経営コンサルタントになるには
- 2020.02.28
経営コンサルタントの概要や仕事内容
経営コンサルタントとは?
コンサルタントとはコンサルティングを行う人のことを言います。
コンサルティングというのは特定の分野において、指導やアドバイスする業務のことを言います。
そのうち経営コンサルタントは企業などの役員や経営者に対して、コンサルティングサービスを行う人のことを言います。
経営コンサルタントの仕事内容とは?
経営コンサルタントは企業の課題解決に向けて経営のアドバイスを行うスペシャリストです。
依頼者から経営状態などをヒアリングし、課題を分析し、的確で最適な解決策を提示することが主な仕事です。
具体的な業務内容としては
・課題解決策を示す
・戦略を策定する
・業務改善案を出す
・M&A戦略を行う
・現場のアクションプランを立てる
いったアドバイスなどを行い、企業の発展を手助けしていきます。
どの業務も経営や社会経済などの豊富な知識と、情報処理能力、経営状態などを詳細に引き出し良好な関係を築くためのコミュニケーション能力などが必要とされます。
経営コンサルタントになる方法(資格取得方法等)
経営コンサルタントになるために必要な資格はありません。
そのため例えば実務経験がない状態で企業に採用されたとしても、自ら勝手に名乗ったとしても経営コンサルタントになることはできるということになります。
しかし、前述したとおり経営コンサルタントは豊富な知識や能力が必要となりますので、経営コンサルタントとしてやっていくためには経営経験が(豊富で)ある、業界のことに詳しい、経営の知識が豊富であるなど、一定のスキルが求められることは間違いありません。
事実、有名な経営コンサルタントの経歴を見てみると、世界トップクラスの大学で経営学を修了している方や、有名企業でコンサルティングを行っていた方がほとんどです。
そこで一つ気になったのが、有名な経営コンサルタントの方の経歴に多く見られた「MBA」という文字です。
MBAというのは「Master of Business Administration」の略で、日本では経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位です。
学位であるため資格ではないのですが、MBAの学位を持っている方は経営コンサルティングファーム(企業の課題を解決するための会社のこと)の就職や昇級などで優遇される傾向にあるそうです。起業して活躍するケースも多くあります。
大学院で経営に必要な高度な知識やスキルを修得した者に授与されるMBAの学位は、経営コンサルタントとして働きたい場合は取得しておきたい学位となっています。
MBAについて
ではMBAについてもう少し詳細にチェックしていきましょう。
MBAのカリキュラムは
・人的資源管理
・財務会計
・情報・マーケティング
・統計学
・経営学
などの科目を中心に構成されており、経営に必要な知識や技術を学ぶことができます。
また、ただ座学として学ぶだけではなく、現場で実践することができるように仲間の前でプレゼンテーションを行ったり、実際に活躍する経営者との間で意見交換を行う機会を設けたりと、様々な実践も行っています。
●MBA上位校
大学院で経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位のMBAですが、通信教育でもこの学位を取得することは可能です。(なお、通信教育でMBAの学位を取得したからといって大学院を卒業したことにはなりません。あくまで学位を取得しただけと言うことになります。)
じゃあわざわざ大学院に行かなくてもいいじゃん、と思うかもしれませんが、大学院に行くにも意味があります。それがわかるのが毎年発表される「MBA上位校」というランキングなのですが、このランキングは入試に必要なスコアや学部時代の成績だけではなく、卒業後の就職率や給与水準、企業採用担当者からの評判、学生の満足度、教授の研究実績、学生の多様性、など様々な基準で採点されています。
つまりこのランキングはMBAの価値を判断する重要なものなのです。
価値ある大学で学位を取得したとなれば、卒業後の就職や転職に有利なことは間違いありません。
では、上位校のランキングはというとファイナンシャルタイムズが発表している2019年の上位5位は
①スタンフォード大学経営大学院
②Insead
③ペンシルベニア大学
④ロンドンビジネススクール
⑤ハーバードビジネススクール
となっています。
