CADオペレーターになるには
- 2020.12.04
CADオペレーターの概要や仕事内容
CADオペレーターとは?
まずCADとは「Computer Aided Design」の略でコンピューターを用いて設計をするツールのことを言います。人の手で行われていた設計をコンピューターで支援し、効率を高めることができるようになったのです。今では2D設計では解決できなかった問題を解決することができる3Dモデルの設計を行うことができる3DCADも登場しています。
前置きが長くなりましたが、CADオペレーターとは、CADの操作を行う専門職です。
設計者やデザイナーが設計・デザインしたものをCADに入力し、図面やデータにしてコンピューター上で利用できるようにしたり、設計やデザインの変更があればデータの修正をしたりします。
CADは物作り業界で広く使われており、建設業界や機械、輸送機器(自動車・飛行機など)、電子部品、家具、装飾品、衣類など様々です。
CADオペレーターの仕事内容とは?
CADオペレーターは次のような作業を行います。
①設計(図面の作成)
②デザイン
⇨例えば車のデザインを3DCAD上で行うなど。設計者などにデザインが伝わりやすくなるといったメリットがある。
③3Dプリンターデータの作成
⇨3DCADを使えば3Dプリンターで使われている拡張子(STL、OBJなど)の3Dデータの作成が可能になる。
④解析・シミュレーション
⇨3DCADで作成したデータを利用したシミュレーションなど。
例えば机のモデルを作成したとして、その机にどれだけの負荷をかけることができるか、部品の動きに干渉がないか、どこまで曲げることができるかなど、様々なシミュレーションが可能です。
このようにCADを利用して様々な設計やデータの作成を行います。
CADオペレーターになる方法(資格取得方法等)
CADオペレーターになるために特別な資格はありません。
正直なところCADオペレーターとしてだけ仕事をするというよりは、今やっている仕事のスキルアップやキャリアアップのためにCADオペレーターの資格を取得するという方が多いのではないでしょうか。
例えば建築業界でCADオペレーターとして活躍する人はまず大学や専門学校で建築について学んだり資格を取得したりして、就職した後にCADオペレーターとしてキャリアを積んでいくケースが多いと言います。
資格難易度や試験について
試験について
CADソフトには2Dや3D、また業種によって多くの種類があります。
それに伴って資格も細分化されており、CADオペレーターの資格も数多く存在します。
そのため自分が働く上で必要な資格を取得することになるでしょう。
ここではCADオペレーターとして就職・転職する際に役に立つのではないかと考える資格をいくつかご紹介します。
・2次元CAD利用技術者試験
・3次元CAD利用技術者試験(3DCADの評価に特化した資格)
・建築CAD検定試験(建設図面の作図に特化した資格)
・AutoCADユーザーオートデスク認定資格プログラム(オートデスク社製品のCAD操作の活用ができることを認証する資格。世界共通の資格制度であるため世界中でCADスキルを証明することが可能になる。)
・Vectorworks操作技能認定試験(ベクターワークスが持っている2D、3D、データベースなどの基本操作をすることができると認定する試験。デザイン会社に就職する人などにおすすめ。)
では参考に「2次元CAD利用技術者試験基礎」の概要を見てみましょう。
この試験は受験対象者を「これからCADを本格的に学ぶことを目的とした、3ヶ月程度の就学者を想定して試験を行います。2級および1級へのステップアップとしてだけではなく、将来、設計や製図、CADシステムの販売等の業務を目指す方が対象です。」としているため特に建築・機械の分野のCADオペレーターを目指す人は取得しておきたい資格の1つとなります。
1級は管理業務を行う方を対象としていますのでキャリアアップにもピッタリですし、知名度も高い試験のためおすすめです。
●試験の概要
※下記は2020年の試験の日程です。
受験申込方法:新たに試験に申し込まれる方は「試験申込みサイト」から「基本情報」を登録してください。
同サイトの「試験申込み」から試験の申し込みを行ってください。
マイページの「申込済試験」タブの該当試験部分に表示されている「受験する」ボタンを押してください。
試験科目:
■CADシステムの知識と利用
CADシステムの概要と機能、CADシステムの基本機能、CADの作図データ
■CADシステムのプラットフォーム
CADシステムとハードウェア、CADシステムとソフトウェア、ネットワークの知識、情報セキュリティと知的財産、コンピュータの操作、OSの基本操作
■製図の知識
製図一般、製図の原理と表現方法、製図における図形の表現方法
■図形
三角形、四角形と多角形、円、三平方の定理、三角関数、立体図形
合格発表:試験終了後、すぐに結果が表示されます。正式な合否通知は、受験した翌
日10時より、マイページからダウンロードができるようになります。
今後のCADオペレーターの将来性
CADは物作り業界で働く上で欠かすことができない技術となっています。
この先も急にCADに変わるソフトなどが出ない限り、CADが使われ続けることは間違い合いませんし、急に新しいソフトが誕生してCADに取って代わると言うこともあまり考えられませんので、まだしばらくはCADを使った仕事をすることができるでしょう。
しかし、CADを使えるということは特別なことではありませんので、自分が働く業界のスキルをしっかり持っている上でCADが使えるようになっていなければいつかCADに変わる何かが出てきたときに仕事がなくなってしまう可能性があります。
総合的にCAD一本でやっていくことの将来性は低いと考えられます。
やっていこうとするのであれば、常に最先端のCAD技術を持って対応する力が必要でしょう。
CADオペレーターの就職先
CADオペレーターの就職先には次のような場所があります。
・建設会社
・機械メーカー
・自動車メーカー
・電機メーカー
・アパレルメーカー
・家具、インテリアメーカー
・航空機メーカー
・ など。
CADオペレーターの平均年収・MAX年収
CADオペレーターの平均年収は約500万円となっています。
CADが活躍する場が幅広いため、就職した企業の業種や大きさによって年収が異なりますので約300万円という年収の働き先もありますが、勤続年数10年で年収1,000万円というモデルを掲載している企業もあります。
CADオペレーターに向いているのはこんな人
CADオペレーターはCADを使いこなすことができなければ評価されません。
そのため日々スキルを磨く努力をすることは欠かせないでしょう。
また、どの業界で働くとしてもCADを使うということはもの作りをするということですので、もの作りが好きである人に向いている職業です。ただし、もの作りには集中力が必要です。地道な作業を集中して行える人であることが求められます。
CADオペレーターに関連する職業や資格
●関連する資格
●土木設計技術者
土木設計技術者は橋や道路、鉄道、ダム、トンネルなど土木工事を進めるための調査・計画・設計を行う技術者です。
構造物を設計するにあたっては、工事現場の予定地へ出向き、測量やボーリング調査、地形・地質などの現場の状態を調査します。気象条件や周辺の自然条件、工事による経済効果や関係法令の規制など社会経済的条件など、様々な情報を収集し、構造物の基本設計の立案や細部の設計を行っていきます。
土木工事の設計や計画の業務にもCADの導入が進められているため、土木施工管理技士などの資格を持ち、CADを使いこなすことができればこの先最先端で活躍していくことができるのではないでしょうか。
-
前の記事
漫画家になるには
-
次の記事
ブライダルプロデューサーになるには