大工・左官になるには

  • 2020.12.04
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大工・左官の概要や仕事内容

大工・左官とは?

大工や左官は建設業界で働く職人で、大工は木材などを使った建物の建築などを行い、左官は土やセメントを使った建物の仕上げなどを行います。
似たような仕事のように思えますが、昔は大工のことを「右官」と呼んでいたことからもわかるように、職人という意味では同じですが行う仕事は異なるということになります。

大工・左官の仕事内容とは?

では大工と左官それぞれの仕事内容をみていきましょう。

●大工
大工は建築士が作成した設計図に基づいて建築材料をかんなやのこぎりなどの道具を用いて加工し、木造の建築物の建設や修理を行うことなどが主な仕事になります。
建築士が作成した設計図を正確に読み取って加工を行わなければなりませんし、建築技術や建材の専門知識も必要です。また、近年はパソコンを利用した図面の作成やスケジュール管理を行う大工もいますので、イメージ的にはかなり身体を使った仕事のようですが、実はかなり頭を使う仕事でもあります。特に長く大工をしているようないわゆる「職人」と言われるような人たちは、設計図や建材を見るだけでおかしい点に気づくことができると言います。

建築に関しては建物の骨組みの作成や、壁、床、天井などの下地の作成を行います(壁などの仕上げは内装工が行うことが多いようです)。

●左官
左官はコテ(鏝)という道具を使って建物の壁や床を塗る技術職人です。
最近ではおしゃれな外壁や和室の土壁、塀などを左官が塗っているのをテレビで取り上げられたりしていますよね。伝統的な日本家屋にも欠かすことができない職人です。

コテにはたくさんの種類があり、塗る素材や用途に合わせてコテを使い分けます。
また、日本家屋や洋風建築など建築様式を問わず家に合わせて塗りを行いますので、素材の種類や混ぜ方なども変わりますし、場合によっては壁の模様になるように塗ることもありますので知識や技術、それにセンスが必要です。

中には歴史的建造物を修復する左官もいます。
その際は塗りに使われた素材の配合や、建物の歴史などを調査しなければなりませんので歴史や文化などの知識も求められます。
このように、大工と同じく体力を使う仕事であるのと同時に、専門知識なども求められます。

大工・左官になる方法(資格取得方法等)

大工や左官になるための特別な資格はありません。
特に学歴や年齢も関係なく就職することができることが多いので、中学を卒業してすぐに大工に弟子入りすることもあります。
他にも就職して建設会社や工務店に勤務して大工として活躍する人もいます。

ただし、大工や左官としてキャリアアップするために資格を取得したいと言う場合は一定の学歴が必要になることがあります。中には大学を卒業することが条件になるものもありますので、取得したい資格がある場合は受験資格などを確認しておいたほうが良いでしょう。

大工におすすめの資格として「木造建築物の組立て等作業主任者」や「建築大工技能士」、「二級建築士/木造建築士」などがあります。
左官におすすめの資格には国家資格の「左官技能士」があります。
就職に有利にしたい場合や独立開業を目指す場合には取得しておきたい資格とも言えます。

資格難易度や試験について

試験について

ではおすすめの資格のうち「木造建築物の組立て等作業主任者」についてチェックしておきましょう。
この資格は国家資格で、事業者は労働災害を防止するための管理を必要とする作業に配置することが義務づけられています。よく工事現場などに「作業主任者」の記載があると思いますが、そこに書いてある名前の人が木造建築物の組立て等作業主任者です。
取得すれば責任がある立場で仕事ができるようになるので、他の大工と一線を画すことができるのではないでしょうか。

この資格は講習を受けることによって取得することができます。
受験資格や講習内容についてチェックしてみましょう。

●講習の概要
受講資格:
①木造建築物の構造部材の組立てまたはこれに伴う屋根下地もしくは外壁下地の取り付けの作業に、18歳より3年以上従事した経験を有する者。
② 大学、高等専門学校または高等学校において、土木または建築に関する学科を卒業し、その後、2年以上構造部材の組立て等の作業に従事した経験を有する者。
③職業能力開発促進法に基づく一定の訓練を修了し、その後2年以上構造部材の組立て等の作業に従事した経験を有する者。

