映画監督になるには

  • 2020.07.21
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映画監督になるには
      
              

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映画監督の概要や仕事内容

映画監督とは?

 映画監督とは、映画制作の最高責任者のことを指します。
 映画監督は映画制作の最初から最後までのすべての仕事を担っています。

映画監督の仕事内容とは?

では具体的にどういった仕事をしているのかというと、まずは映画の内容を決定していきます。映画の内容があらかじめ指定されていることもありますが、指定が無い場合は内容の映画を作るか決定し、脚本家らとストーリーを練り上げていきます。
完成した脚本に基づいて、配役を考えたり、撮影場所を探したり(ロケハン)、衣装や小道具の決定をしていきます。その際には美術・カメラなど映画制作に関わるスタッフたちと構想を作り上げていきます。
配役についてはイメージの役者がいればオファーをしますし、いなければオーディションを行うなどして役者を決めていきます。

撮影が開始したら、全工程を取りまとめていきます。
カメラワークや照明、場所などの細かなセッティングだけではなく役者に対する演技指導も行います。後々音を入れたり編集を行ったりするので、映画撮影に関わるすべての分野において高いレベルのセンスや指導力が求められます。
細かい指示出しや演技指導を行うため、非常に多忙である中でも同時にスタッフの焦りや不満なども受け止めていかなければなりません。制作中にスタッフと細かく打ち合わせをすることもあるので拘束時間が長くなることもありますし、映画制作に関わるすべての責任を負わなければならないため肉体的にも精神的にもかなりハードです。

撮影終了後は編集作業を行います。
撮影した映像が効果的に見えるようにカットを選び、つなぎ直し、効果音やBGMを入れていきます。編集はスタッフが行うことが多いようですが、その際も映画監督の指示によって作業が行われます。
映画の内容に沿った演技が選択できているか、細部まで美しくできあがっているかまで詳細に構成していかなければなりませんので繊細な作業が求められます。

映画が完成した後は、多くの人たちに映画を見てもらうためにプロモーション活動を行います。テレビやラジオでの宣伝活動や雑誌などの取材対応、劇場で行われる舞台挨拶、イベントなどに出向いて行かなければなりません。

中には映画の制作費の調達を行う監督も居ます。このように、映画監督をひとまとめに「映画制作の全責任を負っている」と言ってしまうのは簡単ですが、その言葉の実際の中身はかなり多くの知識やスキル、センスなどを求められる大変な仕事なのです。

映画監督になる方法(資格取得方法等)

 映画監督になるための特別な資格や学歴は必要ありませんが、映画が好きで絶対に映画監督になってやるという熱意だけでは映画監督になることは難しいでしょう。
仕事内容の部分でみたように、映画制作に関する豊富な知識が無ければ監督としての仕事を果たすことができないと考えられるからです。

そのためまずは大学や短期大学、専門学校などで映画学科や映像学科、写真学科など映像・画像について学べる学科で勉強したり、演技指導を行うことができるように演技の学科で勉強したりすることで映画監督としてのノウハウを学んでいきます。
 大学で映画学科などを選択すると、監督や脚本、プロデュース、撮影照明、美術、音響、編集などの勉強ができるだけでなく、実際に映画監督をしている人の指導を受けることもできます。現場のリアルな状況を知ることができる良いチャンスにもなるのではないでしょうか。

 卒業後は映像制作会社やテレビ局などに就職して実際に映像に関する仕事を行っていくことで更に映像に関するスキルや知識を増やしていきます。
 そうして経験を積んだ後に自分で映像を作成し、コンテストに応募するなどの活動を行っていきます。自分の作った作品を売り込むことができるというのも映画監督になるための大切な要素の一つです。実際に映画監督になった後も、プロモーション活動を行うことを考えたらその第一歩であると思われます。
 

今後の映画監督の将来性

 長く低迷していると言われていた映画業界ですが、最近では邦画の興行収入が洋画を上回っているといいます。
 2019年の年間興行収入は2,611億8,000万円で2000年の興行収入発表以降最高となったそうです。またその内訳は邦画が1,421億9,200万円、洋画が1,189億8,800万円となっています。

