3DCGクリエイターになるには
- 2020.04.01
3DCGクリエイターの概要や仕事内容
3DCGクリエイターとは
3DCGクリエイターとは、3DのCG(コンピューターグラフィックス)を制作する職業です。コンピューターで仮想の空間やキャラクターを作り、それらを動きや影、光などを用いて立体的・現実的に作り上げることが主な仕事です。こうして完成したCGは、ゲームやウェブなどあらゆるツールで使用され、まるで本物のようなリアルな表現で消費者を楽しませています。
3DCGクリエイターの仕事は、ゲームやメディア、ウェブなどの分野で重要な役割を担っており、近年では随分一般的になりました。毎日の生活の中で、3DCGクリエイターが手掛けたCGを目にしている方も多いでしょう。
そんな3DのCG制作は非常に難しく、2Dのものと比較しても高度な技術が必要です。よって、それを作る3DCGクリエイターには優れた知識・技術やセンスが求められ、CGを扱う職業の中でもテクニカルなものとして知られています。
3DCGクリエイターの仕事内容とは
先ほど述べたように、3DCGクリエイターの仕事は3DのCGを制作することです。しかし、実際の業務はそれだけではなく、企画を出したりミーティングや修正などを重ねたりしながら、作品作りを行なっています。
また、CG制作自体も手掛ける部分によって仕事が分けられています。ここでは、その具体例をご紹介しましょう。
- モデリング→人物や物、背景などを立体的に形成する
- モーション→モデリングにより完成したものに動きをつけていく
- エフェクト・ライティング→光や衝撃などを視覚化していく
- レンダリング→最終画像を生成する
3DCGクリエイターは、このような種類の仕事を分業したり複数受け持ったりして、チームで制作を行っています。
3DCGクリエイターになる方法
3DCGクリエイターになるための一般的な方法をご紹介します。
学校で専門知識を学ぶ
CG制作には、専門的な知識と技術が必要です。そのため、3DCGクリエイターを目指すなら、まずはデザイン系の専門学校や大学・美術大学のデザインコースなどに進み、CGデザインの基礎を学びましょう。またこの時に、ポートフォリオの作成、またはMayaソフトや3dsMaxといった3DCGデザインに必要なソフト技術の習得をしておけば、就職活動や就職後の実務に役立ちます。
CG制作会社に就職する
学校卒業後にゲームやメディア、ウェブなどの制作会社やデザイン会社、テレビ局などに3DCGクリエイターとして就職できれば、いよいよCG作品の制作に携わることができます。就職後にはアシスタント期間もあると考えられますが、経験を積むうちに手掛ける仕事も増えていくでしょう。
ただし、3DCGデザインの仕事には高い技術が求められるため、採用され活躍するには、努力とセンスが必要です。
フリーランスで活動する
3DCGクリエイターの中には、独立してフリーランスとして活動している方もいます。そして、その多くは制作会社などで経験を積んだクリエイターです。
フリーランスとして多くの仕事を受けるようになれば、責任や業務は増えるものの、収入も増える可能性があります。
3DCGクリエイターに求められる資格や試験
3DCGクリエイターには、必ず必要になる資格や試験はなく、技術や知識があれば働くことができます。
しかし、実務に役立つCG関連の資格はいくつかあり、中でも「CGクリエイター検定」という資格は広く知られています。そこでここでは、「CGクリエイター検定」についてご紹介しましょう。
<h3> CGクリエイター検定とは</h3>
2D・3DCGの制作やデザイン、構図など、CGを用いた映像・静止画制作における知識や技術を測る検定。CG-ARTS協会により実施されており、毎年2000人前後が受験する人気の資格です。
また、レベルはベーシックとエキスパートに分かれており、ベーシックは2D、エキスパートは3D制作メインの内容となっています。
特にエキスパートレベルは、3DCGクリエイターの実務に大きく役立つでしょう。
難易度や試験について
CGクリエイター検定の検定合格率は、ベーシックが68.5%、エキスパートが23.55%(2019年前期)であり、100点満点中70点以上の得点率で合格という基準が設けられています。エキスパートレベルの難易度は上がりますが、ベーシックは比較的優しいと予想されます。
