Webディレクターになるには
- 2020.12.04
Webディレクターの概要や仕事内容
Webディレクターとは
Webディレクターとは、Webサイト制作のディレクションを行う職業です。ディレクションとは業務の指揮を取ることであり、WebディレクターはWebサイト制作の責任者として、進行管理や制作指導、品質管理などを行っています。
また、Webサイト制作には、プログラマーやデザイナー、ライターなど、多くのクリエイターが関わります。そして、そんなクリエイターをまとめて業務を円滑に進めることも、Webディレクターの大切な役目です。そのため、WebディレクターにはWeb制作の知識や経験だけではなく、責任者としての管理力も求められ、プロジェクトにとって非常に重要な立ち位置にあると言えるでしょう。
近年では、コンピューターやインターネットの使用が一般的になり、さまざまな目的で多くのWebサイトが公開されるようになりました。そしてそれに伴い、Webサイト制作者の活躍も広がりを見せています。インターネット社会となった現代において、そんなWebサイト制作をディレクションするWebディレクターは、今後も重要な役割を果たしていくでしょう。
Webディレクターの仕事内容とは
Webディレクターの主な仕事は、プロジェクト全体を管理することですが、具体的には以下のような業務を行います。
- クライアントとの打ち合わせ
- プロジェクトメンバーの選定
- スケジュールや予算の設計
- プロジェクトの進行管理
- 制作物の品質管理
このように、Webディレクターは実行するプロジェクトに際し、進行や予算、人員、品質の管理を行い、責任者としてコンテンツを完成へと導きます。また、クライアントとの打ち合わせに加えプロジェクトメンバーのサポートを行うなど、クライアントと現場の橋渡しも担います。
さらに、Webディレクターはテクニカルディレクターやプランナーを兼務することもあり、その場合はSEO施策や企画立案を担当したり、撮影に立ち合ったりすることもあります。
Webディレクターになる方法
Webディレクターになるために、定められている学歴や資格はありません。クリエイター育成の大学や専門学校、スクールなどに通っていれば、就職や実務は有利になりますが、それも必須ではなく、未経験からでもWebディレクターを目指すことは可能です。
Webディレクターになるためには、まずはWeb制作会社に就職し、プログラマーやデザイナーといったWebクリエイターとして経験を積むことが第一歩になります。そしてその後、十分な知識や技術が身に付けば、Webディレクターとしてプロジェクトを任される可能性が生まれます。
しかし、経験を積んだからといって誰もがWebディレクターになれるわけではありません。Web制作の知識・技術だけでなく、チームをまとめる力があると判断されたクリエイターのみ、Webディレクターへのキャリアアップが叶います。そのため、制作実務に加え、管理力を養う努力は必須でしょう。
また、Webディレクターになった後も、はじめはアシスタントディレクターとして下積みを経ることが多く、制作会社に入社して一人前のWebディレクターになるためには、数年を要します。
Webディレクターに求められる資格や試験
Webディレクターとして働くために、必ず取得しておかなければならない資格や試験はありません。
しかし、Web制作に関する資格や試験は数多く実施されています。そして、その中でもWebディレクターの業務に直結する試験として、「Webディレクション検定」があります。
この「Webディレクション検定」は、公益社団法人全日本能率連盟により実施されているWeb検定のひとつです。制作管理の品質保持に繋がるWebディレクション業務の指標とするべく実施されており、合格すれば「Webディレクター資格」を取得することができます。受験資格は特に設定されていないので、Web業界を目指す未経験者や学生にもチャレンジしやすい試験だと言えるでしょう。
また、「Webディレクション検定」は、Web制作の工程管理要件や現状分析、企画、構造設計など、実践的かつ幅広い内容で構成されています。これらの知識や技術は、Webディレクターはもちろん、プロジェクトマネージャーやコンテンツディレクターなどの業務にも役立つでしょう。
難易度や試験について
2019年の「Webディレクション検定」受験者は407人、合格率は79.3%でした。合格率の高さから、試験の難易度はやや易しいと予想されます。
試験の詳細については、以下の表もしくは公式ホームページをご確認ください。
受験日程 | 毎日(会場による) |
受験料 | 11,000円(税込) |
試験会場 | 全国各地のテストセンター |
試験形式 | CBT方式(コンピューター解答) |
試験時間 | 90分 |
受験資格 | なし |
合格条件 | 正答率70%以上 |
※2020年現在の試験概要です。
今後のWebディレクターの将来性
現代社会では、パソコンやスマートフォンの普及によりインターネットの利用が一般的になっています。そしてそれにより、多くのWebコンテンツが生み出され、利用されるようになりました。運営されているほとんどの会社や店舗がホームページを持ち、またWebサービスやアプリも多様化しています。
