レコーディングエンジニアになるには

  • 2020.07.21
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レコーディングエンジニアの概要や仕事内容

レコーディングエンジニアとは?

 レコーディングエンジニアとは、レコードやCDなどの制作に従事し、音響の調整と録音などを行う技術者のことを言います。簡単に言うと、音楽の録音の専門家と言ったところでしょうか。

レコーディングエンジニアの仕事内容とは?

レコーディングエンジニアは、アーティストがレコーディングを行う際に音響機器を調整するなどして、より良いサウンドのマスターテープに仕上げる仕事をしています。CD制作の要となる仕事です。

具体的な仕事内容としては、ボーカルやコーラス、各楽器の演奏を別々に録音して、それぞれの音量などのバランスを調整していきます。レコーディングの内容に納得が行かない場合には演奏の一部を録音し直し、良い部分をつなぎ合わせてマスターテープを仕上げていきます。

ただし、レコーディングスタジオなどに就職してもまずは下積みからのスタートとなります。最初からレコーディングエンジニアとしてバリバリと活躍できるわけではありません。

では、下積みからレコーディングエンジニアになるまでの流れをチェックしておきましょう。

①アシスタントエンジニアのアシスタント(通称:アシアシ)
特に大きなレコーディングスタジオなどに就職した場合、最初は後述するアシスタントエンジニアのアシスタントからスタートします。
アシアシの仕事はもっぱら掃除や電話番・買い出しなどの雑用、機材を準備したり撤収したりする作業(仕込み・バラシと言われています)となっています。

②アシスタントエンジニア
アシアシを経たら、次はアシスタントエンジニアになります。
アシスタントエンジニアになるとスタッフクレジットに載り始めます。

アシスタントエンジニア主な仕事はレコーダーのオペレート(操作)です。
現在、レコーダーはほぼDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーションの略で“パソコンで音楽制作するソフトウェア”のこと)で行われています。
よく使用されているソフトはPro Tools(録音されたオーディオデータをミックスし、曲に仕上げるのに特化したDAW)で、アシスタントエンジニアの仕事はPro Toolsの操作と言っても過言ではありません。
Pro Toolsの操作は録音や再生だけでなく、パンチイン(録音をされた音の差し替えなど、一定の範囲のみを差し替える作業のこと)や波形編集などを行うことができる技術力が求められます。

他にも外部からスタジオに来る乗り込みエンジニアが作業しやすいようにお世話をすることも大事な仕事の一つとなっています。

③レコーディングエンジニア
アシスタントを経て、ついにレコーディングエンジニアになることができます。

Pro Toolsの操作はアシスタントエンジニアするので、レコーディングエンジニアの仕事は音の責任者・録音の現場監督といった立場になります(レコーディングスタジオなどにディレクターがいる場合は、ディレクターが現場監督となります)。
どういった音で録音をするのか、どんな音作りをするのか、どういうバランスで再生するのか…など、具体的に決定していきます。

レコーディングエンジニアになる方法(資格取得方法等)

レコーディングエンジニアになるための特別な資格などはありません。
しかし、楽器や音楽の知識が無ければレコーディングエンジニアの仕事を行っていくのは難しいと考えられますので、音楽系の大学や専門大学に進学して勉強した後に、レコーディングスタジオに就職するなどして、一歩ずつキャリアを積んでいくのが一般的なルートとなるでしょう。

 レコーディングエンジニアになるためにおすすめの資格として、レコーディングの際に使用するProToolsの技術認定試験やレコーディング技術を認定する試験がありますので、ご紹介しておきます。

●ProTools技術認定試験
社団法人日本音楽スタジオが主催している試験で、ProToolsの技術を判定する認定試験です。DAWの標準機となっているアビッドテクノロジー社のPro Toolsに対応できる人材育成に結びつけるために、その年度に広く採用されているバージョンが試験対象となっています。
各自の正答数の合計によって総合評価のA~Eランクが認定され「認定証」が交付されます。
また、各分野別の「成績証明書」も交付致します。
これらは自分が持つPro Toolsの技術の評価が必要な機会に役立てることができます。

●サウンドレコーディング技術認定試験
同法人が主催している試験で、音響の理論、電気音響とスタジオシステム、レコーディング技術と先進技術、音楽・音楽著作権・音楽録音の流れ、録音の歴史などが試験範囲となっています。
Pro Tools技術認定試験と同じくランク認定され、2種類の証明書が交付されます。

