ローディー(ミュージシャンアシスタント)になるには

  • 2020.04.01
  •        
ローディー(ミュージシャンアシスタント)になるには
      
              

気になる学校を探してみよう

学校種別
エリア
職種
   

ローディーの概要や仕事内容

ローディーとは?

ローディーというのはあまり聞き慣れない職業名ですが、主にポピュラー音楽(ロックなど)の業界において。楽器の手配や積み込み、積み降ろし、輸送、セッティングなどのコンサートに関わる業務や、楽器のメンテナンスや管理をする業務、ミュージシャンのサポート業務などを行ういわば「地方公演の裏方業務全般人々」のことを言います。

コンサートツアーを意味する「road」という英語がローディーの語源で、ロードクルーやロードマネージャーと呼ばれることもあります。

ローディーの仕事内容とは?

ローディーの仕事内容についてチェックしていきましょう。

●積み込み・積み降ろし
ミュージシャンの楽器などを車に積み込んだり車から積み降ろししたりします。
この作業はローディーの基本で、環境の変化に弱い楽器を安全・迅速・効率的に運んだりベストなコンディションを保つことができたりするように楽器や機材の配置をしなければなりません。
そのため新人の間はまず積み降ろしから覚えていくそうです。

例えば積み込むときは振動に弱い楽器を振動の少ない場所に配置する、ハードディスクを搭載している楽器は強い磁気を含んだ機材と離して積むなどします。
積み降ろす際には順番や振動に気を付けなければならないため、積み降ろしの作業を見ていればローディーの力量がわかるといわれるほど大切な業務なのです。

●機材のセッティング
コンサート会場などで楽器や機材をセッティングしていく業務です。
ステージではローディーだけでなく音響や照明など他のセクションのスタッフも作業を行うため、セッティングには順番が決められています。他のセクションの進行具合を確認しながら一時的に楽器をそで下などに置いておいて、順番が来たら運び込めるように仮組などの作業を行っていきます。
セッティング後も、他のセクションが作業をすることがありますので速やかに作業を終わらせてステージを明け渡します。

●メンテナンス
積み込みや積み降ろしにどれだけ気を付けていたとしても、経年劣化等で機材が壊れてしまう場合があります。その際には、予備のパーツがあれば交換し、なければ現地にある楽器レンタル会社から手配するなどして対応します。

●リハーサル
リハーサルにはスタジオリハーサルと会場リハーサルの2種類があり、少しずつ内容が異なります。

スタジオリハーサル
・コンサートの核となる音作りをしていきます。
・コンサートで利用する楽器を確認し、ギターの持ち替えやキーボード音源の並び替えを行います。

会場リハーサル
会場によって音の響きが異なるので、会場に合わせて楽器や機材の調整を行います。

●チューニング
・ギターやベースの調弦
・ドラムやパーカッションの鳴りやピッチ
・アンプの音色や音量調整
など、様々なチューニングを行います。
例えばギターなどのチューニングはメーターで合わせるだけでなく、ミュージシャンのスタイルや弦の抑え方の癖なども加味しながら微調整をします。
また単体だけでなく一緒に演奏する楽器ともピッチを合わせていきます。

●エフェクティング
ライブの最中に、各パートの音色や音量を変化させるため、ステージ袖やセットの裏に専用ブースを設けて、ローディーが音色等を変える作業をする事があります。これをエフェクティング(踏み替え)といいます。知識がないとできないため、ローディーには知識や経験、センスなどが求められます。

●ゲネプロ
通しリハーサルのことで、本番と同じ条件でリハーサルを行います。
ローディーはゲネプロを行いながら万が一トラブルがあった倍の対処のシミュレーションも行っておきます。

ローディーになる方法(資格取得方法等)

ローディーになるための資格や試験はありませんが、ここまで見てきてわかるように楽器や機材のメンテナンスやチューニングを行うためには知識が不可欠です。
扱う楽器すべての知識を持っていることが理想とされますが、少なくとも一つ以上の楽器のメンテナンスやチューニングの方法を知っていることは最低条件とされるでしょう。
そのためローディーの仕事をする人はこれからプロを目指すバンドマンや元々ミュージシャンとして活躍していた人であることが多く、面接を行う際には担当する楽器の希望を聞かれることもあります。
楽器の知識がなくてもローディーとして採用されることもありますが、仕事をしながら必死に覚えていかなければならないので大変です。

ローディーになるために、専門学校で楽器や機材のメンテナンスを学んでからその道を目指す人もいます。数はかなり少ないですがローディーの専門コースを設けている学校もあります。

●マニュアルの普通自動車免許
必要な資格はありませんが、マニュアルの普通自動車免許を持っていることが採用の必須要件となっているケースがあります。
それはローディーが移動するための手段として利用される車種の中に中型トラックなどがあるため、マニュアル車の運転ができないといけないからです。免許を持っていて、かつ運転経験があれば重宝されるかもしれません。

今後のローディーの将来性

ローディーは音楽制作会社や芸能プロダクションから業務委託をされていることが多く、収入や仕事量は安定しません。また、夜に作業を行うことも多く肉体労働であるため、決して労働環境が良いとは言えないのは事実です。

そのため多くのローディーは30~40代で体力的にきつくなるため転職を考えるそうです。

CDなどが売れないとされている一方でライブ市場は拡大しているそうですので、ローディーの仕事自体はなくなることは考えられませんが、長く続けられるかどうかという意味では将来性はあまりないといってもよいかもしれません。
いろいろなアーティストのローディーがやってみたい、楽器に触れていたいという気持ちが続くようならローディーとして長く働いていけるのではないでしょうか。

ローディーの就職先

ローディーの主な就職先は次のようなものがあります。
・芸能プロダクション
・マネジメント会社
・楽器レンタル会社
・アーティストからの直接雇用
・フリーランス など

ローディーの平均年収・MAX年収

ローディーの平均年収は300~400万円が相場だとされています。
楽器に対する専門知識や体力が必要とされる割には収入が少ないと感じる人も多いでしょうし、一般企業のように配偶者手当や住宅手当などの福利厚生が整っていないというのも現状です。

ローディーに向いているのはこんな人

それでもローディーになりたいという人がローディーに向いているということになります。ローディーになれば常に音楽業界の最前線で働くことができます。有名なアーティストたちとやり取りをしながら楽器や機材のコンディションを整えるなど各種作業を行っていきますので、コンサートのリハーサルや本番もすべて立ち会うことが可能です。場合によっては新曲のレコーディングに参加することもできます。

音楽が好きで、楽器や機材を扱うことが好きという人はローディーに向いているでしょう。ただし、荷物の積み降ろしや長時間の移動、長期の出張などがあるため心身ともにタフで、体調管理がきちんとできる人でないと続けられないため、体調管理ができることと心身のタフさは必須だといえます。

ローディーはアーティストやミュージシャンが頼りにする人物でもあります。
ベテランになればアドバイスを求められたりすることもあるでしょう。
また、多くのスタッフと関わりながら仕事を進めていくため、細かな気配りやコミュニケーション能力は欠かせません。
アーティストやスタッフの目に留まれば専属のローディーになれたり、それこそ駆け出しのバンドであればコネクションを築くこともできたりする可能性もあります。

ローディーに関連する職業や資格

関連する職業

ローディーが仕事を行う中でかかわる業種には次のようなものが挙げられます。
・イベントプランナー
・舞台監督
・舞台美術
・PAエンジニア
・照明スタッフ
・特殊効果

ローディー(ミュージシャンアシスタント)になれる専門学校はこちら