クリエイティブディレクターの概要や仕事内容

クリエイティブディレクターとは

クリエイティブディレクターとは、広告やイベントなどの分野において、その企画制作に総合的に携わり、指揮を取る職業です。具体的には、企画の責任者としてチームを取り仕切り、制作の進行管理や制作物のチェック、修正などを行います。

このように、クリエイティブディレクターは個人的な作業ではなく、全体のディレクションを中心に行うため、その役割は非常に重要です。この業務を務めるには、豊富な経験や知識、高いセンスも求められるでしょう。

また、クリエイティブディレクターはアートディレクターと混同されやすいですが、クリエイティブディレクターが企画を総合的に統括するのに対し、アートディレクターはビジュアルデザインの統括のみを行うという違いがあります。

クリエイティブディレクターの仕事内容とは

クリエイティブディレクターの仕事は、広告やイベントの企画制作を統括することです。ここでは、その具体的な仕事内容を挙げてみましょう。

• クライアントのヒアリング
• チーム、業者ミーティング
• 企画立案
• スタッフィング
• 作業進行、マネジメント
• 制作物チェック、修正

上記は一例であり、クリエイティブディレクターは責任者として、企画に関わる幅広い仕事を行なっています。関わる職種も多く、クライアントから業者まで、多くの人とヒアリングや打ち合わせを行いながら指示を出し、スムーズな制作進行を担っているのです。

クリエイティブディレクターになる方法

クリエイティブディレクターになる方法としては、主に以下の3つが考えられます。順に見ていきましょう。

学校で必要な知識を身に付ける

専門学校や大学の専門コースでデザインに必要な知識を学ぶことは、クリエイティブディレクターになるための第一歩だと言えます。学校のカリキュラムとしてしっかりと基礎や応用を学んでおけば、就職活動においてメリットとなる他、就職した後にも即戦力として働くことができるでしょう。
また、クリエイティブディレクターや広告デザイン業を目指す人の中には、学校に通わず独学で知識を身に付ける人もいます。しかし、それは決して簡単なことではありません。個人差はありますが、独学よりも学校に通う方が、確実に知識を自分のものにできると予想されます。

広告・イベント系会社に就職する

広告関連会社や出版社、イベント関連会社などに就職し、プロジェクトに関わることができれば、クリエイティブディレクターへの道はぐっと近付きます。制作の経験を積めば、クリエイティブディレクターとしてキャリアアップできる可能性があるでしょう。
ただし、デザイン業は実力が物を言う世界。就職活動においても、その後のキャリアアップにおいても、優れた実績が求められます。そのため、常に感性や技術・知識を高めるための努力が必要です。

クリエイティブディレクター職に転職する

広告やイベントのプロジェクトで経験を積んだ方であれば、他社のクリエイティブディレクター職に転職するという方法もあります。採用が決まれば、すぐにクリエイティブディレクターとして働けるでしょう。
とはいえ、クリエイティブディレクター職の中途採用における条件レベルは高く、経験はもちろん優れた実績も必要とされます。アピールできる実績を積んでおくことが大切です。

クリエイティブディレクターに求められる資格や試験

クリエイティブディレクターには、必須となる資格や試験はありません。
ただし、デザインに携わる職業として、実務に役立つ資格は存在します。

そして、その代表的なものとしては、「Photoshopクリエイター能力認定試験」または「Illustratorクリエイター能力認定試験」が挙げられます。ここからは、それぞれの概要をご紹介しましょう。

Photoshopクリエイター能力認定試験とは

代表的な画像編集ソフトである「Photoshop」を扱う能力を測る認定試験です。
サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が主催しており、試験のレベルはスタンダードとエキスパートという2種に分かれています。

Illustratorクリエイター能力認定試験とは？

Photoshopと並んでメジャーな画像編集ソフト「Illustrator」を扱う能力を測る認定試験です。こちらも同じくサーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が主催しており、試験レベルはスタンダードとエキスパートに分けられています。