試験の概要については、以下の表をご覧ください。
ベーシック | エキスパート | |
試験日程 | 7月・11月 | |
試験会場 | 全国20都道府県 | |
受験料 | 5,500円 | 6,600円 |
試験時間 | 60分 | 80分 |
試験形式 | マークシート方式 | |
受験資格 | 特になし |
※2019年の日程です
今後の3DCGクリエイターの将来性
近年、スマートフォンやタブレット、そしてインターネットの普及により、ゲームをする消費者が増加しています。中でも日本のゲームは人気が高く、世界的な評価を受けるようになりました。そして、それに伴いCGの需要も高まっているため、3DCGクリエイターの将来性は明るいと考えられます。
また、3DCGの技術はCG制作の中でも高い技術を要する仕事です。よって、優れた実力を持っているクリエイターであれば、CG制作業界の中でも需要が高いと予想されます。3DCGクリエイターを長く続け活躍するためには、技術やセンスを磨く努力が必要でしょう。
3DCGクリエイターの就職先
3DCGクリエイターの主な就職先は、ゲームやメディア、ネットツールなどの制作会社やデザイン会社です。それぞれの会社によって手掛ける作品は違いますが、クライアントから依頼を受けて行う制作がメインになります。また、テレビ局に就職し、自社番組のCGを手掛けるのもひとつです。
さらに、近年では建築や自動車などの分野でもCGが用いられ業務を効率化させており、その分野の幅は今後も広がっていくと予想されます。
これらは会社に属する場合ですが、3DCGクリエイターはフリーランスとして活動することもできます。
3DCGクリエイターの平均年収・MAX年収
3DCGクリエイターの年収は、300万円〜500万円ほどであると言われています。これは、クリエイター系の職種の中でも平均的な額であり、日本人の平均年収440万円を鑑みても、ごく平均的だと言えます。中でもテレビ局に就職した場合には、高収入を期待できます。
また、会社で実績を評価されていたりフリーランスとして成功していたりする場合には、平均以上の年収を得られる可能性があり、年収には実力が反映されると考えられます。
3DCGクリエイターに向いているのはこんな人
3DCGクリエイターは、平面のCGを立体のように見せなければなりません。そしてそのためには、物の立体感や遠近感、光、動きなどを正確に捉え、表現しなければなりません。よって、物の観察力やデッサン力に優れ、加えて表現力がある人は、3DCGクリエイターに向いていると考えられます。
さらに、魅力的な作品を生み出せる創造力やパソコンと向き合う細かな作業に耐えられる集中力も大切です。
また、CG制作はチームで行うことが多い仕事です。メンバーと協力しながらスムーズに仕事を進めるためには、高いコミュニケーション能力も求められます。
3DCGクリエイターに関連する職業や資格
3DCGクリエイターに関連する職業
3DCGクリエイターに関連する職業には、以下のようなものがあります。
- ゲームクリエイター
- 2Dデザイナー
- CGディレクター
- CGモデラー
- CGアニメーター
- Webデザイナー
- グラフィックデザイナー
- アートディレクター
- アニメーター
- キャラクターデザイナー
- プロデューサー
- 声優
これらは全てゲームやアニメ、ウェブ制作に関わるクリエイティブ系の職業です。3DCGクリエイターは多くの場合、これらの職業の人々と分業したりミーティングを重ねたりしながら、作品作りを行なっています。
3DCGクリエイターに関連する資格
先述の「CGクリエイター検定」以外に、3DCGクリエイターに関連する資格をご紹介します。
- CGエンジニア検定
- 画像処理エンジニア検定
- Photoshopクリエイター能力認定資格
- Illustratorクリエイター能力認定資格
- 色彩検定
- カラーコーディネーター検定
CGや画像編集に関する資格は、3DCGクリエイターの実務に役立ちます。また、CG制作には色彩デザインも重要になるため、色彩関連の資格を取得しておくのも良いでしょう。
3DCGクリエイターになれる専門学校はこちら-
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