エディトリアルデザイナーになるには

  • 2020.09.15
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エディトリアルデザイナーの概要や仕事内容

エディトリアルデザイナーとは

エディトリアルデザイナーとは、エディトリアルデザインを専門に手掛ける職業です。
そもそもエディトリアルとは「編集」の意で、エディトリアルデザインは出版物の編集デザインを行うことを指します。エディトリアルデザイナーはこの編集デザインを担い、出版物の文章や写真、イラストの整理や配置を行なって、読み手に取って見やすく、そして魅力的な雑誌や書籍を製作しています。
このエディトリアルデザインには、誌面の読みやすさと見た目の美しさ、両方が求められます。そのため、この仕事にはデザイン的な知識とともに記事のテーマや出版社の意図を汲んだ表現が必要です。つまり、エディトリアルデザイナーの仕事は、デザイン業と編集業の中間にあたると言えるでしょう。

エディトリアルデザイナーの仕事内容とは

エディトリアルデザイナーの仕事は、出版物の紙面をデザインすることです。そして、手掛ける出版物には以下のようなものがあります。

  • 雑誌
  • 書籍
  • 新聞
  • カタログ
  • マニュアル本
  • パンフレット

また、エディトリアルデザイナーの主な仕事の流れは、以下のようになります。

  • 打ち合わせ
    出版社やプロダクションの編集者と打ち合わせを行い、デザインの詳細を詰めていく。
  • レイアウト作業
    文字と写真、イラストなどの大まかな配分や配置を決める。
  • クリエイターへの依頼
    イラストレーターやカメラマンと打ち合わせをし、必要なイラストや写真を用意する。
  • デザイン作業
    クリエイターによるイラストや写真を含め、記事のデザインを完成させる。
  • 印刷、出版
    完成した記事に編集者のOKが出たら、印刷に回し、やがて書籍や雑誌が出版されます。

エディトリアルデザイナーはこのような出版物の誌面デザインをこのような流れで行い、他のクリエイターとともに記事を完成させます。時にはイラストレーターやカメラマンのディレクションを担うこともあり、ただデザインを行うだけでなく、編集的な作業も担っています。

エディトリアルデザイナーになる方法

エディトリアルデザイナーになるために、定められた学歴や経歴、取得資格などはありません。
しかし、エディトリアルデザイナーにはデザインの専門スキルが必要になるため、まずは美大や大学のデザインコース、デザインの専門学校などで、デザインを学ぶ人が多いようです。とはいえ、未経験で就職し、エディトリアルデザイナーのアシスタントとして経験やスキルを積んでいく人も少なくはありません。ただし、デザイン関連の学歴は、エディトリアルデザイナーとしての就職に対し有利に働くでしょう。
その後は、出版社や編集プロダクションにエディトリアルデザイナーとして就職するか、フリーランスのエディトリアルデザイナーとして活動を始めるかという二つの道があります。就職してすぐやフリーランスの駆け出し期に大きな仕事を任せてもらえることは少ないですが、経験を積んで実力を認められれば、仕事の幅や需要は広がるでしょう。

エディトリアルデザイナーに求められる資格や試験

エディトリアルデザイナーとして働くために、必ず取得しなければならない資格はありません。
エディトリアルデザインには、視覚的効果や配色などといったデザインの知識が必要になるため、資格の有無よりも、デザイン知識の有無の方が重要視されるでしょう。
また、エディトリアルデザインにはデザインセンスも求められますが、このセンスを磨くためには、多くの出版物を目にしたりさまざまなエディトリアルデザインを実際に試してみたりといった努力が必要です。このように、机上学習よりも実践スキルを磨く方が、エディトリアルデザイナーにとっては有意義でしょう。

今後のエディトリアルデザイナーの将来性

エディトリアルデザイナーは、書籍や雑誌などといった出版物に深く関わる職業であり、その仕事は出版物の売り上げに直結します。そのため、出版物の生産が続く以上、エディトリアルデザイナーという職業がなくなることはありません。
とはいえ、1990年代から出版物の販売額は年々低下し、中には半分以下にまで落ち込んでいる媒体も存在します。そして、その背景にはインターネットやスマートフォン、および電子書籍の普及があると考えられます。人々の紙離れは進み、この傾向が今後大きく変わることはないでしょう。
しかし、書店に多くの書籍や雑誌が並んでいるように、出版物には一定の需要があります。エディトリアルデザイナーが優れたデザインスキルやセンスによって魅力的な出版物を生み出せれば、それは出版物の将来性も、デザイナーの将来性も高めることになるでしょう。

