保育士になるには
- 2020.05.14
保育士の概要や仕事内容
保育士とは
保育士とは、保護者から預かった子どもの保育を行う職業です。主に保育園で勤務し、身の回りの世話をしたり、習慣や感性の教育を行ったり、遊び相手になったりと、保護者に代わって子ども達のケアを行っています。
保育士が預かる子どもの年齢は、生まれてから小学校に上がるまでの0歳〜6歳。年代によってはもちろん、性格によっても適した保育の仕方は違うため、保育士は子どもひとりひとりと向き合いながら保育をし、時には保護者への指導やアドバイスも行っています。
また、共働き家庭が多い日本社会にとって、保育士は大きな役割を担っています。少子化が問題視される中でもそのニーズは高く、女性の社会進出が叫ばれる中で、その働きはより重要なものとなっていくでしょう。
保育士の仕事内容とは
保育士の仕事内容は、多岐に渡ります。
そして、そのメインとなるのは、預かった子どものお世話や教育。子ども達とともに遊んだり歌を歌ったり学習をしたりしながら、さまざまな事を教え、サポートしていきます。この具体例としては、着替えやトイレ、食事の補助や屋内外での遊び相手、お絵かきや歌、工作の指導などが挙げられます。また、いけないことは駄目だと教えたり、園児同士の協調性を身に付けさせたりすることも、保育士の大切な仕事です。とはいえ、担当が0歳児や1歳児など幼い子どもの場合であれば、遊び相手よりもお世話がメインになるでしょう。
また、保護者対応や行事に関する準備も、保育士の仕事のうち。園児ひとりひとりの連絡帳を確認して報告を書いたり、気になったことは直接伝えたり、また保護者からの相談を受けることもあるでしょう。さらに、遠足や発表会、季節の行事に関する企画や準備も、お世話の合間やお迎え後に行わなくてはなりません。
このように、保育士の仕事は盛り沢山。保育士同士のチームワークや時間のやり繰りにより、多くの仕事をこなしています。
保育士になる方法
保育士を目指すなら、まずは高校卒業後に、保育士養成カリキュラムのある大学や短大、専門学校に入学、保育について学ぶのが一般的です。そして、その後保育士試験を受けて「保育士資格」を取得し、保育園や施設などで保育士として就職するというのが、一連の流れになります。また中には、資格試験を別に受験しなくても、修了することで「保育士資格」を取得できる養成学校も存在します。
ただし、保育士になるためには必ず保育系の学校を出ていなければならないというわけではありません。独学や通信教育で学んだ場合であっても、「保育士資格」を取得さえすれば、保育士として働くことができます。しかし、実習やカリキュラムの充実という点では、独学や通信教育よりも保育系学校での学習が有利になるでしょう。
保育士に求められる資格や試験
保育士に求められる資格は、「保育士」資格です。
この「保育士」資格とは、保育士として働くために必須となる国家資格。厚生労働大臣が指定する保育士養成施設修了者、もしくは保育士試験合格者に与えられるもので、施設卒業後、または試験合格後に申請を行うことで正式な資格を得ることができます。
また、近年「保育士」資格の受験者数は増加傾向にあり、その受験者数は約7万人にも上っています。学生だけではなく、社会人や主婦が試験にチャレンジするケースも多く、社会的に注目されている資格だと言えるでしょう。
難易度や試験について
保育士試験の合格率は約20%と低く、非常にレベルが高いことがわかります。
試験概要は、以下をご覧ください。
受験日程 | 筆記4月実技6月、筆記10月実技12月 |
受験料 | 12950円(税込) |
試験会場 | 各都道府県の大学、施設など |
試験形式 | 筆記試験、実技試験(筆記合格者のみ) |
試験時間 | 8時間(4時間を2日間) |
受験資格 | ・4年生大学、短大を卒業したもの
・学校教育法に基づいた専修学校、かつ修業年限2年以上の専修課程を卒業したもの ・1991年3月31日以前に高校を卒業したもの ・1991年4月1日以降に高校を卒業し、児童福祉施設で2年以上かつ2880時間以上の実務経験があるもの ・児童福祉施設で5年以上かつ7200時間以上の実務経験があるもの ※その他例外あり |
合格条件 | 各分野6割以上の得点率(筆記) |
