ジュエリーデザイナーになるには
- 2020.02.28
ジュエリーデザイナーの概要や仕事内容
ジュエリーデザイナーとは
ジュエリーデザイナーとは、ジュエリーのデザインを行う職業です。ネックレスやリング、イヤリングなどの形をデザインし、金属や宝石などのマテリアルを決め、ジュエリーを生み出していきます。
ジュエリーデザイナーは、大手ブランドであればデザインのみを行うことが多いですが、小さなブランドであればサンプルや製品の制作まで自らの手で行うことも珍しくはありません。また、デザイン自体も、金属や宝石といったマテリアルの性質や扱い方を理解していなくては難しいため、ジュエリーに関する幅広い知識や技術が求められる職業だと言えるでしょう。
自身のアイデアを形にすることができるジュエリーデザイナーの職は、憧れの職業として人気が高く、現在も規模の大小関わらず多くのジュエリーデザイナーが国内外で活躍しています。
ジュエリーデザイナーの仕事内容とは
ジュエリーデザイナーの仕事はジュエリーのデザインを行うことですが、デザインしたジュエリーの製作を手掛けることもあります。ここでは、ジュエリーデザイナーの主な仕事内容を挙げてみましょう。
- 製図作成
- レンダリング作成
- サンプル製作
- ジュエリー製作
- 修理、リフォーム
- 仕入れ
- 在庫管理
- 販売
- 営業
これらの業務は、すべてジュエリーデザイナーが1人で行う場合もあれば、分業して行う場合もあります。
また、近年では製図やレンダリングの作成をコンピューターソフトを用いて描くことが多いため、ジュエリーデザイナーには製図の知識やソフトの使用技術も必須となるでしょう。
ジュエリーデザイナーになる方法
ジュエリーデザイナーになるには、以下のような過程を踏むのが一般的です。
学校で学ぶ
ジュエリーデザインには専門知識が必須です。そのため、ジュエリーデザイナーを目指すなら、宝石や金属に関する知識やデザイン・製作技術、マーケティングなどを、専門学校や美術大学で学んでおきましょう。
中には独学でジュエリーデザインを習得する方もいますが、細やかな技術をひとりで学ぶのは困難だと考えられます。
メーカー、デザイン会社などに就職する
学校卒業後にジュエリーメーカーやデザイン会社などに就職できれば、ジュエリーデザイナーへの道は近付きます。とはいえ、就職していきなりジュエリーデザインを任されることはほぼありません。まずは、販売やデザイナーのアシスタントとしてジュエリーの現場を学ぶことになるでしょう。経験やセンスを磨き、実力が認められれば、ジュエリーデザイナーとして活躍できる可能性が生まれます。
独立して活動する
学校卒業後、もしくは会社で経験を積んだ後には、ジュエリーデザイナーとして独立するのもひとつです。その場合、自身のブランドを立ち上げるか、フリーのジュエリーデザイナーとして活動することになるでしょう。
どちらもさまざまな職務を自身でこなしたり責任が生じたりするのは大変ですが、会社に属するよりも自分の表現がしやすくなり、また成功すれば収入が増えることもあります。
ジュエリーデザイナーに求められる資格や試験
ジュエリーデザイナーにはさまざまな知識や技術が必要ですが、必須とされる資格や試験は特にありません。
しかし、ジュエリーに関わる資格試験は数多く存在します。中でも、ジュエリーデザイナーの職務に関係が深いのは、「ジュエリーコーディネーター検定」ではないでしょうか。ここでは、その概要をご紹介しましょう。
ジュエリーコーディネーター検定とは
ジュエリーコーディネーターとは、一般社団法人日本ジュエリー協会が認定する民間資格です。ジュエリーの販売やコーディネートがメインにはなりますが、マーケットや歴史などジュエリーに関する幅広い内容が含まれており、ジュエリーデザイナーの実務にも役立つ内容となっています。
ジュエリーコーディネーター検定のレベルは1級・2級・3級の3種に分けられており、現在までには約8500人ものジュエリーコーディネーターが誕生しています。
難易度や試験について
ジュエリーコーディネーター検定の合格率は、1級が17.7% 、2級が27.6%、3級が合格率47.8%となっています(2016年の場合)。年によっては、1級合格者が0名、または1名などということもあり、上級の難易度はかなり高いと予想されます。
試験の概要は、以下の表をご覧ください。
3級 | 2級 | 1級 | |
試験日程 | 8月、3月 | 8月 |
1次試験:8月、2次試験10 |
