地方公務員になるには

  • 2020.01.29
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地方公務員の概要や仕事内容

地方公務員とは?

地方公務員とは、地方公共団体に所属しているすべての人のことを言います。
公務員は憲法第15条に「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。」と定められています。国民全体の利益のために奉仕者として、国民や住民がよりよく暮らしていけるよう生活環境を整えるなど、さまざまな業務を行います。
公務員のうち都道府県や市町村などの地方自治体に所属する者が地方公務員です。国に所属する公務員は国家公務員となります。

地方公務員の仕事内容とは?

地方公務員は知事や市町村長、地方議員などの要職の「特別職」とその他の「一般職」に分けられます。ここからは一般職についてみていきます。

地方公務員は業務内容によっていくつかの種類に分けられます。
・行政職:事務など
→配属先により業務内容が大きく異なります。事務や会計といった事務作業だけでなく、例えば税務事務所に所属した場合は滞納者への督促や差し押さえ、環境事務所に所属した場合は公園の管理なども行政職の業務になります。
・技術職:土木・建築・機械・電気・農業など
→それぞれの分野で設計・管理・検査などを行います。

・教育職:教員など
→地方自治体の小中学校、高校、大学などで教育を行います。

・公安職:警察官・消防官など
→警察官は警察署などで治安や防犯などを、消防官は消防署などで防火・救急活動などを行います。

・福祉職:ケースワーカー・相談員など
→福祉事務所・児童相談所などで高齢者の介護や障害者福祉、児童保護などの相談に乗り、援助を行います。

ほかにも司書や研究員、学芸員など様々な種類があります。

地方公務員になる方法(資格取得方法等)

地方公務員は採用時に主に次のように区分されます。
・地方上級(大学卒業程度試験)
・地方中級(短大・専門学校卒業程度試験)
・地方初級(高校卒業程度試験)
あくまで採用時の区分のため、初級だからと言って昇任しないわけではありません。
勤務成績や昇級試験の結果などを総合的に判断して承認していくため、初級で採用された人が上級を追い抜いて行くケースも多くあります。
地方自治体によっては社会人経験枠も設けられているため、新卒でなくても地方公務員試験を受けることができます。

ただし、どの試験も基本的に年齢制限があります。
学歴の条件を設けている地方自治体はほとんどありません。

では参考に、千葉県の採用試験の受験資格を見てみましょう。
千葉県の採用試験は次のように区分され、それぞれ年齢条件を設けています。
・上級試験…一般行政A 21歳以上30歳未満
一般行政B 24歳以上35歳未満
一般行政A・B以外 21歳以上35歳未満
・中級試験 19歳以上30歳未満
・初級試験 17歳以上21歳未満
一般職についてはどの試験も学歴不問になっています。

受験資格を満たしている人は採用試験を受け、合格すれば採用面接を経て採用内定となります。

資格難易度や試験について

試験について

引き続き千葉県の地方公務員試験の一般職についてみていきましょう。

●試験の概要
※下記は2019年度の試験の日程です。
受験書類の配布:
上級試験…5月15日(水)
中級試験・初級試験…7月23日(火)

受験書類の受付:
上級試験…5月15日(水)~5月28日(火)
中級試験・初級試験…8月1日(木)~8月19日(月)

インターネット申し込み、もしくは特定記録郵便で千葉県人事委員会事務局任用課まで郵送での申し込み、千葉県人事委員会事務局任用課に直接持参での申し込みのいずれかの方法で申し込みをすることができます。

試験日程:上級試験…一次試験 6月23日(日)
二次試験 7月中旬~8月上旬
中級試験・初級試験…一次試験 9月29日(日)
二次試験 11月上旬~11月中旬

試験地:上級試験…一次試験 千葉大学西千葉キャンパス
二次試験 千葉市内(一次試験の合格者のみ通知)
中級試験・初級試験…一次試験 日本大学理工学部船橋キャンパス
二次試験 千葉市内(一次試験の合格者のみ通知)

