建築施工管理技士になるには

  • 2020.01.29
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建設施工管理技士の概要や仕事内容

建設施工管理技士とは?

建築施工管理技士とは、施工管理技士国家資格のうちの1つです。
施工管理技士は以下の7種類があります。

  • 建設機械施工技士
  • 建築施工管理技士
  • 電気工事施工管理技士
  • 土木施工管理技士
  • 管工事施工管理技士
  • 造園施工管理技士
  • 電気通信工事施工管理技士(2019年新設)

施工管理技士は建設物を安全に完成させるために工事全体を管理監督する仕事で、工事現場に設置することが法律で義務付けられているため建設会社などには必要不可欠な存在です。

このうち建築施工管理技士は建設工事に従事する者の技術力向上を図ることを目的として、建設業法第27条に基づいて一般財団法人建設業振興基金が実施する国家試験で、1級に合格すると特定建設業の営業所の専任技術者(または監理技術者)、2級に合格すると一般建築業の営業所の専任技術者(または監理技術者)になることができます。

建設施工管理技士の仕事内容とは?

建設施工管理技士は依頼者や設計者との打ち合わせ、現場の指導監督などを行います。
業務の主な内容は次の4つで「4大管理」と言われています。

●原価管理
材料費や原材料費など、あらかじめ決められていた予算内で建設を進めることができるように工事の費用を管理していきます。
予算をオーバーしてしまうと建設会社などの利益が減ってしまうので、予算管理はとても重要なのです。

●工程管理
建設工事にはスケジュール(工程)が組まれています。
スケジュール通りに建物を完成させて引き渡しをすることができるように、スケジュールを最初から最後まで把握し、作成しなければなりません。
工事にかかわるのは大工工事、とび、左官工事、電気工事、内装工事など多くの職人です。職人たちのスケジュールを組み、スケジュールに合わせて資材などの発注を行います。
当然規模が大きくなればなるほど工事の内容が増え、それに伴い職人の数も増えます。そこで建築施工管理技士の知識を持ってきちんと期日までに間に合うようスケジュールを作成し、管理していくのです。

●品質管理
発注者が求めたデザイン、材質、強度、寸法や機能など、建築工事を行う前には設計図を作成します。この設計図に沿って建物の建築を進めていくのですが、建築施工管理技士は設計図の内容通りに作成されているかどうかを作業ごとに品質確認をしていきます。
品質を証明するために、写真などを含めた施工記録を残します。

●安全管理
建築現場では高所作業があったり大きな機器を使用することがあったりしますので、重大な事故が起こる可能性があることは否定できません。そのため建築現場の安全管理は必要不可欠なのです。
建築施工管理技士は事故が起こることがないように危険を予測し、職人たちが安全に工事を進めていくことができるよう安全管理を行います。
具体的には職人の健康管理や安全教育、熱中症対策、機器の安全性の確認、消火設備の設置、手すりの設置など、建築現場のあらゆる安全管理を行わなければなりません。

この4大管理が建築施工管理技士の主な業務で、建築工事を成功させるための重要な業務です。
建築施工管理技士には1級と2級があるのですが、4大管理などの業務内容は同じです。ただし、扱える工事の種類に大きな差があります。1級は制限なくすべての業務を行うことができるのですが、2級は「建築」「躯体」「仕上げ」の3つの資格に分かれており、それぞれ取得した資格によって扱える業務内容が異なります。すべての業務をこなすことができるようになるためには3つの資格すべてを取得する必要があります。
資格ごとに取得できる業務内容は次の表のとおりです。

建築工事の種類 級区分
1級 2級
建築 躯体 仕上げ
建築一式工事
大工工事
左官工事
とび・土工・コンクリート工事
石工事
屋根工事
タイル・れんが・ブロック工事
鋼構造物工事
鉄筋工事
板金工事
ガラス工事
塗装工事
防水工事
内装仕上工事
熱絶縁工事
建具工事
解体工事

建設施工管理技士になる方法(資格取得方法等)

