カスタマーエンジニアになるには
- 2020.07.21
カスタマーエンジニアの概要や仕事内容
カスタマーエンジニアとは?
カスタマーエンジニアとは、システムエンジニアやプログラマーが完成させたシステムを顧客が使えるように導入することのサポートや保守する仕事を行う人のことを言います。
顧客安心してシステムを利用することができるようシステムの使い方や困りごとの相談を受け、トラブルが発生した場合には迅速に対応することができる専門知識が必要です。
カスタマーエンジニアの仕事内容とは?
カスタマーエンジニアは顧客からの依頼で顧客先に向かったり、顧客先に常駐して仕事をしたりしています。
扱う機械はハードウェアもソフトウェアもあるため業務内容が幅広く、その分知識も必要です。
では具体的な仕事内容をチェックしていきましょう。
①機器の選定
顧客が求めるサービスやシステムを導入するために機器の選定を行います。
最大の効果をもたらし、極力不要な機能を無くし、顧客の予算や事業規模に合う最適な機器を選定し提案することが大切です。
②機器の設置
選定が終わったら顧客先に機器を設置します。
設置場所は顧客先によって異なるため、自宅やオフィス以外にもデータセンターにサーバーを設置することもあります。
また、設置する際はセキュリティ面も配慮いた設置を考えなければなりません。そのため事前に設置場所等についても顧客としっかりと打ち合わせをしておきます。
③サポート
新システムを導入するにあたって、顧客先に勤める方たちが導入後にシステムを使うことができるように準備(説明や教育などを含む)したり環境を整えたり、システムの初期設定を行うこともカスタマーエンジニアの仕事の一つです。
④保守
運用開始後はシステムの管理維持といった保守の作業を行います。
機器がきちんと作動しているかどうかの確認やバージョンアップなどの対応、障害やバグが発生したときの修理・修正などの作業を行います。
このようにカスタマーエンジニアは顧客先に導入する前から後まで長くサポートをしていきます。システム・設置・導入・保守のそれぞれに知識が必要になるため、かなりの専門性が求められることがわかります。
カスタマーエンジニアになる方法(資格取得方法等)
カスタマーエンジニアになるための特別な資格はありません。
しかし設置や保守の作業を行う際には電源や通信を触ることになるため、法律で義務づけられた資格を有していないと作業を行うことができません。
具体的には次のような資格が必要となります。
・電気工事士
・工事担当者
・認定電気工事従事者
ではこのうち電気工事士の資格について見てみましょう。
試験について
電気工事士の国家試験は第二種電気工事士試験が毎年上期と下期の2回、第一種電気工事士試験が年1回行われています。第一種の試験は第二種電気工事士試験の下期と同時に行われることが多いようです。
第一種と第二種では扱える電気の大きさなどが異なります。
第二種を取得していれば一戸建てや小規模なオフィスの電気工事を行うことができますが、大規模なオフィスや病院、ショッピングモールなどの電気工事を行うことはできません。その場合は第一種を取得しておかなければなりません。
ただし第一種は学歴や実務年数が必要となりますので、自分が働きたい企業がどこまでの範囲を求めているのかによって取得するかどうかを決めても良いでしょう。
では第二種試験の試験概要についてチェックしてみましょう。
●試験の概要
※下記は2020年度の試験の日程です。
受験申込方法:書面による申し込み、もしくはインターネットによる申し込み。
書面の取得方法は限られているようですので、インターネット申し込みをする方が多いようです。
受験書類の受付:上期試験…3月19日(木)~4月9日(木)
下期試験…筆記試験申込期間7月30日(木)~8月13日(木)
実技試験申込期間9月3日(木)~9月17日(木)
※筆記試験免除者が対象
試験日程:上期試験…筆記試験:5月31日(日)
※当試験はコロナウイルス感染拡大防止の観点から中止されました。
技能試験:7月18日(土)または7月19日(日)
※試験地により異なる
下期試験…筆記試験:10月4日(日)
技能試験:12月12日(土)または12月13日(日)
