店長・マネージャー(フード)になるには
- 2020.07.21
店長・マネージャー(フード)の概要や仕事内容
店長・マネージャー(フード)とは
店長・マネージャー(フード)とは、飲食店においてスタッフの管理役や店舗の運営を担う職業です。レストランやカフェ、ファストフード店などに勤務し、スタッフの配置を決めたり、営業計画を立てたり、また指導・教育を行なったりと、責任者として担当店舗全体の管理を行います。
そんなフード業界における店長・マネージャーの業務は幅広く、店の人事や本部とのやりとりを引き受けながら、他のスタッフと同じように売り場での接客や調理作業も行います。時には、前に出てクレームの対応を行わなければならないこともあるでしょう。
このように、店長・マネージャー職は仕事量も責任も大きいハードな仕事ではありますが、担当店舗の売上や評判に、自身のノウハウが直接反映されるという点では、やりがいも大きな職業だと言えるでしょう。
また、店長とマネージャーの違いについては、呼び方以外にもさまざまな説がありますが、実際の仕事はほとんど変わりません。どちらも、店舗を総合的に管理し、売上や顧客満足の向上、人材育成を図る職業です。ただし、エリアマネージャー職に就いている場合には、ひとつの店舗に密着する店長・マネージャー職とは違い、担当エリアの店舗を複数管理することになります。
店長・マネージャー(フード)の仕事内容とは
店長・マネージャー(フード)の主な仕事は、店全体のマネジメントですが、具体的な仕事内容は接客から店舗の経営に携わることまで多岐に渡ります。主な仕事内容を見てみましょう。
- 接客、調理
- 食材、備品発注
- スタッフの教育、指導
- 報告書作成、本部への連絡業務
- 営業計画作成
- 売上計算
- シフト作成
- アルバイト・パート面接
- クレーム対応
- 店舗の清掃、整理整頓
このように、店長・マネージャーは、売上向上や顧客満足向上、人材育成、そして店舗運営に関わるさまざまな仕事をこなしています。顧客対応やクレーム対応など臨時的な業務も含めると、その業務はかなりハードであると予想されます。
店長・マネージャー(フード)になる方法
店長・マネージャー(フード)になるには、まず飲食店の店舗に就職しなければなりません。正社員として就職し経験を積み、実績が認められれば、店長もしくはマネージャーに抜擢される可能性があります。ただし、店長やマネージャーになる人を決めるのは、本部です。なりたいからといってなれる職業ではありませんが、真面目で懸命に仕事をこなしていれば、その可能性は低くはないでしょう。
また、アルバイト・パートとして就職後、正社員になった場合も同様に、店長・マネージャー職を目指せます。
さらに、フード業界経験者による転職の場合には、初めから店長・マネージャー職として就職できることもあります。フード業界における店長・マネージャーの求人案件は一定数あり、特に他店での店長・マネージャー職経験者は有利になるでしょう。
店長・マネージャー(フード)に求められる資格や試験
店長・マネージャー(フード)になるために、必ず取得していなくてはならない資格はありません。仕事に対する姿勢や実績を認められ、抜擢されれば、無資格でも店長・マネージャー職に就くことができます。
ただし、会社によっては飲食関連資格の取得が義務づけられている場合もあります。そして、その代表的なものが、「食品衛生責任者」資格です。
この「食品衛生責任者」資格とは現場での衛生管理に関する知識を証明する、厚生労働省認可の国家資格です。飲食店では、1店舗に最低1人は資格保有者を配置することが義務付けられているため、店長、またはマネージャーの立場に就くにあたっては、取得しておいた方が良いでしょう。
とはいえ、「食品衛生責任者」資格の取得は難しいものではありません。取得ルートは以下の2種になります。
1.各自治体による食品衛生責任者養成講習を受ける
約6時間の食品衛生責任者養成講習を受講すれば、「食品衛生責任者」資格を取得できます。
2.指定の資格保有者は、申請のみ
栄養士、調理師、製菓衛生師、食鳥処理衛生管理者、船舶料理士、医師、歯科医師、獣医師、薬剤師などの資格保有者は、講習を受けなくても、窓口に申請するだけで、「食品衛生責任者」資格を取得できます。
「食品衛生責任者」資格は1日の講習で取得でき、その費用は1万円程度です。この資格は、実務にはもちろん、店長・マネージャーとして仕事の可能性を広げるためにも役立つでしょう。
今後の店長・マネージャー(フード)の将来性
