作曲家になるには

  • 2020.07.21
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作曲家の概要や仕事内容

作曲家とは?

 作曲家は楽曲を制作する人のことを言い、中でもそれを生業とする人のことを指します。
 歌手が自ら作詞作曲を行うこともありますが、この場合は作曲家ではなくシンガーソングライターと分類されることが多く、作曲家と呼ばれることはほとんどありません。
 歌手のように自ら歌を歌うわけではなく、自分が作った曲を歌手などに提供する音楽家が作曲家に分類されることになります。

 作曲家として収入を得て生活していくためには一からの曲作りをずっと続けていかなければなりません。また、作曲家として活躍するためには自ら仕事を得たり、そのための売り込みをしたりしなければなりません。
 曲作りだけでなく広い人脈を築き仕事を得ることができるなど、様々な能力を求められる職種となります。

作曲家の仕事内容とは?

 作曲家の仕事は、関わる仕事によって業務の内容が異なります。
 例えばアーティストに楽曲を提供する場合は、アーティストが所属する事務所や音楽レーベルからの依頼を受けて、依頼内容に沿った楽曲を作成します。
 ドラマや映画、演劇、コマーシャルなどの楽曲制作をする作曲家もいます。この場合は決められた時間の中で視聴者や観客に印象を残せる曲作りができる能力が求められます。

 また、中にはゲーム音楽や効果音の作成を行う作曲家もいます。
 ゲーム音楽の作成をしている人は会社員としてゲーム制作会社に就職して作曲しているケースが多いのが特徴です。

 このように様々な仕事に関わる作曲家ですが、ただ依頼を受けて作曲をするだけではなく提供した楽曲をより良いものにするために編曲や修正をする作業も業務内容に含まれます。
 作曲家として活躍していくためには、自分の曲を売り込んで売れるようになるところまでが仕事と言っても過言ではないでしょう。

作曲家になる方法(資格取得方法等)

 作曲家になるための資格などはありません。
 しかし、知識が無いままできる仕事でもありませんので多くの人は音楽系の大学や短大、専門学校などであらかじめ音楽の知識や技術を身につけて作曲家を目指していくことになるでしょう。
 音楽が好きとか楽器を演奏するのが好きだとかという段階を超えて、音楽のセンスを向上させる、音楽の構造を理解する、トレンドを知っている、絶対音感を持っているなど、作曲家になるためには多くの知識やスキルが求められます。
 依頼主などから求められた曲作りができるようにしっかりと勉強することが作曲家になる第一歩と言えるかもしれません。

 また、今ではパソコン上で曲作りをしたり、依頼を受けたり納品をしたりする場合にインターネットを利用するケースが多くなっています。
 そのため、音楽に関する知識やスキルだけでなくインターネットの知識やデスクトップミュージック(DTM)技術を身につけておかなければならないでしょう。
 DTMの技術については学校やスクールで教えてもらうことができます。技術を持っていることを示したい場合は「MIDI認定制度」などの資格を取得しても良いのではないでしょうか。
 ここで少しMIDI認定制度について解説しておきます。

 ●MIDI認定制度
   MIDI認定制度は音楽電子事業協会が実施している民間資格で、MIDI規格(電子楽器やコンピュータを相互に接続して音楽データを伝送するための世界共通規格)を広く一般社会に普及啓蒙することを目的として標準グレード化し、活用できる人材を多く創出することを目指して作られた制度で、社団法人音楽電子事業協会が管理運営する民間資格です。
   4級から1級まであり、1級に認定されるとプロレベルの知識を持っていることを示すことができるようになります。ただし合格率は30%とかなり低く、難易度が高いことがわかります。