これらの資格を持っていれば就職に有利ですし、知識があるのでアシスタントエンジニアになってからもサクサクと仕事を覚えられるでしょう。

資格難易度や試験について

試験について

 では、おすすめ資格のPro Tools技術認定試験について、どういった試験が行われるのかチェックしてみましょう。

●試験の概要
 ※下記は2020年の試験の日程です。
受験資格:高校卒業以上、または同等の学力を有すると認められる者

  受験書類の受付:2020年5月29日(金)~7月3日(金) 
※郵送申し込みまたは協会事務局へ持参する。ホームページのフォーマットから申し込む場合は6月30日(火)まで
※郵送の場合は当日消印有効 。

  試験日程:2020年9月6日(日)

  試験地:全国主要都市の団体受験会場(専門学校・大学・短大および一般企業など)のいずれか

  試験科目: 以下の内容により、AからDの4ブロックに分類された各項目について、初級と中級に区分された問題が、それぞれ出題されます。
A「Pro Tools概要」
A-1 概要
A-2 セッションとトラック

B「録音・編集」
B-1 録音
B-2 編集

C「ミキシング」
C-1 ミキシングの基礎
C-2 プラグイン
C-3 オートメーション
C-4 ミックスダウン

D「シンク・MIDI・ファイル管理など」
D-1 シンク
D-2 セッションデータのインポート/エキスポート
D-3 MIDI
D-4 用語集・ショートカットなど

       取得点数によりA~Eのランクが認定されます。 (1000点満点)
A:1000~901点
B: 900~701点
C: 700~451点
D: 450~201点
E: 200点以下

今後のレコーディングエンジニアの将来性

 現在、CDの売り上げは年々減少する傾向にありますが、一方で音楽ダウンロードは右肩上がりに推移しています。つまり音楽そのものの需要はありますし、この先もなくなることはないでしょう。そしてその音楽の音源を作るのがレコーディングエンジニアの仕事となっていますので、レコーディングエンジニアの仕事がなくなるとは考えられません。

クリアな音質、深みのある音質など求めてレコードプレーヤーが復活していたり、新しいスピーカーが開発されたり、音響設備が充実したりと、今の時代は良い音源が求められています。
CDの売り上げ減少と共にレコーディングエンジニアとしての人数は少なからず減少するかもしれませんが、良い音源を作る人の需要は高まっています。

良い音を作ることが出来るよう常に技術を磨き上げることができれば将来性につながっていくでしょう。

レコーディングエンジニアの就職先

 レコーディングエンジニアの主な就職先には次のような場所があります。
・レコーディングスタジオ
・レコード会社
・音楽スタジオ
・フリーランス など

レコーディングエンジニアの平均年収・MAX年収

レコーディングエンジニアとして企業に就職して働いている人の平均年収は、大手レコード会社の場合は600万円~800万円が相場だと言われています。

実力を磨いてフリーランスとして活躍する場合は、クライアントに恵まれて安定的に仕事を得ることができれば企業で働く社員の平均年収よりも高い年収を得ることもできます。

レコーディングエンジニアに向いているのはこんな人

 レコーディングエンジニアに向いている人は、とにかく音楽が好きな人だと言っても過言ではないでしょう。
自宅で音楽を聴く時でも、ただ聞くのではなくスピーカーで音の伝わり方を聞いてみたりヘッドフォンなどの種類を試してみるなど音響関係に関心を持てたり、色々な種類の音楽を聴くなど、様々な視点で音楽を聴くのが好きな人はレコーディングエンジニアに向いている人だと言えます。
また、実際に楽器の生の音を聞くことが大切なので、演奏をすることができる人、楽器に興味のある人であるとなお良いでしょう。

レコーディングエンジニアに関連する職業や資格

関連する職業

 ●ミュージシャン
   ミュージシャンとは音楽家のことで、ボーカリストや楽器を演奏するギタリスト、ベーシスト、ピアニスト、作曲家、編曲家、指揮者などもミュージシャンに含まれます。
   録音をするときに関わることはもちろん、音のバランスを調整する際に提案を行うこともあるのでしっかりとコミュニケーションを取って良い音を作ることができる関係を築かなければなりません。

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