案することもあるでしょう。
また、営業活動以外にも、ショールームや展示場で行われるイベントへの対応や、書類作成・確認作業などの事務作業も行っています。

住宅メーカー営業になる方法

住宅メーカー営業になるには、住宅メーカーの採用試験に応募し、合格する必要があります。その条件は大学卒業以上とされることが多く、また新卒を中心に採用を行なっているメーカーもあるため、採用条件は事前によく確認しておきましょう。
また、住宅メーカーの求人に応募するにあたって、予め住宅や建築に関する知識を持っている必要はありません。しかし、そういった学歴や資格が採用にあたって有利に働くことはあるでしょう。
さらに、優れたコミュニケーション能力があることを採用試験で表現できれば、採用の可能性が高まると考えられます。

住宅メーカー営業に求められる資格や試験

住宅メーカー営業には、必須となる資格や試験はありません。資格よりも、顧客に住宅を販売するための高い営業技術や接客技術といった実力が問われるでしょう。ただし、入社後には関連資格の取得を求められる場合があり、資格取得者には手当が付くこともあります。
また、住宅メーカー営業は顧客をショールームへ案内したり物件や土地を回ったりと、自動車に乗ることも多い仕事です。そのため、自身で運転できるよう、普通自動車免許は取得しておいた方が良いでしょう。

今後の住宅メーカー営業の将来性

日本では人口が減少し、また住宅や車など、物を持たない若い世代が増加しつつあります。また、住宅購入は景気やローン利率、消費税などにも左右されることが多く、消費税が10%になった2020年現在以降、住宅を購入する人の数は減少し、住宅メーカーにとって厳しい状況が訪れる可能性が考えられます。
とはいえ、住宅を新規購入する人がいなくなることはありません。近年では大きなこだわりを持ってマイホームを建てる方も多く、また機能性住宅にも注目が集まっています。よって、デザインや機能など、優れた特性を持つ住宅メーカーであれば、会社はもちろん、営業としての将来性も見込めるでしょう。
さらに、政府も促進している、住宅ストック市場をターゲットとしたリフォーム・リノベーションビジネスは、今後住宅メーカーが力を入れていく分野であると予想されます。このような新ビジネスにおいても営業という職種は必要となるでしょう。

住宅メーカー営業の就職先

住宅メーカー営業の就職先は、各住宅メーカーです。
住宅メーカーは、全国規模の大企業から地域に密着した中小規模のものまで数多くあり、規模や会社によって待遇にも違いがあります。また、販売する住宅には建売住宅と注文住宅がありますが、会社によってそれらの住宅の特徴や雰囲気も大きく異なります。よって就職の際には、自身のビジョンと会社の待遇や特徴がマッチしているかどうか見極めることも大切でしょう。
ただし、住宅メーカーの採用は新卒を中心に行われる事が多く、新卒の選択肢が多い一方で、キャリア採用の枠が少ない可能性があります。
さらに、住宅メーカーは就職先として昔から人気のある分野ですが、営業の離職率が高いという現実もあります。就職先を選定する際には、待遇や環境を精査することが大切でしょう。

住宅メーカー営業の平均年収・MAX年収

住宅メーカー営業の平均年収は、注文住宅を取り扱う場合で、400万円〜600万円ほどとされています。日本の平均年収が460万円ほどであることを考えると、全体的に高めの水準にあると言えるでしょう。
また、これは会社によっても大きく違っており、大手メーカーの場合にはより高い年収を見込めると言われています。逆に、中小の会社では年収が下がることもあるでしょう。
ただし、営業職には営業成績が反映される歩合給というものが設定される場合が多く、成績によってはさらに高い収入を目指すことも可能です。

住宅メーカー営業に向いているのはこんな人

住宅メーカー営業は、住宅を販売する仕事です。そして、顧客にとって一生の買い物にもなり得る大きな額の商品を販売するためには、顧客との信頼関係が重要になります。よって、住宅メーカー営業には、顧客のニーズを引き出し疑問を解決するコミュニケーション能力や、顧客の不安に対応する誠実さが求められると考えられます。
また、建築に対する知識に長けていることも、住宅メーカー営業には重要です。実際に建築を手掛けることはなくても知識を持っておかなければ、顧客のニーズに沿った住宅販売はできないでしょう。
さらに、住宅の企画・施工はプラン通りにいかないことも多く、好みも顧客によって違います。どんな状況にも対応できる対応力や判断力、柔軟性も、住宅メーカー営業の実務には必要でしょう。

住宅メーカー営業に関連する職業や資格

住宅メーカー営業に関連する職業

住宅メーカー営業に関連する職業には、以下のようなものがあります。

• 建築士
• インテリアコーディネーター
• 建築設備士
• 建築模型士
• 家具職人
• 設備メーカー社員
• 大工

これらは全て住宅の建築に関わる職業です。
住宅メーカー営業は、顧客と現場を繋ぐ役割も果たしているため、建築士やインテリアコーディネーターなどと顧客のニーズに沿った住宅のプランを詰めたり、現場に顔を出し職人と打ち合わせしたりすることもあるでしょう。

住宅メーカー営業に関連する資格

住宅メーカー営業には必ず持っておかなければならない資格はありませんが、関連する資格には、「インテリアコーディネーター 」や「インテリアプランナー」、「宅地建物取引士」などがあります。これらの資格知識は、顧客へのプラン提案の幅を広げられる他、不動産取引も自ら行えるなど、住宅に関わる仕事をする中で大きく役立つでしょう。
また、「カラーコーディネーター」や「色彩検定」などの色彩に関する資格も、住宅提案に生かせます。