ブライダルコンサルタントになるには
- 2020.12.04
ブライダルコンサルタントの概要や仕事内容
ブライダルコンサルタントとは
ブライダルコンサルタントとは、結婚式を控える新郎新婦に、結婚式のアドバイスを行ったり、プランの提案を行ったりする職業です。そもそもコンサルタントとは、専門の事柄について助言や指導を行う職業であり、ブライダルコンサルタントはその中でもブライダル分野に特化して、新郎新婦のニーズを反映させた結婚式や披露宴作りをサポートしています。結婚式当日には、全体の進行管理や新郎新婦のアテンドを担当することもあり、ブライダル関連業の中でも非常に重要な役割を担う職業だと言えるでしょう。
さらにこの職業は、ウエディングプランナーまたはブライダルプロデューサー、ブライダルプロデューサーなどとも呼ばれ、結婚式を総合的にプロデュースする職業として広く知られています。
また、ブライダルコンサルタントは、全米ブライダルコンサルタント協会により実施されている「ブライダルプランナー検定」に合格し、実務経験を積むことで取得できる資格名でもあります。この資格については、後の章でご説明しましょう。
ブライダルコンサルタントの仕事内容とは
ブライダルコンサルタントの具体的な仕事内容をご紹介しましょう。
営業契約
- 見学者への施設案内
- プラン、挙式の流れ等説明
- 契約締結業務
企画準備
- 新郎新婦のヒアリング、打ち合わせ
- 企画立案
- 企画プレゼン
- 会場、演出、付帯物など各種手配
- 各コーディネーター手配、打ち合わせ
- スケジュール管理
結婚式当日の進行
- プログラムの進行管理
- スタッフ指揮
- 新郎新婦、ゲストのアテンド
このように、ブライダルコンサルタントの仕事は、「営業」「企画」「当日の進行」に分けられます。また、会社によってはそれぞれの工程を分担して行うこともあります。
ブライダルコンサルタントになる方法
ブライダルコンサルタントとして働くために、特定の経歴や学歴、資格などは必要ありません。
しかし、ブライダル系の専門学校や大学・短大のブライダル系コースでは、ブライダルに関する基礎知識や応用知識を学べるため、それらはブライダル業界に就職した後の実践に役立てられます。また、就職活動においても有利に働くでしょう。
ブライダルコンサルタントとして働くためには、結婚式場やゲストハウス、ホテルなどの結婚式会場や結婚式のプロデュース会社などに就職することになります。しかし、ブライダルコンサルタントは結婚式の総合プロデュースを行う職業であるため、その仕事にはスキルや経験が必要です。よって、入社後すぐに結婚式を任せられることはなく、はじめは先輩のサポートとして経験を積むことになるでしょう。
さらに、十分なキャリアを積んだブライダルコンサルタントはフリーランスとして独立することも可能です。
ブライダルコンサルタントに求められる資格や試験
ブライダルコンサルタントに、必ず保持しておかなければならない資格はありません。
しかし、ブライダル関連の資格は数多く実施され、その中でも全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)による「ブライダルプランナー検定」は、国際的なブライダル資格検定として知られています。
- ブライダルプランナー検定とは
ブライダルプランニングにおいて、必要とされる知識や能力を測る全国一斉試験。結婚式の基礎知識からプランニング、接客まで幅広い内容で構成される。 - 実施団体
全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会) - レベル
1級(実務レベル)、2級(基礎レベル) - 1級出題内容
コーディネート、打ち合わせ、見積もり作成をはじめとしたプランニング能力/欧米ウエディング、宗教、進行、慣習、各人の役割/接客マナー、求められる人材像 - 2級出題内容
日本の挙式基礎知識、衣装・装花など関連業務/欧米のリハーサルウエディング、セレモニー、レセプション/欧米のブライダルパーティー、各人の役割、プランナーの業務知識
「ブライダルプランナー検定」には欧米ブライダルの内容が多く含まれますが、近年では日本の結婚式も欧米化しているため、その知識は日本の結婚式プロデュースにも役立つでしょう。
また、「ブライダルプランナー検定」1級合格後に、「婚礼実務担当者責任者2年以上、またはホテル一般業務にて3年以上の経験」を積めば「プロフェッショナル・ブライダルコンサルタント資格」を取得することができます。そしてその後は、実務経験を積むごとに、「上級ブライダルコンサルタント資格」、「マスターブライダルコンサルタント資格」と、資格をランクアップさせていくことも可能です。
難易度や試験について
2012年〜2019年に実施された「ブライダルプランナー検定」の平均合格率は、1級が77.8% 、2級が82.9%でした。2級よりも1級の方が難易度は高いものの、どちらも合格率は高めです。
試験の概要は公式ホームページをご確認の上、以下の表もご参照ください。
1級 | 2級 | |
受験日程 | 7月、3月 | 9月、1月 |
受験料 | 15,300円(税込) | 10,250円(税込) |
試験会場 | 受験者住所に基づき、協会が手配 | |
試験形式 | マークシート、一部記述有り | マークシート |
試験時間 | 120分 | 90分 |
受験資格 | なし | |
