ゲームCGデザイナーになるには
- 2020.12.04
ゲームCGデザイナーの概要や仕事内容
ゲームCGデザイナーとは
ゲームCGデザイナーとは、ゲームに使用するCGグラフィックスを制作する職業です。コンピューターソフトを用いて、2次元または3次元のキャラクターやアイテム、背景などのグラフィックス映像を、精密でリアルなものに作り上げていきます。
CGの中でも、近年のゲームで主に使用されるのは、3次元CGです。3次元CGによる表現は2次元CGよりも複雑であり、立体感をうまく表現するためのデッサン力が求められます。また、光やテクスチャの表現も必要です。そのため、ゲームCGデザイナーは、幅広い表現を可能とするCGの最新技術を扱うスキルや、モチーフを現実的に表現するデッサン力を有していなければなりません。つまり、ゲームCGデザイナーは高いスキルを要する専門性の高い職業だと言えるでしょう。
ゲームCGデザイナーによるCG表現は、ゲームにおけるキャラクターの魅力や世界観の表現に直結します。企画を具現化するという点で、ゲームCGデザイナーはゲーム開発職の中でも、花形の職業だと言えるでしょう。
このように、ゲームCGデザイナーはゲーム開発に深く関わり、他の職種と連携しながら、プレイヤーを魅了するキャラクターや世界観を生み出しています。
ゲームCGデザイナーの仕事内容とは
ゲームCGデザイナーの仕事は、ゲームに使用するCGデザインを行うことです。仕事内容の具体例を挙げてみましょう。
- モデリング
キャラクターやアイテム等のデッサン画を、CGを用いて立体におこす作業。 - モーションデザイン
キャラクターや背景の「動き」を作成する作業。 - エフェクトデザイン
衝撃や揺れなど、ゲーム中のエフェクト表現する加工を行う作業。 - 各画面デザイン
タイトル画面やメニュー画面、背景デザインなどをCGで制作する。 - テクスチャリング
質感を表現する加工を行う作業。 - ライティング
光と影を表現する加工を行う作業。 - レンダリング
作成した物が実際にどのように見えるか、コンピューターを用いた計算を行う作業。
ゲームCGデザイナーは、画をCGにおこしてから動きを付けたり加工を行なったりして、ゲームに用いるグラフィックスを作り上げていきます。また、多くの場合チームを組んで分担しながら、このような仕事を担います。
ゲームCGデザイナーになる方法
ゲームCGデザイナーになるために、特別な学歴や経歴、資格などは定められていません。
しかし、ゲームCGデザイナーの仕事にはCGスキルが必須であるため、大学や美大、専門学校などでCGやデザインを学んでおくと良いでしょう。特に、Mayaや3dsMax、Softimageなどといったグラフィックツールの使用スキルは、高めておく必要があります。
また、学校卒業後には、ゲーム開発を行なっている会社へゲームCGデザイナーとして就職することになりますが、就職活動においては、自身のCG作品の提出が求められます。よって、就職活動を始める前には、提出作品の制作を行っておくようにしましょう。
就職活動を経て会社に就職した後には、実際にCGデザインをこなしていきます。そして、経験を積んで評価されれば、ゲームディレクターやプロデューサーへのキャリアアップも図れます。
ゲームCGデザイナーに求められる資格や試験
ゲームCGデザイナーになるために、必ず持っておかなくてはならない資格はありません。
しかし、ゲームCGデザイナーの仕事にはCGのスキルが必須であるため、「CGクリエイター検定」の取得は、スキル照明に役立つでしょう。
「CGクリエイター検定」とは、公益財団法人画像情報教育振興協会によって実施されている、CGに関する知識や技術を測る民間検定です。内容は、2次元CGや3次元CG、デザイン、静止画、映像制作などの内容で構成されています。
また、レベルは「ベーシック」と「エキスパート」の2種に分かれており、難易度はかなり変わるようです。
「CGクリエイター検定」を取得しておけば、就職活動で自身のスキルをアピールできる他、資格取得で学んだ知識や技術を実務に役立てることもできるでしょう。
難易度や試験について
CGクリエイター検定の合格率は、ベーシックレベルが68.5%、エキスパートレベルが23.55%(2019年前期)でした。ベーシックレベルの難易度は標準的ですが、エキスパートレベルの難易度はかなり高くなるようです。
CGクリエイター検定の試験概要は、以下の表もしくはCGクリエイター検定の公式ホームページをご覧ください。
ベーシック | エキスパート | |
試験日程 | 7月・11月 | |
試験会場 | 全国20都道府県 | |
受験料 | 5,500円 | 6,600円 |
試験時間 | 60分 | 80分 |
試験形式 | マークシート | |
受験資格 | 特になし | |
合格条件 | 100点満点中70点前後で合格(難易度による) |
※2019年の試験概要です。
今後のゲームCGデザイナーの将来性
