ランドオペレーターになるには
- 2020.12.04
ランドオペレーターの概要や仕事内容
ランドオペレーターとは
ランドオペレーターとは、ツアーオペレーターとも呼ばれ、海外旅行において、現地でのさまざまな手配を担う職業です。ホテルの予約を始め、交通手段やレストランの手配、時には観光案内まで行い、観光客がスムーズに海外旅行を楽しめるよう業務を行なっています。
ホテルやレストランなどの予約・手配を行うには、現地の情報に精通していなくてはなりません。また、現地の言語スキルも必要です。そのため、ランドオペレーターの中には海外在住者が多く、現地に住んで現地の情報や文化に親しんだ人が、主に日本人観光客を相手に業務を行なっています。さらに、近年では訪日外国人の増加により、日本でのランドオペレーターの活躍も増えています。
とはいえ、ランドオペレーターは観光会社とは違います。観光会社からの依頼を受けてさまざまな手配を行うのがランドオペレーターであり、ランドオペレーターは観光会社と観光客を繋ぐ重要な役割を果たしている職業だと言えるでしょう。ただし、ランドオペレーターは観光会社に所属しているケースもあります。
ランドオペレーターの仕事内容とは
ランドオペレーターの具体的な仕事を挙げてみましょう。
- 宿泊施設の予約
- レストランの予約
- 交通手段の手配
- ツアーガイドの手配
- 免税店での商品販売の手配
- 観光案内
- スケジュール管理
- 現地の日本語、もしくはインバウンド対応の確認
- トラブル対応
このように、ランドオペレーターは現地の知識を生かし、予約・手配業務を中心に行います。予約・手配業務は、スムーズな旅程進行やホテルやレストランに関する顧客満足に直結するため、非常に重要です。そのため、手配業務は現地に精通したランドオペレーターにこそこなせる仕事だと言えるでしょう。
ランドオペレーターになる方法
ランドオペレーターになるために、定められた経歴や学歴はありません。ただし、ランドオペレーターとして営業を行うためには、「旅行業務取扱管理者」もしくは「旅行サービス手配業務取扱管理者」の資格取得後、都道府県に「旅行サービス手配業」として登録を行わなければなりません。この資格や登録については、次章でご説明しましょう。
ランドオペレーターになるために一般的なのは、大学や短大、専門学校などで語学や観光学を学び、旅行会社やツアーオペレーター会社にランドオペレーターとして就職するコースです。また、旅行業界の他職種で経験を積んでから、ランドオペレーターに転職するケースもあります。
ランドオペレーターは、旅行会社の海外支社に所属したりフリーランスのランドオペレーターとして海外に住んだりすることが多いため、語学力は早いうちから養っておく必要があるでしょう。
ランドオペレーターに求められる資格や試験
先述の通り、2018年1月から、旅行業法によりランドオペレーターは登録制になりました。
そして、登録を行うには、以下の資格のうちどちらかを取得する必要があります。
- 旅行業務取扱管理者
旅行業者に義務付けられている資格。
旅行業者は、営業所ごとに「旅行業務取扱管理者」を選任しなければなりません。
「総合旅行業務取扱管理者」と「国内旅行業務取扱管理者」に分かれており、海外旅行を扱うためには前者の取得が必要です。 - 旅行サービス手配業務取扱管理者
旅行サービス手配業者に義務付けられている資格。
旅行サービス手配業者は営業所ごとに「旅行サービス手配業務取扱管理者」を選任しなければなりません。
この資格は、旅行サービス手配業務取扱管理者研修を受け、研修後に行われる修了試験に合格すれば取得可能で、修了試験の合格率は100%近いと言われています。つまり、研修に参加すればほぼ取得可能だと言えるでしょう。
ランドオペレーターとしての登録には、資格の他にも、さまざまな要項が定められています。
全てを満たし、都道府県知事の登録を受けて初めて、ランドオペレーターは営業を行えるのです。
難易度や試験について
「旅行業務取扱管理者」資格取得には、年に1回開催される国家試験を受験し、合格しなければなりません。合格率は不明ですが、出題される4科目の内容についてはしっかりと押さえておく必要があるでしょう。
試験概要は以下の表、もしくは「旅行業務取扱管理者」試験の公式ホームページをご確認ください。
受験日程 | 10月 |
受験料 | 6,500円 |
試験会場 | 北海道、宮城、東京、愛知、大阪、広島、福岡、沖縄 |
試験形式 | 不明(科目は「旅行業法及びこれに基づく命令」「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」「国内旅行実務」「海外旅行実務」の4科目) |
試験時間 | 120分 |
受験資格 | なし |
合格条件 | 各科目60%以上の得点率 |
※2020年現在の試験概要です。
