【ブリーダーになるには】仕事内容や必要な資格、適性を紹介!
- 2021.02.16
ブリーダーの概要や仕事内容
ブリーダーとは
ブリーダーとは、犬や猫を管理し、交配・出産をさせ、生まれた生体を個人やペットショップに販売する職業です。ブリーダーは「第一種動物取扱業」にあたり、ブリーダー行を営むためには、自治体への登録が必要になります。
そもそもブリーディングとは、犬種や猫種の質向上、または体質改良を目的として行うものです。そのため、ブリーダーはより優れた血統の犬や猫を生み出すため、豊富な知識と綿密な管理によって犬を育て、交配を行っています。
しかし、日本に存在しているのは、優良ブリーダーだけではありません。無理な繁殖をさせる悪質ブリーダーやブリーダー崩壊などは大きな問題となっています。
このようなブリーダーの問題をなくすために法改正を求める声は多く、今後はブリーダーに関連する法規が変更される可能性もあります。
ブリーダーの仕事内容とは
ブリーダーの仕事は、犬や猫を交配させることです。しかし、ブリーダーは命を扱う仕事であり、複数の生体を管理するため、生体の世話が仕事の大きな部分を占めます。
ブリーダーの主な仕事内容をご紹介しましょう。
- 生体の世話
各個体の体調管理や食事の管理、運動、犬舎の世話、シャンプー、ブロー、ブラッシング - 繁殖
交配相手の選定や妊娠個体の体調管理、出産のフォロー - 販売
販売ルートの確保、商談、契約、重要事項説明 - その他
情報提供、ドッグトレーニング、ペットホテル業
ブリーダーによっては、ドッグトレーニングやペットホテルのサービスを行なったり、飼い主に対して犬や猫の飼育に関する情報提供を行なったりすることもあります。
ブリーダーになる方法
ブリーダーになるために、定められた方法はありません。しかし、一般的なルートは、ブリーディング会社への就職、または活躍しているブリーダーの下で働いてスキルを身に付けるか、自ら犬や猫を育ててブリーディングを始めるかのどれかになるでしょう。
ただし、ブリーディングには専門知識が必要なので、就職・開業する前には大学や専門学校で動物について学ぶ人が多いようです。
また、独立してブリーディングを始めるためには、以下のような用意が必要です。
- 入念な長期を見据えた事業計画
- 犬や猫に関する知識と技術を身に付ける(資格、学歴、もしくは実務経験が必要になる場合も)
- 事業を行う環境を整える(資金準備、設備の整備、生体の確保等)
- 自治体への登録
- 売買ルートの確保
このように、独立してブリーディングを行うためには、知識や技術とともに、事務手続きやビジネスプランの作成、また資金も必要です。これらを用意するためにも、綿密な計画性は重要でしょう。
ブリーダーに求められる資格や試験
日本では、ブリーダーになるための必須資格や試験は定められていません。専門知識と技術を持ち、環境を整えれば、誰でもブリーダーになることは可能です。
ただし、ブリーダーとして開業するためには、「第一種動物取扱業」の登録を行わなくてはなりません。「第一種動物取扱業」の登録を行うには、以下の要件を満たしていることが条件になります。
- 実務経験が6ヶ月以上あること
- 1年間以上の期間を要する第一種動物取扱業に関連する教育機関を卒業していること
- 公平性及び専門性を持った団体が行う試験により、知識・技術を習得していると証明できること
- 欠陥要件(成年被後見人、被保佐人、復権のない破産者、罰金以上の動物愛護・管理法律違反者等)に該当しないこと
この他に、事業所や施設の基準、事業を営むにあたってのルール等も定められているので注意しましょう。
また、「第一種動物取扱業」の登録には、常勤職員の中から「動物取扱専任者」を選定することも必要です。「動物取扱専任者」の条件は、以下のようになります。
- 獣医師資格保有者
- 愛玩動物看護師資格保有者
- 社会法人等の専門性を有する資格保有者かつ第一種動物取扱業者で6ヶ月以上の実務経験者
- 獣医学、動物看護学、畜産学等の教育機関卒業者かつ第一種動物取扱業者で6ヶ月以上の実務経者
このうち、いずれかひとつを満たしていれば、「動物取扱専任者」になることができます。
今後のブリーダーの将来性
2019年の調査によると、日本における犬の飼育頭数は8,797,000頭、猫の飼育頭数は9,778,000頭でした。また、犬を飼っている世帯率は12.55%、猫を飼っている世帯率は9.69%となっています。つまり、日本国内では20%以上の世帯が犬もしくは猫と暮らしているのです。
日本ではペットショップやブリーダーから犬や猫を購入するという方法が一般的です。そのため、今後も一定の割合で、犬や猫のブリーダーによる販売需要は続くでしょう。
