消防官(消防士)になるには
- 2020.01.29
消防官(消防士)の概要や仕事内容
消防官(消防士)とは?
まず前提として「消防官」というのは俗称です。
階級(後述)を持っている消防隊員を「消防吏員(しょうぼうりいん)」といいますが、消防本部や消防署などに努めている消防吏員のことを消防官といいます。
なぜ消防官というのかというと、自衛官や警察官という言葉が世の中に浸透していることから馴染みのない消防吏員ではなく消防官という俗称で呼ばれるようになったそうです。
とは言っても、消防吏員のことを一般的に思い浮かべた時にすぐに出てくる言葉は「消防士」なのではないでしょうか?
しかし消防士というのは階級のことで、警察官でいうところの巡査のような感じで階級の一番下に当たります。つまり消防官のことを消防士と呼ぶのはちょっと違うということになりますね(ちなみに階級は下から消防士→消防副士長→消防士長→消防司令補→消防司令→消防司令長→消防監→消防正監→消防司監→消防総監の10階級となっています)。
これから試験を受ける方などは知っておいたほうがよい知識だと思います。
ではここからは「消防官」として話を進めていこうと思います。
消防官はほぼすべての人が地方公務員です。地方自治体の消防本部や消防署に所属し、消火や救助・救急・予防などの業務を行い人々の安全を守っています。
消防官になるためには、消防士採用試験に合格しなければなりません。
採用は地方自治体ごとに行われるので、自分が受験する地域の採用試験について確認する必要があります。
消防官(消防士)の仕事内容とは?
消防官はどのような仕事を行っているのでしょうか?
●消防隊
消防の仕事の代表的なものといえば消火活動ですね。
消防隊の中でもまず初めはポンプ車で消火活動を行っていくことになります。
その後高所での作業が可能なはしご車での消火活動を行えるようになったり(所属先によっては内部資格を取得する必要があります)、特殊災害に対応する特別消火中隊、毒物・テロなどに備える化学隊など特殊な訓練を経てプロフェッショナルになっていく人もいます。
●救助隊
レスキュー隊をはじめとした人命救助の部隊です。
救助隊員になるためには消防学校の救助科などで1か月以上訓練を受けなければなりません。
火災や交通事故、地震などの自然災害だけでなく、水難事故、山岳事故にも対応します。
大きな自治体の場合は水難救助隊、山岳救助隊を編成しているところもありますが、小さな自治体の場合は救助隊がすべてを行っているところもあります。
ほかにも東京消防庁に所属するハイパーレスキュー隊などもあります。
ハイパーレスキュー隊は阪神淡路大震災がきっかけで作成された部隊で、最高レベルの救助技術を持って全国各地で起こる大規模災害や海外の災害に駆けつけて救助活動を行います。ハイパーレスキュー隊を皮切りに、他の中核都市などでも「高度救助隊」や「特別高度救助隊」といった高レベルの救助隊を設置しています。
●救急隊
救急車に乗って急病人などのところに駆けつけてくれるのが救急隊です。
救急車で適切に処置をしながら病院へ搬送する役割を担っています。
救急車は3名のチームで編成されることが多く、そのうち2人が救急隊員で、1人が国家資格を持った救命救急士です。
救急隊員になるためには救急課程研修を受けて資格を取得する必要があります。
消防官が救命救急士になるには救急隊員として5年、または2,000時間以上の勤務経験があれば、養成所の研修を受けて、国家試験に合格することになります。
また、あらかじめ救命救急士の資格を取得している人が消防官になったとしても、すぐに救急隊員になれるわけではありません。数年間消防隊などで勤務し知識や経験を得たうえで救急隊に勤務することになります。
●通信指令
119番の通報は通信伝令部隊が対応します。
必要な情報を聞き出し、最寄りの消防隊や救急隊などに指示を出します。
要救助者の状態に応じて、通報者に心肺蘇生法の指導を行うこともあります。
●事務職
総務などの一般的な事務だけでなく、消防設備の設置・指導や消防設備の査察、ガソリンなどの危険物を扱う施設の危険物検査なども行います。
他にも消防車の運転を行う「機関員」、火災の原因や損害の状況の調査を行う「火災原因調査員」、政令指定都市などが所有している救助ヘリの操縦や救助を行う「航空隊員」「航空救助員」などもあります。
消防官(消防士)になる方法(資格取得方法等)
消防官になるためには各地方自治体の採用試験に合格しなければなりません。
採用試験は高卒程度から大卒程度まで受けることができますが、年齢制限や身体条件がありますのでそちらを満たしておかなければなりません。
例として東京消防庁消防官の年齢制限と身体条件をみてみましょう。
【年齢制限】
Ⅰ類(大卒程度試験):21歳~29歳(大学を卒業している人(見込みを含む))
Ⅱ類(短大卒業程度試験):19歳~29歳
Ⅲ類(高卒程度試験):17歳~21歳
【身体条件(男性)】
身長:おおむね160㎝以上
体重:おおむね50㎏以上
胸囲:身長のおおむね1/2以上
視力:両眼が0.7以上(矯正視力を含む)で、かつ一眼でそれぞれ0.3以上あること
色覚:消防官として職務執行に重大な支障がないこと
聴力:正常であること
肺活量:おおむね3,000cc以上
体力検査:1km走、反復横跳び、上体起こし、立ち幅跳び、長座体前屈、握力、腕立て伏せにより体力を検査します。
やがて社会人となる、あなたがすべき「第一歩」です。
「社会人になる」その準備期間となる学校は、何を基準にして選択しますか?
