郵便局員になるには?│仕事内容や資格、適性、おすすめの学校をご紹介!
- 2020.12.04
郵便局員の概要や仕事内容
郵便局員とは?
郵便局員とは、郵便局において様々な業務を行う人のことをいいます。
かつては日本郵政公社などとして国営の郵政事業となっていましたが、2007年に郵政民営化して日本郵政グループに変わり
・日本郵政株式会社
・郵便事業株式会社
・郵便局株式会社
・株式会社ゆうちょ銀行
・株式会社かんぽ生命保険
の5つに分社化されました。そして2012年に郵便局株式会社が郵便事業株式会社を吸収合併して「日本郵便株式会社」に変更されています。
これら日本郵政グループの4つの会社それぞれに就職して働く人を郵便局員といいます。
郵便局員の仕事内容とは?
では各社の郵便局員がそれぞれ行っている業務について簡単にみていきましょう。
●日本郵政株式会社
日本郵政株式会社は日本郵政グループの持株会社で、それらの会社の経営管理や業務の支援を目的とした特殊会社(※)です。
郵便事業やグループの統括が主な業務となっています。
※特定の会社を設立するための特別法に基づいて摂理すされた会社のこと。日本郵政グループの場合は日本郵政株式会社法が根拠法となっています。
●日本郵便株式会社
日本郵便株式会社は郵便業務及び印紙の販売などの業務を営むことを目的とした会社です。具体的には郵便業務(郵便物の受付や集配・配達、郵便物の区分など)や窓口業務(郵便局の郵便・銀行・保険窓口業務など)を行う会社です。
地方公共団体などからの受託業務なども行っています。
●株式会社ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は銀行業を行う会社です。
主な業務は貯金業務、貸出業務、有価証券投資業務、為替業務などです。
●株式会社かんぽ生命保険
かんぽ生命保険は生命保険業務を行っています。
主な業務は保険商品やサービスの提供となっています。保険の種類は学資保険、終身保険、定期保険など様々です。
それぞれの企業に就職した後、大卒・大学院卒の郵便局員は総合職(商品開発や営業など)を、短大卒・専門学校卒の郵便局員は一般職(顧客相手の窓口業務や営業業務など)を担当することになるようです。
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郵便局員になる方法(資格取得方法等)
民営化前は郵政一般職採用試験を受験して公務員となることで郵便局員になっていましたが、民営化後は一般の企業と同じように筆記試験や面接試験を受けて合格することで郵便局員になることができるようになりました。
それに伴って高卒採用枠が無くなり、採用対象は大学院卒・大学卒・短大卒・高専卒・専門学校卒の者となっています。そのため郵便局員になるには対象となる学歴を得ておく必要があります。
採用試験に合格すれば良いので、郵便局員になるための特別な資格はありませんが現在採用数は大幅に減少しているそうですので採用されるためにはアピールできる資格を取得しておいてほうが良いかもしれません。
調査したところ、取得しておかなければ勤務する局が限定されてしまう資格として
・証券外務員
・生命保険募集人
・損害保険募集人
・FP(ファイナンシャルプランナー)
などの資格が挙げられていました。
中でも取得を推奨されているのはFPで、就職後に受験料の補助や研修もあるようです 。無理に取得していなくてもいずれ取得する機会があることになりますが、先に取得するとアピールポイントになるでしょう。
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資格難易度や試験について
試験について
では参考に推奨されている試験であるFP試験についてみてみましょう。
FP試験は正確にはFP技能検定で、3級~1級の3つの等級に分かれています。
厚生労働省が認定する国家検定で、試験に合格すればそれぞれの級の技能士を名乗ることができるようになります。
試験は「顧客の収入・支出、資産・負債、保障(内容)などのデータを収集し、現状を分析したうえで、顧客のライフプラン上の目標を達成するため、貯蓄、投資、保険、年金、税金、不動産、相続などについて、長期的かつ総合的な視点でさまざまなアドバイスや資産設計を行い、併せてその実行を援助するための知識が問われる」となっていますので、合格した者はそれ相応の知識を持っている人物であることを証明することができるでしょう。
では試験についてみていきましょう。
●試験の概要
※下記は2020年度のFP試験3級の日程です。
なお第1回試験については中止されています。参考までにご確認ください。
受験書類の受付:第1回…2020年3月12日(木)~4月2日(木)
第2回…2020年7月6日(月)~7月28日(火)
第3回…2020年11月10日(火)~12月1日(火)
試験日程:第1回…2020年5月24日(日)
第2回…2020年9月13日(日)
第3回…2021年1月24日(日)
試験地: 全国47都道府県
試験科目:
学科試験
・ライフプランニングと資金計画(公的年金・社会保険など)
・リスク管理(生命保険・損害保険など)
