トリマー・グルーマーになるには?│仕事内容やおすすめの学校もご紹介!
- 2021.02.16
トリマー・グルーマーの概要や仕事内容
トリマー・グルーマーとは
トリマー・グリーマーとは、トリミングをはじめとした犬の手入れを行う職業です。毛や皮膚、爪、耳など、犬の体を美しく健康に保つためのあらゆる施術を行います。
トリマーとグルーマーは同一の職業を指すことが多いですが、意味には以下のような違いがあります。
- トリマー
犬のトリミングを行う職業。トリミングとは、犬の毛をカットして整えること。グルーミングの一分野に数えられる。 - グルーマー
犬のグルーミングを行う職業。グルーミングとは、犬の手入れ全般を指し、その中にはトリミングも含まれる。
トリマー・グルーマーは、ペットサロンに勤め、顧客のペットに対し施術を行います。
しかし、ただペットの見た目を整えることだけが仕事ではありません。皮膚の状態を確認したり爪切りや耳掃除をしたりと、犬の健康に関わる施術や健康チェックを行うことも、トリマー・グルーマーの重要な仕事のひとつです。
犬の手入れに力を入れたり健康管理を重視したりする人が増えている現代において、トリマー・グルーマーの専門スキルは今後も必要とされていくでしょう。
トリマー・グルーマーの仕事内容とは
トリマー・グルーマーの仕事は、犬の手入れを行うことですが、具体的な施術は多岐に渡ります。主な仕事内容を挙げてみましょう。
- ブラッシング
- シャンプー(トリートメントやパックを行うことも)
- ヘアブロー
- ヘアカット
- 爪切り
- 耳掃除
- ヒゲカット
- 肛門腺しぼり
- 肉球の手入れ
上記の他にも、薬浴やマッサージなど、勤めるサロンによって特別なケアサービスを行なっている場合もあります。
さらに、顧客への対応として、受付やヒアリング、施術後の写真サービスなども、トリマー・グルーマーが行います。
トリマー・グルーマーになる方法
トリマー・グルーマーになるために、学歴や資格の規定はありません。
しかし、動物の体を扱う仕事を行うにあたって、専門スキルは必須です。犬のヘアカットには何種類もの手法があり、誰もが簡単にできるものではありません。また、犬の体を傷つけることなくハサミやニッパーなどを使ったり健康管理を行ったりするためには、犬の体や性質に対する知識が必要でしょう。
そのため、トリマー・グルーマーを目指すなら、まずはトリマー・グルーマーの専門学校でスキルを学んでおくのが理想です。
専門学校で学んでから、トリマー・グルーマー関連の民間資格を取得し、ペットサロンや動物病院に就職するというのが、一般的なルートでしょう。
また、サロンや病院によっては、未経験者をトリマー・グルーマーとして受け入れ、実務の中でスキルを学ばせるケースもあります。しかし、現場で一から学ぶのはハードルが高く、未経験者に施術を行わせるにはリスクも伴うため、このケースは稀でしょう。
トリマー・グルーマーに求められる資格や試験
トリマー・グルーマーとして働くために、必ず取得しておかなければならない資格はありません。
しかし、就職時のスキル証明のためにも、代表的なトリマー関連資格である、ジェパンケネルクラブ認定「JKC公認トリマー資格」を取得する人は多いと言われています。
「JKC公認トリマー資格」はジャパンケネルクラブによって認定されている民間資格です。このジャパンケネルクラブは、日本国内の犬に関するあらゆる認定や指導、イベント開催などを行っている広く知られた社団法人であることから、認定資格も高いステイタスを誇るものとなっています。
「JKC公認トリマー資格」はトリマー技術の実力の目安となる資格で、レベルは、C級、B級、A級、教士、師範の5種に分けられています。資格は下級から順番に取得することになっており、いきなり上級にチャレンジすることはできません。
また、独学の場合は試験に合格することにより資格を取得できますが、ジャパンケネルクラブ公認養成校に在学している場合は、指定カリキュラムを修了することでも取得が可能になっています。
「JKC公認トリマー資格」の各レベルへ進むためには、経過期間とスキルを測る試験が設けられています。そのため、上位レベルの資格取得には、年月とスキルアップが必要です。
難易度や試験について
「JKC公認トリマー資格」の取得は、まずC級から始まります。C級を取得するための試験概要は以下の表、またはジャパンケネルクラブ公式ホームページをご確認ください。
受験日程 | 10月〜12月(年1回) |
受験料 | 5,400円 |
試験会場 | 各県の指定会場 |
試験形式 | 筆記試験/実技試験(カット) |
試験時間 | 筆記試験50分/実技試験(カット)2時間 |
受験資格 | 18歳以上(その他各レベルによって、経過期間の指定有り※) |
合格条件 | 筆記試験、実技試験とも70点以上 |
※2020年現在の試験概要です。
※B級を取得するためには、C級を取得してから2年以上経過した後に試験を、A級を取得するためには、B級を取得してから3年以上経過した後に試験を受け、基準を満たし合格しなければなりません。
「JKC公認トリマー資格」C級の合格率は80〜90%程度だと言われており、難易度はあまり高くありません。きちんと学習し、知識と技術を身に付けておけば、取得可能でしょう。