建設施工管理技士になるためには建設施工管理技士資格試験に合格しなければなりません。
試験には受験資格があり、学歴ごとに必要な実務年数が異なります。
ここからは1級建設施工管理技士についてみていきます。

受検資格の一例をチェックしていきましょう。
大学卒業…指定学校を卒業している場合、実務年数は卒業後3年以上
指定学校を卒業していない場合、実務年数は卒業後4年6か月以上

短大・5年制高等専門学校…
指定学校を卒業している場合、実務年数は卒業後5年以上
指定学校を卒業していない場合、実務年数は卒業後7年6か月以上

高校卒業…指定学校を卒業している場合、実務年数は卒業後10年以上
指定学校を卒業していない場合、実務年数は卒業後11年6か月以上
※一定条件を満たせば2年短縮可能。

2級建築士合格者…合格後、実務年数5年以上

2級建設施工管理技士…合格後、実務年数5年以上
※一定条件を満たせば2年短縮可能。

このように、学歴ごとに実務年数をクリアした人が受験資格を得ることができます。

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資格難易度や試験について

試験について

建設施工管理技士の国家試験は毎年6月頃行われます。
合格率は学科の合格率が約40数%、実地の合格率が約40%となっておりますので、決して高い合格率とは言えません。

●試験の概要
※下記は2020年度の試験の日程です。
願書販売開始日:2020年 1月17日(金)

願書受付期間:【学科】2020年 1月31日(金)~2月14日(金)
【実地】
学科免除者:2020年 1月31日(金)~2月14日(金)
2020年度学科合格者:
2020年 7月17日(金)~7月31日(金)

試験日程:【学科】2020年 6月14日(日)【実地】2020年 10月18日(日)

試験地:【学科・実地ともに】札幌・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・広島・高松・福岡・沖縄
※受験票により確認する

試験科目:※2019年度の例です。
【学科】出題形式は四肢択一。
午前の部
・建築学
・共通
・躯体施工
・仕上施工
・施工管理法
午後の部
・施工管理法
・法規

【実地】出題形式は記述式。
・施工経験記述
・安全管理
・躯体施工
・仕上施工
・施工管理
・法規

合格発表:【学科】2020年 7月17日(金)
【実地】2021年 1月29日(金)

今後の建設施工管理技士の将来性

2020年の東京オリンピックで建設需要が高まっていることはもちろん、その後も団塊世代が建てた家屋の建て替えやリフォームで一定の需要があること、また団塊世代の退職などによる建築施工管理技士の減少などもあり、これからも建築施工管理技士の需要は増す一方です。

実際に大手のゼネコンをはじめ多くの建設会社などで建設施工管理技士の求人が出ています。
これらのことから将来性は十分にあるといえるのではないでしょうか。

建設施工管理技士の就職先

・大手、中堅、地場ゼネコン
・デベロッパー
・不動産管理会社
・ハウスメーカー
など、建設業界が主な就職先となります。

建設施工管理技士に向いているのはこんな人

なんといっても多くの職人をまとめるにあたって求められる高いコミュニケーション能力です。職人たちは職人気質といわれるように、気難しさや真面目さがあり仕事に誇りを持っている人たちです。
その人たちをまとめられるだけのリーダーシップと、高圧的にならず、それであってきちんと意見を通すことができるコミュニケーションによって信頼感を築くことができる人が建設施工管理技士に向いているといえます。
同時に4大管理を確実に正確に実行することができる真面目さも求められます。

建設施工管理技士に関連する職業や資格

関連する職業

ほぼすべての建設現場で活躍するために必要な資格として
・1級建築士
・1級管工事施工管理技士
・1級電気施工管理技士
・コンクリート主任技士
等があげられます。
中でも1級建築士とのダブル資格を持っている方はかなり重宝されるようですので、1級建築士について簡単に触れておきましょう。

●1級建築士
建築士は建築士法に定められている国家資格で、建物の設計業務や工事監理、建築に関わる各種手続や図面の作成などを行う職業です。
建築士にも2級や木造建築士などがありますが、建築施工管理技士と同じく行える業務の範囲が異なります。建築士のすべての業務を行うためには1級が必要です。

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