エステティシャンになるには
- 2020.12.04
エステティシャンの概要や仕事内容
エステティシャンとは?
エステティシャンはエステティックを行う人のことを言います。
エステティックは「全身美容」のことで、具体的には手技や化粧品・機器などによってスキンケアやプロポーションメイキング(体型を整えること)、リラクゼーションなどの施術や指導を行うことを言います。
なお、エステティシャンは医師免許や美容師・理容師免許が必要な施術を行うことはできません(医学的観点や判断によって人体に危害を及ぼすような行為、パーマメントやカミソリを使用した顔そりと言った行為など)。
エステティシャンの仕事内容とは?
ではエステティシャンが行う具体的な仕事内容をみていきましょう。
勤務先によって業務内容は異なると思いますが、大まかな流れは以下のようになるでしょう。
サロンワーク
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カウンセリング
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施術・営業
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アフターフォロー
●サロンワーク
お客様をお迎えするための準備のことで、サロンの清掃、リネン類(タオルなど)の洗濯、施術に使用する機器や化粧品の点検・準備・消毒・片付けなどを行います。
販売用の化粧品の在庫確認などもサロンワークの一つとなっています。
●カウンセリング
施術するために必要なお客様の情報をヒアリングします。
例えばどういった仕事をしているのか、どういった生活を送っているのか(生活スタイルや生活リズムなど)、どういった悩み(痩せたい、肌荒れを治したいなど)があるのかなどお客様ごとに生活や悩みが異なるため、それをしっかりと引き出した上でケアや施術の提案や説明を行います。
このときに肌トラブルの詳細やお客様のゴールを引き出さなければならないため、かなり重要な作業となります。
また、カウンセリングの際に契約書の説明といった受付業務も同時に行うサロンが多いようです。
●施術・営業
エステティシャンのメインの仕事となる施術です。
施術には多くの種類がありますが、主な施術には以下のようなものが挙げられます。
・フェイシャルケア(美白・保湿のためのケミカルピーリングやイオン導入、リフティング、ホワイトニングなど)
・痩身
・リラクゼーション
・ボディケア(美肌のためのオイルマッサージなど)
・脱毛(光脱毛、ワックス脱毛など)
また、施術途中や施術後に使用した商品の提案や販売などの営業も行います。
施術の満足度が高ければ商品を購入していただけたり、リピートしていただけたりする可能性が高くなります。
●アフターフォロー
施術をしたら終わりと言うことはありません。
来店の感謝をメールやDMなどで伝えることや施術後に肌やボディの調子はどうか、トラブルはないかなどの確認をするなどしてお客様のことを大切に思っている気持ちを伝えることも大切な仕事です。
そしてまたお越しいただけることができるようになると、自分のモチベーションにも繋がるでしょう。
エステティシャンになる方法(資格取得方法等)
エステティシャンになるための特別な資格はありません。
エステティシャンになる一般的な方法は、高校を卒業してから美容専門学校やエステティシャンの養成学校などに通って知識を学んだ上でエステティックサロンに就職するというルートではないでしょうか。
通うスクールによっては卒業する際に民間資格を取得できるところもあります。
例えばAEA認定エステティシャン、CIDESCO(シデスコ)国家資格など、認定校や養成校として資格を取得できるように授業を行っている専門学校などがそれに当たるでしょう。
これらの資格を取得することによって基礎的な技術やプロ級の技術を持っていることを証明して就職を有利に働かせるようにする人も居ます。
資格難易度や試験について
試験について
では参考までにAEA認定エステティシャンについてみていきましょう。
AEA認定エステティシャンになるためには、エステティシャンセンター試験に合格しなければなりません。
エステティシャンセンター試験は日本エステティック試験センター(JEEC)が主催する、エステティシャンとしての知識と技術の水準を審査する試験です。
受験するためには以下のいずれかの受験資格を得る必要があります。
・エステティック実務経験を1年以上積む。
・登録養成校で300時間以上カリキュラムを履修する。
その上で、JEECもしくは養成校が実施する「技術力確認試験」に合格するとエステティシャンセンター試験を受験することができるようになります(実務経験者の場合はエステティックセンター試験を先に受験することも可能です)。
なお、技術力確認試験の試験内容は「フェイシャル手技と機器・ボディ手技、コンサルテーションシート作成」となっています。
エステティックセンター試験合格後にAEAに資格登録申請を行うことによって、AEA認定エステティシャンになることができます。
では筆記試験にあたるエステティシャンセンター試験の概要をみていきましょう。
●試験の概要
※下記は2020年の試験の日程です。
【エステティシャンセンター試験(筆記試験)】
受験書類の受付:2020年6月10日(土)必着
試験日程:2020年7月10日(金)
