健康運動実践指導者になるには
- 2019.12.25
健康運動実践指導者の概要や仕事内容
健康運動実践指導者とは?
健康運動実践指導者は健康づくりのために行う運動の指導をする専門家のことです。
実際の運動の現場でクライアントの目標を達成することができる指導能力が求められます。
健康運動実践指導者になるには次のような知識と技能が必要です。
- 医学的基礎知識
- 運動生理学の知識
- 健康指導のための運動指導
- 健康づくりを目的とした運動プログラムに基づいた実践指導
運動不足やメタボリック症候群など、生活習慣病が問題となっている現代社会で必要とされている運動の指導ができる専門家です。
様々な年代・性別の人に合わせて健康づくりのための運動指導を行います。
健康運動実践指導者の仕事内容とは?
スポーツのインストラクターは水泳の場合は日本水泳連盟、エアロビクスの場合は日本エアロビック連盟といった公認団体の養成コースに通うなどしてインストラクターの資格を取得することができます。
それぞれ専門性があると思うのですが、こういったインストラクターの資格を取得している人がさらにインストラクターとして正しく必要な知識を得るために取得する資格だと言えるのではないでしょうか。
健康運動実践指導者は、生活習慣病の予防や高齢者の健康維持など、だれもが実践できる安全で効果的な運動方法を人々の健康づくりを目的とした運動プログラムに基づいて提案し、実践指導を行います。
医学的基礎知識や運動生理学の基礎知識があるため、一人ひとりの健康状態に合わせた運動プログラムを、正しく安全に行うことができるよう指導していくことができるのです。
子供から高齢者まで年齢を問わず指導していくため、正しい運動方法はもちろんのこと、運動をする楽しさを伝えることも大切な仕事の一つです。
似たような資格で「健康運動指導士」というのがあるのですが、健康運動指導士は保健医療の関係者と連携して、一人ひとりの心身の状態に合わせた安全で効果的な運動をするための運動プログラムの作成や、指導計画の調整を行います。
健康運動指導士が作成したプログラムを、健康運動実施指導者が安全に行えるよう見本を見せて指導を行うということになりますので、立案するか、実行するかという大きな違いがあるということになります。
単独で資格を取得される方もいらっしゃいますし、ダブルで取得される方もいらっしゃいます。
健康運動実践指導者になる方法(資格取得方法等)
健康運動実践指導者になるには、まず受講資格を得ることになります。
受講資格は以下のいずれかに該当している人です。
- 体育系短期大学または体育専修学校(2年制)もしくはこれと同等以上の学校を卒業した者(卒業見込みを含む)
- 3年以上運動指導に従事した経験がある者
- 運動指導に関連する資格を有する者
(エアロビックダンスエクササイズインストラクター、フィットネストレーナー、アスレティックトレーナー、運動普及推進員など) - 保健医療に関する資格を有する者
(保健師、管理栄養士、看護師、准看護師、助産師、薬剤師、栄養士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師、介護福祉士、介護支援専門員、ホームヘルパー1・2級など) - 学校教育に関する資格を有する者
(保育士、幼稚園・小学校・中学校・高校教諭など)
大学や専門学校などの健康運動実践指導者養成校で学んだものはそのまま認定試験に進み、それ以外の人は講習会(9日間で33単位を取得します。1単位90分となっています。)を修了後に認定試験を受けます。
認定試験に合格したら、健康運動実践指導者台帳に登録することで健康運動実践指導者の称号を得ることができます。
講習会では次のようなことを学びます。
- 健康づくり施策概論
- 運動生理学
- 機能解剖とバイオメカニクス
- 栄養摂取と運動
- 体力測定と評価
- 健康作りと運動プログラム
- 運動指導心理学的基礎
- 健康作りの実際
- 運動障害と予防・救急措置
健康運動実践指導者は5年間有効で、所定の講習を受けることによって更新することができます。
資格難易度や試験について
試験について
健康運動実践指導者の認定試験は年3回行われています。
実技試験と筆記試験からなります。
●実技試験