今後のトリマー・グルーマーの将来性
近年、犬の見た目を整えたり健康管理を行ったりと、ペットとしてともに暮らす犬の手入れに力を入れる人が増加しています。一昔前と違って犬の室内飼いも一般的になり、犬を家族の一員としてより大切にする傾向が強まってきました。
ペットとともに過ごせる飲食店や施設が増えていることを見ても、今後ペットに関するサービスビジネスは需要を増していくと考えられます。
このような状況を踏まえると、犬のトリミング・グルーミングの需要も期待できるでしょう。
しかし、トリマー・グルーマーとして活躍を続けるためには、優れた施術技術や犬とのコミュニケーション能力が必要です。どちらかが欠けていれば、トリマー・グルーマーとしてはなかなか評価されません。そのため、施術の腕を磨く努力に加え、犬の性質や扱い方を学ぶ努力は、続けていかねばならないでしょう。
トリマー・グルーマーの就職先
トリマー・グルーマーの主な就職先は、以下の3種になります。
- ペットサロン(トリミングサロン)
- 動物病院
- ペットショップ
- 個人経営
ペットサロンは数が多く、求人数も一定数見込めるため、就職自体は難しくはありません。
また、動物病院には体に疾患があるペットも訪れます。そのため、トリミングを行うにも、より医療寄りの専門的な知識が必要であり、トリマー・グルーマーとして幅広い経験を積むには適していると言えるでしょう。
さらには、ペットショップでも、サービスの一環としてトリミングを行っている他、ペットサロンを開業し、自らトリマー・グルーマーを務めるケースというのも、ひとつでしょう。
トリマー・グルーマーの雇用形態は、月給制の正社員か時給制のパート、アルバイトがメインで、サロンの中には歩合制を取り入れている職場もあります。
トリマー・グルーマーの平均年収・MAX年収
トリマー・グルーマーの年収は300万円に満たないことが多く、相場は250万円前後です。月給は20万円前後が平均で、初任給の場合は15万円程度であることも少なくはありません。全体的に、トリマー・グルーマーの年収水準は低めであると言えるでしょう。しかし、人気の高いトリマーであれば、平均を超え、500万円近い年収を得られることもあるようです。
また、パート・アルバイトの場合は時給1,000円程度が相場で、他の職種とほぼ同水準になります。
トリマー・グルーマーに向いているのはこんな人
トリマー・グルーマーに向いているのは、以下のような人です。
- 犬が好きな人
- 犬の扱いがうまい人
- 穏やかで優しい性格の人
- 手先が器用な人
- 体力がある人
- コミュニケーション能力に優れた人
トリマー・グルーマーは、人間の感情に敏感な犬と触れ合う仕事です。そのため、トリマー・グルーマーには、犬好きで犬の扱いがうまく、穏やかな性格の人が向いています。優しい雰囲気の人であれば犬は懐きやすく、飼い主も大切なペットを安心して預けられるでしょう。
さらに、犬のヘアカットには細かな技術が必要になるため、手先の器用さは必須です。
また、犬を抱き上げたり保定したりするための体力や飼い主や犬と触れ合うにあたってのコミュニケーション能力も、トリマー・グルーマーには求められます。
トリマー・グルーマーに関連する職業や資格
トリマー・グルーマーに関連する職業
トリマー・グルーマーと同じく動物、それも犬に関わる代表的な職業には、以下のようなものがあります。
- 獣医師
動物専門の医師。動物病院で動物の治療や健康管理を行う。 - 動物看護師
動物専門の看護師。動物病院に勤め、獣医師のフォローを行う。 - ドッグトレーナー(訓練士)
犬のしつけトレーニングを行う。警察犬の訓練を行う場合には、警察犬訓練士と呼ばれる。 - ペットシッター
依頼者の家に出向き、飼い主の代わりにペットの世話を行う。
これらの職業は、犬の健康管理やしつけ、世話などを担います。また、近年ではペットの寿命の伸びを受け、ペット専門の介護士も活躍しています。
トリマー・グルーマーに関連する資格
トリマー・グルーマーに関連する資格を挙げてみましょう。
- ドッグ・グルーミング・スペシャリスト
美容だけではなく、健康管理を含む総合的な「グルーミング」のスキルを認める、日本動物衛生看護師協会による認定資格。 - トリマーペットスタイリスト
犬の健康や緊急時の対処法、食事療法、グルーミングなどに関する専門的スキルを証明する、日本能力開発推進協会による認定資格。 - 公認トリマーライセンス
トリミングの技術や知識、センス、また健康管理能力を認める、全日本動物専門教育協会による公認ライセンス。
これらは、先程ご紹介したジャパンケネルクラブの「JKC公認トリマー資格」と並び、トリマー関連の代表的資格として知られています。
また、ペットサロンを開設するには、サロンに1人「動物取扱責任者」を置き、地方自治体に「動物取扱業」として登録しなければなりません。
他にも、動物看護師や公認訓練士、認定ペットシッターなど、犬に関する資格は数多く存在し、犬の健康管理やしつけ、世話などを行っています。
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