※当試験は新型コロナウイルスの影響により、中止となっています。
以下参考までにご覧ください。
試験地:札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡
試験科目: JEO(日本エステティック機構)が発表した「エステティシャン指針」と「カリキュラム」にある300時間履修に準拠した筆記試験例題集などから出題されるようです。
300時間履修科目は次の通りです。
【理論】
エステティック概論
皮膚科学
解剖生理学
心身生理学/生命活動とホメオスタシス
運動生理学
栄養学
化粧品学
電気学・機器学
関連法規
衛生・消毒/衛生管理
サロンでの救急法
エステティックカウンセリング
サロンマネジメント/サロン経営学
【実技理論】
フェイシャル実技理論
ボディ実技理論
ワックス脱毛実技理論
今後のエステティシャンの将来性
エステと言えば痩身や美容、脱毛と幅広く美容に関する施術を行っていますので、そもそも活躍の場がたくさんあることは間違いないでしょう。
また、今や女性だけでなく男性もエステに通う人が居るため老若男女問わずエステの需要があります。特に男性専門のエステサロンや脱毛サロンも増えてきているため、特に男性向けのエステティックも行えるエステティシャンであればなお需要が高いと言うことになるでしょう。
エステティシャンと言えばノルマが課せられる、サロンワークなどの雑用の時間が多すぎて厳しい、その割には給料が少ない…などの理由から離職率が高いと言われています。
しかしそういった状況を改善するためにノルマを無くしたり給料を上げたり、特に女性スタッフが多いため産休や育休の制度を手厚くしたり、産後復職しやすくするために保育園を併設したりと待遇を良くしている会社も多くあります。
この先も需要はありますし、好待遇の会社を選ぶなどしたら長く働くことができる可能性が高いことなどから将来性は十分にあると言えるでしょう。しっかりとした技術があれば独立開業する道だってあります。
エステティシャンの就職先
エステティシャンの主な就職先には次のような場所があります。
・エステティックサロン
・リラクゼーションサロン
・ブライダルサロン
・スパ
・宿泊施設(ホテル・旅館など)
・理容室
・美容室
・化粧品メーカー
・フリーランス など
宿泊施設においてスパやエステを行っている場合はそこのスタッフとして、理容室や美容室ではヘッドスパやリラクゼーションのスタッフとして働くケースがあります。
余談ですが美容のために顔そりをしたい場合は理容師の国家資格を取得しておいたほうが良いでしょう。エステティシャンでも顔そりをすることはできますが、電気シェーバーを利用したソフトシェービング(刃物ではない)しかできないため、特にブライダルサロンで花嫁にエステやメイクを行うような仕事をする場合にはカミソリを利用した本格的なシェービングを行うことができる能力は重宝されるようです。
エステティシャンの平均年収・MAX年収
エステティシャンの平均年収は約350万円となっており、2019年の日本人の平均年収の441万円と比較するとかなり低い傾向にあります。
ただし年収の幅は約300万円~900万円となっていることから、就職先や勤続年数、スキルなどによって大きく異なる可能性があることが考えられます。
日本で有名なエステティシャンと言えばたかの友梨さんですが、彼女は高級住宅地に住み高級外車に乗っているそうで、年収は数千万円に上るのではないかと言われています。
たかの友梨さんほどの年収を得るのは大変なことですが、独立開業で成功すればかなり高い年収も夢ではありませんね。
エステティシャンに向いているのはこんな人
まずエステティシャンに向いている人は美容に興味がある人でしょう。
美容に興味がなくエステティシャンになった場合、例えば学校で習った知識をそのまま接客に使い続けるだけで、何年も同じことを続けるだけになってしまいます。
そのため美容の知識を深めてもっとお客様をきれいにしたい、もっときれいになれる方法を知りたいなど、美容に対する貪欲である人であると良いでしょう。
そして、お客様のためになるような知識を持っているだけでなく、お客様のことを考えてカウンセリングを行ったり施術や営業を行ったりすることができる高いコミュニケーション能力は必須です。
他にも施術やサロンワークなど体力を使うため体力がしっかりあること、お客様の見本になるようなスタイルや肌質であることなど身体作りをして常にきれいであることができる人…など、華やかに見えるエステティシャンですが多くのことが求められます。
エステティシャンに関連する職業や資格
●関連する資格
先ほど顔そりの件で少し触れたので理容師資格についてチェックしておきましょう。
●理容師
理容師は国家資格です。
理容師と美容師の何が違うのかという点ですが、それぞれ法律により業務内容が定められているため行える業務が少し異なります。ヘアカットやシャンプー、パーマなど、行える業務はほとんど同じなのですが、一番の大きな違いはカミソリを使用した顔そりや髭そりができるのかどうかという点です。
養成施設で課程を修了したあと国家試験に合格することで資格を得ることができます。理容師資格があれば理容師としても働けるので、働き方の幅を広げるためにもおすすめです。
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