今後のランドオペレーターの将来性
日本から海外へ旅行する人は、近年増加傾向にあります。格安航空会社が増加したことに加え、航空路線は拡大され、私達はより気軽に海外へ足を運べるようになりました。
そして、それと同時に海外から日本へ来る訪日外国人も増加しています。
このように、世界的に海外旅行が一般的なものとなった現代において、ランドオペレーターは現地と旅行客、そして旅行会社を繋ぐ重要な役割を果たしています。今後は予約・手配事務自体は技術発展による影響も受けると考えられますが、顧客ニーズに合ったオペレーター業務を行える優れたランドオペレーターであれば、需要は保たれるでしょう。
ただし、2020年は新型コロナウイルスの影響により、海外旅行数は前年比-99%にも及んでいます。今後のランドオペレーターの将来性は、事態の収束次第だと言えるでしょう。
ランドオペレーターの就職先
ランドオペレーターの主な就職先は、旅行会社もしくはツアーオペレーター会社です。旅行会社やツアーオペレーター会社は数多くあり、営業所も多いですが、中でもランドオペレーターは現地での仕事が多いため、会社の海外営業所に配属されることが多いようです。
ただし、ランドオペレーターの求人はそれほど多くはありません。また、旅行業経験者が優先的に採用される傾向にあります。
また、ランドオペレーターの中には会社に所属せず、フリーランスとして活躍している人もいます。その場合、未経験から活動することは難しいため、旅行業界で経験や人脈を増やしてから、独立するのが一般的です。
ランドオペレーターの平均年収・MAX年収
ランドオペレーターの年収は、300万円〜450万円ほどが相場です。これは、日本人のごく平均的な年収水準、もしくはそれ以下ということになります。ただし、所属する会社やキャリアによって、個々の年収は大きく変わると予想されます。
また、初任給の場合、未経験者は20万円程度、旅行業界での職務経験者であれば25万円程度が相場でしょう。
さらに、時給で働く場合には、時給1,000円ほどの待遇になることが多く、他の職と比べ特段高時給になるわけではないようです。
ランドオペレーターに向いているのはこんな人
ランドオペレーターは、現地に不慣れな観光客に変わって現地での手配や交渉を行う、外国と日本を繋ぐ職業のひとつです。そのため、外国の文化や観光に興味がある人、かつ語学力や海外文化に対する知識に優れている人は、ランドオペレーターに向いています。
また、ランドオペレーターには優れた情報力も求められます。ランドオペレーターが手配する宿泊施設や食事は、旅行の満足度を左右する重要なポイントになるためです。さまざまな情報を持っていれば、予想外の出来事が起こった時にも対応しやすくなるでしょう。
さらに、現地の人々とうまく交渉するための交渉力やコミュニケーション能力もランドオペレーターには必要です。優れた交渉力により有利な契約ができれば、旅行客にとってプラスになり、ランドオペレーターとしての評価にもつながるでしょう。
ランドオペレーターに関連する職業や資格
ランドオペレーターに関連する職業
ランドオペレーターに関連する職業を挙げてみましょう。
- ツアープランナー
観光ツアーのプランニングを行う職業 - ツアーコンダクター
観光ツアーに同行し、工程管理やツアー参加客へのサービスを行う職業 - カウンターセールス(旅行)
旅行カウンターで来店客への接客、契約業務を行う職業 - 海外現地ガイド
海外現地に住み、観光案内や送迎を行う職業
これらの職業は全て旅行業にあたります。ツアープランナーが企画したツアー商品をカウンターセールスが販売し、必要な予約・手配をランドオペレーターが担当、ツアーコンダクターや海外現地ガイドが実際のツアーに同行するというのが、一般的な流れでしょう。
このように、旅行ツアーを成立させるためにはランドオペレーターを含む多くの職業が関わっています。
ランドオペレーターに関連する資格
ランドオペレーターには、語学力が必要です。
そのため、「TOEIC」や「英検」、「中国語検定」、「フランス語検定」など、外国語系資格の取得は、業務に役立つでしょう。
また、以下のような資格もランドオペレーターの仕事に生かすことができます。
- 旅程管理責任者
ツアーに同行する添乗員の必要資格。「国内旅程管理責任者」と「総合旅程管理責任者」の2種。 - 通訳案内士
外国人に対し、通訳ガイドを行うための国家試験。 - トラベルコーディネーター
旅行販売業務のスキルを測る資格。 - 旅行地理検定
各地の地理や観光に関する知識を測る検定。 - 世界遺産検定
世界遺産に関する知識を測る検定。
旅行に関する知識とともに、現地での観光に関する知識もあれば、ランドオペレーターとしてより幅のある活動ができるでしょう。
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