・金融資産運用(金融商品の仕組みなど)
・タックスプランニング(税制など)
・不動産(賃貸・有効活用など)
・相続、事業承継(相続・贈与など)
実技試験
実技試験は、以下の業務から選択して受検することができます。
・資産設計提案業務
・個人資産相談業務
・保険顧客資産相談業務
合格発表:第1回…2020年6月30日(火)
第2回…2020年10月23日(金)
第3回…2021年3月5日(金)
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今後の郵便局員の将来性
日本郵政グループは2017年に赤字に転落しており、特に収入源である銀行や保険の事業が苦しい状況が続いていること、この先IT化が進んで郵便事業が衰退していく可能性などから郵便局員の将来性は正直あるとは言いにくい状況となっています。
輪をかけてかんぽ生命保険の商品の不適切な保険募集などがあったためイメージも転落していること、労働環境も良くないという情報が出ていることなどから働く人が少なくなっているため就職できたとしても激務になる可能性もあります。
元々は国営だったため、仮に破綻したとしても国のバックアップがある可能性を考えると会社自体は無くならないかもしれませんが、それも確実とは言えません。
総合的に将来性はあまり無いといっても良いでしょう。
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郵便局員の平均年収・MAX年収
郵便局員の収入はどの会社に就職するのか、総合職か一般職なのか、また学歴によって大きく異なります。
例えば2013年のゆうちょ銀行の新卒採用情報によると、初任給は
総合職…大学院卒 237,440円
大卒 225,790円
一般職…大学院卒 155,700円~187,820円
大卒 148,900円~180,210円
高専・短大・専門卒 139,600円~173,150円
となっています。
ボーナスが4ヶ月ある仮定の年収だと総合職の大学院卒者で約380万円、一般職の高専卒者で約230万円の計算になると考えられます。日本人の平均年収と比較するとかなり少ない傾向にあるようです。
一方グループを統括する日本郵政株式会社の平均年収は約770万円となっています。40代以上になると600万円を超える年収になるようですので、長く勤めると多くの収入を得ることができるようになる可能性があります。
とは言っても前述したように赤字に転落していることなどを考えると、そう簡単に年収が上がっていくようには思えませんのであくまで可能性と言うことになるでしょう。
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郵便局員に向いているのはこんな人
例えば窓口業務を行う人は丁寧で正確な接客を行うことができる、配達を行う人は確実な配達をすることができるなど、担当する業務によって適性は異なると考えられます。
共通していることと言えば、郵便物の中身は非常に重要なものが多いので間違いなく届けること、お客様の大切な保険の契約の内容を確実に伝えることができるなど、正確性が求められる職業だということです。
責任感があり、正確に業務を行うことができる人が郵便局員に向いている人だと言えるでしょう。
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郵便局員に関連する職業や資格
●関連する資格
前述した資格の残りの3つについても簡単にチェックしておきましょう。
どれも転職などに有利な資格となるでしょう。
●証券外務員
証券外務員とは証券会社や銀行、保険会社などの金融機関において金融商品(預金、国債、株式、保険など)の取引を行う人に必要な資格です。この資格が無ければ営業活動や商品説明を行うことはできません。
個人や会社に対して営業を行う人はもちろん、窓口業務を行う人も証券外務員に該当するため郵便局員は取っておきたい資格です。
なお証券外務員には一種と二種があり、一種は二種の業務範囲に加えて高リスクの商品(信用取引など)も扱うことができるようになります。
●生命保険募集人
生命保険募集人は生命保険の募集に必要な資格です。
この資格が無ければ保険の説明すら行うことはできません。取得して金融庁に登録することによってはじめて募集やや販売を行うことができるようになります。
この資格は一般過程・専門課程・応用課程・大学課程の4段階となっており、一般家庭を取得すると変額保険(投資性のある保険)以外の一社のみの保険の募集をすることが可能になります。一社専属の募集を行うのであれば一般過程のみの取得で良いのですが、複数の会社の商品を取り扱う場合は職場に一般過程取得者一人以上、専門課程取得者一人以上の最低二人以上が必要となります。
●損害保険募集人
生命保険募集人と同じく、損害保険の募集や説明を行うためには損害保険募集人の資格がなければなりません。
試験内容は基礎単位と商品単位(自動車保険、火災保険、傷害疾病保険)があり、基礎単位と自分が扱う商品単位に合格していなければなりません。
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