管理栄養士になるには

  • 2019.12.25
  •        
管理栄養士になるには
      
              

気になる学校を探してみよう

学校種別
エリア
職種
   

管理栄養士の概要や仕事内容

管理栄養士とは?

管理栄養士は専門的な知識と技術を持って、ひとりひとりに合わせた栄養指導や栄養管理、給食管理などを行うことができる国家資格です。
乳幼児期から高齢期までの全年齢に対して個人・集団を問わず食事や栄養についての様々なアドバイスを行ったり、給食施設の献立を立てたりなど、人々の健康を食事と栄養の面からサポートするのが管理栄養士です。

管理栄養士の仕事内容とは?

管理栄養士の職場は幅広く、職場によって業務内容が異なります。
職場ごとにどのような業務を行っているのかチェックしてみましょう。

●医療機関
医療機関に勤務している場合は、患者さんごとの病状に合わせて食事の提供や栄養指導などを行うことによって栄養管理を行います。
この栄養管理によって病気の治療、合併症や再発の防止を目指します。
医療現場ではチームで治療を行いますので、医師や看護師、作業療法士などの他の専門の医療従事者と協力していくことになります。管理栄養士は栄養の専門としての知識や技術を必要とされます。

●学校給食など
小中学校や特別支援学校などで、子供たちの成長に必要な栄養素の計算をするなどして、子供たちに適切な学校給食の献立を作成・提供します。
献立作成以外にも、子供たちの食育を行ったり、食生活の改善・肥満・アレルギーなどに対する個別指導を行うこともあります。
栄養教諭を目指す場合は管理栄養士の免許に加えて栄養教諭の免許を取得しなければなりません。

保育園などに勤務する場合は調乳や離乳食・幼児食の作成、提供します。
近年はアレルギーを持っている子供が多いため、適切な食事を提供するために保護者や保育士、医師、看護師などと連絡を取り合ったりして協力していく必要があります。

●スポーツ
スポーツをする子供からアスリートまで、コンディションや運動能力を高めるための食事・栄養に関するアドバイスを行います。運動能力以外にも疲労やけがを起こりにくくする食事・栄養面のサポートも求められることがあります。
コーチや監督との連携が大切です。また、スポーツをする子供の保護者などに向けて体力強化などの食事・栄養面のアドバイスをすることもあります。

●社員食堂など
企業の社員食堂や社員寮、学校の食堂などで献立の作成を行うなどして栄養面のサポートを行います。
この場合は対象となる人の年齢の幅や、体型の幅が広いため、個人個人はもちろんのこと就職した企業の集団性に合わせて対応することが求められます。

●行政機関
地方自治体や保健所、保健センターなどの行政機関に勤める場合は地域住民に向けた健康講座の開催や健康づくり政策の企画、栄養相談などを行います。
また、食事バランスガイドなどを用いて地域住民の健康づくりの普及をすることも管理栄養士の役割です。

●福祉施設など
介護施設や老人ホーム、障害者支援施設などの施設または地域で生活をしている高齢者や障害者の方が自立して日常生活を送ることができるように、一人一人の生活や身体の状況に合わせた食事と栄養の管理を行います。
高齢者や障害者は身体機能の低下によって食事をしづらいことがあるので、例えば少量の食事でも十分に栄養を取ることができる献立を考えたり、季節ごとの食事を作成して食べる意欲を引き出してあげたりといった工夫をしなければなりません。
福祉施設などで勤務する場合は介護職員やリハビリ職員、医師、看護師などと協力して健康を支えていきます。

●教育・研究機関など
管理栄養士の養成施設(大学や短大、専門学校など)の教員として未来の管理栄養士の教育・育成を行ったり、研究機関で職に関する研究を行ったり、一般企業で商品開発を行ったりします。

●フリーランス
地域住民の栄養指導や調理指導、健康づくりのアドバイスを行ったり、料理教室の講師をするなど自分のライフスタイルに合わせて管理栄養士の業務を行う人もいます。
地域に根付いたサポートをすることによって、健康問題を解決していきます。

管理栄養士になる方法(資格取得方法等)

管理栄養士になるためには、栄養士免許を取得した後、管理栄養士の国家資格を取得しなければなりません。
まず栄養士の免許を取得するためには、高校卒業後に栄養士養成課程もしくは管理栄養士養成課程がある養成施設(大学、短大、専門学校など)で専門課程を修得し卒業します。卒業すれば都道府県知事の免許を受けて栄養士になることができます。