 近年、音楽業界もライブの収入が右肩上がりだといいますが、映画もライブのような感覚で若い人に人気になっているようで見に行く人が増えているそうです。
 良作が多かったというのも理由の一つだと言いますが、どんな理由があっても映画が人気になっていることは確かですので、映画の需要が高まっている=映画監督の需要も高まっていると言えます。
 映画自体が人気不人気にかかわらず、良作が発表されれば多くの人が見に行きます。
 そのため現状の将来性があるともいえますが、それよりも自分で将来性を高めていける職業といった方が確かかもしれません。

映画監督の就職先

 映画監督の主な就職先には次のような場所があります。
  ・映画制作会社
  ・フリーランス など

 フリーランスで仕事を請け負っているイメージがある映画監督ですが、映画制作会社で映画監督をしている人も多く居ます。ただし、映画制作会社は数が少なく求人倍率が高いため、やはりはじめはテレビ局や映像制作会社に就職してからステップアップしていくという人が多いようです。
 
 なお、映画監督になる前には助監督として実績を積むそうですが、一つの映画に助監督が複数人おり、そのトップに立つためには10年程の期間を要するそうです。
 そこから監督になるまでにはまた期間が必要でしょうから、一人前の映画監督になるためには長い道のりを覚悟しておかなければならないでしょう。

映画監督の平均年収・MAX年収

 映画監督の収入は一本当たり約400万円だそうです。
 有名監督になれば一本1,000万円以上の収入を得ることもあるようですが、そういった人は一握りでしょう。
 
 日本映画監督協会という協会がありますが、この協会では一本あたりの最低金額を350万円と規定しています。そのため協会に所属している人が仮に1年で1本の映画を作り上げたとしたら、最低350万円の年収は保障されます。
 しかし、これ以上の金額を得ようと思えば有名になっていかなければなりませんので、そう簡単に年収アップは見込めません。

 契約によっては興行収入に対する割合で報酬を得られる場合もありますので、その場合は大ヒットすればかなり高額な収入を得られることになるでしょう。

映画監督に向いているのはこんな人

 映画監督は決して楽な仕事ではないため、映画が好きで映画を作りたいという強い思いを持っている人であることはもちろんのこと、映画を作り上げるために場合によっては百人以上にもなるスタッフをまとめあげることができる人でなければなりません。

 また、スタッフをまとめるスキルだけはなく、スタッフをはじめ配給会社やマスコミの人と関わっていくためのコミュニケーション能力が必要です。
 コミュニケーション能力は映像を売り込んでいく際にも必要な能力の一つですので、しっかりと磨き上げておいた方が良いでしょう。

映画監督に関連する職業や資格

関連する職業

 前述したとおり、映画を作っていく際には多くのスタッフがいます。
 スタッフは映画監督や脚本家の他にも技師や助手がいます。技師や助手にどういったスタッフがいるのかチェックしておきましょう。

 ●技師
  ・カメラマン
  ・照明技師
  ・録音技師
  ・編集
  ・デザイナー
  ・装飾
  ・スタイリスト
  ・衣裳デザイナー
  ・ヘアメイク
  ・操演(映画やテレビ番組等で、ワイヤーアクションやミニチュアの操作、自然現象の演出(火・水・風・大地など)を担当する役職)
  ・ラインプロデューサー(各製作行程を管理する役職)
  ・制作主任
  ・制作担当 など

 ●助手
  ・演出(助監督、ADなど)
  ・制作進行
  ・進行助手
  ・撮影助手
  ・カメラアシスタントCA
  ・照明助手
  ・録音助手
  ・美術助手
  ・装飾助手、小道具、持道具
  ・特殊効果
  ・衣裳助手
  ・スタイリスト助手
  ・ヘアメイク助手
  ・編集助手

 ●その他
  ・スクリプター
  ・音楽家
  ・スタントマン など

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