ドルフィントレーナーになるには│仕事内容や資格、おすすめの学校も紹介!
- 2021.02.16
ドルフィントレーナーの概要や仕事内容
ドルフィントレーナーとは
ドルフィントレーナーとは、イルカのトレーニングを行う職業です。水族館に勤め、ショーで披露するパフォーマンスをイルカに教えます。そして、ショー本番ではイルカに指示を出しながら、共にパフォーマンスを行います。
また、イルカの健康管理や世話もドルフィントレーナーが担います。ドルフィントレーナーは、日常的に触れ合うことでイルカとの信頼関係を築きます。また、ショーで行う水上に上がったりお腹を見せたりといったパフォーマンスを健康管理にも役立てています。
イルカは、非常に好奇心旺盛で知能の高い動物です。しかし、人間と言葉は違うため、ドルフィントレーナーはイルカの行動や気持ちをよく理解した上で、トレーニングを行わなくてはなりません。よって、ドルフィントレーナーには生態や健康管理など、イルカに関する科学的な深い知識が求められます。
イルカショーは、各地の水族館において目玉イベントとなっており、今後もイルカとドルフィントレーナーの活躍は続いていくでしょう。
ドルフィントレーナーの仕事内容とは
ドルフィントレーナーの仕事は、「ショー」「トレーニング」「世話・健康管理」と大きく3つに分けられます。
- ショー
イルカショーに出演し、イルカに指示を出しながら観客を盛り上げる。イルカと共に水の中に入ったり観客のコミュニケーションを取ったりすることも。イルカが指示をきかないなど、予想外の事象にも対応する。 - トレーニング
イルカに対し、ショーで披露するパフォーマンスのトレーニングを行う。イルカの気持ちや体調を考慮しながら指示を出し、根気よくパフォーマンスを教えていく。 - 世話・健康管理
普段の食事の用意や掃除、コミュニケーションなど。健康診断も定期的に行い、体調や体重に異常はないか外傷はないかなど、綿密な管理を行う。
ドルフィントレーナーは、普段からイルカの世話をしたりコミュニケーションを取ったりすることでイルカとの信頼関係を築き、それをトレーニングやショーに役立てています。
ドルフィントレーナーになれる専門学校はこちら
ドルフィントレーナーになる方法
ドルフィントレーナーになるために、必ず経ておかなければならない学歴や経歴はありません。
イルカショーを行っている施設に就職すれば、誰でもドルフィントレーナーになれる可能性はあります。
しかし、ドルフィントレーナーにはイルカの生態を理解したりトレーニング技術を身に付けたりといった専門的スキルが必要です。専門的スキルは現場で学ぶこともできますが、就職前に海洋動物関連の大学コースや専門学校で学んでおけば、よりスキルの習得はしやすくなるでしょう。また、専門学校の中には、ドルフィントレーナーコースが設けられている学校もあります。
ドルフィントレーナーは希望したからといって必ずなれる職業ではありません。しかし、イルカショーを行っている施設に就職し、スキルを磨く努力をしていれば、いずれドルフィントレーナーに抜擢される可能性が期待できます。
ドルフィントレーナーになれる専門学校はこちら
ドルフィントレーナーに求められる資格や試験
ドルフィントレーナーになるための必須資格は存在しません。
しかし、イルカと一緒に水の中に入るのであれば、「潜水士」の資格を必ず取得しておかなければなりません。
「潜水士」とは、仕事で潜水を行うために必須となる国家資格です。水族館で働くと、イルカショーをはじめ、生物の体調管理や水槽の掃除においても潜水を行うため、取得しておいた方が実務には有利でしょう。
「潜水士」資格取得のための試験は筆記試験のみで、受験資格も定められていません。
ドルフィントレーナーになれる専門学校はこちら
難易度や試験について
令和元年度の「潜水士」資格合格率は82.6%でした。合格率が8割を超えていることから、比較的易しい試験であることがわかります。
試験の詳細については、以下の表、または安全衛生技術試験協会のホームページをご確認ください。
受験日程 | 会場による |
受験料 | 6,800円 |
試験会場 | 各地方の安全衛生技術センター |
試験内容 | 潜水業務・送気、潜降及び浮上・高気圧障害・関連法規各10問ずつ |
試験時間 | 午前・午後合計4時間 |
受験資格 | なし(18歳以上) |
合格条件 | 科目ごとの得点率40%以上かつ総得点率60%以上 |
※2020年現在の試験概要です。
ドルフィントレーナーになれる専門学校はこちら
今後のドルフィントレーナーの将来性
日本の海洋系施設で飼育されているイルカは、約590頭(2015年)で、10年の間に20%近く増加しています。そして、イルカを飼育している多くの水族館がイルカショーを目玉イベントに据えており、ドルフィントレーナーもそこで活躍を見せています。飼育の増加率やショーの人気を考えても、ドルフィントレーナーという仕事の需要が急激になくなるようなことはないでしょう。
