訓練士(使役犬訓練士)になるには
- 2021.02.16
訓練士(使役犬訓練士)の概要や仕事内容
訓練士(使役犬訓練士)とは
訓練士(使役犬訓練士)とは、使役犬を育成するための訓練を行う職業です。
- 使役犬とは
- 人間社会のために、犬ならではの能力を生かして働く職業犬。
使役犬の例
- 警察犬(優れた聴覚や嗅覚により事件の捜査をサポートする)
- 盲導犬(視覚障害者の生活をサポートする)
- 聴導犬(聴覚障害者の生活をサポートする)
- 介護犬(要介護者の生活をサポートする)
- 災害救助犬・水難救助犬・山岳救助犬(災害または山や川のトラブルに遭った人を救助する)
- 麻薬探知犬(麻薬を保持している人を探知する)
- セラピー犬(病気の人や高齢者を癒す)
このように、使役犬は高い能力を生かし社会を支えています。そして、使役犬として活躍するためのノウハウを犬に教えるのが、訓練士の仕事です。各仕事に素質のある犬を見分け、指示への反応や必要な行動を、ひとつずつ教えていきます。犬に物事を教えるためには、犬の生態や行動、気持ちをよく理解しておかなければなりません。よって、訓練士には犬に関する専門知識が必須であり、また犬との信頼関係が築けるかどうかも大切でしょう。
さらに、一般の訓練士は、家庭犬へのしつけも担います。
訓練士(使役犬訓練士)の仕事内容とは
訓練士(使役犬訓練士)の仕事は、「訓練」と「日常的な世話」に分けられます。
- 訓練
担当する犬に対し、訓練を行います。使役犬の種類によって訓練の内容や方法は異なりますが、基本の訓練から実戦訓練まで、幅広い訓練をこなし、使役犬としての認定を目指します。盲導犬や聴導犬など、人と生活をともにする使役犬の場合は、オーナーとなる人に対して指導も行います。 - 日常的な世話
訓練士は、訓練を行なっている犬の日常的な世話も行います。食事の準備や掃除、手入れなどに加え、遊んでコミュニケーションを取ったり体調管理を行ったりすることも、訓練士の大切な仕事です。
訓練士は日常的な世話も担うことで犬との信頼関係を築きながら、社会で活躍できる使役犬を育成するための訓練を行っています。
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訓練士(使役犬訓練士)になる方法
訓練士になるために、定められた学歴や経歴はありません。スキルを身に付け、訓練所などに就職するというのが一般的なルートです。
しかし、訓練を行う使役犬の種類によっては、ルートが定められている場合もあります。
例えば、盲導犬訓練士になる場合であれば、国家公安委員会が指定した盲導犬育成団体に就職するか、日本盲導犬協会の盲導犬訓練士学校で学んでから盲導犬協会に就職するかという2種の方法が挙げられます。
また、警察所属の警察犬訓練士になる場合は、まず公務員試験を受け、警察官にならなければいけません。
このように、どんな訓練士を目指すかによってルートは変わってきます。
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訓練士(使役犬訓練士)に求められる資格や試験
訓練士(使役犬訓練士)として働くために、必ず取得しておかなければならない資格はありません。基本的には、スキルさえあれば誰でも訓練士を務めることは可能です。
しかし、育成する使役犬の種類によっては、資格や審査が必要になることもあります。例えば警察所属の警察犬訓練士は警察官(国家公務員)にあたるため、公務員試験への合格が求められます。また、盲導犬訓練士の場合は、団体ごとにスキルを認めるための審査が行われています。
一般の訓練所に勤める場合には資格不要であることが多いですが、独自の基準が設けられている可能性はあるので、よく確認しておくようにしましょう。
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今後の訓練士(使役犬訓練士)の将来性
現在、警察犬や盲導犬をはじめとする使役犬は、幅広い活躍を見せています。犬の優れた能力は人間にはできない事を可能にし、視覚障害者を誘導したり救助や探知を行ったりと、社会において欠かせない役割を果たすようになりました。
そして、重要な役割を担う使役犬を生み出すためには、訓練士の存在が必須です。そのため、使役犬の活躍が続く限り、訓練士の需要も続くでしょう。
また、使役犬のトレーニング方法や内容は、目指す使役犬の種類によって大きく異なります。そのため、それぞれの使役犬に対し、各種類のトレーニングに特化した訓練士が必要になります。例えば、警察犬の訓練士と盲導犬の訓練士では、犬に教える内容が大きく違うため、同一の訓練士がトレーニングを行うことは難しいでしょう。よって、訓練士は扱う使役犬の種類ごとに分けられ、その業務はそれぞれが非常に専門的です。