合格条件 | 正解率70%以上 |
※2020年現在の試験概要です。ただし、2020年はコロナウイルスの影響により、変更がある場合があります。
今後のブライダルコンサルタントの将来性
結婚式は、新郎新婦やその親族、ゲストにとって一生の思い出になる日です。そのため、新郎新婦が結婚式にかける思いは強く、叶えたいイメージやこだわりを持って臨む方は多数。式自体にかける費用も約350万円と高額になっています。
そんな中、結婚式が思い通りのものになるかどうか、プランニング過程がうまく進むかどうかは、担当するブライダルコンサルタントの手腕にかかっています。よって、プランナーの人柄や印象で結婚式会場を決める人は多く、評価の高いブライダルコンサルタントは多くの結婚式施設において需要を保っています。つまり、ブライダルコンサルタントの将来性はそのスキルにかかっていると言えるでしょう。
また、インターネットの普及により、結婚式場の情報は一般の人にも簡単に手に入るようになりました。これにより結婚式の選択肢が広がりを見せる中で、ブライダルコンサルタントとしての将来性を保つためには、多くの中から選択してもらえるプラスアルファの提案やサービスを行える力が必要でしょう。
ブライダルコンサルタントの就職先
ブライダルコンサルタントの主な就職先は、結婚式場やゲストハウス、ホテルなどです。これらの施設では結婚式を執り行っており、就職した施設専属のブライダルコンサルタントとして勤務することになります。
また、結婚式専門のプロデュース会社もブライダルコンサルタントの就職先として挙げられ、その場合は施設を限定せず、幅広い結婚式を手掛けます。
ブライダルコンサルタントの求人は一定数あり、学歴や経歴を問わないものも多く見られます。しかし、人気のある施設の求人は競争率が高く、また土日祝日の休みはないことが多いため、就職先選びや条件確認は慎重に行うようにしましょう。
ブライダルコンサルタントの平均年収・MAX年収
ブライダルコンサルタントの年収は、300万円〜400万円ほどが相場です。日本人の平均年収が400万円台半ばなので、それと比較すると、年収の水準はあまり高くはないと言えるでしょう。特に駆け出しの頃の給与は低いですが、その後キャリアを積むにつれて、その額は徐々に上がっていく傾向にあります。
また、フリーランスのブライダルコンサルタントとして仕事がうまくいった場合には、平均を大きく超える年収を得られる可能性があります。ただしそれには、営業からプランニング、事務仕事まで、自分だけで全ての業務を担えるスキルや経験が必要でしょう。
ブライダルコンサルタントに向いているのはこんな人
ブライダルコンサルタントの仕事は、顧客のニーズを把握し、それに対するプランの提案を行うことから始まります。そのため、ヒアリング能力やプランニング能力、プレゼンテーション能力に優れている人は、的確なニーズ把握や魅力的な提案ができるため、ブライダルコンサルタントに向いていると言えるでしょう。このようなスキルは営業業務でも培われるため、営業経験があれば尚良いでしょう。
また、新郎新婦だけでなくゲストとも触れ合い、さらに多くのスタッフに指示を出すブライダルコンサルタントには、コミュニケーション能力も必要です。コミュニケーションは業務を円滑に進めるためにも役立ちます。
さらに、臨機応変な対応力や冷静な判断力がある人も、ブライダルコンサルタントには向いています。このような能力があれば、新郎新婦のニーズや予想外の出来事にもうまく対応できるでしょう。
ブライダルコンサルタントに関連する職業や資格
ブライダルコンサルタントに関連する職業
ブライダルコンサルタントは、結婚式のプロデュースにあたって、以下のような職業と関わります。
- フラワーコーディネーター
結婚式、披露宴会場の装花やブーケ、ブートニアの制作を担当する職業 - ブライダルスタイリスト
ドレスやタキシード、和装など、ブライダル衣装のスタイリングを担当する職業 - ブライダルヘアメイクアーティスト
新郎新婦、またはゲストのヘアセットやメイクを担当する職業 - ブライダルカメラマン
結婚式、披露宴の写真・動画撮影や前撮り・後撮りを担当する職業 - 司会者
披露宴における司会進行を担当する職業
ブライダルコンサルタントはこのような職業の人々と打ち合わせを重ね、結婚式の準備を進めていきます。
また、ブライダルコンサルタントは、さまざまな呼び方がある職業です。例えば、ウエディングプランナー、ブライダルプロデューサー、ブライダルプロデューサーなど。これらは全て同じ職業を指すものであり、どのように呼ぶかは職場によって違います。
ブライダルコンサルタントに関連する資格
ブライダル関連の資格は、先ほどご紹介した「ブライダルプランナー検定」以外にも複数存在します。その例を挙げてみましょう。
- 内閣府認可ウエディングプランナー資格
- IWPA認定ウエディングプランナー資格
- ブライダルコーディネート技能検定
- WPPウエディングプロデューサー資格
- ウエディングフラワーデザイナー資格
- ウエディング空間デザイナー資格
これらは全てブライダル関連の資格ですが、それぞれの資格によって特化した分野は違います。そのため、資格取得を検討するには、自身がどんなスキル身につけたいか明確化しておく必要があるでしょう。
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