社会福祉士になるには

  • 2019.12.25
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社会福祉士の概要や仕事内容

●社会福祉士とは?

社会福祉士はソーシャルワーカーとも呼ばれ、“社会福祉士及び介護福祉士法”に基づく国家資格です。

社会福祉士は身体的・精神的にハンデがある方や経済的に日常生活を営むことに支障が出ている方など福祉を必要とする方からの相談を受けたり、日常生活をスムーズに営むことができるような支援を行うなど、相談者の課題を解決するよう支えていくといったような業務を行っています。

●社会福祉士の仕事内容とは?

社会福祉士の仕事は多岐にわたり、身体障害者や知的障害者、お年寄りなどの相談に乗り課題の解決の支援をしたり、課題の解決のために他の専門職や関連機関、行政、医療機関などとの連携をとったり紹介・調整を行ったりします。

社会福祉士が働く職場は社会福祉施設や社会福祉協議会、行政機関、病院、支援センターなど、様々な施設や事務所などです。
様々な場所で幅広い業務を行っているのができるのが社会福祉士です。

社会福祉士になる方法(資格取得方法等)

社会福祉士になるためには決められた条件をクリアして受験資格を得てから国家資格試験を受験、合格しなければなりません。
学歴や実務経験によって受験資格を得る条件が異なるため全部で12通りの条件があります。大きく5つの条件に分けて条件をみてみましょう。

①福祉系大学・短大で指定科目を履修して卒業している場合
1-1 福祉系大学(4年)
1-2 福祉系大学・短大(3年)+実務経験(1年)
1-3 福祉系大学・短大(2年)+実務経験(2年)
以上の条件を満たした後、国家資格試験の受験が可能。

②福祉系大学・短大で基礎科目を履修して卒業している場合
2-1 福祉系大学(4年)+短期養成施設等(6ヶ月以上)
2-2 福祉系大学・短大(3年)+実務経験(1年)+短期養成施設等(6ヶ月以上)
2-3 福祉系大学・短大(2年)+実務経験(2年)+短期養成施設等(6ヶ月以上)
以上の条件を満たした後、国家資格試験の受験が可能。

③一般大学・短大を卒業している場合
3-1 一般大学(4年)+一般養成施設等(1年以上)
3-2 一般大学・短大(3年)+実務経験(1年)+一般養成施設等(1年以上)
3-3 一般大学・短大(2年)+実務経験(2年)+一般養成施設等(1年以上)
以上の条件を満たした後、国家資格試験の受験が可能。

④4年以上の実務がある場合
次の業務に4年以上従事したことがある方は、短期養成施設等に6ヶ月以上通った後、国家試験の受験が可能になります。
・児童福祉司
・身体障害者福祉司
・審査指導員
・知的障害者福祉司
・老人福祉指導主事

また、上記の業務ではなくても4年以上福祉施設で相談援助業務をしている方は、一般養成施設等に1年以上通った後、国家試験の受験が可能になります。

⑤社会福祉主事養成機関を卒業している場合
社会福祉主事養成機関とは市町村に置かれる職である「社会福祉主事」を養成するための施設で、専門学校や大学のことを指します。
この機関で2年以上学び、卒業している人は、実務経験を2年以上行い、短期養成施設等に6ヶ月以上通った後、国家試験の受験が可能になります。

このように、社会福祉士になるためには様々な条件を満たさなければなりません。
養成施設は国家試験を受けるために学ぶところができる場所です。
専門的な知識が必要となるため、しっかりと勉強しなければならないということが良くわかります。

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資格難易度や試験について

2015年~2019年に実施された国家試験の合格率の平均は27.6%と、決して高くありません。
150問中60%の得点で合格となります(ただし問題の難易度によって多少の補正がされることがあります)ので、高得点でないと合格できないというわけではないのですが、社会福祉士の国家試験は出題範囲がとても広く、覚えるのが大変です。出題範囲が狭い精神保健福祉士や介護福祉士と比較すると難易度が高いと言われています。

●試験について
試験時間は240分で、前半と後半にわかれており途中に休憩をはさみます。
設問数は150問です。1問1点で、合格基準は60%ですので90問程正解すれば合格するということになります。
試験の科目は19科目に及び、そのうち11科目が精神保健福祉士との共通科目、残りの8科目が社会福祉士の専門科目となっています。この19科目すべての科目に正答が無い場合は合格基準を満たしていても合格にはなりません。

