アスレティックトレーナーになるには

  • 2020.09.15
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アスレティックトレーナーの概要や仕事内容

アスレティックトレーナーとは?

アスレティックトレーナーというのはスポーツトレーナーの一種で、スポーツ選手が最高の状態で競技をすることができるように、スポーツドクターやコーチなどと協力してトレーニングやコンディショニングを行うトレーナーのことを言います。

アスレティックトレーナーの仕事内容とは?

「公認アスレティックトレーナー資格」の主催をしている日本スポーツ協会では、アスレティックトレーナーの役割を“公認スポーツ指導者制度に基づき、JSPO公認スポーツドクター及び公認コーチとの緊密な協力のもとに、競技者の健康管理、外傷・障害予防、スポーツ外傷・障害の救急処置、アスレティックリハビリテーション、体力トレーニング及びコンディショニング等にあたる。”としています。
箇条書きにまとめると
・健康管理
・外傷・障害予防
・スポーツ外傷・障害の救急処置
・アスレティックリハビリテーション
・体力トレーニング
・コンディショニング
という内容がアスレティックトレーナーの業務内容だということになります。
それぞれどういった業務なのか、詳細にみていきましょう。

●健康管理
日々のトレーニング前後の体調確認、定期的なメディカルチェック(問診やボディーチェック、必要に応じて心電図やレントゲンなど)を、スポーツドクターやコーチなどと行います。
多くのスタッフと連携していくための資料作成やデータ管理もアスレティックトレーナーの業務に含まれます。

●外傷・障害予防
スポーツをしていると怪我をすることは避けられず、場合によっては大きな怪我になってしまうこともあります。
選手が怪我をしたり障害が起こったりする可能性がある場合は問題を発見し改善策を練らなければなりません。例えば選手の状態が良くない場合は練習内容の調整を、脱水症状を起こしてしまうような気温や湿度の日には飲料を多めに用意し適切な水分補給をさせると言ったことをしなければなりません。

●スポーツ外傷・障害の救急処置
選手がトレーニング中や試合中に怪我をしてしまった場合は、テーピングや止血といった応急処置を行います。仮に呼吸停止をしてしまったような状況になった場合は救命措置(人工呼吸、心臓マッサージなど)に迅速に取りかからなければなりません。

●アスレティックリハビリテーション
日常生活が行える程度に身体の回復をさせる通常のリハビリテーションとは異なり、スポーツ選手が円滑にスポーツを行える状態まで回復させるリハビリテーションのことをアスレティックリハビリテーションと言います。

●体力トレーニング
体力トレーニングには健康保持・増進のために行われるものと競技力を高めるものがあります。前者は体の機能が正常を保ち健康の保持増進をしていくために定期的なスポーツやトレーニング器具を使用した運動、歩行や体操などの軽い運動などを行うことによって目的を達成させます。
後者は専門競技を行うための深い体力を強化することが目的で、例えばマラソンの場合は呼吸器や循環器の働きを高める持久力のトレーニングなどが行われます。

●コンディショニング
選手が最高の状態で試合に臨めるように、メンタル(精神的)、フィジカル(身体的・物理的)、スキル(身につけた能力)のバランスを最高の状態にしていくことを言います。

他にもトレーニングメニューを考案するためや問題点を発見するために検査や測定を繰り返し行ってデータの収集を行うことや、選手が自ら最高の状態に持って行ける能力を身につけさせる指導もアスレティックトレーナーの仕事となっています。

アスレティックトレーナーになる方法(資格取得方法等)

アスレティックトレーナーになるための特別な資格はありません。
しかしここまでみてきてわかるように、身体のつくりや機能、トレーニング理論、怪我の手当、救命措置など多くの知識が必要となるためスポーツ系の大学や専門学校であらかじめ勉強をしてからアスレティックトレーナーになることが望ましいでしょう。
また、就職に有利になる資格として前述した日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーやジャパン・アスレティック・トレーナーズ協会認定アスレティック・トレーナーといった資格を取得しておくと良いでしょう。

日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーについては合格率が10%前後とかなり難易度の高い試験となっていますが、取得すると就職にかなり有利になると言います。