※試験地により異なる
試験地:47都道府県。
試験科目: ●筆記試験
(1)電気に関する基礎理論
(2)配電理論及び配線設計
(3)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具
(4)電気工事の施工方法
(5)一般用電気工作物の検査方法
(6)配線図
(7)一般用電気工作物の保安に関する法令
●技能試験
(1)電線の接続
(2)配線工事
(3)電気機器及び配線器具の設置
(4)電気機器・配線器具並びに電気工事用の材料及び工具の使用方法
(5)コード及びキャブタイヤケーブルの取付け
(6)接地工事
(7)電流、電圧、電力及び電気抵抗の測定
(8)一般用電気工作物の検査
(9)一般用電気工作物の故障箇所の修理
合格発表:上期試験…筆記試験:2020年6月29日(月)
技能試験:2020年8月21日(金)
下期試験…筆記試験:2020年11月8日(金)
技能試験:2021年1月17日(金)
今後のカスタマーエンジニアの将来性
IT業界は日々進歩しているためIT業界で活躍する人の需要は高まっています。
知名度の高いシステムエンジニアやプログラマーについてはかなり求人数が多いため、それらに比較すると求人数が少なく見えるカスタマーエンジニアですがIT業界の人材不足は深刻化しているためこれからはカスタマーエンジニア単体の求人も増えていくと考えられています。
つまり当面の間就職先に困ることはないと考えても良いでしょう。
このことから将来性があるといえます。
カスタマーエンジニアの就職先
カスタマーエンジニアの主な就職先には次のような場所があります。
・各種機器メーカー
・保守サービス会社
・アフターサービス会社
・フリーランス など
カスタマーエンジニアの平均年収・MAX年収
カスタマーエンジニアの平均年収は475万円となっており、日本人の平均年収と比べると少し高めの年収になっています。
勤務先によって異なることはもちろんですが、扱うことができる機器によっても年収は異なります。業界全体で医療機器関連の企業で機器を扱うことができるエンジニアたちの年収が高い傾向にあります。
場合によっては年収1,000万円を越えるケースもあります。
そのためには大手の就職先を選ぶことだけでなく、常に新しい知識を得て最前線で活躍することができるだけの豊富なスキルや経験が必要となります。
カスタマーエンジニアに向いているのはこんな人
カスタマーエンジニアは何よりコンピュータや機器に触れることが好きで、そのためにたくさんの知識を得たいと思う人が向いている人だと言えます。
同時に顧客と向き合うことが多いため高いコミュニケーション能力が必要です。
顧客が求めることは何かを引き出すことができる、適切な提案ができる、困難な状況に柔軟に対応できるといったスキルが必要になるためです。
時には辛いことを言われることもあるでしょうし、勤務時間が長くなることもあります。そのため精神力や体力も欠かすことができない能力のひとつです。
カスタマーエンジニアに関連する職業や資格
●関連する資格
●基本情報技術者試験
基本情報技術者試験はIT業界で働くエンジニアが取得しておきたい試験のひとつで、国家資格であるため知名度が高いこともありITを提供する側としての基本的な技術を持っていることの証明になるためIT業界の一員として活躍するカスタマーエンジニアは是非取得しておきたい資格です。
基本情報技術者試験は、ITを提供する側の知識やスキルを持っていることのアピールになります。さらに上位試験である「応用情報技術者試験」も受験し、合格すればさらに高い技術を持っていることや管理・営業などの知識、技術の応用力を持っていることのアピールになります。
どちらも国家資格であるため合格率は基本情報技術者試験でも25%前後と低めとなっているためかなりしっかりと勉強や対策をする必要があります。
しかし、この資格があればシステムエンジニアなど他のエンジニア職への転職にも有利になるので就職先や転職先を選ぶ際の幅が広がることからもおすすめです。
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