クリエイティブディレクター難易度や試験について

Photoshopクリエイター能力認定試験の難易度と概要

Photoshopクリエイター能力認定試験における総合平均合格率は72.3%(年度不明)です。目安の学習時間も20時間前後なので、きちんと学習を行えば確実に合格を狙える、比較的優しいレベルだと言えるでしょう。
試験概要については、以下の表をご覧ください。

※2019年の試験概要です。

Illustratorクリエイター能力認定試験の難易度と概要

Illustratorクリエイター能力認定試験における総合平均合格率は、70.4%(2018年度)です。こちらの目安学習時間も20時間程度であり、難易度はそれほど高くないと考えられます。
試験の概要については、以下の表をご覧ください。

※2019年の試験概要です。

今後のクリエイティブディレクターの将来性

広告などのプロモーションツールやイベントは、景気に大きく左右される分野です。特に近年は、雑誌や新聞などの紙媒体が衰退傾向にあるため、紙の広告の制作は減少の可能性を孕んでいます。

しかし、紙媒体に反比例して上昇しているのが、ウェブ広告やウェブページです。インターネットが普及した現在、ウェブを用いた広告は多数制作されています。
このように、ウェブ上でのクリエイティブディレクターが手掛ける案件は増加傾向にあるため、今後クリエイティブディレクターの関わる仕事が急減に減少するようなことはないと考えられます。

とはいえ、クリエイティブディレクターは総合的な実力が求められる職業。長く続けるためには、センスを磨いたりマーケットを調査したり、スタッフとまめなコミュニケーションを取ったりと、責任者ならではの努力が求められるでしょう。

クリエイティブディレクターの就職先

クリエイティブディレクターの就職先としては、広告関連会社や出版会社、制作会社、イベント関連会社などが挙げられます。

ただし、これらの会社に就職したとしても、すぐにクリエイティブディレクターになるのはほぼ不可能でしょう。クリエイティブディレクターはプロジェクトを総合的に指揮するため、実力だけでなく、豊富な経験も求められるためです。

広告やイベント関連の会社でプロジェクトの経験を積み、その実績が認められた場合には、クリエイティブディレクターにキャリアアップできる可能性があります。

クリエイティブディレクターに向いているのはこんな人

クリエイティブディレクターは、チームや制作をマネジメントし統括することが仕事です。そのため、高いリーダシップはもちろん、適切な判断力が必要とされます。また、うまくチームを回したりクライアントからニーズを引き出したりすることも重要な役割なので、優れたコミュニケーション能力を持っている方はクリエイティブディレクターに向いていると言えるでしょう。

また、クリエイティブディレクターはクリエイター達に的確な指示を出すため、クリエイターとしてのセンスや創造性に富んでいることも重要です。

クリエイティブディレクターに関連する職業や資格

クリエイティブディレクターに関連する職業

クリエイティブディレクターに関連する職業としては、以下のようなものが挙げられます。

• アートディレクター
• ウェブデザイナー</li
• グラフィックデザイナー
• イラストレーター
• コピーライター
• カメラマン
• 映像クリエイター
• プロデューサー
• エディター
• ライター
• プランナー

これらの職業は、全て広告やプロモーション、イベントなどの制作に関わるものです。クリエイティブディレクターは、このような職業の人々とチームを組み、リーダーとしてプロジェクトを進行していきます。

クリエイティブディレクターに関連する資格

クリエイティブディレクター関連する資格としては、先ほどご紹介した「Photoshopクリエイター能力認定試験」や「Illustratorクリエイター能力認定試験」の他にも、以下のようなものがあります。

• アドビ認定エキスパート試験
• DTPエキスパート認証試験
• カラーコーディネーター検定
• 色彩検定

クリエイティブディレクターは、自らデザインを行うことは少ないですが、適した指示をチームに出すためには、ソフト関連の資格や色彩に関わる資格を持っていて損はありません。豊富な知識は、チームの指揮を助けてくれるでしょう。