セールスエンジニアになるには
- 2020.07.21
セールスエンジニアの概要や仕事内容
セールスエンジニアとは?
セールスエンジニアは顧客に対して自社製品の導入の提案や、導入後のサポートを行う人のことを言います。営業能力を持ったIT技術者といったところでしょうか。
営業を行うにあたって製品に関する技術や知識が必要とされますので、エンジニアとしての経験がある人などが行うような仕事となっています。
顧客を満足させ、受注を継続してもらうために働く重要な仕事です。
セールスエンジニアの仕事内容とは?
セールスエンジニアの主な仕事内容は顧客が自社製品を正しく使うことができるように営業の手助けを行うことで、主に3つに分けられます。
①営業サポート
自社の営業スタッフと共に顧客の元に出向いて、営業スタッフのサポートを行います。営業を専門に行っているスタッフは製品やシステムについての専門知識が不足していることがあるため、同行して製品やシステムなどについて技術面から紹介します。また、顧客の要望を聞き潜在しているニーズを引き出して商品の提案や実演をしたり、場合によっては顧客に合ったサンプルプログラムを作成したりすることもあります。
こうして顧客と営業スタッフの橋渡しの役割を行います。
②導入サポート
顧客先にシステムを導入する際にはシステムをフル活用してもらうため、顧客先の従業員に使い方の説明やテスト運用をする場合のサポートを行います。
③アフターサポート
実際に導入をしてみたら「ここはこうしたい」という意見が出ることや、不具合が出てしまうことがあります。
このような場合に顧客先に向かって対応をすることもセールスエンジニアの仕事の一つです。
この先も継続して自社製品を使っていただくために、アフターサポートは丁寧で
迅速な処理をすることが求められます。
セールスエンジニアになる方法(資格取得方法等)
セールスエンジニアになるための特別な資格はありません。
しかしセールスエンジニアはシステムエンジニアやプログラマーの経験がある人がキャリアアップとして選ぶことが多い職業であるため、そもそもシステムエンジニアやプログラマーとしての知識や経験が無ければ務まらないような職業となります。
この3つの職業の大まかなキャリアアップの流れは
プログラマー(プログラミングの知識を持ち、システムのプログラミングができる)
⇩
システムエンジニア(プログラミングの知識経験をもってシステムの設計ができる)
⇩
セールスエンジニア
ということになりますので、まずはプログラミングの知識を得てプログラマーとなり、その後にシステムエンジニアとしてシステムの設計を行えるだけの知識を得る必要があります。
その上でセールスエンジニアとして転職するなどする際に知識や技術の証明をしたい場合は「ITストラテジスト試験」の資格を持っていると良いでしょう。
ITストラテジスト試験の対象者は”
高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術(IT)を活用して事業を改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。また、組込みシステム・IoTを利用したシステムの企画及び開発を統括し、新たな価値を実現するための基本戦略を策定・提案・推進する者
”とされています。
簡潔にまとめるとプログラマーやシステムエンジニアにおすすめの資格の「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」といったIT技術を証明する試験の上位試験で、IT技術を企業の経営に活用するITコンサルタントのための試験といったところでしょうか。
では、おすすめ資格のITストラテジスト試験についてチェックしていきましょう。
試験について
●試験の概要
ITストラテジスト試験は独立行政法人情報処理推進機構が主催する試験で、年1回開催されます。例年秋期試験として10月の第3日曜日に試験が実施されています。
※下記は2020年度の試験の日程です。参考にチェックしてみましょう。
受験書類の受付:インターネット
2020年7月中旬~下旬頃
郵送
2020年7月上旬~中旬頃
試験日程:2020年10月 第3日曜日予定
※ただし、同法人が開催する試験のうち年2回開催される春期試験については新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止されています。秋期試験の開催についてもよく確認しておいてください。
試験地:札幌、帯広、旭川、函館、北見、青森、盛岡、仙台、秋田、山形、郡山、水戸、つくば、宇都宮、前橋、新潟、長岡、埼玉、千葉、柏、東京、八王子、横浜、藤沢、厚木、長野、甲府、静岡、浜松、豊橋、名古屋、岐阜、四日市、富山、金沢、福井、滋賀、京都、大阪、奈良、神戸、姫路、和歌山、鳥取、松江、岡山、福山、広島、山口、徳島、高松、松山、高知、北九州、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、那覇
試験科目: 試験科目を簡単にまとめたものです。
実際の内容についてはITストラテジスト試験のHPで確認してください。
午前試験Ⅰ
●テクノロジ系
1.基礎理論
① 離散数学
② 応用数学
③ 情報に関する理論
④ 通信に関する理論
⑤ 計測、制御に関する理論
⑥ データ構造
⑦ アルゴリズム
⑧ プログラミング
⑨ プログラム言語
⑩ その他の言語
2.コンピュータシステム
① プロセッサ
② メモリ
③ バス
④ 入出力デバイス
⑤ 入出力装置
⑥ システムの構成
⑦ システムの評価指標
⑧ オペレーティングシステム
⑨ ミドルウェア
⑩ ファイルシステム
⑪ 開発ツール
⑫ オープンソースソフトウェア
⑬ ハードウェア
3.技術要素
① ヒューマンインターフェース技術
② インターフェース設計
③ マルチメディア技術