しかし、近年では保護犬・保護猫に注目する人も増えています。一部ではペットショップでの生体販売を中止する動きもあり、動物愛護の観点から見たペットビジネスにおける改革は、今後進んでいく可能性があります。特に、悪質なブリーダーへの取り締まりは強くなっていくでしょう。
よって、長くブリーダーとして活躍するためには、命を扱っていることを自覚し、一頭一頭を大切に、犬や猫のブリーディングを行うことに尽きます。大切に犬や猫を育てているブリーダーであれば、結果的に犬・猫の健康面や性格にそれが現れ、消費者にも信頼されるでしょう。
ブリーダーの就職先
ブリーダーとして働くための就職先は、ブリーディングを行っている会社です。ブリーディングを行う会社は多数あるため、まずは会社を探すことから始めることになるでしょう。
ただし、就職活動を行うにあたって、相手先のブリーディング会社についてよく調べておくことは必須です。会社によって扱う犬種や猫種が違う他、方針や環境にも違いがあるためです。
また、きちんと管理を行い、愛を待って動物達を育てるブリーダーがいる一方で、無理な交配をさせるパピーミルと呼ばれるような悪質ブリーダーも日本国内には多く存在します。辛い思いをする犬や猫を増やさないためにも、ブリーダーとしての就職先選びは慎重に行うようにしましょう。
ブリーダーの平均年収・MAX年収
ブリーダーの平均月給は、25〜30万円程度が平均です。年収にすると、300万円〜400万円が相場でしょう。ブリーディング会社は中小企業であることが多いですが、企業の規模によっても収入には差があり、小企業よりも中企業の方が高収入になる傾向があります。
また、独立開業しているブリーダーの場合は、整体の販売数や価格によって、年収が変わります。しかし、動物達の世話にかかる経費を差し引くと、あまり多くは残らないというケースが多いようです。
ブリーダーに向いているのはこんな人
ブリーダーに向いているのは、以下のような人です。
- 犬や猫が好きな人
- 犬や猫の性質に詳しく、扱いを心得ている人
- 責任感がある人
- 体力がある人
- 向上心を持っている人
- コミュニケーション能力に優れた人
ブリーダーは、犬や猫の管理や世話を行うことが仕事です。そのため、犬や猫が好きなことはもちろん、犬や猫に関する専門的知識を豊富に持っていることも大切です。
また、掃除や散歩、健康管理など、複数匹の犬や猫を毎日世話し、1頭ごとにきちんと愛を持って接するためには、責任感や体力も必要でしょう。
さらにブリーダーは、動物に関する知識を常に高めていく必要があります。そしてそれには、他ブリーダー、獣医師などとの交流が必須になります。よって、より良いブリーディングを目指す向上心に加え、関連職と交流を深めるためのコミュニケーション能力も、ブリーダーにはあると良いでしょう。
ブリーダーに関連する職業や資格
ブリーダーに関連する職業
ブリーダーに関連する職業を挙げてみましょう。
- 獣医師
動物専門の医師 - 動物看護師
動物専門の看護師 - ドッグトレーナー
犬のしつけやトレーニングを行う - ハンドラー
ドッグショーに出る犬の管理を行う - トリマー
犬専門の美容師 - アニマルセラピスト
病気を持つ人や高齢者を対象に、動物を伴ってアニマルセラピーを行う - 飼育スタッフ
動物園やペットショップ、アニマルカフェなどで動物の世話を行う
これらは全て犬や猫に関わる職業で、犬や猫が健康で過ごせるよう、また人間とうまく共存できるよう、治療やしつけ、管理などを行っています。
ブリーダーに関連する資格
先述の通り、ブリーダーに必須資格はありません。しかし、ブリーディング会社に必要な「第一種動物取扱業」の登録を受けるのに必要な「動物取扱責任者」になるための「社会法人等の専門性を有する資格」には、以下のようなものが挙げられます。
- JKC愛犬飼育管理士
「動物の愛護及び管理に関する法律」に基づいた知識を測るジャパンケネルクラブの認定資格 - 公認訓練士
日本警察犬協会、またはジャパンケネルクラブによる犬を訓練するための知識や技術を認める資格 - 愛玩動物飼養管理士
ペットを飼育するために必要な知識や技術、また関連法規や歴史を学び、普及させるための指導員養成資格 - 動物看護師
動物の看護や管理に関する知識や技術を認定する資格 - 認定ペットシッター
ペットを預かり世話をするための、知識や技術を認める資格 - トリマー
トリミングの技術や知識、センス、また健康管理能力を認める資格
どの資格も、動物の生態や管理に関する知識とその扱い方を認める内容になっています。ただし、上記は一例で、「社会法人等の専門性を有する資格」は全部で26種認められています。
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