フードスペシャリストになるには

  • 2020.07.21
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フードスペシャリストの概要や仕事内容

フードスペシャリストとは

フードスペシャリストは、消費者に対し、「食」に関する提案を行う職業です。食品会社や飲食店、小売業など「食」に関するあらゆる業界で活躍し、栄養バランスに優れた安心で豊かな食生活のアドバイスを行っています。
そんなフードスペシャリストという職業の特徴は、「おいしさ」「楽しさ」「おもてなし」を「食」の本質としていること。つまり、ただ栄養や健康、安全などを追求するのではなく、「食」をエンターテインメントとしても捉えた提案を行なっているのです。そのため、フードスペシャリストは食品やメニューそのものだけでなく、食事に使うアイテムや空間など多方面から「食」に関わり、コーディネートやコンサルティング的役割を担っています。
さまざまな形で「食」が楽しまれている現代において、フードスペシャリストは今後も活躍していくでしょう。

フードスペシャリストの仕事内容とは

フードスペシャリストは、「食」に関するさまざまな仕事を行っています。
例えば、食品会社では情報提供や商品開発、飲食関連会社ではメニュー開発や空間コーディネートなどを行います。また、食品系の卸売会社や小売会社においては、食品の品質判定や情報収集を行うこともあるでしょう。
さらに、近年では医療や福祉、教育の現場においても、情報提供や空間コーディネートなどを行い、子どもたちやお年寄りに「食」の楽しみを提供しています。
このように、フードスペシャリストの仕事内容は、どのような企業に勤めるかによって大きく変わります。

フードスペシャリストになる方法

フードスペシャリストになるために、必ず経ておかなければならない学歴や取得しておかなければならない資格はありません。そのため、誰でもフードスペシャリストを名乗って働くことは可能です。
しかし、フードスペシャリストの仕事には「食」に関する総合的な知識が必須です。特に「フードスペシャリスト」資格は取得しておいた方が、就職や活躍はしやすいでしょう。(この資格については次章でご紹介します。)
フードスペシャリストは食品会社や飲食関連会社、小売、流通、医療、福祉など幅広い業界で需要があります。そういった企業にフードスペシャリストもしくはその類似職として就職する、もしくはフリーランスのフードスペシャリストになるということが、本格的にフードスペシャリストとしての活動を始めるための第一段階になるでしょう。

フードスペシャリストに求められる資格や試験

フードスペシャリストとして活動するには、「フードスペシャリスト」資格の取得が有効です。これは、公益社団法人日本フードスペシャリスト協会が認定する民間資格であり、フードスペシャリスト養成機関で必修科目を修めた後、資格試験を受け合格することで取得できるものです。この養成機関としては、全国143校の大学および短大が認定されており、主な必修科目は以下になります。

    フードスペシャリスト養成機関における必修科目

  • フードスペシャリスト論
  • 食品の官能評価・鑑別論
  • 食物学に関する科目
  • 食品の安全に関する科目
  • 調理学に関する科目
  • 栄養と健康に関する科目
  • 食品流通・消費に関する科目
  • フードコーディネート論

また、このような必修科目の受講以外にも、「フードスペシャリスト」資格試験の受験資格が定められていますが、それは次章の試験概要でご紹介しましょう。
そんな「フードスペシャリスト」資格は1レベルのみですが、他にも「専門フードスペシャリスト(食品開発)」資格と「専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)」資格が存在し、これらはさらに専門性の高い内容となっています。そのため、「フードスペシャリスト」資格合格者、および「フードスペシャリスト」資格試験同時受験者のみがこれらの資格試験の受験を許されています。

難易度や試験について

「フードスペシャリスト」資格試験の合格率は、例年80〜90%ほどであり、試験の難易度はさほど高くはないようです。養成機関にて必修科目をしっかりと理解していたなら、合格を狙えるでしょう。
また、試験の概要については、以下の表をご覧ください。

受験日程 12月
受験料 4,000円
試験会場 各養成機関
試験形式 マークシート(60問)
試験時間 80分
受験資格 ①養成機関の最終年次に属する学生

②4 年制大学に置かれた養成機関の第3年次に属する学生で、第3年次中に所定の授業科目の単位の全てを修得すると認められる方

③養成機関を卒業しており、かつ、養成機関において所定の授業科目の単位を全て修得している方(修得見込みである方を含みます。)

(公益社団法人日本フードスペシャリスト協会HPより引用http://www.jafs.org/becomeSpecialistFood.html)

