国家公務員になるには

  • 2020.01.29
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国家公務員の概要や仕事内容

国家公務員とは?

公務員とは、日本国憲法第15条第2項に記載されているように「国民全体への奉仕者」です。国民のために働く、国や地方公共団体の職に就いているすべての人を公務員と言います。
そのうち日本国政府や独立行政法人に属する公務員を国家公務員、地方公共団体に属する公務員を国家公務員といいます。それぞれ国家公務員法や地方公務員法など、様々な法律に従って業務を行います。

国家公務員の仕事内容とは?

国家公務員は「一般職」と「特別職」に分類されます。
大きな違いは「国家公務員法が適用されるかされないか」です。

●一般職
国家公務員が働くのは、内閣の下にある1府12省庁です。
1府である内閣府、12省庁である総務省や法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省、国家公安委員会(警察庁)、それに加えて内閣から独立した人事院や会計監査院などが挙げられます。

このうち「給与法適用職員」と呼ばれる一般的な行政業務に従事する職員や航空管制官、皇室護衛艦、検察官、特定独立行政法人職員などが一般職に当たります。
一般職は国家公務員法が適用されます。
また、一般職にも「国家一般職」と「国家総合職(キャリア)」があります。
いわゆる幹部候補生である国家総合職が考えた企画や政策を実行するのが国家一般職の役割です。主に事務作業などを行います。

たとえば内閣府であれば政策課題の企画立案、国土交通省であれば道路・河川・港湾・空港の整備や管理などを行います。

●特別職
特別職は国家公務員法が適用されません。適用されないというか、国家公務員法を適用すべきではないと判断される人が特別職に該当します。
内閣総理大臣や国務大臣、副大臣、大臣政務官、裁判官、裁判所職員、国会議員、自衛官、防衛省役員、特定独立行政法人職員などが特別職に当たります。
それぞれの組織の運営管理や事務作業を行います。

国家公務員になる方法(資格取得方法等)

国家公務員になるには採用試験を受けなければなりません。
採用試験は大きく次の3つに分けられます。
①総合職試験
②一般職試験
③専門職試験

それぞれ受験資格があり、総合職であれば大学院もしくは大学を卒業していること(見込みを含む)、30歳未満であること、一般職であれば高卒以上であること、一定の年齢未満であることなどが条件となります。
皇室護衛官などの専門職については試験によって受験資格が異なります。
すべてを挙げるときりがないので、この記事では一般職試験について詳しくみていくことにします。

一般職試験の受験資格は以下の通りです。
【大卒程度試験】21歳以上30歳未満の方
(短大などを卒業した方、卒業見込みの方であれば21歳未満でも受験可能)

【高卒者試験】高校卒業見込み、または高校卒業後2年以内の方
(中学卒業後2年以上5年未満の方も受験可能)

【社会人試験】40歳未満の方
(高卒者試験の受験資格者を除く)

資格難易度や試験について

試験について

国家公務員の国家試験は毎年4月~9月頃行われます。
試験の日程は受ける試験によって異なります。
引き続き一般職試験についてみていきましょう。

●試験の概要
※下記は2020年度の試験の日程です。
受験書類の受付:4月3日(金)~4月15日(水)
インターネットによる申し込み。

試験日程:【一次試験】6月14日(日)
【二次試験】7月15日(水)~8月3日(月)
※人物試験

試験地:各市町村

試験科目:【大卒程度試験(一次試験)】
・基礎能力試験(多肢選択式)
・専門試験(多肢選択式)
・一般論文試験
【高卒者試験・社会人試験(一次試験)】
・基礎能力試験(多肢選択式)
・適性試験(多肢選択式)
・専門試験(多肢選択式)
・作文試験

【二次試験】
・人物試験

合格発表:【一次試験】7月8日(水)
【最終合格発表】8月18日(火)