しかし、日本で飼育されているイルカの大半は、野生から捕獲された個体です。一方の欧米では、野生イルカの捕獲が厳しい規制を受け、イルカの展示をしていなかったり人工繁殖によって生まれた個体を飼育していたりと、海洋生物保護を重視しています。このような背景があるため、今後日本のイルカ飼育は、世界的な追求を受けることになるでしょう。実際、イルカショーをやらない水族館も日本に登場し始めています。
とはいえ、現状のイルカショーは人気の高いエンターテインメントで、子どもが海洋生物を知るきっかけにもなっています。ドルフィントレーナーは人とイルカを繋ぐ役割を今後も果たしていくでしょう。
ドルフィントレーナーになれる専門学校はこちら
ドルフィントレーナーの就職先
ドルフィントレーナーの就職先は、イルカショーを行っている水族館やふれあい施設です。イルカショーは多くの水族館で行われており、それぞれの施設でドルフィントレーナーが働いています。
しかし、ドルフィントレーナーの求人数は非常に少なく、求人募集が出ることは稀です。そのため、ドルフィントレーナーとして就職するには、イルカショーを行っている施設にスタッフとして就職しドルフィントレーナーを目指すか、施設にこまめに足を運んだり求人情報を収集したりしてドルフィントレーナーの求人を待つ、もしくは施設に直接希望を出すというような行動が必要でしょう。
ドルフィントレーナーになれる専門学校はこちら
ドルフィントレーナーの平均年収・MAX年収
ドルフィントレーナーの年収は、300万円ほどが相場です。年収200万円台であることも多く、収入自体はあまり高い水準にはありません。月収にすると、20万円〜25万円ほどになるでしょう。このように、ドルフィントレーナーは体力的に負担が大きい仕事である一方で、収入は低めです。そのため、収入ではなく、イルカと触れ合えることに喜びを覚える人でなければ務まりません。
ただし、務める施設やドルフィントレーナーとしてのキャリアによって、年収は変わります。そのため、場合によっては、相場を超えて年収500万円程度を得られることもあるでしょう。
ドルフィントレーナーになれる専門学校はこちら
ドルフィントレーナーに向いているのはこんな人
ドルフィントレーナーには、このような人が向いています。
- イルカが好きで、生態に詳しい人
- 忍耐力や根気強さのある人
- 泳ぎが得意な人
- 体力がある人
- 人前に出ること、人を喜ばすのが好きな人
ドルフィントレーナーは、イルカショーから普段の世話、健康管理まで、イルカの総合的な管理を担います。そのため、イルカが好きで生態にも詳しく、イルカのことをよく理解できる人が向いています。イルカの気持ちに寄り添い、根気強くトレーニングを続けられる人でなければ、ドルフィントレーナーは務まりません。
また、イルカと水中に入るためには、泳ぎが得意で体力に自信があることも大切でしょう。
さらに、ショーに出るためのエンターテインメント精神も、ドルフィントレーナーには求められます。
ドルフィントレーナーになれる専門学校はこちら
ドルフィントレーナーに関連する職業や資格
ドルフィントレーナーに関連する職業
ドルフィントレーナーに関連する職業をご紹介しましょう。
- 水族館スタッフ
水族館に展示される生物の世話や来館客の案内を行う。 - アクアリウム技術者
水族館などにおける水生生物の理想的な環境作り、維持・管理を行う。 - 水族館獣医師
水族館で暮らす海獣の診療や健康管理を行う。 - 海洋生物調査員
海洋生物の生態を調査する職業。環境や生物資源を守るための研究や調査も行う。
水族館は、水族館スタッフやアクアリウム技術者によって維持され、また所属する海獣の健康は水族館獣医師の手で守られています。また、海洋生物調査員が水族館の運営やイベントに関わることもあります。
さらに、これらの他にも、アシカトレーナーやセイウチトレーナーなどという職業も存在し、担当動物のトレーニングや管理を行なっています。
ドルフィントレーナーに関連する資格
ドルフィントレーナーに関連する資格をご紹介します。
- ダイビングライセンス(Cカード)
ダイバーとしてのスキルを認める資格。ダイビングを行うために必要。 - 小型船舶操縦士
小型船舶を操縦するための資格。 - 生物分類技能検定
野生動物の調査を行う生物技術者に必要なスキルを認める資格検定。 - プロジェクトワイルドエデュケーター
環境教育のための指導者資格。生き物の生態系の原理や評価、人間としての責任ある行動を身に付ける。
これらは、自然動物の環境調査や保護にも関わる資格です。イルカは野生動物であるため、このような調査の対象になることが多く、また施設で飼育するためのイルカの多くは、自然の海から捕獲されています。
イルカと深く関わる仕事に就く以上、イルカと密接な関係にある自然環境に関する知識は必要です。海洋関連、または環境関連の資格を取得し、知見を深めておくと良いでしょう。
-
前の記事
照明スタッフになるには
-
次の記事
記事がありません