ゲームは、将来性の高い分野です。技術の発展がゲームに反映されることによりさまざまな新しいゲームが生み出され、さらにスマートフォンやインターネットの普及により、より多くの人々がゲームを楽しむようになりました。また、ゲームを元にしたグッズやアニメ、エンターテインメントも数多くあり、大きな経済効果を生んでいます。今後も、ゲームは発展を続け、楽しまれていくでしょう。
このように、ゲームの将来には一定の期待ができます。そのため、ゲーム業界において重要な役割を果たしているゲームCGデザイナーの将来性も期待して良いでしょう。さらに、ゲームCGデザイナーは実績を積むことによって、ゲームプロデューサーやゲームディレクターに抜擢されることもあり、将来的なキャリアプランの形成も可能です。
また現代においてCGは、ゲームはもちろん、アニメや広告などにおいても一般的になっています。そのため、スキルのあるゲームCGデザイナーであれば、ゲームに限らず幅広い分野での需要や活躍が見込めるでしょう。
ゲームCGデザイナーの就職先
ゲームCGデザイナーの就職先として挙げられるのは、ゲームメーカー、またはゲーム制作会社です。近年のゲームメーカーは、ゲーム開発実務をゲーム制作会社へ委託していることが多いため、主な就職先はゲーム制作会社になるでしょう。
ゲームCGデザイナーの求人数は、少ないわけではありません。しかし、CGデザインには一定のスキルが求められるため、実務経験があることを条件とする求人が多いようです。
また、ゲームCGデザイナーはフリーランスとして活動することも可能です。ただし、フリーランスとして仕事を得るためには、一定のキャリアや人脈が必要になるため、まずは会社に勤めてCGデザイナーとして経験を積んでから、フリーランスとして独立するケースが一般的です。
ゲームCGデザイナーの平均年収・MAX年収
ゲームCGデザイナーの年収は、400万円前後が相場になります。日本の平均年収が約440万円なので、ゲームCGデザイナーの年収水準は平均的だと言えるでしょう。
ただし、勤務する会社や手掛ける作品、キャリアなどによって、年収は大きく違います。実際には、年収200万円代のゲームCGデザイナーも多いようです。一方で、高く評価されているゲームCGデザイナーの中には、平均額を大きく超える年収を得ている人もいます。
また、フリーランスのゲームCGデザイナーの場合、実績と年収は比例します。そのため、個々によって得ている年収額には大きな差があると予想されます。
ゲームCGデザイナーに向いているのはこんな人
ゲームCGデザイナーには、優れた発想力や想像力が求められます。キャラクターや背景を生み出すためには、新しい発想やリアルな想像が必要になるためです。
また、ゲームCGデザイナーには、優れたデッサン力もあるといいでしょう。なぜなら、CG制作にあたっては、キャラクターや物の見え方を正しく理解する必要があるためです。デッサンは対象の見え方を正しく写し取る作業であるため、CGでの見え方の表現にも通じます。そのため、ゲームCGデザイナーが作業の中で実際にデッサンを行うわけではありませんが、デッサン力を磨いておくことでCGの表現力も磨かれるため、デッサン力はあった方がいいのです。
さらに、パソコンに向かってコツコツと作業を行うための集中力や、チームでゲーム制作を行うためのコミュニケーション能力もあれば、よりスムーズに業務を行えるでしょう。
ゲームCGデザイナーに関連する職業や資格
ゲームCGデザイナーに関連する職業
ゲームCGデザイナーを含むゲーム開発者は、多くの職業によって成り立っています。主な職業をご紹介しましょう。
- ゲームディレクター
- ゲームプロデューサー
- ゲームプランナー
- ゲームシナリオライター
- ゲームプログラマー
- ゲームデザイナー
- ゲームサウンドクリエイター
この中でも、ゲームディレクターやゲームプロデューサーはマネジメントや全体の管理を、ゲームプランナーやゲームシナリオライターはゲーム製作の基礎となる企画・設計部分を担います。また、ゲームプログラマーやデザイナー(CGデザイナー)、サウンドクリエイターは、プログラミングやデザインなど、それぞれが専門的な工程の業務を担当しています。
ゲームCGデザイナーに関連する資格
ゲームCGデザイナーの関連資格を挙げてみましょう。
- Photoshopクリエイター能力認定試験
画像編集ソフトであるPhotoshopを扱う知識や技術を測る試験。 - Illustratorクリエイター能力認定試験
画像編集ソフトであるIllustratorを扱う知識や技術を測る試験。 - 色彩検定
色彩に関する幅広い知識や技能を問う検定。文部科学省後援の公的資格。1、2、3級、UC級の4レベルに分かれる。 - カラーコーディネーター検定
ビジネスシーンで活用することを前提とした、性質や特性などの色彩に関する知識を測る検定。
画像編集ソフトの利用スキルは、CG制作にも役立てられます。また、デザインにとって色は重要な要素であるため、色彩に関する知識もあると良いでしょう。
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