もちろん「各自それぞれの視点」はあるかと思いますが、多くの学生を見てきて言えることは、「自分に合う学校を選択する」という視点です。
本校は、一人ひとりの「個」に合わせた授業を実践しています。
また2年間という限られた中で、今、若い人たちの多くが苦手としている、行動力・自立心・コミュニケーション力の育成にチカラを入れた指導をしています。
「自分に合う学校かどうか」確かめてみてください。
東京商科・法科学院専門学校
資格難易度や試験について
試験について
試験内容も各地方自治体によって異なります。
こちらも参考に東京都消防庁消防官の採用試験についてみてみましょう。
●試験の概要
※下記は2019年度の試験の日程です。
受験書類の配布:2月下旬から次の場所で配布します。
・東京消防庁ロビー
・東京消防庁管内の各消防署・分署・出張所
・東京都庁第一・第二本庁舎案内所及び展望室
受験書類の受付:【Ⅰ類1回目】
インターネット【推奨】(受信有効)
4月1日(月)10:00~4月16日(火)17:00
郵送(消印有効)
4月1日(月)~4月15日(月)
【Ⅰ類2回目】【Ⅱ類】
インターネット【推奨】(受信有効)
6月17日(月)10:00~7月9日(火)17:00
郵送(消印有効)
6月17日(月)~7月8日(月)
【Ⅲ類】
インターネット【推奨】(受信有効)
7月1日(月)10:00~7月26日(金)17:00
郵送(消印有効)
7月1日(月)~7月25日(木)
試験日程:【Ⅰ類1回目】
一次試験
5月26日(日)
二次試験
身体・体力検査:7月1日(月)~7月5日(金)までの
いずれか指定する日
口述試験:7月8日(月)~7月12日(金)までの
いずれか指定する日
【Ⅰ類2回目】【Ⅱ類】
一次試験
8月25日(日)
二次試験
身体・体力検査:10月7日(月)、10月8日(火)のいずれか指定する日
口述試験:10月9日(水)~10月11日(金)までのいずれか指定する日
【Ⅲ類】
一次試験
9月7日(土)
二次試験
[試験地が東京都の場合]
身体・体力検査:11月12日(火)、11月13日(水)のいずれか指定する日
口述試験:11月14日(木)、11月15日(金)のいずれか指定する日
試験地:【Ⅰ類1回目】
一次試験:東京、大阪、福岡
二次試験:東京
【Ⅰ類2回目】【Ⅱ類】
一次試験:東京
二次試験:東京
【Ⅲ類】
一次試験:東京、札幌、秋田、盛岡、郡山、大阪、福岡、長崎、鹿児島
二次試験:東京、盛岡、大阪、福岡
試験科目:【一次試験】
・教養試験(Ⅰ類からⅢ類までのそれぞれ卒業程度の筆記試験)
知能分野:文章理解、英文理解、判断推理、空間概念、数的処理、資料解釈
知識分野:人文科学(国語、歴史、地理)
社会科学(法学、政治、経済、社会事情)
自然科学(数学、物理、化学、生物)
・論(作)文試験
課題式でⅠ類・Ⅱ類は論文試験、Ⅲ類は作文試験
・資格、経歴評定
各種免許、語学の資格など。
・適性検査
【二次試験】
・身体・体力検査
消防官として職務遂行に必要な身体、体力、健康度を検査します。
・口述試験
個人面接を行います。
合格発表:【Ⅰ類1回目】
一次試験合格発表:6月19日(水)
最終合格発表:8月9日(金)
【Ⅰ類2回目】【Ⅱ類】
一次試験合格発表:9月20日(金)
最終合格発表:11月26日(火)
【Ⅲ類】
一次試験合格発表:10月3日(木)
最終合格発表:12月12日(木)
今後の消防官(消防士)の将来性
コンクリート造のマンションなどが増えて木造建築家屋などが少なくなっているため消防士の出動件数が減少しているかというとそうではないようです。
火事だけでなく台風や地震などの自然災害にも対応しなければなりませんし、高齢化でベテランの消防官が定年を迎えてどんどん退職していきます。
そのため人員不足になっている消防署もあります。
人命救助は常に必要とされること、人員不足であることも含めて、この先いくら公務員が削減されたとしても消防官が大幅に人員の削減を削減される可能性は少ないといえます。公務員のためリストラがないという点から見ても、消防官は将来性があり安定している職業といえるでしょう。
ただし、人命にかかわる責任が重く、大きな使命を持つ職業ですので多大なプレッシャーがある職業であることを念頭に置いておかなければなりません。
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消防官(消防士)に向いているのはこんな人
人を助けたいという思いが大切ではありますが、ドラマのようにかっこよく火の中に飛び込んでいく人…というのは消防官には向いていません。無茶をして火災に巻き込まれてしまえば、誰かがまた自分を救助しなければならなくなります。
常に冷静に自分の身を守り、そのうえでどのように救助活動を行うことができるかを考えられる人が消防官に向いている人だといえます。
また、仲間と協力して救助活動を行うことが重要ですので、高いコミュニケーション能力を持っている人であることが求められるでしょう。
体力があり運動が好きだということも求められます。
消防官(消防士)に関連する職業や資格
関連する職業
●救命救急士
主に救急車に同乗し、傷病者を病院に搬送するまでの間の救急救命を行います。傷病者が心肺停止など緊急事態になってしまったときには必要に応じて家族への説明・同意を得て医師の指示に従い医療行為(本来は医師にしか認められない業務)を行うことができます。
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