エディトリアルデザイナーの就職先

エディトリアルデザイナーの主な就職先は、出版社や編集プロダクション、デザイン事務所などです。出版社や編集プロダクションでは、自社が出版する出版物の、またデザイン事務所では出版社などから依頼を受けた出版物のエディトリアルデザインを手掛けることになるでしょう。
また、一般企業でもエディトリアルデザイナーは活躍しています。その場合は広報部に勤め、パンフレットや社報などの自社発行物をデザインすることになります。
このような就職先でのエディトリアルデザイナーの需要は一定数あるものの、大手の出版社や有名プロダクションになると競争率は高く、就職は簡単ではないでしょう。
また、エディトリアルデザイナーの中には企業に就職せず、フリーランスで活動する人も多く、その活躍は多岐に渡ります。

エディトリアルデザイナーの平均年収・MAX年収

エディトリアルデザイナーの平均年収は、約400万円です。これは、日本全体で見ても平均的な水準にあります。
ただし、駆け出しのエディトリアルデザイナーの場合は給与が低く、その年収は200万円台であることもあります。また、勤める会社の規模やキャリア、実績によっても年収は大きく変わります。
さらに、フリーランスのエディトリアルデザイナーの場合、年収は仕事量に比例し、書籍のレイアウトを請け負う場合であれば1ページ1,000〜2,000円、雑誌のレイアウトであれば1ページ1〜2万円ほどが相場でしょう。

エディトリアルデザイナーに向いているのはこんな人

エディトリアルデザイナーに向いているのは、優れたデザインセンスや知識を持っている人です。出版物の魅力はエディトリアルデザインに大きな影響を受けるためです。そして、優れたセンスや知識をデザインに反映させるためには、デザインアプリケーションに対するスキルも必要でしょう。イラストレーターやフォトショップを使いこなせれば、デザインの幅も質も広がります。
さらには、人と接することが好きでコミュニケーション能力に長けていることも、エディトリアルデザイナーにとって重要な要素です。エディトリアルデザイナーは、編集者やアートディレクター、イラストレーターなど、多くの人と関わりながら出版物を作り上げなければならないからです。優れたコミュニケーションは、業務を円滑にするだけでなく、魅力的な出版物作りにも役立つでしょう。

エディトリアルデザイナーに関連する職業や資格

エディトリアルデザイナーに関連する職業

エディトリアルデザイナーに関連する職業としては、編集者やアートディレクター、イラストレーター、カメラマンなどが挙げられます。
編集者は出版物の全体的な編集や進捗管理を、アートディレクターはデザインの全体的なディレクションを、イラストレーターは誌面に載せるイラストを、カメラマンは誌面に載せる写真を撮る職業であり、どれも出版物の製作に携わります。エディトリアルデザイナーは、これらの職業と打ち合わせを重ね、案を出し合いながら、雑誌や書籍を完成させています。
また、グラフィックデザイナーもエディトリアルデザイナーの関連職に数えられます。これらはどちらも出版物および広告物のデザインを行うという点で共通しており、混同されやすい職業です。しかし、その業務はやや違っており、グラフィックデザイナーはよりデザイン的な、エディトリアルデザイナーはより編集的な役割を果たしています。

エディトリアルデザイナーに関連する資格

エディトリアルデザイナーに関連する資格には、「DTPエキスパート認証試験」があります。この試験は、パソコンを使ったデータおよび印刷物の作成(DTP)スキルを問うものです。DTPは現代の出版物の編集作業において欠かせないものになっているため、この試験は出版物の製作に関わるエディトリアルデザイナーの仕事とも関連性が深いと言えるでしょう。
また、エディトリアルデザイナーの仕事にはIllustratorやPhotoshopアプリケーションのスキルが求められるため、「Illustratorクリエイター能力認定試験」や「Photoshopクリエイター能力認定試験」の取得も有効です。
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