多くの人々にとって、外食は生活の一部です。さまざまな飲食店があらゆる場所に出店し、人々はいつでも手軽に食事ができるようになりました。また、外食産業は数年前までやや苦戦を強いられていましたが、近年ではインバウンド需要も伴い、市場規模は右肩上がりとなっています。今後もこの傾向は続くと考えられ、国内の人々だけでなく外国人旅行者によっても、外食産業は支えられていくでしょう。このように、外食産業自体の将来性は低くはありません。
また、そんな外食産業に属する飲食店においては、店長・マネージャーという職が欠かせません。それぞれの店舗には、スタッフをまとめリーダーとして指揮を取っていく存在が必要だからです。この役割がなければ、うまく店は回りません。このような状況を考えると、店長・マネージャーという職は、今後もなくなることはないでしょう。
店長・マネージャー(フード)の就職先
店長・マネージャー(フード)の就職先は、レストランやカフェ、ファストフード店などの飲食店です。飲食店は都心にも地方にも多数あり、社員の募集案件も多いため、就職自体は難しくはないでしょう。ただし、店長・マネージャーには必ずなれるわけではなく、一社員として勤務する中で実力を認められ、抜擢されなければなりません。また、店長・マネージャー職の求人の場合には、経験者のみという条件が付けられるでしょう。
さらに、食品の販売店もフード業界における店長・マネージャーの就職先に挙げられます。この場合も飲食店同様、社員として就職した後、店長・マネージャー職を目指す形になります。
店長・マネージャー(フード)の平均年収・MAX年収
店長・マネージャー(フード)の平均年収は、350万円前後が相場です。月給にすると25万円〜30万円がボリュームゾーンで、日本人の平均年収が400万円台であることを考えると、店長マネージャー職の給与水準はあまり高くありません。ただし、一般社員と比べると、その年収は高くなります。
また、店長・マネージャー職の年収は、チェーン店か個人店か、店の規模はどれくらいか、店の経営状況はどうか、どのような手当があるかなどによっても大きく変わります。中には、平均以上の年収を得ている人も、平均以下の人もいるでしょう。
店長・マネージャー(フード)に向いているのはこんな人
店長・マネージャー(フード)に向いているのは、判断力に優れている人です。店長・マネージャーは責任者として、常に現場を指揮しなければなりません。多数の顧客が来店する飲食店では、予想外の出来事が起こることもあるでしょう。そんな時に、適切な判断を即座に行い、臨機応変に対応できる能力が、店長・マネージャーには求められます。
また、店長・マネージャーとしてスタッフ達をまとめるためには、コミュニケーション能力も必要でしょう。スタッフひとりひとりとコミュニケーションをとりながら信頼を築くことも、責任者の大切な仕事です。
さらに、ご紹介してきたように、店長・マネージャーの業務は非常にハードです。勤務時間が長くなったり、出勤が続くこともあるでしょう。そんな業務をこなすためには、体力的そして精神的な強さが必要です。
店長・マネージャー(フード)に関連する職業や資格
店長・マネージャー(フード)に関連する職業
店長・マネージャー(フード)に関連性が高いのは、ホールや接客担当、調理担当など、飲食店や食品販売店の現場で働く社員やアルバイト、パートです。店長・マネージャーは、このような現場のスタッフとともに働き、お互いに助け合いながら、店を運営していきます。店長・マネージャーとしてうまく店の運営を行うには、このような現場の職種との信頼関係が必要でしょう。
また、社員から、あるいはアルバイト、パートから社員を経て店長・マネージャーになることも多く、転職者もフード業界の現場での勤務経験がある人が大半です。
店長・マネージャー(フード)に関連する資格
店長・マネージャー(フード)に関連する資格には、先ほどご紹介した「食品衛生責任者」以外にも、「食品衛生管理者」というものがあります。これらの資格名は非常に似ていますが、「食品衛生責任者」が全ての飲食店に置かなくてはならないのに対し、「食品衛生管理者」は一部の食品加工・製造施設のみに配置が義務付けられています。
また、これらは取得過程にも違いがあります。「食品衛生管理者」資格は「食品衛生責任者」のように短時間の講習では取得できず、取得には学歴や資格、実務経験など厳しい条件が定められています。
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