④ マルチメディア応用
⑤ データベース方式
⑥ データベース設計
⑦ データ操作
⑧ トランザクション処理
⑨ データベース応用
⑩ ネットワーク方式
⑪ データ通信と制御
⑫ 通信プロトコル
⑬ ネットワーク管理
⑭ ネットワーク応用
⑮ 情報セキュリティ
⑯ 情報セキュリティ管理
⑰ セキュリティ技術評価
⑱ 情報セキュリティ対策
⑲ セキュリティ実装技術
4.開発技術
① システム要件定義
② システム方式設計
③ ソフトウェア要件定義
④ ソフトウェア方式設計・ソフトウェア詳細設計
⑤ ソフトウェアコード作成及びテスト
⑥ ソフトウェア結合・ソフトウェア適格性確認テスト
⑦ システム結合・システム適格性確認テスト
⑧ ソフトウェア導入
⑨ ソフトウェア受入れ
⑩ ソフトウェア保守
⑪ 開発プロセス
⑫ 知的財産適用管理
⑬ 開発環境管理
⑭ 構成管理・変更管理
●マネジメント系
5.プロジェクトマネジメント
① プロジェクト統合マネジメント
② プロジェクト・スコープ・マネジメント
③ プロジェクト・タイム・マネジメント
④ プロジェクト・コスト・マネジメント
⑤ プロジェクト品質マネジメント
⑥ プロジェクト人的資源マネジメント
⑦ プロジェクト・コミュニケーション・マネジメント
⑧ プロジェクト・リスク・マネジメント
⑨ プロジェクト調達マネジメント
6.サービスマネジメント
① サービスマネジメント
② 運用設計・ツール
③ サービスサポート
④ サービスデリバリ
⑤ サービスマネジメント構築
⑥ ファシリティマネジメント
⑦ システム監査
⑧ 内部統制
●ストラテジ系
7.システム戦略
① 情報システム戦略
② 業務プロセス
③ ソリューションビジネス
④ システム活用促進・評価
⑤ システム化計画
⑥ 要件定義
⑦ 調達計画・実施
8.経営戦略
① 経営戦略手法
② マーケティング
③ ビジネス戦略と目標・評価
④ 経営管理システム
⑤ 技術開発戦略の立案
⑥ 技術開発計画
⑦ ビジネスシステム
⑧ エンジニアリングシステム
⑨ e-ビジネス
⑩ 民生機器
⑪ 産業機器
9. 企業と法務
① 経営・組織論
② OR・IE
③ 会計・財務
④ 知的財産権
⑤ セキュリティ関連法規
⑥ 労働関連・取引関連法規
⑦ その他の法律ガイドライン・技術者論理
⑧ 標準化関連
午前試験Ⅱ
●ストラテジ系
7.システム戦略
① システム戦略
② システム企画
8.経営戦略
① 経営戦略マネジメント
② 技術戦略マネジメント
③ ビジネスインダストリ
9.企業と法務
① 企業活動
② 法務
午後試験Ⅰ・Ⅱ
(午後Ⅰ:記述式、午後Ⅱ:論述式)
① 業種ごとの事業特性を反映し情報技術を活用した事業戦略の策定または支援
② 業種ごとの事業特性を反映した情報システム戦略と全体システム化計画の策定
③ 業種ごとの事業特性を反映した個別システム化構想・計画の策定
④ 事業ごとの前提や制約を考慮した情報システム戦略の実行管理と評価
⑤ 組込みシステムの企画、開発計画の策定・推進
合格発表: 2021年1月中旬頃
今後のセールスエンジニアの将来性
平成28年に経済産業省が発表した調査によると、2030年には約79万人のIT人材が不足するという結果が出ています。
これからも進化し続けるIT業界での人手不足なので、IT業界で働くことができる人の需要はこの先も無くなることはあまり考えられません。
中でもシステムや商品の知識が豊富であるセールスエンジニアの需要はさらに高まっています。英語力などがあり、幅広く対応できるセールスエンジニアであれば将来性はバッチリでしょう。
セールスエンジニアの就職先
セールスエンジニアの主な就職先には次のような場所があります。
・各種メーカー
・IT企業
・外資系IT企業
・IT産業
・販売専門会社 など
セールスエンジニアの平均年収・MAX年収
システムエンジニアなどとして活躍してきたセールスエンジニアの平均年収は約620万円となっており、日本人の平均年収(約441万円)と比較するとかなり高い年収となっています。
エンジニアとして活躍するためには常に新しい知識や技術を学ばなければならないため、高齢になればついていけずに辞めてしまうと言う方も多いこともあり、年代別に見ると平均が20代で約400万円、30代で約580万円、40代で600万円となっていますので40代以降は緩やかに年収が上がっている傾向にあります。
セールスエンジニアに向いているのはこんな人
セールスエンジニアに限らずIT業界で働く人は、日々めまぐるしく進化していく知識を常に得て行く必要があります。
それを苦とせず、好奇心を持って自分の中に取り入れることができる人がまずIT業界に向いている人だと言えます。
また、その知識を持って営業やシステム障害に対する対応をして、顧客の信頼を得ることに喜びを感じられる人であればサービスエンジニアに向いている人ということになります。
それだけでなく、高いコミュニケーション能力も必須です。
営業を行うためのコミュニケーション能力はもちろんのこと、営業スタッフやシステム開発を行うシステムエンジニアやプログラマーなどとのやりとりをすることもあります。
円滑に業務を行うためのコミュニケーション能力も求められることからコミュニケーション能力は必要不可欠なのです。
セールスエンジニアに関連する職業や資格
●関連する資格
●TOEIC
プログラムのリソース(プログラムが使用するテキストなどのデータのこと)は英語で書かれていることが多いことや、IT業界がグローバル化の影響を受けやすい業界であることなどを踏まえて英語力は欠かすことのできない能力のひとつとなります。
TOEICは点数で評価される資格となっており、800点以上取得すれば英語のスキルがあると認められると言われています。
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