試験科目:上級試験…一次試験 教養試験
専門試験(一般行政Aのみ)
論文試験
自己アピールシート作成(一般行政Bのみ)
二次試験 人物試験(個人面接、集団討論、適性検査)
受験資格等の調査
中級試験・初級試験…一次試験 教養試験
専門試験(中級のみ)
論文試験(中級のみ)
二次試験 人物試験(口述試験・適性検査)
受験資格等の調査

最終合格発表:上級試験…8月下旬
中級試験・初級試験…12月下旬

今後の地方公務員の将来性

所属する地方自治体によっては財政難で、採用人数を絞ったり給与がカットされたりするところもあるようです。公務員なので財政難だからと言ってリストラにあうということはありませんが、新卒採用が少なくなり、地方自治体の職員が高齢化していくと活力が失われていきます。
一般企業だと売り上げが減少するケースが多いといいますので、地方自治体でも活力が失われるということはあまり望ましいことではないでしょう。

また、これからはAIの進歩によって特に事務職の仕事は減少していくといいます。
地方自治体の職員も例外ではありません。

つまりこの先どんどん仕事が減少することや、財政難であることなどから給与や新卒採用が減少すると考えられるため決して先行きが明るいとは言えませんが、公務員なので採用されてしまえばリストラなどの心配はないと考えられるでしょう。
将来性があるかと言われればあまりないように感じますが、常に安定した生活を送ることはできるのではないでしょうか。

地方公務員の就職先

地方公務員は都道府県、特別区、市町村などの自治体で、県職員や市職員として勤務します。一般職の場合は県職員であれば都道府県庁、市職員であれば市町村役場などで勤務します。
ほかにも採用された先の機関の支所などに勤務することもあります。

地方公務員に向いているのはこんな人

前述したように、地方公務員は憲法によって「全体の奉仕者」と定められています。
常に公共のために働くことが求められ、そのような仕事は公務員以外にもありますが、特に公務員の場合は「国民全体や社会全体のために働く」という強い意識を持っていることが大切です。
ですので、人の役に立ちたいという強い気持ちがある人というのは、地方公務員に適しているといえます。また、よりよい社会を作りたいという正義感や、公正・公平を重視することができる人も地方公務員に適しているといえるのではないでしょうか。

国家公務員と比較したときに、地方公務員は各自治体において地域に密着した仕事を行っています。住民が何を求めているのか、どういったことに不安・不満があるのかなど、日々住民の声を聴いて行政に生かしていくことが求められます。
そのためには、地域をよくしていきたいと強く思う地域愛や、住民の様々な意見を真面目に聞いて解決していこうとする姿勢が大切です。

高齢化や少子化によって、財政難や人口減少といった問題を抱える自治体も少なくありません。そんな今だからこそ、「自分が愛する地域をもっとよくしていきたい」という熱い思いを持って頑張れる人が地方公務員には向いているのではないでしょうか。

地方公務員に関連する職業や資格

関連する職業

●資格免許職の地方公務員
「資格免許職」というのは、国や自治体が発行した資格や免許を持って働く地方公務員のことを言います。
幼稚園教諭や保育士、医師、獣医師、保健師、看護師、助産師、臨床検査技師、診療放射線技師、作業療法士、理学療法士、精神保健福祉士、管理栄養士、栄養士、救命救急士などがあります。これらの資格を取得している人が各自治体の看護師採用試験などを受験することができるのです。そして合格した人は、地方公務員として市立の幼稚園や保育園、保健所、県立病院などで働くことができます。

資格免許職の多くは国家資格ですので、短大や大学を卒業して、国家資格を取得し、公務員試験に合格しなければならないため大変難易度が高い職業となります。
採用数もあまり多いとは言えませんので、狭き門ではありますが、仮に合格しなくても国家資格を持って働くことができますので勉強する価値は十分にあるといえるでしょう。

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