絵本作家になるには

  • 2020.09.15
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絵本作家になるには
      
              

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絵本作家の概要や仕事内容

絵本作家とは

絵本作家とは、絵本を作る職業です。絵本のストーリーや文章はもちろん、作画まで手掛け、幼い子どもを中心に、多くの人に喜ばれる作品を生み出しています。
絵本は対象年齢が低いことが多いため、その表現は小説やエッセイと同じではありません。子どもにわかりやすい表現や子どもが楽しめる表現が求められます。中には仕掛けがある絵本や立体的な絵本などもあり、絵本作家はさまざまな工夫を用いて、子どもを魅了する作品を作っています。
また、絵本は子どもに伝えたい何らかのテーマを持って書かれていることが多く、子どもの成長にあたって重要な役割を果たしています。限られたページの中でストーリーを完結させなければならないこともあり、その制作には特有のスキルやセンスが必要になるでしょう。
そんな絵本作家は、文章と絵の両方を手掛けることが多いですが、中には文章だけ、もしくは絵だけを手掛ける作家もいます。そして、絵だけを手掛ける場合には、絵本作家ではなく絵本画家と呼ばれます。

絵本作家の仕事内容とは

絵本作家の仕事は、絵本を制作することです。
まずは絵本のテーマを決め、ストーリーを考えていきます。大体の構成が決まったら、具体的な文章やセリフを決め、各ページの絵を描きます。
この時、絵本の作画については、アナログで行う作家もデジタルで行う作家もいます。アナログの場合は、水彩画やクレヨン画など、手書きならではの表現がなされることが多く、独特の温かみが見られるのが特徴です。絵の作風はそれぞれの作家で大きく違うため、具体的な作画方法はさまざまでしょう。
絵本作家は、このようにして絵本作りを行い、編集者と打ち合わせを重ねながら、作品を完成させていきます。
また、絵本作家は絵本の制作の他にも、書籍の挿絵やポスターなどの絵を担当することもあり、魅力的な表現で人々を楽しませています。

絵本作家になる方法

絵本作家になるために、定められた学歴や経験、資格などはありません。絵本は自費出版も可能なので、経歴や年齢に関係なく、誰でも絵本作家を名乗って活動することは可能です。ただし、絵本にとって重要な絵を学ぶため、絵本作家として活動する前に、美術系の大学や専門学校に通う人は多くいます。
絵本作家になるための具体的な方法には、以下のような例があります。

出版社に作品を持ち込む
自作の絵本や原画を出版社に持ち込む方法。評価されれば、その出版社と契約できる可能性があります。
コンテストに作品を出品する
開催されている絵本作家のコンテストに出品する方法。入賞したり審査員から評価されたりすれば、デビューできる可能性があります。
ウェブツールに作品をあげる
ホームページやSNSに作品をあげる方法。ウェブツールを通せば、多くの人の目に作品が触れるため、人気が出たり編集者の目に留まったりする可能性があります。
作品を自費出版する
自費出版で作品を制作する方法。費用負担はもちろん、流通ルートも自分で確保しなければなりません。

 

絵本作家は、主にこのような方法でデビューし、出版社と契約して絵本を出版します。
ただし、このような方法を取ったからといって、必ずデビューできるわけではなく、絵本作家として成功できるのはほんの一握りです。

絵本作家に求められる資格や試験

絵本作家には、必須となる資格や試験はありません。資格の有無が重視されることはまずなく、評価対象は絵本作家としての実力です。そのため、ストーリーおよび文章の構成技術やセンス、絵の魅力などが、絵本作家として成功するための大きな要素となるでしょう。
ただし、絵本の文章や絵は、うまければ良いというわけではありません。ユニークさやインパクトも求められます。そのため、ただ絵の練習をするだけではなく、多くの絵本や詩を読んだりさまざまな画風を試してみたりすることも大切です。
また、幼児向けの絵本作家を目指すのであれば、幼児がどのようなことに興味を持つのか理解しておくことも必要でしょう。
このような努力は、絵本作家としてのスキルアップに繋がります。