4~5名に対して運動指導を行い、指導能力を審査します。
運動指導の種目は陸上運動または水中運動から選択し、どちらもレジスタンストレーニング(2分以内)と有酸素運動(3分以内)の実技を行います。
決められた時間の中で的確な運動指導が行われているかどうかの審査をされます。
●筆記試験
パソコンを使った試験で、5肢択一形式で行われます。
理論と実技に分かれており、それぞれ60%以上を得点すれば合格となります。
健康運動実践指導者の試験合格率は70~80%となっています。
しっかり勉強をしていれば合格できる可能性が高い試験のようです。
今後の健康運動実践指導者の将来性
健康運動実践指導者が活躍しているのはフィットネスクラブなどのスポーツ関連施設が多いのですが、運動不足やメタボリック解消のために学校や企業の健康管理部門からもオファーが来ることがあり、活躍の場が増えてきています。
また、医学的な基礎知識も身につけるため医療機関や福祉施設でも需要があります。
このようにいろいろな学校や企業、施設からの需要が増えてきているおり、これからも拡大することが見込まれます。
特に、高齢化が進むにつれて高齢者の健康づくりや運動不足解消などの需要はますます高まっていくと考えられます。実際に高齢者施設や介護の現場からの求人が増えていており、活躍する健康運動実践指導者も多いのです。
運動は生きていく中で切り離すことができない大切なことです。
これからも一定の需要があり続けると考えられるため、将来性は十分にあると言えるでしょう。
健康運動実践指導者の就職先
健康運動実践指導者の就職先は次のような場所があります。
・フィットネスクラブなどスポーツ関連施設
・学校関連施設(教員、嘱託教諭など。学生を含む)
・医療機関(病院や診療所など)
・社会福祉施設
・一般企業
・保健所
・フリー活動
これらの求人を見てみると備考欄に「健康運動実践指導者の資格を有すること」「健康運動実践指導者を優遇する」といったことが書かれています。
就職にも有利な資格だと言えますね。
健康運動実践指導者に向いているのはこんな人
健康運動実践指導者はいろいろな人に接して健康づくりのための指導を行います。
しかし指導を受ける人の中には運動が嫌いだけど会社からの勧めでしぶしぶ運動をしている人や、高齢で思うように体を動かすことができない人、指導の内容についてこれない人など、運動に後ろ向きだったり運動がつらい人がいると思います。
そういった人たちに対して、一人ひとりの様子を見ながら根気強く指導をしていかなければなりません。
前向きな人ばかりではないため、どれだけ頑張っても結果が伴わないこともあるでしょう。指導がつらいと感じることもあるでしょう。その苦労を乗り越えることができる人が健康運動実践指導者に向いている人だと言えます。
また、活躍できる場が増えているとはいえこの資格だけでは十分な収入を得られない可能性があります。すでにインストラクターとして活躍している人や、企業に就職している人はスキルアップにつながるかと思いますが、単独の資格だけでは成功することは難しいでしょう。
そのため健康運動指導士の資格をダブル取得するか、他の国家資格を取得して活躍の場を自ら広げておく人が多いようです。
健康運動実践指導者に関連する職業や資格
関連する資格
ではどういった資格を取っておいたほうがいいのかというと、健康運動実践指導者の資格を生かせる国家資格などです。
例えばリハビリに特化した理学療法士や作業療法士、栄養面からもサポートできる管理栄養士や栄養士、医療面からサポートできる看護師、高齢者に対応するための介護福祉士など、健康運動実践指導者として働くうえでどのような指導を行っていきたいかによって国家資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。
ただし国家資格取得するためにはほとんどが大学や短大などの養成機関を卒業して受験資格を得てから国家試験を受けて合格しなければなりませんので、かなりの時間を要します。中には栄養士学校などで学んだうえで健康運動実践指導者の資格取得を目指せる学校もありますので、そういった学校を探すのも一つの方法なのではないでしょうか。
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