また、アスレティックリハビリテーションは医師の診察や理学療法士のリハビリテーションの後に行うリハビリテーションになりますので、理学療法士の資格を取得しておけばさらに有利に働くと考えられます。
なおプロスポーツ選手を相手にするアスレティックトレーナーの場合は理学療法士や鍼灸師の資格を取得している人が大多数だそうですので、プロを相手にしたい場合は取得しておきたいところです。

では就職に有利だとされる日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー資格についてチェックしておきましょう。

資格難易度や試験について

講習会について

●公認アスレティックトレーナー養成講習会の概要
※下記は参考日程です。
※2020年については新型コロナウイルス感染拡大に伴い新規養成は中止されました。

受講要件:公認スポーツ指導者育成の受講者受入方針(アドミッション・ポリシー)に定める内容の他、以下受講条件に合致する者を本講習会の受講者として受け入れる。
・受講する年の4月1日現在、満20歳以上の者で、JSPO、JSPO加盟団体(都道府県体育・スポーツ協会、中央競技団体等)及びJSPOが特に認める国内統轄競技団体(以下「加盟団体等」という。)から推薦され、受講者選考基準を満たす者
・受講有効期間内に講習の全日程に参加が可能である者
・本講習の受講に支障がない健康状態である者
・受講内定後インターネットサービス「指導者マイページ」から申込が出来る者

受講日程: 当該年度6月~翌々年3月

検査・査定:共通科目
知識確認テスト及び事後学習の課題提出。知識確認テストは一定以上の知識を有することを確認し、事後学習後の課題はJSPOにおいて内容を審査する
専門科目
理論試験と実技試験を行い、総合的に判定する。ただし、実技試験は理論試験に合格した者のみが受験できる。

カリキュラム: 共通科目
150時間(集合講習及び自宅学習)
1.グッドコーチ(日本スポーツ協会公認スポーツ指導者)に求められる人間力
2.グッドコーチに求められる医・科学的知識
3.現場・環境に応じたコーチング

専門科目
1.アスレティックトレーナーの役割
2.スポーツ科学
3.運動器の解剖と機能
4.スポーツ外傷・障害の基礎知識
5.健康管理とスポーツ医学
6.検査・測定と評価
7.予防とコンディショニング
8.アスレティックリハビリテーション
9.救急処置
10.スポーツと栄養

・現場実習

合格発表:日本スポーツ協会において活動実績等を審査の上内定される。

今後のアスレティックトレーナーの将来性

健康志向や美容のためにスポーツ市場の規模は拡大しています。
そのためトレーナーとして活躍の場がなくなることはありません。
しかし、アスレティックトレーナーとして活躍し続けるためにはトレーナー以上の知識や技術がしっかり無ければなりません。特にプロスポーツチームなどで働く場合は年単位の契約で、能力が無いと見なされたら再雇用されない可能性もあるからです。
アスレティックトレーナーとして将来性を持つためには、前述した理学療法士や鍼灸師の資格を取得しておいた方が良いでしょう。

アスレティックトレーナーの就職先

アスレティックトレーナーの主な就職先には次のような場所があります。
・プロスポーツチーム
・実業団チーム
・スポーツジム
・フィットネスクラブ
・スポーツトレーナー派遣会社
・病院
・整体院
・フリーランス(プロスポーツ選手との個人契約など) など

アスレティックトレーナーの平均年収・MAX年収

アスレティックトレーナーの平均年収は約450万円で、日本人の平均年収と大体同じぐらいです。
プロスポーツ選手との個人契約の場合は年収500万円~1,000万円になるケースもあるようですので、個々の能力や就職先によって大きく変動することになります。

アスレティックトレーナーに向いているのはこんな人

アスレティックトレーナーは幅広い知識はもちろんのこと、スポーツ選手やコーチなどチームの一員として働くこともあるためコミュニケーション能力は必須です。
また、選手の小さな変化に気が付くことができたり、怪我をした選手の気持ちに寄り添えたりするなど広い視野、思いやりの気持ちも必要不可欠となります。

アスレティックトレーナーに関連する職業や資格

●関連する資格

アスレティックトレーナーとして活躍するためにおすすめの資格の理学療法士について少し確認しておきましょう。

●理学療法士
理学療法士は厚生労働省が所管しているリハビリテーションの国家資格です。
理学療法士はけがや病気によって身体に障害がある人や障害が起こる可能性がある人に対して立つ、座る、歩くと言った基本的動作のリハビリテーションを行います。

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