受付の概要や仕事内容

受付とは

受付とは、レセプショニストまたはレセプションなどとも呼ばれ、企業や医療機関、学校などのオフィスや施設において、受付業務を担う職業です。主に来客の受付や取り次ぎ、施設案内など、オフィスや施設を訪れる人に対してサービスを行い、企業や施設の顔として活躍しています。
受付は、他のスタッフの業務やお客様の案内をスムーズに進めるために、欠かすことのできない役割を果たしています。また、受付にはさまざまな人が訪れるため、その対応はマニュアル通りというわけにはいかず、うまく取次や案内を行うためには、優れた対応力が求められます。
つまり、受付は企業や施設の顔としてその印象を左右するだけではなく、企業やスタッフが担う業務の効率面にも深く関わる業務を行っているのです。

受付の仕事内容とは

受付の仕事は勤める企業や施設によって違いますが、共通して行う具体的な仕事には、以下のようなものがあります。

• 受付
  来訪者の用件伺い、アポイントメント確認、取り次ぎ、入館証管理、送迎車手配、預かり荷物の管理、案内
• 来訪者管理
  来訪者のスケジュール管理、来訪者データ入力管理
• 電話、メール対応
  問い合わせ対応、取り次ぎ
• 備品管理
  パンフレットや事務用品などの在庫管理、発注
• 会議準備
  会議室の予約管理、会議の事前準備、お茶出し
• その他
  郵便物の仕分け、館内放送、セミナーやイベント準備、精算対応

この他にも、企業や施設によっては文書作成や事務業務を行うこともあります。特に医療機関の受付では、医療費の計算をはじめとした医療事務業務を行うなど、専門性の高い事務作業が求められるでしょう。
このように、受付は幅広い業務を担い、企業や施設のスムーズな運営を支えています。

受付になる方法

一般企業の受付になるには、まずは企業に就職し、受付業務を行う部署に配属され、受付担当者に抜擢されなければなりません。受付の属する部は、総務部や管理部、人事部などであることが多いようです。
受付業務を行うために必要な学歴や資格、スキルなどはありませんが、就職する企業によっては、それらが重視されることもあるでしょう。ただし、希望したからといって必ず受付担当者になれるわけではありません。配属希望を出すことはできますが、最終的な処遇は上司や人事部が決めることになります。
また、商業施設やスポーツクラブ、医療機関などといった施設の受付担当者は、派遣社員やアルバイト、パートなどといった雇用形態での採用も多く出されています。その場合は受付業務に限定した募集がされているため、採用されれば必ず受付として働くことができます。ただし、外国人が多く訪れる施設の受付では外国語のスキル、医療機関の受付では医療事務のスキルなど、施設によっては専門スキルの保有が条件とされることもあるでしょう。

受付に求められる資格や試験

受付業務を行うために、必ず持っておかなくてはならない資格や合格しておかなければならない試験はありません。
受付は印象やマナーが大切な職種なので、採用にあたっては、資格の有無よりも身だしなみや振る舞いが重視されるでしょう。
ただし、一部の施設における受付業務では、外国語や医療事務といった資格の取得が採用の条件になる場合があります。
また、ショールームや金融機関、サロンなどでは、自社のサービスや商品の知識も必要になるでしょう。

今後の受付の将来性

受付という職種は、さまざまな企業や施設に置かれ、人々の案内を行ってきました。しかし、近年では、人件費の削減や業務の効率化を目指し、受付に人を置かず、ロボットやタブレットで対応するケースも増えています。ただし、受付には人ならではの柔軟な対応が求められることもあるため、受付という職種自体がなくなるようなことはないでしょう。
また、受付業務によって培われるスキルは、秘書やサービス業など、さまざまな職種に役立てられます。受付担当者には20代30代が配置されることが多く、これを定年まで続けることはおそらく不可能ですが、そのスキルや経験を生かせる仕事は存在し、受付業務の経験はキャリアアップの糧となるでしょう。

受付の就職先

受付担当者がいる企業や施設は多く、就職先は多岐に渡ります。主な例を挙げてみましょう。

• 企業オフィス
• 医療施設
• 教育施設
• 商業施設
• ショールーム
• スポーツクラブ
• アミューズメント施設
• 百貨店
• ホテル
• 金融機関
• 美容院
• エステ、ネイルサロン

このように、受付担当者は企業のオフィスから身近な商業施設、スポーツクラブまで、さまざまな場所で活躍しており、これらは全て受付職の就職先に数えられます。
企業や施設によって採用の条件や雇用形態は違いますが、受付の求人自体は少なくないため、総合的な受付職への就職は難しくはないでしょう。ただし、就職先によっては、厳しい採用試験を突破しなくてはならなかったり専門知識が求められたりすることもあります。

受付の平均年収・MAX年収

受付の年収は300万円前後が相場です。日本人全体の平均年収が400万円台であることを考えると、給与水準はあまり高くはありません。
しかし、企業の規模や勤続年数などによって受付の年収には幅があります。20代では200万円台であることが多いですが、その後キャリアを積めば平均を超える年収を得ることも可能でしょう。中でも、外資系会社は実力によって待遇が大きく変わるため、その受付としてスキルを評価された場合には、より高い水準の年収を得られるでしょう。
また、アルバイトやパートで受付業務に就く場合には、1500円前後が時給の相場になります。ただし、時給は働く地域によっても変わります。

受付に向いているのはこんな人

受付に向いているのは、人とコミュニケーションを取ることが好きで、明るく感じの良い人です。受付は、来訪客と一番に接する職種です。そのため、受付は企業やその施設の顔であるとも言え、その印象は企業および施設に対する来訪客の印象を左右するでしょう。受付の印象が良ければ、その企業に好印象を持つという人も少なくはありません。そしてそのためには、身だしなみに対する気遣いや礼儀正しさも求められます。
また、冷静な判断力や対応力も、受付担当者には必要です。受付には毎日さまざまな人が立ち寄ります。中には、重要な取引先やクレームの相手が来ることもあるでしょう。そんな時に、即座に適切な対応を判断し、取り次ぎを行ったり場を繋げたり、気の利いた一言を添えられたりする人であれば、受付担当者として重宝されます。

受付に関連する職業や資格

受付に関連する職業

受付に関連する職業としてまず挙げられるのは、秘書です。秘書は、受付と同じように来客の対応や取り次ぎを行うことが多い職業です。スキルさえあれば受付と違って長く続けることができるため、受付職からのキャリアアップとして秘書職を目指す人が多いようです。
また、ホテルマンや美容師も受付の関連職に数えられます。これらの職業は業務の一環として受付を担当することが多く、専門知識や経験を生かしてスムーズな来客の案内を行なっています。

受付に関連する資格

先述のように、受付には必須になる資格はありません。
ただし、病院や歯科医院、眼科などの医療機関で受付をするためには、医療事務のスキルが求められることが多いため、医療事務関連の資格は就職や実務に役立つでしょう。
医療事務関連資格は種類が非常に多く、その例としては「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)」や「医療事務管理士技能認定試験」、「診療報酬請求事務能力認定試験」などがあります。それぞれ内容や身に付くスキルはやや違っているので、勤務先やビジョンに合わせたものを選ぶと良いでしょう。
また、受付はエクセルやワードを用いたデータ管理を行うことが多いため、「マイクロソフトオフィススペシャリスト」や「日商PC検定」などといったパソコンスキルに関する資格も、実務に役立ちます。