今後の国家公務員の将来性

公務員は罪を犯すなどよほどのことがない限りクビにならないので、安定しているとかそういった意味では将来性があると言えるでしょう。
しかし、正直なところ公務員の給料は高くないというのが現実のようです。
公務員の給料は一般のサラリーマンなどの給料の平均額(50人以上の企業の平均を取っているそうです)と言われているようですが、この先人口が減少するにつれて日本の経済も下がっていくとみられている、つまりサラリーマンの給料が下がっていくということになりますので、公務員の給料も下がっていくと考えられます。

また、先の東日本大震災の際には復興費に充てるため給料がカットされたそうですし、日本が置かれる状況によって給料が変動する可能性があるため一口に「安定している」とは言えないのではないかということになります。

人口の減少の影響は給料だけではありません。
人口が減少すればそこで働く公務員も少なくて済むことになりますので、たとえば出張所がなくなって支所に仕事を集中させる=支所に人員が増えてしまう=新規採用がないといった状況になっていく可能性もあります。
新規採用がなければずっと役職に就けず下っ端のまま…という可能性もあります。

少なからずクビになることはなく給料も平均的で安定しているのは間違いありませんが、国家公務員を目指すのであれば総合職でなければあまり将来性があるとは言えないかもしれません。

国家公務員の就職先

国家公務員の就職先は国の行政機関なのですが、あまりにも種類が多すぎるし、どれを選べばいいのか迷ってしまいますね。
選び方はまず三権分立の「司法」「立法」「行政」のいずれに所属したいかということを考えてみてはいかがでしょうか。

司法であれば「裁判所職員」「家庭裁判所調査官」、立法であれば「衆議院事務局職員」「参議院事務局職員」「国立国会図書館職員」、行政であれば「各省庁職員」「国税専門官」「法務省専門職」などが挙げられます。

「ここがいい!」という所属先が見つからない場合は人事院が開催している説明会やセミナーに参加してみてはいかがでしょうか。
「公務研究セミナー」に参加すれば複数の省庁の説明を受けることができます。
ほかにも興味がある政策や興味がある社会問題を扱っている省庁についてニュースや新聞、インターネットなどで調べてみるという方法もあります。
そこから省庁を選び、どのような仕事をしているのか知っていくことで受けてみたい所属先を決めることができるのではないでしょうか。

国家公務員に向いているのはこんな人

まず求められるのは一般企業とは異なり「国民全体への奉仕者」として公共のために奉仕する精神を持っていることです。国家公務員の実際の面接でも“日本をよくしたいかどうか”ということを問われるようですので、日本をよくしていくために奉仕していける人が向いている人だと言えるでしょう。

また、国家公務員は法令に従って業務をこなしていくことになりますので、与えられた仕事を淡々とこなしていくことが多いようです。
そのため、地道に努力していける人であることが求められるでしょう。

国家公務員に関連する職業や資格

関連する職業

●地方公務員
同じ公務員でも市役所の職員や消防士、交番勤務の警察官などは地方公務員です。
地方公務員は国家公務員よりもさらに地域に密接した業務を行うことになります。
警察官や保育士などは、同じ名称でも国家公務員と地方公務員がいます。国家公務員よりも地方公務員のほうが採用率が高いとも言われていますので、地方で働きたいという場合は地方公務員の試験を受けたほうが就職しやすいのではないでしょうか。

関連する資格

●資格免許職
国家公務員の中には「資格免許職」と言って、国家公務員試験を受けるだけではつくことができない職業があります。
それは教員、保育士、栄養士、獣医師、薬剤師、看護師、助産師、保健師、司書などです。例えば看護師の場合、県立病院などで働く看護師は公務員なのですが、看護師資格を持っていなければ公務員として働くことはできません。他にも医療系の公務員を目指す場合はあらかじめ資格を取得していなければなりません。社会福祉士、臨床心理士、精神保健福祉士、作業療法士、理学療法士、診療放射線技師、臨床検査技師、救急救命士など多く種類があります。
資格免許職はあらかじめ免許や資格を取得しなければならないので、仮に公務員試験に合格しなくても資格をもって就職することができますので、難易度は高くなると思いますが安心材料の一つにはなるのではないでしょうか。

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