自衛官になるには

  • 2020.01.29
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自衛官の概要や仕事内容

自衛官とは?

自衛官とは、日本の防衛省の特別の機関である自衛隊の隊員(※)のうち、隊務を行う特別職国家公務員のことで、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊のいずれかに所属し、階級を持っている者のことを指します。

※自衛隊員とは自衛隊の組織に所属する者全員のことを指します。防衛省の防衛大臣、副大臣、政務官、大臣秘書官、国家公務員一般職(事務官、非常勤職員)を除く防衛省職員や予備自衛官、防衛大学学生なども自衛隊の組織に入るため自衛隊員となります。

自衛官の仕事内容とは?

自衛隊は、日本の平和を守るために国民と領土を防衛する組織です。 
自衛隊は主に次の3つの任務を行います。
①防衛活動
日本の領土、領海、領空を守る活動を行います。例えば航空自衛隊であれば国周辺の警戒監視などを、海上自衛隊であれば海上保安庁と連携をして不審船を確保するなどを行います。
②緊急救助活動
地震や台風といった大規模災害が発生した時には警察や消防などと協力をし、救助・支援活動を行います。
③国際平和協力活動
海外の災害派遣や国家内の紛争および国内紛争の解決支援を行う国連平和維持活動(国連PKO)への派遣など、海外の地域の平和を維持するための活動を行うなどして国際社会に貢献します。

 自衛官はこれらの任務を遂行するために様々な業務を行っています。
 自衛官が所属する組織ごとに、どのような業務を行っているかみてみましょう。

●自衛隊の組織
陸上自衛隊
自衛隊の中で一番人数が多いのが陸上自衛隊です。
国内には160か所にのぼる駐屯地があります。
陸上自衛隊は一番身近なところで国民や国土を直接守るため、陸上での戦闘だけでなく必要な地域の占領確保、情報収集、部隊や武器の輸送、核兵器や化学兵器の除去など幅広い業務を行っています。
特に最近では地震や台風、水害などの自然災害や山などでの遭難者救出といった「災害派遣」に携わる陸上自衛隊をよく見ますね。

海上自衛隊
日本は島国のため、海から侵略される危険が多くあります。
日本の領海を守り、海からの侵略を防ぐための監視や、海上交通の安全確保、国土の防衛などを行っています。
海上自衛隊の仕事はわかりにくい部分が多いのですが、例えば船務を行う海上自衛隊員は、レーダーで近くにいる飛行機や艦船を捉え、敵からの攻撃を電子的な対抗手段で防ぐ業務を行っています。

航空自衛隊
航空自衛隊は日本に侵略してくる敵に対して、空からの防衛を行います。
日本の領空を警戒・監視し、不法侵入しようとする航空機には警告を与え、日本の領空を侵犯した場合は、速やかに退去するよう対応をします。場合によっては、自衛隊機がスクランブル発進(防衛上の目的で戦闘機を急発進させること)を行い、日本の空を守ります。尖閣問題などもあり、平成30年には過去2番目に多いスクランブル発進を行ったそうです。
ほかにも飛行場での離着陸の誘導等、航空交通管制業務なども行っています。

自衛官になる方法(資格取得方法等)

 自衛官になるには様々なルートがあります。
 
 ●中学卒業後
  ・高等工学学校→3等陸曹

 ●高校卒業後
  ・自衛官候補生→3等陸・海・空曹
  ・一般曹候補生→3等陸・海・空曹
  ・防衛医科大学校看護学生→幹部候補生
  ・防衛大学校学生→幹部候補生
  ・防衛医科大学校学生→幹部候補生
  ・航空学生→飛行幹部候補生

 ●一般大学卒業後
  ・一般曹候補生→3等陸・海・空曹
  ・自衛官候補生→3等陸・海・空曹
  ・幹部候補生→幹部自衛官

資格難易度や試験について

試験について

 自衛官の国家公務員試験には多くの種類があります。
  ・幹部候補生(一般、歯科・薬剤科)
  ・医科・歯科幹部
  ・技術海上幹部・技術航空幹部
  ・技術海曹・技術空曹
  ・航空学生
  ・一般曹候補生
  ・自衛官候補生(男子・女子)
  ・防衛大学校学生(推薦・総合選抜・一般)
  ・防衛医科大学校医学科学生
  ・防衛医科大学校看護学科学生
  ・陸上自衛隊高等工科学校生徒(推薦・一般)
  ・貸費学生(技術)
  ・予備自衛官補(一般・技能)
 このうち採用人数が多い自衛官候補生(男子)についてみていきたいと思います。
 受験資格は18歳以上33歳未満の者です。