試験の19科目は以下の通りです。
《共通科目》
①人体の構造と機能及び疾病
②心理学理論と心理的支援
③社会理論と社会システム
④現代社会と福祉
⑤地域福祉の理論と方法
⑥福祉行財政と福祉計画
⑦社会保障
⑧障害者に対する支援と障害者自立支援制度
⑨低所得者に対する支援と生活保護制度
⑩保健医療サービス
⑪権利擁護と成年後見制度
《専門科目》
⑫社会調査の基礎
⑬相談援助の基盤と専門職
⑭相談援助の理論と方法
⑮祉サービスの組織と経営
⑯高齢者に対する支援と介護保険制度
⑰児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
⑱就労支援サービス
⑲更生保護制度

今後の社会福祉士の将来性

現在の日本は高齢化社会や少子化だけでなく、核家族化や心身に障害を抱える方の増加など、様々な問題を抱えています。特に介護に関わる人材が少ないことなどもあり、社会福祉士の需要は確実に高まってきています。

社会福祉士もそうですが、福祉系の専門職については待遇の改善も進められており、雇用の安定や専門職の地位向上なども期待されています。

また、身寄りのないお年寄りや障害者の方の財産を守る「後見人」の役割も社会福祉士の仕事の1つなのですが、後見人の不足も問題となっています。
この後見人の業務を専門とする事務所を立ち上げる社会福祉士などもおり、自分月培ってきた業務のスキルを活かして独立するといったケースもあります。

多岐にわたる業務があるため職に困る心配が少なく、スキルを身につけて独立をすることもできるというわけです。様々な要素を考えた場合、将来性は高いと言えるのではないでしょうか。

社会福祉士の就職先

社会福祉士の主な就職先は社会福祉関係で、
・社会福祉施設
・社会福祉協議会
・障害者関係施設(身体・知的・精神的障害者などの関係施設)
・児童福祉関係施設
・老人福祉関係施設
・介護老人保健施設
などがあります。
それだけでなく、医療施設や行政機関、母子支援施設、地域包括支援センターなど福祉に関わる幅広い就職先があります。

しかし、例えば介護施設に社会福祉士の相談員として就職したとしても、実際には介護の仕事を手伝ったりするということもあります。
また、公務員として福祉課や生活保護課などの福祉に関する部署に就職することも可能ですが、かなり人気で倍率が高いため公務員として働く人は少ないそうです。

自分がどの分野で働きたいのか、どういった社会福祉士になりたいのかというビジョンを持っておいた方が就職先を探しやすいと考えられます。
また、福祉に関する法律は常に見直されています。そのため常に勉強しておかなければならないのも社会福祉士の特徴であるため、教育体制が整っているかどうかという点もポイントとなるでしょう。

社会福祉士に向いているのはこんな人

社会福祉士は障害者や高齢者など、日常生活を営むことが困難な人など社会的に弱い人たちの相談に乗ったり日常生活をスムーズに営むことができるよう支援するといった業務を行うということは冒頭でご説明したとおりです。

人の相談に乗る、支援をする上で大切なことは信頼感を持って話をしてもらえるようになることです。親身になって話を聞くだけではなく、プライベートな話もされると思いますが口外しないなど、誠実さや倫理観を持っている人というのは社会福祉士になる上で必要不可欠な条件であると言えます。

また、支援を行っていくうえで福祉や医療に関わる職種の方と協力して仕事を進めていくことになります。他業種の方と協力して仕事を進めることに興味がある方や得意な方は社会福祉士に向いているのではないでしょうか。

他にも虐待やいじめ解消のためなど正義感が強い人、社会を良くするために奉仕したい気持ちがある人、問題を分析して解決するのが得な人なども、社会福祉士に向いていると考えられます。

社会福祉士に関連する職業や資格

●社会福祉主事任用資格
社会福祉主事は自治体に設置された福祉事務所などで働く公務員のことです。
自治体で生活指導などを行う職員として任用されるために必要な資格となっています。この資格が無ければ社会福祉主事を名乗ることはできません。
民間企業でこの資格を名乗ることはできませんが、社会福祉協議会の採用で有利になる可能性があったり、社会福祉協議会の施設長の募集の規定に社会福祉主事任用資格が必要である可能性があったりします。

●関連する職業
児童福祉士や介護福祉士、生活指導員、医療ソーシャルワーカー、ケースワーカー、介護職員、心理カウンセラー、ケアマネージャーなど、福祉業界の様々な職業が関連しています。相談者と医療機関や施設をつなぐために、つなぐ先の職業がどのような職業なのかを理解しておく必要があります。

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