楽器リペアマンになるには
- 2020.05.14
楽器リペアマンの概要や仕事内容
楽器リペアマンとは?
楽器リペアマンとは、楽器が壊れたときに修理する専門家のことを言います。
楽器リペアマンは楽器の素材の修理だけでなく微妙な音色の調節などといった繊細な作業も行います。楽器を作る楽器クラフトマンは楽器の特性を熟知しているため、リペアマンを兼ねる場合も多いようです。
楽器リペアマンの仕事内容とは?
楽器リペアマンの仕事には、壊れた楽器の修理や音色の調整だけでなく、販売した楽器のアフターサービスなどもあります。
楽器のことをしっかりと学び知識を得て、構造を理解した上で修理や音色の調整を行わなければならないため様々な楽器について勉強しなければなりません。
また、楽器リペアマンは修理した楽器について実際に音を出すなどして完璧に修理が行われているかどうかを確かめるため、演奏技術も必要になります。
他にも各種楽器のリペア修理見積もりや新品・中古品の店頭販売、修理パーツ発注、在庫管理、出張リペア、学校の訪問リペア(吹奏楽部の管楽器などの修理)、学校販売なども業務に含まれることがあります。
また、例えば管楽器専門修理工房などに勤務する場合は特殊な管楽器や珍しい楽器などを幅広く扱うため、飽きることなくリペアに取り組めます。
楽器を演奏することとはひと味違った視点で楽器に向き合うことができる仕事なので、楽器が好きな人にはたまらない仕事なのではないでしょうか。
海外メーカーの楽器の取り扱いやアンプやエフェクターの修理、アフターサービス全般など広く取り扱う会社で働く楽器リペアマンは、修理輸入品の検査、お客様・営業からの使用方法に関する電話対応、修理部品の発注、メーカーへの修理レポート作成も業務の一部となります。
ただしこの場合、例えばアンプを取り扱う場合は回路図を読めること、海外メーカーに対する修理レポートを作成する場合は英語力があることなど、楽器リペア以外の能力も必須となります。
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楽器リペアマンになる方法(資格取得方法等)
楽器リペアマンになるための必要な資格はありません。
しかし、楽器リペアを行うためには楽器の構造を理解し、正しい修理方法を知っているなど、高い知識と技術を持っていなくてはなりません。
楽器リペアについて学ぶためには技術力がある楽器リペアマンに弟子入りする、楽器リペア科のある専門学校などして知識や技術を学ぶといった方法があります。
選択する学校によっては、修理だけではなく楽器リペアマンに必要となる演奏に関する技術についても学んだり、資格を取ったりすることができるところもあります。
演奏の能力に関して言えば楽器リペア後の最終調整は楽器リペアマンの腕に左右される部分も多いことから、実際に演奏をすることができる奏者としてのスキルはなくてはならない必須条件です。
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今後の楽器リペアマンの将来性
音楽が無くなることは考えられず、それに伴って音楽に必要な楽器もこの先無くなることは考えられません。また、壊れない楽器を作ることも考えにくいです。そのため楽器リペアマンは今後もなくなることのない職業でしょう。
しかし、現実として楽器店での採用者数は少ないのが現状です。
数少ない採用枠を勝ち抜いていくためには、管楽器の金属部品の取り扱いからエレキギターやエレキベースなどの電気回路に至るまで、数多くの楽器を取り扱うことができる技術を身につけておくと良いでしょう。
そうすると全国で活躍することができますし、再就職もしやすいと考えられます。
このように高い修理技術を取得することや音を聞き取る高い能力を持っている楽器リペアマンになると長い期間仕事を続けることができますので、将来性は十分あるといえるのではないでしょうか。
自営業で個人店を営み、高い技術が求められて人気になれば高収入も期待できますし、定年がないため長く働き続けることもできます。
いずれにせよ楽器リペアに関する高い能力を持つことが求められますので、深く学ぶことや経験を積むことが大切です。
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楽器リペアマンの就職先
楽器リペアマンの主な就職先には次のような場所があります。
・楽器メーカー
・楽器輸入会社
・楽器販売店
・楽器修理店
・楽器製造業
・フリーランス など