そのため、このようなWebコンテンツを制作するWebディレクターやクリエイターの需要は高まっています。今後もWebコンテンツが衰退する可能性は低く、Webディレクターの需要は続くでしょう。
ただし、Webディレクターとして活躍を続けるには、Web制作のスキルやマネジメントスキルに優れていなければなりません。さらにWebシステムはどんどん進化を続けているため、それらへの対応も常に求められます。よって、Webディレクターとしての将来性を高めるためには、スキルを磨く努力を続けることが必要でしょう。
Webディレクターの就職先
Webディレクターになるための主な就職先は、Web系の制作会社です。このような会社では、ホームページ、Webサービス、アプリなどの制作を担っています。就職後にはまずクリエイターとして制作に携わり、その後実績によってはWebディレクターにキャリアアップすることができるでしょう。
また、一般企業でもWebディレクターの求人を出している企業はあります。その場合は、自社のホームページやWebサービスの制作指揮を担うことになります。
さらに、Webディレクターの中には、自身の会社や事務所を開業し活動している人も多くいます。ただし、開業するにはWebディレクターとしての技術や経験の他、経営のノウハウも必要になるため、まずは既存会社で経験を積んでから独立するケースが一般的です。
Webディレクターの平均年収・MAX年収
Webディレクターの平均年収は約450万円です。日本人の平均年収が400万円台なので年収水準はごく平均的ですが、給与があまり高くないクリエイター職の中では高水準にあります。
とはいえ、年代によって年収は大きく変わり、20代であれば300万円台、30代であれば400万円台、40代であれば500万円台が相場になるでしょう。
また、勤めている会社の規模やキャリア、実績も、年収に反映される可能性があるため、実際の年収は人によって大きく違います。
さらに、フリーランスのWebディレクターとして成功した場合には、平均より高い年収を得られることもあります。
Webディレクターに向いているのはこんな人
Webディレクターに必要なのは、Web制作のスキルだけではありません。問題点を理解したり市場のニーズを把握したりすることも、プロジェクトのディレクションには必要です。そのため、情報収集が得意でトレンドに敏感な人や分析力および理解力に優れた人は、この職業に向いていると考えられます。
また、プロジェクトの責任者としての判断力や対応力も、Webディレクターには必要でしょう。臨機応変な対応や適切な判断ができれば、プロジェクトの成功に向けてチームメンバーを導くことができます。
そして、ディレクションを行う責任者として欠かせないのが、責任感やリーダーシップです。さらにコミュニケーションスキルにも長けていれは、うまくチームをまとめることができるでしょう。
Webディレクターに関連する職業や資格
Webディレクターに関連する職業
Webディレクターに関連する職業には、WebプログラマーやWebデザイナー、Webライターなどがあります。これらはどれも技術職であり、プログラミングやデザイン、ライティングなど、コンテンツ制作の実務を担っています。Webディレクターはこのような現場で働く職種をまとめてプロジェクトを進行させることが仕事であるため、共に働く職業として、これらの関連性は深いと言えるでしょう。
また、WebプロデューサーもWebディレクターの関連職のひとつです。これらは同じマネジメント職であり、混同されやすい職種です。ただし、Webディレクターが実務的なディレクションを行うのに対し、Webプロデューサーは経営的な要素を踏まえたより総合的な計画立案を行うという違いがあります。
Webディレクターに関連する資格
Webディレクターに関連する資格は数多く存在します。例えば、先ほどご紹介した「Webディレクション試験」をはじめとした公益社団法人全日本能率連盟によるWeb検には、以下のような検定がラインナップされています。
- Webデザイン試験(Webアソシエイト資格)
- Webリテラシー試験(Webデザイナー資格)
- Webプロデュース試験(Webプロデューサー資格)
また、上記以外にも、以下のような資格検定が実施されています。
- Web解析士
Web解析のスキルを測る資格試験。初級と上級に分かれる。 - Webクリエイター能力認定試験
Webコーディングのスキルを測る試験。 - ウェブデザイン技能検定
Webデザインのスキルを測る検定。学科試験と実技試験に分かれる。 - ITパスポート
開発やマネジメント、リテラシー、経営など、幅広いITスキルを測る国家資格。 - ネットショップ実務士
ネットショップの運営スキルを測る資格試験。
これらは全てWeb制作に関わる資格検定ですが、それぞれ特化した分野は違っています。幅広い分野の知識はプロジェクト全体をディレクションするWebディレクターの業務に役立つため、このような資格を取得しておくのもおすすめです。
Webディレクターになれる専門学校はこちら-
前の記事
マーシャラーになるには
-
次の記事
コンサートプロモーターになるには