バリスタになるには
- 2020.07.21
バリスタの概要や仕事内容
バリスタとは
バリスタとは、さまざまな知識や技術を用いてコーヒーを淹れる職業です。主にカフェやコーヒー専門店などに勤務し、エスプレッソマシンをはじめとした抽出機器・器具を用いてコーヒーを淹れ、お客様へ提供します。
しかし、コーヒーの提供とはいっても、バリスタの仕事は誰にでもできるものではありません。コーヒーを扱うには、豆の種類や焙煎方法、挽き方、抽出方法などさまざまな知識が必要であり、気候やお客様の好みによってそれらを変えなければならないためです。また、バリスタはコーヒーやエスプレッソだけではなく、ラテやカプチーノといったコーヒー関連のドリンクも手掛け、時には細やかな技術が必要なラテアートを行うこともあるでしょう。つまり、バリスタの仕事には幅広い知識や技術が求められるのです。
このように、コーヒーのプロとして働くバリスタは、元々イタリアのバールでコーヒーを提供する人を指す言葉でした。バリスタという呼び名は、バールから来ているとも言われています。
そして、そんなバリスタは、現在では日本でも広く知られる職業となり、さまざまな場所でコーヒーを愉しむ人々に至高の一杯を提供しています。
バリスタの仕事内容とは
バリスタの主な仕事は、お客様のオーダーに応えコーヒーを提供することです。しかしそれだけではなく、コーヒー豆の選定や焙煎、時にはコーヒー豆の買い付けまで行うこともあります。
さらに、コーヒー器具やエスプレッソマシンの手入れ、店内清掃、レジ金の準備・精算など、店舗運営に関する仕事もこなします。
また、店舗の営業中にはコーヒーを淹れながらお客様と話をすることも多く、接客サービスもバリスタの重要な仕事のひとつだと言えるでしょう。
バリスタになる方法
バリスタになるために、必須とされている学歴や資格はありません。未経験からカフェなどに勤め、実務の中でバリスタとしてのノウハウを身に付けていくという方も少なくはないでしょう。
ただし、もし本格的な技術や開業に関する知識を習得しておきたいのであれば、カフェ・バリスタの専門学校や民間スクールに通うのもひとつの方法です。学校では、コーヒーに関する内容はもちろん、店舗の運営についても、基礎からしっかりと学べるでしょう。つまり、バリスタになるための第一段階は、「学校でバリスタに関する専門知識を身に付ける」、「未経験から飲食店でバリスタ業務の経験を積む」のどちらかになります。学校で学んだ後、現場で修行するのも効率的かもしれません。
しかし、バリスタの仕事には知識だけではなく、それを活かした技術が求められ、その技術にゴールはありません。よって、バリスタになった後であっても、より優れたコーヒーを淹れるための努力は必須となるでしょう。
バリスタに求められる資格や試験
バリスタには、必ず取得しておかなければならない資格や試験はありません。
しかし、コーヒー関連の資格は数多く実施されており、その中にはバリスタの名前を冠した「バリスタライセンス」という資格も存在します。
「バリスタライセンス」は、日本バリスタ協会が認定する民間資格であり、バリスタの知識や技術を問うものです。レベルは1〜3に分けられており、1がもっとも優しいレベルとなっています。
この「バリスタライセンス」を取得するためには、まずは認定校が開講する講習のレベル1を受講し、その後ライセンス試験に合格しなくてはなりません。これに合格した者は、その後レベル2講習の受講へと進めます。レベル1講習の概要は、以下の表をご確認ください。
●バリスタライセンスレベル1取得のための講習受講概要
受講会場 | 日本バリスタ協会各認定校 |
受講日数 | 2日間 |
受講費用 | 37,000円(税別) |
受講資格 | 以下のいずれかを満たす者・受講日時点で、バリスタ(アルバイトでも可)として従事している者
・コーヒー関連企業に就業していてエスプレッソ抽出経験がある者 ・認定校が別途開講する認定カリキュラム必要課程修了後1年未満の者 |
受講内容 | ・コーヒーの基礎知識・エスプレッソマシンの構造、仕組み・エスプレの知識、抽出技術、テイスト・カプチーノの知識、技術etc. |
※2020年現在の概要です。
「バリスタライセンス」はかなり専門性の高い資格ですが、取得しておけば実務だけではなく、就職にも役立つでしょう。また、試験については、次章でご紹介します。
難易度や試験について
講習後に受けるバリスタライセンス試験の合格率は不明ですが、その難易度は決して高くはないようです。特にレベル1の試験は比較的優しい内容なので、講習の内容をしっかりと押さえておけば合格を狙えるでしょう。
バリスタライセンスレベル1の試験概要は以下の表をご覧ください。
●バリスタライセンスレベル1試験の概要
受験日程 | 随時 |
受験料 | 15,000円(税別) |
試験会場 | 東京、大阪 |
試験形式 | 筆記、実技 |