管理栄養士になれる専門学校はこちら

栄養士の資格を得ることができたら、管理栄養士の国家試験を受験し、合格した後は各都道府県の管理栄養士免許申請受付窓口に管理栄養士の免許申請を行います。免許を受けたら管理栄養士になることができます。

最短で管理栄養士になるルートは管理栄養士養成施設で4年修業した後国家試験を受けるルートです。栄養士養成施設を修業した場合は栄養士資格を取得後、全部で5年になるように実務経験を積んだ後で管理栄養士の国家試験を受けることになります(例えば修業年数が3年だった場合は2年以上の実務経験が必要)。
絶対に管理栄養士になると決めている場合は初めから管理栄養士養成施設に入学しておいた方が早く管理栄養士になることができます。

資格難易度や試験について

試験について

管理栄養士の国家試験は毎年3月上旬頃に行われます。
合格率は平均すると50%ほどですが、新卒者だけの合格率だと90%以上だそうで、新卒者の合格率は高めだと言えます。
一方、既卒者の合格率は5~30%ほどしかありません。つまり栄養士として資格を取得した後就職して実務経験をしながら勉強をして国家試験を受けるというのはハードルが高いということになります。

●試験の概要
※下記は2019年度の日程です。
受験書類の配布:令和元年9月中旬より順次、窓口にて配布。
厚生労働省のHPからもダウンロード可能。

受験書類の受付:2020年12月2日(月曜日)から2020年12月13日(金曜日)までに、原則として書留郵便で管理栄養士国家試験運営本部事務所に送付する。やむを得ず持参する場合は各試験地の国家試験運営臨時事務所に提出する。

試験日程:2020年3月1日(日曜日)

試験地:北海道、宮城県、東京都、愛知県、大阪府、岡山県、福岡県及び沖縄県

試験科目:管理栄養士国家試験の試験科目は、次のとおりである。
・社会・環境と健康
・人体の構造と機能及び疾病の成り立ち
・食べ物と健康
・基礎栄養学
・応用栄養学
・栄養教育論
・臨床栄養学
・公衆栄養学
・給食経営管理論
※この中から200問出題され、総合点が60%以上で合格となっていますので120問正解すれば合格ということになります。

合格発表:2020年3月27日(金曜日)

今後の管理栄養士の将来性

管理栄養士はその人その人のライフスタイルや身体の状況、家庭環境などに合わせて食事や栄養に関するアドバイスを行います。
そのためマニュアル通りにすることが難しいため機械化できないのではないかという声があがるほどです。
アドバイスを行う人が何を求めているのか、どうしてこのような食生活を送ることになってしまったのか、どうやったら食事を食べてくれるようになるのか…など、相手の生活や悩みの背景を考えて、悩みに寄り添って業務を行っていかなければなりません。
まさに人間にしかできない仕事と言っても良いのではないでしょうか。

また、企業では高まっている健康志向に合わせた商品・メニュー作りの開発や消費者窓口で対応するために管理栄養士を必要としているところもありますし、管理栄養士の人手が足りず求人をかけ続けている病院や介護施設などは決して少なくありません。

機械化が難しく、健康志向などによる管理栄養士の需要があることから、しばらくの間は管理栄養士の将来性はあるのではないかと考えられます。

管理栄養士に向いているのはこんな人

管理栄養士に向いている人は、やはり食事や栄養について興味がある人です。
栄養について豊富な知識を得るだけではなく、栄養を含んだ美味しい料理を作ることができる器用さが求められたり、患者さんに食事の指導をするにあたって説得力のある話ができることが求められますので、しっかりと養成校で学んだことを大切にしながら、卒業後は自分で食事や栄養の情報収集を行うなどして知識を深めていくことができる人というのは管理栄養士の大前提だと言えます。

また、前述したとおり医療機関に就職する場合はチームで患者さんの治療を行っていきますので、意思をはじめとした色々な専門性を持った医療従事者と協力して業務を行うことができるコミュニケーション能力も求められます。

指導する立場として、自身の食事・栄養管理ができており健康的であるということも条件の一つになってきます。

管理栄養士に関連する資格

管理栄養士からスキルアップするために、医療施設で就職している方は「病態栄養専門管理栄養士」や「糖尿病療養指導士」などの資格、スポーツ分野に就職している方は「公認スポーツ栄養士」「健康運動指導士」といった資格を取る方もいらっしゃいます。
職場で求められるスキルに合わせて、自分がどういった働き方や専門性を付けていきたいかという目標に合わせて、関連する資格を取得しても良いのではないでしょうか。

管理栄養士になれる専門学校はこちら