 ●試験の概要
 ※下記は愛媛県地方協力本部で行われる2020年度の自衛隊候補生試験の一部の日程です。

  受験書類の受付:~2020年1月7日(火)
※年間を通して受付しており、受付時に試験日程を、試験日に合格発表日を通知されます。入隊時期も採用予定通知書にてツウ視されます。

  試験日程:2020年1月11日(土)

  試験地:陸上自衛隊松山駐屯地

  試験科目:筆記試験(国語、数学、社会、作文)
       適性検査
       口述試験(個別面接)
       身体検査
  (身体検査には明確な合格基準があり、男子の場合は身長155㎝以上、肺活量3,000cc以上、視力は両眼0.6以上または裸眼視力0.1以上で矯正視力が0.8以上、慢性疾患(監視喘息など)や感染症などに異常がない者など詳細に定められています。)

  合格発表:試験日に通知されます。

  合格率は25%前後で、陸海空どこに所属するかによって、男女によって合格率にばらつきがあります。
  受験するところによって受験資格や内容が大きく異なる可能性がありますので、しっかりと確認をしておきましょう。

今後の自衛官の将来性

 ここ数年自然災害が増加しており、それに伴い自衛隊が行う救助活動も増加しています。自然災害は日本だけではなく、世界各地で起こっています。
 近年では東日本大震災や熊本地震、千葉県で大きな被害が出た2019年台風15号の災害派遣、2018年のインドネシアスラウェシ島地震‬の派遣など、自衛隊は国内外を問わず様々な自然災害の救助活動を行っています。
 それだけでなく、国際的な活動として国連PKOの活動として南スーダン派遣(インフラ整備など)や東ティモール避難民救援なども積極的に行われています。
 このように、自衛隊が果たす役割が大きくなってきています。

 同時に、北朝鮮の弾道ミサイル、中国・韓国・ロシアとの領土問題など、諸外国との関係が悪化しており、中国は毎月のように領海侵入を繰り返し、韓国は竹島周辺で軍事訓練を行うなど、いつどのような脅威が訪れるかわからない状況になっています。
 このような状況下で、防衛力を整備し安全を確保していくためにも自衛隊の存在は欠かすことができない存在となっています。

 これからも自然災害や国際問題がなくなることはないと考えられますので、自衛隊はずっと需要があり続けることになります。将来性があるというよりは、将来もずっと日本を守ってくれる若者が居続けてほしいと願うほどです。
 

自衛官に向いているのはこんな人

 自衛官はいざというときに国民のために働かなければなりませんので、気力や体力は欠かすことができない要素となります。
 試験の身体検査の時点で体に問題がないことが求められ、入隊後の訓練も厳しいものです。そこからも気力・体力が求められることがわかります。

 また、自衛官は集団行動をする機会が多く、入隊後しばらくは自衛隊の基地にある宿舎で集団生活を送ることからスタートします。そして災害支援などではチームの中で任務を遂行することになります。
 つまりはチームワークが大切なので、協調性がなければ自衛官として働くことは難しいのではないかと考えられます。

 自衛官は訓練中に武器を取り扱うこともあり、所属先によっては戦闘機などに搭乗します。災害支援中は二次災害に注意しながら救出活動や復旧作業を行わなければなりません。
 救助者だけでなく自分の身にも危険が及ばないように、冷静に正しく判断して行動できる能力が求められます。

自衛官に関連する職業や資格

関連する資格

 自衛隊に所属するとさまざまな免許を取得することができます。
 代表的なものは各種車両の運転免許で、車両は移動の基本であることからどの自衛隊に所属するか関係なく必要なのです。
 中でも普通科や輸送科といった業務で車両を使う機会が多い科に所属した場合は、部隊に配属された後で大型自動車免許取得に向けた教育を受けるケースもあります(ただし所属先によるので、階級が上がってからの取得になったり、経験年数を経てからの取得になったりするところもあります)。大型自動車免許を早めに取得できるのは自衛隊だけですので、高卒で早く大型免許がほしい人などが自衛隊を目指すこともあるそうです。
 配属先によっては大型免許を取得後、けん引免許を取得できるところもあります。

 ほかにも戦車を運転することができる特殊免許、ヘリコプターなどの操縦資格、小型船舶操縦士、自動車整備士、潜水士、電気工事士、危険物取扱者といった様々な資格を取得することができる配属先もあります。

 このようにたくさん資格を取得できる可能性があるのですが、普通の自動車教習所などとは異なり教官は鬼のように厳しいと考えられますのでそのあたりは覚悟しておいたほうがよいでしょう。

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