今後の作曲家の将来性

 音楽は遙か昔から存在し、これから先も無くなることはまず考えられません。
 つまり音楽を作る仕事である作曲家の仕事もこの先無くなることはないでしょう。
 音楽はストレスの軽減や生産性の向上など人体に多くの影響を与えます。音楽を聴いて昔の記憶を思い出すこともあるでしょう。音楽は人にとってとても重要なものなのです。
 人に愛される曲作りをすることができる作曲家になることができれば、仕事がなくなることはないでしょう。

 また、アニメやアイドルなどの需要の増加に伴って求められる楽曲の数も増えているため、作曲家の需要も増加していると言います。
 様々なジャンルの曲作りを、高いクオリティで実現することができれば多くの仕事をすることができると考えられます。
 これらのことから、将来性は十分にあるといえるのではないでしょうか。

作曲家の就職先

 作曲家の主な就職先には次のような場所があります。
  ・レコード会社
  ・ゲーム制作会社
  ・映像制作会社
  ・フリーランス など

 フリーランスの仕事内容にはホームページ上で流れる音源などの作成といった細かい仕事まで含まれますので、実に多くの仕事があるといえるでしょう。

作曲家の平均年収・MAX年収

 企業に就職している場合は普通の会社員としての給与を得ることになりますので、例えば2019年度の日本人の平均年収は441万円だったそうなのでおおよそそのぐらいが年収になるのではないかと考えられます。作曲家の仕事をしながら安定した給与が得られるので、曲作りがしたいけれど安定した生活もしたいという場合は企業に就職すると良いでしょう。

 フリーランスの場合、例えば制作会社と契約している場合の給料は歩合制や出来高制となることがほとんどです。著作権を制作会社に渡す場合は契約料をもらうことになるでしょう。印税契約を結べば、印税が入ってくることになります。
 有名な作曲家になれば印税で数千万円の収入を得ることもできます。
 ただし、有名な作曲家になれる人はそう多くありませんので、仕事が見つからなければ当然収入は少ない結果になります。
 
 このように、企業に就職する場合を除けば収入はゼロから数千万円とかなり開きが出ますので、安定した収入を得ることができる職業とはいえないでしょう。

作曲家に向いているのはこんな人

 どれだけ素敵な曲を作れたとしても、それが世に出なければ意味がありません。
 人に聞いてもらえるようにレコード会社などに売り込んだり、世の中に出していくためにYouTubeなどの動画やSNSで世間に配信して広めたりすることができる広報活動を積極的に行うことができることは大切な要素の一つです。

 また、レコード会社などに売り込んでいく際には、人当たりが良い、自分の曲をアピールすることができるなどのコミュニケーション能力や発信力が求められます。
 もっともコミュニケーション能力や発信力が無くても人に欲しがられるだけの作曲能力や曲のストックを持っていれば良いのですがそういった人、いわゆる天才のような人はそうそう居ないと考えられますので、やはりこれらの能力はもっておいたほうが良いでしょう。

 もちろん、社会人として絶対に必要なマナーとして、納期を守るためにスケジュールの管理をきちんと行うことができるといったこともできることは言うまでもありません。

 作曲家は自らの曲で人に感動を与えたりすることができる素敵な仕事です。
 いくらCDが売れない時代だと言っても、常に音楽は身近にあふれていて、その音楽の分だけ作曲家の仕事があります。作曲能力があるのであればマナーを守り、高いコミュニケーション能力をもって自ら発信していくことができれば作曲家に向いている人だと言えるでしょう。

作曲家に関連する職業や資格

関連する職業

 ●作詞家
   作詞家は、作曲家の作った曲に歌詞をつける仕事をしています。逆に作詞家が作った歌詞に合わせて作曲をすることもありますので、協力して仕事を進めることがある職業の一つなのではないでしょうか。

   今では作詞家を専業にしている人はあまり多くありません。歌手が自ら曲を作ったり歌詞を書いたりするケースや、本を書くような人が歌詞を書くケースがあるからです。
   前者の場合は「シンガーソングライター」となりますので、シンガーソングライターの場合は作曲家の一部とも言えるでしょう。

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