受験資格 | 受験日時点で、日本バリスタ協会認定校レベル1の有効な修了証を持ち、受験日時点でバリスタとして従事している、もしくはコーヒー関連企業に就業している者。または、日本バリスタ協会が開講する認定カリキュラムの必要課程修了後1年未満の者。 |
合格条件 | 不明(総合点で判定) |
※2020年現在の概要です。
今後のバリスタの将来性
近年のコーヒーブームは長く続き、チェーン店を中心に本格的なコーヒーを扱う飲食店は増加傾向にあります。話題のコーヒー店を、雑誌・テレビなどのメディアやSNSで目にすることも多いでしょう。そして、このような流れにより人々のコーヒーに対するこだわりは増しており、それに伴ってバリスタの需要も増えています。よって、バリスタという職業の将来性は高いと言えるでしょう。
しかし、コーヒーを扱う全ての飲食店がバリスタを置いているわけではありません。中には店舗スタッフのことをバリスタと呼んでいるだけという場合もあります。そのため、今後はバリスタが入れる本格的なコーヒーと手軽なコーヒーとで、住み分けが進んでいくと考えられます。
とはいえ、バリスタの入れる本格的なコーヒーを好む方は、今も昔も変わらず多いため、コーヒーを扱う技術や接客に優れているバリスタであれば、長く仕事を続けられるでしょう。
バリスタの就職先
バリスタの就職先は、コーヒーを扱う飲食店です。具体的にはカフェやレストラン、バール、コーヒー専門店などがあり、バリスタはこのような飲食店に就職し、お客様へコーヒーやその他のドリンクの提供を行っています。
しかし、バリスタへの待遇や扱うコーヒーの種類などは、就職先によって大きく異なります。それぞれの店舗によってコンセプトにも違いがあるでしょう。そのため就職にあたっては、自分が希望する働き方や将来のビジョンを明確にした上で、事前に各企業の情報収集を行うことが大切です。
バリスタの求人数は多く、また未経験での採用も多いため、就職自体は特別難しくはありません。しかし、人気の店舗への就職になるとその競争率が上がり、難易度は高くなるでしょう。
バリスタの平均年収・MAX年収
バリスタの年収は、正社員の場合で300万円前後が相場です。日本人全体の平均年収が400万円代であることを鑑みると、その水準は決して高いものではありません。ただし、実績や勤務先によって年収は大きく変わり、人気のある一流バリスタになると500万円以上の年収を得ているケースもあるようです。
また、バリスタはアルバイトやパートとして勤務している方も多く、その場合の時給は1,000円前後が相場になります。
さらに、自店経営の場合になると、年収は店舗の経営状況によって大きく変わり、うまくいけば高年収も期待できるでしょう。
バリスタに向いているのはこんな人
バリスタは、コーヒーを扱う仕事。コーヒーやコーヒーの煎れ方に関する知識・技術が求められるため、この仕事をするにあたってコーヒーへの興味や熱意は必須です。また、コーヒーの世界は奥深く、優れたバリスタになるためには、知識や技術を磨くための努力も必要になるでしょう。よって、バリスタは向上心も持ち合わせていなければなりません。
さらに、接客業であるバリスタには、接客技術も求められます。コーヒーを扱う技術に加え、優れたコミュニケーション能力や接客能力を持っていれば、接客をしながらコーヒーを提供するバリスタの仕事をうまくこなせるでしょう。
加えて、バリスタは気遣いや判断力に優れていることも大切です。お客様やスタッフを気遣ったり店をうまく回すための適切な判断をしたりということができれば、スタッフの一員として大いに活躍できると考えられます。
バリスタに関連する職業や資格
バリスタに関連する職業
バリスタに関連する職業としては、まずホールやキッチンなどの飲食店スタッフが挙げられます。バリスタはホール・キッチンスタッフと同じカフェやレストランで働き、仕事の上での連携も重要になるため、これらの職業は関連性が深いと言えるでしょう。
また、ソムリエやバーテンダーもバリスタの関連職と言えます。これらの職業はアルコールとコーヒーで種類は違うものの、お客様のオーダーに応じた飲み物を作り(選び)提供するという点で共通しています。さらに、バリスタとこれらの職業は、バールやレストランなどにおいて共に働くこともあります。
バリスタに関連する資格
バリスタに関連する資格には、先ほどご紹介した「バリスタライセンス」の他にも、以下のようなものがあります。
- コーヒーマイスター
- コーヒーインストラクター
- コーヒーコーディネーター
- コーヒープロフェッショナル
- コーヒーアドバイザー
- コーヒー鑑定士
- コーヒー&紅茶カフェマスター
このように、コーヒーに関する資格は数多く存在します。それぞれ資格の内容は少しずつ違っていますが、コーヒーに関する広い知識を身に付けておけばバリスタとしての仕事の幅も広がるため、取得を目指すのもおすすめです。
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