※2020年現在の試験概要です。
今後の保育士の将来性
近年、日本では女性の社会進出が進み、共働き世帯が増加傾向にあります。それにより、保育園の需要も増えてきました。そして、ひとりひとりの所得水準が上がりにくい経済状況が続く以上、この傾向は続くと予想されます。また、子どもの保育はIT技術で代替することはできず、必ず人の手が必要になります。こういった背景を考えると、保育士という職業の将来性は高く、これからもそのニーズは高まっていくでしょう。
今現在、全国的に見ると保育士の人数は不足しています。それに伴い、保育園に入れず入園待ちをしている子ども達も少なくはありません。その背景には、保育士の待遇面における問題がありますが、ここ数年政府はその改善策を打ち出しており、徐々に状況が改善される見込みもあります。今後、保育の現場を充実させるためには、保育士のなり手が増加するようなさらなる待遇の見直しが必要となるでしょう。
保育士の就職先
保育士の就職先は保育園ですが、その保育園も自治体が運営する公立保育園と民間が運営する私立保育園に分かれています。
公立保育園の場合、そこで働く保育士は公務員にあたるため、就職のためには公務員試験に合格しなければなりません。また、私立保育園と比べて待遇が優れていることも多いことから、公立保育園への就職は競争率が高い傾向にあります。
一方の私立保育園は、認可保育園と無認可保育園に分かれ、それぞれの園によって個性があるのが特徴です。待遇も園によって大きく異なるので、就職活動を行うには事前のリサーチが必須でしょう。
保育士の平均年収・MAX年収
保育士の年収は、勤める保育園や勤続年数によっても変わりますが、一般的には340万円前後だと言われています。これは月収に換算すると23万円程度であり、400万円代後半である日本全体の平均年収と比較すると、やや低い水準にあります。
保育士の給与水準の低さは、近年問題視されるようになり、改善策も講じられてきました。しかし、まだまだ待遇の改善が進んでいないのが現実です。待遇面を一因とする保育士不足も深刻であり、年収をはじめとした改善が求められます。
保育士に向いているのはこんな人
保育士に向いている人の条件としては、まず小さい子どもが好きであることが挙げられます。保育士は、1日の大半を多くの子ども達と過ごす仕事。子どもが好きでなければ、務まらないでしょう。
また、子どもは体調を崩したり怪我をしたりしやすいため、保育士によるケアは必須です。中には、助けを求めたいのに言い出せない子もいるでしょう。子ども達の様子をしっかりと見て万全なケアを行うためには、視野を広く持ち周りに良く気がつける能力や適切な判断力、冷静さも大切です。
さらに、子どもと遊んだり学んだりしながら、事務作業を行う保育士の仕事には、体力が必要です。保護者に気をつかうことも多々あるでしょう。よって保育士には、体力的・精神的なタフさも求められると考えられます。
保育士に関連する職業や資格
保育士に関連する職業
保育士に関連する職業には、「幼稚園教諭」や「 ベビーシッター」、「チャイルドマインダー」などがあります。これらはどれも幼い子どもを預かって保育をする職業であり、幼稚園や施設、個人宅などで業務を行なっています。
また、海外で一般的な保育業には「ナニー」と呼ばれるものがあります。これはより幅広い子どものお世話や教育をするベビーシッターに近い職業で、中には住み込みで働く場合もあり、特にイギリスでは伝統ある職業として知られています。
保育士に関連する資格
保育士に関連する資格は、先ほどご紹介した「保育士」の他にも存在します。主な例をご紹介しましょう。
- 幼稚園教諭資格
- チャイルドマインダー
- ベビーシッター
- チャイルドコーチングアドバイザー
- チャイルドケアコーディネーター
- チャイルドカウンセラー
- ベビーマッサージ
- 乳幼児教育アドバイザー
これらの資格は、子どものケアや教育に関する内容となっており、それぞれで特化した分野が違っています。保育士以外の資格は保育士にとって必須ではないですが、取得しておけば実務に役立てられるでしょう。
保育士になれる専門学校はこちら-
前の記事
柔道整復師になるには
-
次の記事
サウンドクリエイターになるには