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楽器リペアマンの平均年収・MAX年収
楽器リペアマンの平均月収は約15~20万円で、年収は約300~350万円なのだそうです。
楽器リペアマンの多くは楽器に関する企業や店の社員として働いているため、楽器メーカーや楽器輸入会社などで仕事を行います。
しかし、正直なところ楽器リペアマンは専門知識が必要な職業の割に、年収は一般的なサラリーマンと変わらないため、処遇に不満がある人も多いと言います。
一方で楽器リペアマンのフリーランスで成功する人は楽器リペアだけで十分生活していけるだけの収入があるといいますので、一概に楽器リペアマンの収入が低いとも言えないでしょう。
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楽器リペアマンに向いているのはこんな人
楽器リペアのための技術や知識だけでなく、楽器の状態を理解した上で顧客の要望に迅速に対応できることができる人は重宝されます。
楽器が好きなことはもちろんのこと、細かい作業が得意な人、丁寧なリペア作業を行うことができる人、楽器を修理するだけでなく良い状態に仕上げたいという熱意がある人だとなお良いでしょう。
リペア後には日々の使用方法やメンテナンスの方法、楽器の扱い方をアドバイスすることもありますので、コミュニケーション能力も求められます。
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楽器リペアマンに関連する職業や資格
関連する職業
取り扱う楽器によって少しずつ業務が異なりますので、楽器ごとにリペアマンがどういった業務を行っているのかみてみましょう。
●管楽器リペアラー
管楽器には木管楽器と金管楽器があります。例えば木でできているクラリネットなどの木管楽器のヒビ割れがある場合は、指で押す部分を外して分解してから、同じ材質の粉末を練りこんでひびを埋めます。そして乾燥させてヤスリで削って仕上げていきます。
トランペットなどの金管楽器のへこみの修理は、金属や木のハンマーで慎重に叩いたり、金属製のローラーをかけたりして丁寧に直していきます。
楽器のメーカーが違えば、直し方が少しずつ変わってきます。
例えば金管楽器の場合は音の深みを出していくための、メーカーごとに焼く温度や叩き方などの加工に独自の工夫がなされているため、金属の硬さが異なります。硬さの違いを知らずに強く叩いてしまえばたたきすぎで曲がってしまうことがあります。
違いを理解して繊細な作業をすることが求められるのですね。
●弦楽器リペアラー
弦楽器は小さなパーツを一つ変えるだけで、音色が変わってしまうほど繊細な楽器です。そのため弦楽器リペアラーが細部まで丁寧に修理・調整する必要があります。
季節の変化による気温や湿度の差が大きい日本では、作られている弦楽器の木材が繊細である場合は特に季節ごとのメンテナンスが欠かせません。
●ピアノリペアラー
ピアノは幾千もの部品からできている精密な楽器です。
例えばアップライトピアノの場合は鍵盤とハンマーをつなぐ部分だけでも5000個以上の部品が使われていますし、弦も200本以上張られています。また、全体で約20トンにもなる強い力がかかっています。
アコースティックピアノは電気製品と違って木材や羊毛といった天然素材が多く使われているため、温度や湿度など周囲の環境からの影響を常に受けているためメンテナンスが欠かせません。
ピアノをいつも美しい音色で気持ちよく奏でてもらうためには数々の部品の動き方を調整したり、音の高さの調整や調律をしたりする必要があります。
調律というのはピアノの健康診断としても大切な業務の一つです。
●ギターリペアラー
セッティングやバランスの崩れているギターでは本来持っている音を引き出すことができません。
ギターはほとんどが木で出来ているため、気温や湿度によって常に状態が変わってしまいます。フレット(棹にある突起)はよく弾く部分が弦でこすれて磨り減ってしまいますし、ペグやナットなど(チューニングを行う部品)はチューニングをする度に劣化します。
このようにギターは思っている以上に負担がかかっているためメンテナンスが重要になってきます。ストレスがかかってしまっているギター修理やリペアすることによって取り除いてあげて、本来持っている音を引き出すことができるようになります。
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