なお、日本では2018年に名古屋商科大学ビジネススクールが同社のランキングで国内大学では初めて上位20位のうち18位にランクインしました。
ただし、ランキングを発表している会社によってランキングが異なるので、あくまで指標です。とはいえ、有名な経営コンサルタントや経営者の多くはランキング上位の大学院などでMBAの学位を取得しています。
今後の経営コンサルタントの将来性
日本の企業の90%以上は中小企業が占めていると言われています。
また、この企業の多くは課題を抱えているということです。
これらの企業の課題を解決するために、これから経営コンサルタントが活躍すると考えられています。
実際にコンサルティング業界の市場規模は拡大しており、需要は増えています。
海外に進出する企業が増えていることや、改革を求める企業もあるためこれからも需要があり続けると考えられますので、将来性は十分にあると言えるでしょう。
経営コンサルタントの就職先
MBA取得者が選ぶ就職先としては
・IT関連会社
・インターネット関連会社
・コンサルタント専門会社
・コンサルティングファーム
・金融会社
・商社
などが挙げられます。
また、独立して経営コンサルタントとして活躍する方もいらっしゃいます。
経営コンサルタントの平均年収・MAX年収
平均年収.jpのランキングによると、経営コンサルタントの上位30位までの平均年収は約709万円となっています。
ランキング1位の企業の年収は1,741万円と高額です。
なお、世界トップクラスのコンサルティング会社の年収は最大5,000万円にもなるそうです。
経営コンサルタントに向いているのはこんな人
経営コンサルタントに向いているのは次に挙げる要件に当てはまるような方です。
・責任感がある人
・相手の期待以上の付加価値をつけることができる人
・論理的思考ができる人
・高いコミュニケーション能力
・常に成長する意欲のある人(学び続けられる人)
・数字の分析が好きな人
・英語力に長けている人 など
高いお給料をもらえるお仕事である分、求められる能力はかなり高いものです。
経営コンサルタントの相手は大企業の上役や経営者ですので、緊張感のある仕事をすることになりますし、問題を解決できなかったら高額の費用を相手に無駄にさせてしまうことになります。相手の規模によっては専門性の高い分析をし、解決策を出さなければならないため寝る時間を削って仕事をすることもあると言います。
仕事の難しさだけではなく責任も重く、ストイックにこなしていかなければならない大変な仕事であることをわかった上で、依頼者のための縁の下の力持ちになる気持ちがある人が経営コンサルタントに向いていると言えるのではないでしょうか。
経営コンサルタントに関連する職業や資格
関連する資格
公認会計士
公認会計士は企業の監査と会計を専門分野とする国家資格です。
公認会計士が持つ財務・会計・経営管理などの専門知識は、経営コンサルタントが企業の課題や問題点を数値から分析し解決案を出す際に生かすことができるのです。
公認会計士は、戦略系の経営コンサルタントよりも財務会計系の経営コンサルタントに向いている資格です。財務会計系の経営コンサルタントを目指す方で、他と差別化したい場合は有効な資格と言えるのではないでしょうか。
中小企業診断士
中小企業診断士は経営コンサルタントの唯一の国家資格です。
財務や会計、マーケティング、人事管理といった経営に関することを幅広く勉強できるため、経営コンサルタントの業務にその知識を生かすことができます。
ただしあくまで中小企業を対象にした経営コンサルティングの資格ですので、大企業を依頼主とする外資系経営コンサルティングファームではあまり有利な資格だとは言えません。
自分がやりたい仕事の依頼主は誰なのかよく考えてみて、大企業を相手に活躍したいと考える場合はこの資格は必要ないと言えます。
TOEIC
英語力を証明する資格といえばTOEICですね。
特に外資系の求人には「ビジネスレベル以上の英語力を要する」などという採用要件が多く、もはや求人情報すら英語で書いてあります。
TOEICは「TOEIC○○点」というようにスコア制となっており、合格不合格ではなくこのスコアが高ければ高いほど英語力があることの証明となります。
なお、外資系で働くためには少なくとも800点はなければ厳しく、経営コンサルタント業界のTOEICの中央値は880点というデータもありましたので、高得点を取得できるように勉強しておきましょう。
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