講習地: 全国(受付期間や講習日、合格発表日は地域によって異なるため要確認)

講習内容:13時間/2日間(修了試験時間を除く)
① 木造建築物の構造部材の組み立て、屋根下地の取付等に関する知識
② 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識
③ 作業者に対する教育等に関する知識
④ 関係法令
⑤ 修了考査

今後の大工・左官の将来性

東京オリンピックなどの影響もあり、建設業界は建設ラッシュを迎えています。
家屋の老朽化などの問題もあり、新築だけでなくリノベーションなど様々な場面で大工や左官の仕事がありますので、まず仕事がなくなることはないでしょう。

大工も左官も、今ある建物をどのように復活させることができるか、いかにおしゃれに作ることができるかなど、対応力や技量によってはかなり需要がある仕事です。
またAI化の時代が来たとしても人の手で行わなければならない作業は機械にはまねできないと考えると、機械に取って代わられることもないでしょう。
これらのことから常に技術を磨き続けることができれば将来性は充分にあると言えるのではないでしょうか。

大工・左官の就職先

大工や左官の就職先には次のような場所があります。
・工務店
・建設会社
・ハウスメーカー
・左官職人
・独立開業 など

大工・左官の平均年収・MAX年収

大工の平均年収は356万円、左官の平均年収は380万円と決して高くはありません。ボーナスがあるような会社の場合は年収が+100万円程度になるようですが、それでも日本人の平均年収と同等かそれ以下ぐらいが目安となるでしょう。
中には独立開業で成功した人で1,000万円以上稼ぐ人もいますが、道具代が結構高いようで結果的にたくさん稼げたとしても出ていくお金も多いようです。

大工・左官に向いているのはこんな人

前述したとおり大工も左官も肉体労働だけでなく頭も使います。
そのため体力がある人、タフな人であることが前提で、その上きちんと図面を読む能力や効率的な作業をするための能力なども求められます。
また、建築士の図面を元に建築を進めていく中で、図面通りに建築ができなくなるケースもあります。そういった場合に代替案を提案できるだけの柔軟性、対応力なども必要です。
大工の仕事は騒音が出るため日中の作業が主ですが、左官は騒音が出ない作業であるという特徴から、工期に間に合わせるために夜間や土日に作業を行うこともあります。そのため左官の場合はしんどいスケジュールになることもあるようですので忍耐力も必要となるでしょう。

大工・左官に関連する職業や資格

●関連する職業

●とび職
建築現場において足場を組んだり鉄骨を組み立てたりするなど、高所での作業を行う職人のことをとび職と言います。
とび職は仕事の現場や専門とする分野によって「足場とび」「鉄骨とび・橋梁とび」「重量とび」などに分類されます。

足場とび
高所での作業現場には足場が欠かせません。
足場とびはその足場を鉄やパイプ、足場板などの材料を用いて設置していきます。
図面から建物をイメージして、実際に現場で建築をする他の職人たちが安全に、効率よく作業をすることができるように足場を組んでいきます。
一軒家はもちろんビルやマンションにも足場は必須となりますのでとび職の中でも活躍する場の多い分野です。

鉄骨とび・橋梁とび
高層ビルやマンションと行った鉄骨造の大型建築現場において、建物の基礎となる鉄骨組みを行うのが鉄骨とびです。
クレーンで鉄骨部材をつり上げ、高所の足場で組み立てていく危険な仕事です。そのため作業中は必ずハーネスをつける、部材の落下防止に努めるなどなど安全対策を欠かすことができません。
同じ鉄骨組みを行うとび職でも高速道路や橋、ダムなどの鉄骨組みを行うのが橋梁とびです。他と比較して高い専門性が求められます。

重量とび
建物の内部に大型機械などの重量物を据え付ける作業を行うのが重量とびです。
足場とびや鉄骨とびなどと異なり高所作業は少ないものの、建物の設備や工事に関する専門知識や技術が求められます。
ビルや向上などの空調、給排水、電気などの設備工事を行う際に使用する大型機械の搬入や設置が主な仕事です。

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