受験料 | 9,000円(税込) | 3科目一括13,000円(税込)/それ以外1科目5,000円(税込) | 1次試験:10,000円(税込) 2次試験:5,000円(税込) |
受験会場 | 札幌・仙台・東京・金沢・甲府・名古屋・大阪・広島・福岡(都度変更あり) | 東京、大阪、名古屋、福岡(都度変更あり) | 東京、大阪(都度変更あり) |
試験形式 | マークシートの選択問題 | 記述、論文、ロープレ、実技、面接 | |
試験時間 | 2時間 | 3時間 | 記述、論文それぞれ2時間ずつ |
受験資格 | 特になし | 3級合格者 | 2級合格者 |
合格条件 | 得点率約70%以上 | 記述、論文300点満点中約210点以上 |
※2020年の日程です
今後のジュエリーデザイナーの将来性
装飾品であるジュエリーは生活必需品ではないため、ジュエリー業界は景気に左右されやすい傾向にあります。近年では、ファストファッションが流行しているように、人々がファッションにかける金額は決して伸びてはいません。このようなことから、ジュエリー業界は好調とは言えないものの、優れたジュエリーブランドの人気は衰えていないのも事実です。高級ジュエリーブランドはもちろん、小さなブランドであっても独創的なデザインと高い質で、売り上げを伸ばしていることもあります。
よって、ジュエリーデザイナーとして長く活躍していくためには、優れたデザインを絶えず生み出していく他ないと言えるでしょう。そのためには、大きな努力が求められます。
ジュエリーデザイナーの就職先
ジュエリーデザイナーの就職先としては、ジュエリーメーカーやアパレルメーカー、デザイン会社などが挙げられます。
メーカーでは自社のデザイナーとしてジュエリーデザインを行い、デザイン会社ではクライアントの依頼を受けたジュエリーデザインを行うことになるでしょう。
また、ジュエリーデザイナーに多いのが、会社に所属せず、自身でブランドや店舗を立ち上げるケースです。この場合、規模によってはさまざまな業務を自身でこなさなくてはなりませんが、より自由に自身の世界観を表現できます。
さらには、フリーのジュエリーデザイナーとして活動する方もいます。
ジュエリーデザイナーに向いているのはこんな人
ジュエリーデザイナーに向いている条件としては、まずジュエリーが好きであることが挙げられます。ジュエリーに関する興味と知識がなければ、適したデザインはできません。
また、ジュエリーデザイナーには、当然優れたデザインを行うことが求められます。そのため、センスと高い独創性を兼ね揃える方は、ジュエリーデザイナーに向いていると言えるでしょう。
さらに、ジュエリーは洋服よりも細かなデザインになることが多いため、デザイン画やジュエリー制作などに対応できる手先の器用さ、パソコンソフトへの対応力も、ジュエリーデザイナーには求められます。加えて、流行やファッションに敏感な方であれば、それらの情報を取り入れることができ、幅広いジュエリーデザインができると考えられます。
ジュエリーデザイナーに関連する職業や資格
ジュエリーデザイナーに関連する職業
ジュエリーデザイナーに関連する職業としては、まずクラフトマンが挙げられます。クラフトマンは、打ち合わせを重ねながらジュエリーデザイナーのデザインを忠実に再現し、彫金や鋳造などの技法を用いてジュエリーを作り上げます。
また、ジュエリーデザイナーは多くの場合、商品企画者や販売担当者、営業担当者、マーチャンダイザーなどとも関わり、デザインを行っていきます。中には、宝飾鑑定士にマテリアルの管理を任せている会社もあるでしょう。
ただし、小さな規模でブランドを運営している時には、ジュエリーデザイナー自身がこれらの職務を兼業することもあります。
ジュエリーデザイナーに関連する資格
ジュエリーデザイナーに関連する資格としては、先ほどご紹介した「ジュエリーコーディネーター」の他に、以下のようなものが挙げられます。
- ジュエリーデザイン画検定
- 貴金属装身具製作技能士
- 宝石鑑定士
- 宝石鑑別士
- ワックスジュエリー検定
- シルバージュエリー検定
- 色彩検定
- カラーコーディネーター 検定
- ファッション色彩能力検定
これらは、ジュエリーデザインにはもちろん、ジュエリーの制作にも役立つでしょう。
また、色彩検定をはじめとした色彩に関する資格も、ジュエリーデザインに役立てられます。
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