このように、各種訓練士は専門性が高く、誰もが簡単になれる職業ではありません。そしてそれだけ、スキルを身に付けた各種訓練士の存在は重宝されるものであり、職業としての将来性は高いと言えるでしょう。
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訓練士(使役犬訓練士)の就職先
訓練士(使役犬訓練士)の主な就職先は、民間の訓練所です。しかし、担当する使役犬の種類によっては、就職先がより限定されていることもあります。例を挙げてみましょう。
- 警察犬
警察(国家公務員)または民間の訓練所に就職 - 盲導犬
盲導犬育成団体か盲導犬協会に就職 - 麻薬探知犬訓練士
税関(国家公務員)に就職
このように、一部の使役犬の訓練は、国や特定団体に限られます。
しかし、救助犬や聴導犬などといったその他の使役犬の育成は、民間の訓練所に委託されていることがほとんどです。訓練所によって手掛けている訓練は違うため、就職活動は自分が目指す使役犬育成を行なっている施設を探すことから始めることになるでしょう。
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訓練士(使役犬訓練士)の平均年収・MAX年収
訓練士(使役犬訓練士)の年収は、種類によって異なります。例えば、公務員として警察犬訓練士や麻薬探知犬訓練士を務める場合には、年収は平均的な公務員と同じ300万円〜400万円、月収は20万円〜30万円ほどが相場でしょう。
また、一般の訓練所に勤める訓練士であれば、年収300万円前後、時給制なら時給1,000円前後が相場です。ただし、訓練所や訓練士としてのキャリアによって待遇は大きく変わります。実績のある有名な訓練士であれば、平均を大きく超える年収を得ることも可能でしょう。
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訓練士(使役犬訓練士)に向いているのはこんな人
訓練士(使役犬訓練士)には、このような人が向いています。
- 犬が好きで生態に詳しい人
- 忍耐強く、根気強い人
- 向上心がある人
- 体力がある人
訓練士は犬を育成する職業であるため、犬好きであることはもちろん、犬の生態や行動に詳しく、犬の気持ちを理解できる人でなければなりません。しかし、いくら生態に詳しく気持ちを理解していても、訓練の中で犬に伝えたいことがうまく伝わらなかったり犬が言う事を聞いてくれなかったりすることはあるでしょう。そんな時にもあきらめず、根気強く訓練を続けられる忍耐強さが、訓練士には必要です。
また、よりよい訓練を目指す向上心に加え、犬と向き合うための体力も、訓練士として活躍するには必須でしょう。
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訓練士(使役犬訓練士)に関連する職業や資格
訓練士(使役犬訓練士)に関連する職業
訓練士(使役犬訓練士)に関連する職業をご紹介します。
訓練士(使役犬訓練士)とともに働く職業
- 警察官
警察犬とともに事件や事故の捜査を行う。 - レスキュー隊・山岳救助隊
災害や遭難などの事故あたって、救助犬とともに救助を行う。 - ライフセーバー
水難事故にあたって、水難救助犬とともに救助を行う。 - アニマルセラピスト
セラピー犬とともに病気の人や高齢者を癒す。 - 麻薬探知犬ハンドラー
空港などで、麻薬探知犬とともに麻薬保有者を探索する。
犬に関連する職業
- ドッグトレーナー
犬にマナーや芸を教える。訓練士と同義だが、家庭犬のトレーナーを指すことが多い。 - 獣医師
動物を専門に診る医師。 - 動物看護師
獣医師をサポートする動物専門の看護師。 - 動物介護士
高齢動物専門の介護士。 - トリマー
ヘアカットや健康管理を行う、犬の美容師。 - ショーハンドラー
ドッグショーに出る犬のリードや手入れを行う。
このように、訓練士及び犬に関連する職業は数多く存在しており、社会の安全または犬の適切な管理のために働いています。
訓練士(使役犬訓練士)に関連する資格
先述の通り、一部を除き、訓練士(使役犬訓練士)に必須資格はありません。
しかし、ジャパンケネルクラブによる「公認訓練士」資格はステイタスの高い資格として広く知られています。「公認訓練士」の資格は、レベルや経験によって、訓練準士補、訓練士補、訓練練士、訓練教士、訓練範士、訓練師範の6レベルに分かれており、レベルアップするためには、実務経験年数などの条件を満たした上で、試験に合格しなくてはなりません。
使役犬の中でも、特に家庭犬訓練や警備犬訓練、災害救助犬訓練などを担うにあたって、「公認訓練士」資格は役立つでしょう。
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