合格条件 不明

※2020年の試験概要です。

今後のフードスペシャリストの将来性

人が生きていくために、「食」は欠かせないものです。近年では、その「食」も、ただ食べるだけではなく、さまざまな付加価値が付けられるものになってきました。おいしく、健康にも良く、そしてエンターテインメントとしても楽しい、そんな「食」が求められているのです。
そんな新しい食文化を作るにあたって、「おいしさ」「楽しさ」「おもてなし」を本質とした「食」の提案を行うフードスペシャリストの仕事は大きな役割を果たします。今後も、食品業界や飲食業界をはじめ、高齢化に伴い需要が高まる福祉や医療の現場においても、フードスペシャリストは活躍していくでしょう。
ただし、そのためにはフードスペシャリストとしての知識・技術やセンスが必須です。よって、フードスペシャリストとしての将来性を高めるためには、自身の腕を磨く努力を続けなければならないでしょう。

フードスペシャリストの就職先

フードスペシャリストは幅広い分野で働ける職種であるため、その就職先は多岐に渡ります。
例としては、食品会社や飲食店関連会社、「食」にまつわる製品を扱う会社などが挙げられます。また、医療や福祉、教育の現場においても、フードスペシャリストの知識と技術は役立てられます。
ただし、フードスペシャリストという職種名を挙げての求人は多くないので、求人案件を探すには会社や仕事内容といった募集要項を吟味し、さらに自身の要望を伝える必要があるでしょう。
さらに、中にはフリーランスとして活動し、自身で営業や事務まで行うフードスペシャリストもいます。その場合、会社に所属しない分責任やリスクは大きくなりますが、より自分らしい働き方が叶うでしょう。

フードスペシャリストの平均年収・MAX年収

フードスペシャリストの年収については情報が乏しく、はっきりとした平均を出すことはできません。しかし、類似職として知られるフードコーディネーターの平均年収が300万円〜600万円ほどであることを考えると、フードスペシャリストも同等の平均年収になると予想されます。
とはいえ、フードスペシャリストの働き方は多様であるため、年収にも幅があります。実力ある名の知れたフードスペシャリストであれば、平均以上の年収を得ている場合もあるでしょう。また逆に、平均以下の限られた時間や年収内で働いているフードスペシャリストもいるでしょう。

フードスペシャリストに向いているのはこんな人

フードスペシャリストに向いているのは、「食」に関して幅広い興味を持つ人です。食べることや料理を振る舞うことはもちろん、食品の栄養やテーブルコーディネートなどに対し幅広い興味があれば、多方面からの提案ができ、総合的に「食」に関わるフードスペシャリストの仕事の可能性を広げることができるでしょう。
また、市場の情報に敏感であることもフードスペシャリストに必要な要素のひとつです。なぜなら、フードスペシャリストは消費者に近い立場から、「食」に関する情報を提供しなければならないためです。リアルな消費者の需要を理解していなければ、適した情報提供やアドバイスは行えないでしょう。
さらに、フードスペシャリストは「食」の空間演出を行うこともあるため、コーディネートセンスや色彩に関する知識も仕事の強みとなります。

フードスペシャリストに関連する職業や資格

フードスペシャリストに関連する職業

フードスペシャリストに関連する職業には、フードコーディネーターがあります。フードコーディネーター はレシピや食品の開発に携わる食のプロデューサーであり、その仕事内容はフードスペシャリストとよく似ています。しかし、フードスペシャリストが消費者に近い立場で総合的に職に関する仕事を行うのに対し、フードコーディネーター はよりビジネスに寄った活動を行なっており、この点に違いがあると考えられます。ただし、実質の仕事はさほど変わらないでしょう。
また、料理研究家もフードスペシャリストの関連職のひとつ。料理研究家は主にレシピを研究する職業ですが、フードスペシャリストと同じく、「食」を通じた「おいしさ」や「楽しさ」、「おもてなし」を重視しながらレシピの提案を行っています。

フードスペシャリストに関連する資格

フードスペシャリストに関連する資格には、前章でご紹介したフードコーディネーターが多く取得している「フードコーディネーター 」資格があります。これは特定非営利活動法人 日本フードコーディネーター協会が認定する民間資格であり、フードビジネスを中心とした内容で構成されているものです。「フードスペシャリスト」資格のように指定機関に通学する必要はなく、試験自体は誰でも受けることができるため、そのハードルは低いと言えるでしょう。
ただし、フードスペシャリストとして働くにあたっても「フードコーディネーター 」資格の内容は役に立ちます。

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