今後の絵本作家の将来性

絵本は、子どもの成長に欠かせないものです。家庭でも保育園や幼稚園でも、絵本を用いた知育はよく行われています。特に絵本の読み聞かせは、子どもの言語発達はもちろん、精神面にも良い効果を与えるという研究結果が出されています。
さらに、近年では大人向けに作られた絵本の人気も高く、多くの大人向け絵本が出版されています。
このように、絵本は子どもにも大人にも需要がある書籍であり、今後もそれは変わらないでしょう。
ただし、絵本作家として活躍できるのは、抜きんでた才能を持つ一部の作家だけです。絵本作家を目指してもデビューできなかったり、デビューできても絵本が売れなかったりして、夢を諦めてしまう人も少なくはありません。一方で、優れた絵本作品は発行数が伸び、長きに渡って人々に愛されることもあります。
つまり、絵本作家の将来性は自身の実力次第だと言えるでしょう。

絵本作家の就職先

絵本作家は、多くの場合フリーランスで活動を行います。企業に就職している絵本作家は、ほとんどいません。フリーランスとして出版社と契約し、絵本を制作するのが一般的でしょう。
ただし、著名な絵本作家の場合であれば、自ら事務所を立ち上げて活動する人もいます。
また、絵本作家の仕事だけで生計を立てることは難しいため、多くの作家は副業を抱えるか、副業として絵本作家の活動をしています。絵の技術に優れていれば、イラストレーターやグラフィックデザイナーとしても就職することは可能でしょう。

絵本作家の平均年収・MAX年収

絵本作家は、それぞれの仕事量や著名度によって、得られる収入が違います。その収入源は、絵本の原稿料や売り上げに基づく印税であるため、絵本作家としての収入がほとんどない人も、日本人の平均年収を超える多額の収入を得ている人もいるでしょう。このように、収入には個々の差があるため、絵本作家の平均年収を挙げることはできません。
また、作品の売れ行きよっても収入は大きく変わるため、年によって年収は大きく変わります。そのため、絵本作家という職業は安定した収入を得ることが難しく、その多くが副業を行っています。

絵本作家に向いているのはこんな人

絵本作家に向いているのは、ストーリーを考えたり、文章や絵をかいたりすることが得意な人です。絵本の制作には、絵だけではなく、ストーリーや文章のスキルも求められます。これら全てのスキルに長けている人は、優れた絵本作りができると考えられます。ただし、ここで言うスキルとは、ただ単に文章や絵の技術が高いことではありません。人々に親しまれ、愛される文章や絵の技術が、絵本作家には求められます。
また、想像力も絵本作家に欠かせない要素のひとつです。特に子どもの立場に立って想像できる人は、絵本作りに向いています。そしてそのためには、子どもの気持ちを理解できることや子どもに夢や希望を与えたいという気持ちも大切でしょう。

絵本作家に関連する職業や資格

絵本作家に関連する職業

絵本作家に関連する職業には、小説家や随筆家、戯曲家、脚本家などがあります。これらは全て作家と呼ばれ、文章を書くことで生計を立てている職業です。絵本作家も作家業の一つであり、これらの職業との関連性は深いと言えるでしょう。
また、画家やイラストレーターも絵本作家の関連職です。これらは、絵を描く職業という点で、絵本作家と共通しています。また、絵本作家自身が画家やイラストレーターとして活動することもあります。

絵本作家に関連する資格

先述のように、絵本作家に必ず持っておかなくてはならない資格はありません。しかし、絵本作家に関連する資格はいくつか存在します。その例を挙げて見ましょう。

  • 絵本専門士
  • 絵本よみきかせマイスター
  • 子育て絵本アドバイザー
  • 絵本セラピスト
  • 絵本コーチ
  • 絵本講師
  • 児童図書相談士

これらは全て絵本に関わる資格ですが、その内容は絵本の取り扱いに関するものが多く、絵本制作に特化するものではありません。ただし、これらの資格によって絵本の取り扱われ方を学び、それを絵本制作に生かすことは可能でしょう。
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